C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
新訳 淫妖蟲 フルパック (TinkerBell)
2017/5/26
©TinkerBell/Cyberworks
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:9440字)
<本編ストーリー>
人を害する怪異の解決を請け負う退魔屋本舗黒猫支店。鵺の夜が所長を務めるそこで、橘木ヤマトは幼馴染の深琴、武の白鳥姉妹と共に退魔師として働いている。そんなある日、隣町の山あいにある春秋学園から除霊の依頼がもたらされた。猪突猛進のヤマトと幽霊嫌いの深琴には難儀なその仕事は、符術に長けた武が適任だった。退魔屋にとってはありふれた何でもない仕事。だがそれから数日が過ぎても、武が連絡を寄越さないというのは普通の話ではなかった。
武を追って学園に足を運んだヤマトと深琴。だが依頼を終えて消息知れずと語る、病欠の学園長の代理だという生徒会長の御崎の話は、ヤマトたちの認識と食い違うばかりだった。ともかく、二人は学園に生徒という身分で編入し武の足取りを追うことにした。そんな中でヤマトは幼い頃に別れ離れとなった少女、香山水依と再会する。学園に痕跡を残さずにいた武。その存在を一般生徒の中で、人並み外れた霊力を秘める水依だけは知っていた。二人に協力する水依を見つめる眼差しに、疑わしい御崎を何かと庇うような振る舞いと、ヤマトと深琴は互いの言動に説明のつかない苛立ちを募らせるようになっていく。(※1)
そのすれ違いもじきに克服し、水依が手繰り寄せた武の気配を追う二人は御崎と相対する。西洋妖魔の姿を現した御崎、インプであるその力は予想外のもので、窮地に陥る二人。それを救ったのは武だった。再会を喜び合う、だがその夜。想像もつかない淫靡な姿と顔で迫ってきた武に、ヤマトは激しく狼狽する。(※2)
深琴が目を覚ますまで、どうにかヤマトはその色気に堪える。そうして消えた姿を追う二人は空き教室で、武に何が起きたのかを悟った。何人もの男たちに犯されながらその肉塊の中でよがり狂い、そして化け物を産み落とす武。激昂、悲嘆し、それでもなお深琴は、その哀願に反し妹の命を救うことに賭けた。雷光剣の霊撃で武の脳に巣食う蟲を両断した深琴は、ようやくその手に妹を取り戻す。
三人の力を合わせインプを完全に滅ぼした後、武はその黒幕の存在を語り始める。西洋の大妖ナイトメア。学園丸ごとを生贄とし、この世界と異世界を繋げるつもりだと。それを阻むべく水依の力を借りた結界をぶつけ、校庭に施された夢魔の魔結界を消滅させた武。だがヤマトたちはおろか、危機を悟って現れ力を全開にした夜さえもナイトメアは圧倒する。(※3)
それでも諦めるわけにはいかない。ヤマトは母から受け継がれ封印された鬼の力を使うことを迫られる。全く制御の効かないそれを鎮めるには命を絶つしかない。深琴たちを背にしてナイトメアを阻む為に、ヤマトはその力を開放する。東西の大妖同士の戦いは壮絶なものとなったが、鬼の爪が先に夢魔の肉体を切り裂いた。
そしてその暴走は夜が放った術によって、ヤマトの肉体と魂を切り離すことで止められる。避けられないヤマトの犠牲だが、その内に僅かに残されていた人の心に一同は賭けた。深琴が精神世界に潜り、沈むヤマトを引き上げる、途轍もない危険を孕む行為。だが暴風が吹き荒れる心象世界を越えて深琴は、独りうずくまる幼い姿のヤマトの手を引いて生還する。
そうして黒猫支店始まって以来の大事件は幕を閉じた。戻ってきた、ヤマトを取り巻く賑やかな日常。そこに退魔師見習いの水依を加えて。彼らの物語はここから始まっていく。
<贄バッドエンド>
(※1)
売り言葉に買い言葉で憤慨し学園を去ったヤマト。そんな隙間を埋めたのは御崎だった。心傷に甘い慰めを塗り込められた深琴は言われるがままに恋人という言葉を受け入れていく。御崎に抱かれながら愛をささやきあうその度に濁っていく自身の瞳に、深琴は気づいていなかった。それは汚泥の中で見る夢のように重く、抗いがたい。校門前に放置された裸に熱い昂ぶりを燃やすほどに。(※4)
通りがかりの男たちにその姿を目撃された深琴は、自暴自棄のまま流されていく自身を止めることができない。男たちに犯され、それを撮影される日々。いつしか有名な裏AV女優とされていた深琴は、誰のものとも知れない種で膨れ上がった腹、その現実に押し潰されない為に心を偽り続けている。
そして訪れた出産の時、気づけば周りの全ての生命が消えていた。そこには御崎の姿だけがある。主の為の味付け。そう言い放たれた言葉に続けてそれが現れる。ナイトメアに貪り食われる中で、今ようやく思い出したヤマトや武の後を追える、その生の終わりに深琴は心から安穏するのだった。
<母体バッドエンド>
(※4)
それを男子生徒たちに目撃された深琴は学園の性処理役に貶められていく。止むことのない陵辱の中、その日も深琴は保健室で犯されている。だがそこに、カーテン越しに懐かしい声が響いた。武に続いて深琴までもが連絡を断ったことでさすがに意地を張り続けられない。(※5)
こんな姿をヤマトにだけは見せられない。そんな一心で再びその声を拒絶した深琴。そうして戻った腐臭のする日常、だがそれにも唐突な終わりが訪れる。御崎が正体を現し、深琴は夢魔の手駒を作り出す母体として見初められた。妖魔の巣となった深琴の胎内は、ナイトメアの精を受け妖魔を生み出し続ける。理性を手放しその快楽に身を任せれば、それは幸せですらあった。
<厄災バッドエンド>
(※5)
硬直するヤマトの前で腰を振る下卑た男子生徒。だが彼はその愚かさに気づいていない。上半身を吹き飛ばされ肉塊となっていることにも恐らくきっと。
怒りと憎悪に飲まれたヤマトは荒唐無稽な昔話にでもあるような、飢えた悪鬼となった。それを止められるような者は人にも妖魔にも存在しない。その可能性を持つ深琴の命はたった今ヤマトの手によって摘み取られた。そして後にはその時間が尽きるまで目につくもの全てを殺し尽くす厄災だけが残される。
<苗床バッドエンド>
(※1)
その夜、学園の探索中に下級妖魔の襲撃を受ける二人。普段なら歯牙にもかけない出来損ないの触手に不覚をとってしまう。触手に種付けされ自らが産み落としたそれがヤマトの遺体を糧に育っていく、その光景は深琴の精神を蝕み尽くす。そうして深琴は雑多な妖魔を生み続ける下級妖魔の苗床となった。自らが産んだ蟲に使い潰された身体を貪られながら、深琴はようやくヤマトの元に逝けることに安堵して意識を手放す。
<悪夢バッドエンド>
(※2)
誘惑に屈し、武の肌に吸い寄せられるヤマト。だがその胎内から産み落とされたものはヤマトの正常な判断を奪ってしまう。そしてその光景を目撃した深琴共々、武の陰に囚われた。(※6)
気がつけば深琴は学園の生徒たちに囲まれていた。側には拷問の痕を手酷く残したヤマトが息も絶え絶えのまま横たわっている。その命を秤にかけられ、御崎の言葉をはね退ける術がない。その日から男子生徒たちに休みなく犯される深琴。だが人間の交尾と繁殖が繰り返されるインプの仕込みは、主の不興を買ったようだった。顕現したナイトメアは使い捨てとして深琴を扱うことを決める。その一度きりで着床し、直後腹を裂きながら現界する夢魔の分身。身体の芯が冷えていく中で深琴の脳裏に浮かんだのは幼い頃のヤマトたちとの思い出だった。深琴は最後の力でその温もりに向かって手を伸ばす。
<玩具バッドエンド>
(※6)
正気を失ったヤマトと武が動物の繁殖本能を剥き出しにしてつがう、その光景を視界におきながら、インプに種付けされる深琴。そしていつしか深琴は身体を作り変えられ、戯れか幼い頃の体躯に戻されてしまっていた。全く不釣り合いな対比、身の丈を優に超える蟲に伸し掛かられ腹をはちきれんばかりに膨らませる、この世ならぬ官能。それに深琴は永遠にもだえ狂う。
<魔宴バッドエンド>
(※3)
深琴の恐怖の忘我を利用し、彼女を庇おうとしたヤマト、そして夜を殺害したナイトメア。精神の支柱を失った深琴たちは容易く捕らえられる。夢魔の分身を宿すことができるよう胎内を作り変えられた三人。だが数百の眷属を生み出し続けた、その永遠とも思える日々にも終わりが訪れた。もはや出来損ないしか産めなくなった三人は体内に穿たれた触手を通して処分され始める。人生の終着にその生を燃やし尽くすような快楽を味わいながら逝けた三人は、あるいは幸せだったのかもしれない。
<武編ストーリー>
春秋学園に潜入した武は強い霊力を秘める水依の証言から、霊などではなく、この学園に巣くう妖魔の存在を疑う。夜の学園に下級妖魔が姿を現したことでそれは確信へと変わった。(※7)
そして濃厚に漂い出す陰気。それは余りにも露骨で、罠であることは明白だった。事実、武は体育館で犯される女子生徒を目撃する。彼女を見捨てることはその矜持が許さない。現れた御崎に敵わなかった武は女子生徒の身代わりとなることを毅然と告げる。だが操られているとはいえ守るべき人間に汚される恥辱と初めて受けた粗野な暴力は、自らに課していた退魔師としての覚悟が夢想にすぎなかったことを暴いた。そして汚濁に塗れ朦朧とする武の前に現界したナイトメアは、母体となりうる深琴をおびき寄せるよう告げる。(※8)
姉を裏切ること、それは武にとって受け入れ難い。だがナイトメアから直接受ける幻夢を織り交ぜた責めはそんな意志をも蝕む。そして折れた心が身体を曲げ、武を敵の前に跪かせてしまった。
だが深琴とヤマトに救われ、ナイトメアは滅びた。それでも身体機能に霊力と、失ったものは大きい。これからは水依を育て、ヤマトたちを後方から支えていくことしかできないだろう。それでも救われた命の意味をヤマトたちに見い出して、武はこれからを生き続ける。
<末路バッドエンド>
(※7)
インプの罠に落ち、自身では想像だにできない責め苦を現実のものとして肉体に加えられる武。数え切れないほどの妖魔を孕ませられ、その身体はもはや限界だった。その武ににじり寄るものがあった。世話係といいながらその身体を貪ってきた男たち。瘴気に侵され人の形さえ失った同じ成れの果ての、なお武を求めるそれを、哀れで愛おしいとさえ思えた。それらと共に蟲の餌となりながら、武は大切な姉の名を呟き続ける。
<祝福バッドエンド>
(※8)
魂を押し潰すようなナイトメアの存在は自身が敵わなかったインプの比ではない。気がつけば武は心底恐懼していた。学生たちから隷奴のように扱われながら深琴を待ち続ける武。そうして全校生徒の前で性交を実演する中で待望の瞬間が訪れる。ナイトメアによって深琴は捕らえられ、共に母体となった。姉妹で妖魔を産み続けながら、時折余興のように武は深琴への種付けを許されている。姉の卵子に自身の遺伝子から作られた精子を掛け合わせる、それは武の秘めた願望だったのかもしれない。終わりが見えているのならばせめて少しでも長く。それだけが武の望みだった。
<水依編ストーリー>
幼い頃、いじめられていた自分を助け公園で遊んでくれていた少年。引っ越しでこの街から去っていった彼のことは、水依の中に今でも鮮烈な煌めきを残している。だがいざ思いがけなく再会したヤマト、その隣にはアイドルじみた見知らぬ少女がいた。地味で内気な、胸ばかりが育った恥ずかしい自分とはまるで違う深琴。そんな相手に敵うはずがない。(※9)
そんな自分にもできることがある、自分を変えたいと、ヤマトを見て思えた。そうしてヤマトたちを手伝い始めた水依。(※10)
助け出された武に霊力を託しナイトメアを滅ぼすきっかけの一つとなり、命を捧げる覚悟でヤマトの精神世界に潜った水依は、その献身と幾らかの幸運もあって温かな世界に戻ってくることができた。
事件を経て水依は、クラスメイトのからかいや意地悪に対してほんの少し勇気を奮い立たせることができるようになった。そして今では退魔師としての道を歩みだそうとしている。力のない誰かの為に、そして何よりヤマトの為に。取り巻く世界が少しずつ変わっていくように、夢に見たもの、それを口にできるほどに自分も変わっていけるだろうか。その日を夢見て水依は今日明日の一日一日を懸命に生きている。
<堕落バッドエンド>
(※9)
劣等感と喪失感に苛まれ二人の前から駆け出した水依は、気がつけば駅前に座り込んでいた。そんな水依に学園の用務員が声をかけてくる。それが責任感や善意ではないことは目つきからわかったが、傷心にある水依に手を振り払う気力は残されていない。
それ以来水依は時や場所を問わず呼び出されては調教されるようになった。それだけでなくことを知ったクラスメイトや不良たちにも。そうしてAVに身をやつしていくのはよくある話だった。事実を知った親から逃げ出しながら、水依は今でもそこからは逃げようとしない。薬を使っての出産。痛みに悦楽を見い出してよがり狂う水依も、その映像以外には頓着しない男たちも、もはや人のような何かでしかないのだろう。そんな腐臭を嗅ぎ取ったのか、小悪魔のような妖魔が水依の前に現れる。
妖魔の力を与えられた水依は全く無邪気に男たちを食い殺していった。腹を満たそうと再び現れた小悪魔さえも。そしてその存在を唯一覚えていた男さえも喰らい尽くした水依。満たされない飢餓を抱え、水依という名だった妖魔は今日も人海の底をさまよい続けている。
<冷熱バッドエンド>
(※10)
そんな中、水依はプールで妖魔に捕らえられてしまう。外界と遮断されたのか、ヤマトたちの助けはない。その時から水依は妖魔の巣に囚われ続けている。苦痛も、狂おしいほどの快楽も今はなく、ただ蟲たちを生み続けるのみ。(※11)
その最後の役目として、ナイトメアに幼い頃の姿に戻された水依はその命と引き換えに強力な妖魔を産む。幼い精神はそれに食われる恐怖に耐えられない。悲痛な叫びを残しながら、それが水依の最期だった。
<母性バッドエンド>
(※11)
妖魔の巣。そこに水依は今日もいる。胃の底のように溶解液の溜まった水底に。溶けてほぐれていく身体を自らが産んだ蟲たちに食まれながら、水依は幸福を感じていた。あるいは母に対する情けか、脳を冒された水依に苦痛はない。そうして終わりの時までを水依はゆりかごのようなそこで、我が子らとたゆたう。
<小春編ストーリー>
ヤマトと深琴、二人の転入生を抱えることになった担任の野原小春。生徒会長が学園長代理となって以来、学園に妙な空気を感じるようになっていた。(※12)
教師生活に悩んだ果てに、小春は全てを投げ出すことを決めた。婚約者、その人以外に大切なことなどあろうはずがない。身一つで遠方から追いかけてきた小春の行動に仰天していた婚約者だったが、今では穏やかな日々を過ごせている。保育所に勤めながら自身の中にも芽吹いた幼い命。新たな幸せが今ここにはある。
<淫夢バッドエンド>
(※12)
そんな矢先、忘れ物を取りに戻った夜の学園で蟲じみた化物としかいいようがないものと遭遇する。犯され孕まされ食われる。その全てがわけもわからぬまま。小春は自身を殺したものの正体さえ知らない。
<午睡バッドエンド>
(※12)
そんなある日、小春に男子生徒が声をかけてくる。体育教師に言い寄られた際の写真を使っての脅し。裸にならなければそれを婚約者に送りつけるという話など、冷静であれば取り合うべくもないものだった。だが教師生活に悩み婚約者に依存していた小春はそれを真に受けてしまう。
それ以来小春は男たちの玩具となった。来る日も来る日も犯され、ついには妊娠し、それを婚約者に知られた小春は全てを諦めてしまった。子供を産み落とすと同時に突如空間が歪み、男たちの絶叫が響く中でも、その命の終わりと引き換えにこの地獄から解放されることへの安堵が勝った。
真っ白な部屋。小春はそこで横になっている。なぜここにいるのか、隣で手を握っている男性は何者なのか。小春には何もわからない。だがここは陽だまりの中のように温かかった。
<桃編ストーリー>
春秋学園に顕現したナイトメアは、その保健室で奇妙な教師と出くわす。出会うなり自らの威容にも全く動じず、茶と蜜柑を勧めてくる保険医、桃野桃。思わずそれに従ってしまったが、自身の野望を阻むのであれば容赦はしない。そう決意して桃を幻惑と洗脳の支配下においた、はずだった。受精を桃に懇願させ悦に入っていた、そんな幻を見せられていたのはナイトメアの側だった。配下の妖魔たちも桃の膝元にひれ伏すばかり。
そして後日。「メッ」されたという、ナイトメアの消息を知る者は桃以外には誰もいない。
<追加シナリオ2月白姉妹編ストーリー>
冥王鬼の足取りを追い続ける月白姉妹。長らく万退魔請負屋を営んできた二人に、ようやく大きな情報がもたらされる。神隠しが多発しているという大上島。失踪者たちの中から生還したという男には、濃厚な陰気の残滓がこびりついていた。
すぐさま島に乗り込むことを決めた二人だが、なぜか執事の影山(獄予約特典参照)が姿を見せない。ようやく現れた影山は酷い傷を負っていた。その隣には先ほどの男の気配を纏った、餓鬼がいる。男が運良く冥王鬼の囲いから逃れられたのだと思っていた菊花と桜花は、それが獲物を釣る餌だったことを悟った。(※13)
その瞬間、弾かれたように桜花は餓鬼を滅ぼしていた。だがその腕に抱いた影山の命は尽きようとしている。人間の男という存在はいつでも、二人にとっては温もりからかけ離れたものだった。だが二人にとってはその一瞬のような時間を永遠のように願って過ごしてきた影山との別れは、両親とのそれにも迫るほどに辛く重い。冥王鬼を滅ぼす、その決意を固くしながら、菊花と桜花はその島に向けての一歩を踏み出す。
<バッドエンド>
(※13)
影山を案じるあまり非情になりきれず、その結果餓鬼に捕らえられてしまった菊花と桜花。餓鬼は冥王鬼とは違う形で鬼になることを目論んでいた。その為に不死である二人の肉体を狙ったようだった。
餓鬼はある退魔組織から奪った術を用いて菊花と桜花の生殖機能を融合させる。そして自害した上で自らの肉片を二人の子宮に埋め込んだ。そうして生まれてきたものは確かに鬼のようだった。だがその身体は瞬く間に腐り落ちる。下等な妖魔が神にも等しい鬼となる、その試みは完全に失敗だった。だが二人の不死の身体はその意志に依らず術を続け、餓鬼は生と死を繰り返し続ける。腹を裂かれ続ける無限の苦痛の中、それでも一つとなっていることへの安堵と幸福。それを菊花と桜花は感じていた。
<追加シナリオ1白猫本舗編>
その日、新人アイドルの神庭空は所属先の閉鎖を受けて移籍の決まった芸能事務所、シャットブロンシュに足を運ぶ。その所長、白猫のリュンは実のところ、退魔師として空をスカウトしたのだという。同時にアイドルとしてサポートするとも提案された空は勇んで退魔屋本舗白猫支店の一員となった。その初仕事は所属退魔師の九重鈴子と共に、ある名門学園での除霊というものだった。水と油の性格ながら鈴子との仕事を始めた空だったが、それが罠であることがほどなくして明らかとなる。学園一帯を結界で覆い現れたインプ。(※14)
抗いながら脱出を目指す二人。敵に阻まれ絶体絶命に陥ったその時、そこに現れたのは鈴子の母親の京子と所属退魔師の桐島香織だった。京子はインプを造作もなく焼き滅ぼす。
空と鈴子の初仕事は大失敗に終わった。京子と香織がいなければどうなっていたかわからない。リュンの判断により鈴子は欧州支店で、空は香織に付くという形を通して、それぞれに修行を積むことになった。それは空にとっては地獄のスパルタの日々の幕開けとなるのだが、それはまた別のお話。
<バッドエンド>
(※14)
西洋妖魔に理解がない二人は容易く捕らえられ、操られた男子学生たちに息つく間もなく犯され続ける。京子や香織が駆けつけても、二人が人質にある以上、事態は好転しない。そうして白猫本舗の退魔師全てがインプの玩具となった。空は香織に、鈴子は京子に、それぞれ膣内に身体を押し込められ窒息死に追い込まれる。その間違いに、インプは最後まで気づかなかった。娘を失った京子は妖狐となって完全に暴走し、学園を一瞬で蒸発させた。そして災害となったそれは退魔屋本舗ほぼ全ての退魔師と都市一つを犠牲にして、滅ぼされたのだった。
<追加シナリオ1萩尾姉妹編>
姉の杏依に一つ下の妹の杏紀、萩尾姉妹は退魔師だった。その日も依頼を一つこなし、午後の甘味処で和んでいた姉妹。そこに彼女らが属する組織から急な召集がかかる。だがそこはじめじめとした薄暗い地下室で、とても相応しい場とは思えない。目の前にいる「S」と名乗った老人の胡散臭さも。
組織の大願、妖魔殲滅の為の、栄えある実験の被験者に選ばれたのだというSの胡乱さは増々甚だしい。だがその力は本物だった。杏依と杏紀の雷撃と結界を纏めて弾き返し、二人を造作もなく昏倒させる。
目を覚ました杏依は分娩台に拘束されていることに気づく。そして自身の両手両足が欠けていることにも。隣では杏紀が汚濁に塗れながら男と交わっている。思春期を迎えてからは胸にかかる異性の視線を避けてきた男性忌避の気。その姿からそれを思い起こすことは難しい。そしてその腹はすでに大きく張っていた。妖魔から抽出、精製したその薬は、複雑な体組織の人間であっても短期間での出産を可能にする。
そして人間の想像の埒外だが、杏依が眠っていた間に姉妹はその身体をすげ替えられていた。頭部と両手足を切断し、それを残った片割れの胴体に再結合させることによって。人間より遥かに強力な妖魔に抗する為には、退魔師の大量生産、修理、そして再利用が必要だとSは信仰しているようだった。その最後の実験の為に、杏紀は杏依の眼前で解体される。その肉片を杏依の胎内で再構成し、Sは大禁術とされる反魂にさえ到った。
施術の際に見せた技を無意識に会得していたことで、その血統に興味を持ち杏依を生かしたS。それ以来、杏依は組織が扱う性奴となった。妖魔に勝るとも劣らない、精神が腐り切った客たち。そんな男たちに汚されながら、数ヶ月をかけて手足の固着と機会を窺っていた杏依は組織からの脱走を果たした。だがSによって失われた臓器を蟲に置き換えられていた杏依は、その機能を維持する為に精子を取り込まざるを得ない。
だが飢餓にも近い吸精への衝動はその対象の生命を勘定しない。行きずりの男を衰弱死に追い込みかねない無意識の内の自身を恐れ、自殺さえ考える杏依。沼田という男に出会ったのはそんな時だった。幾ら射精しても尽きることのない精力は、その容姿を問わなければ理想的だった。これで男漁りに煩わされることなく、全てを杏紀の捜索に充てられる。行き倒れていた見ず知らずの女をアパートまで運び、解熱剤を探してゴミの山をひっくり返していたその姿からも、組織の客に比べればその内面もマシなようだった。その言動は恐ろしく気持ち悪いものの。
一晩中その身体に脚を絡め腕を回し、求愛のように熱のこもった喘ぎと口づけで繁殖を促すような、交尾じみたまぐわいに耽った杏依。それを思い出し軽い自己嫌悪に陥りながら、沼田の尻を蹴り上げ風呂と甘味処を求めてアパートを二人で後にする。そのひと時に、穏やかな心地を久しぶりに感じている杏依がいた。
<プレイ時間>
本編贄バッドエンド4時間24分(初回プレイ)、母体バッドエンド2時間19分、厄災バッドエンド7分、苗床バッドエンド56分、悪夢バッドエンド1時間35分、玩具バッドエンド35分、魔宴バッドエンド58分、深琴エンド29分。
武編末路バッドエンド1時間、祝福バッドエンド1時間59分、武エンド33分、武エンド追加エピソード20分。
水依編堕落バッドエンド5時間34分、冷熱バッドエンド54分、母性バッドエンド6分、水依エンド1時間。
小春編淫夢バッドエンド51分、午睡バッドエンド56分、小春エンド4分。
桃エンド29分。
本編計25時間9分。
追加シナリオ2月白姉妹編バッドエンド1時間10分、姉妹編エンド10分。
追加シナリオ1白猫本舗編バッドエンド1時間50分、バッドエンドルート内回収53分、白猫本舗エンド23分。
追加シナリオ1萩尾姉妹編1時間44分。
追加シナリオ計6時間10分。
本編声優さんからのメッセージ9分、追加シナリオ2声優さんからのメッセージ3分、追加シナリオ1声優さんからのメッセージ10分。計22分。
総計31時間41分。
<印象に残ったシーン>
(無印になかった、この水依の独白は凄くよかった。積年の思いを恋という一言で簡単に片付けなかったところも)
<グラフィッカー情報・敬称略>
島木、奈緒、かーみん、忍花、乙女パスタ、べら
<あとがき・2017/06/21>
・ストーリー
正規ルートストーリーの大まかな流れはおおむね踏襲されています。細かいところはかなり違いますが。
無印と違い、正規ルート学園パートなどでも深琴視点で進むことがほとんど。ヤマトの主人公感がもうほぼ残されていない…。無印は序盤でも、No Wayインストが流れてる中、深琴が魔結界に引きずり込まれる寸前で群雲に全てを込めて結界を破る救出シーンとかあってそれがホントにシビれるんだけど…。まあカットです(泣)
無印は戦闘シーンが、軽快感のあるテキスト・格好いい詠唱・CG・演出とあわさって本当に好きです。貴重なCG枠使ってまで触手抜きゲにそれが必要なの?と言われるとしぼむしかないんですが。
小桃と李がいないので当然なんですが、春風寮のやりとりなんかは全面カット。生徒会室を拠点にしたイベントもカット。まあこれはいい、よくないけど。それよりも何よりも、深琴とのキスシーンと水依との純愛Hが削除されてるのはいただけない。
深琴を間一髪助けて、戦いの中でかいた汗の匂いで初めて幼馴染を女として意識する、あの原風景が流れてる中でのキスシーン。あれのリメイクがないと獄深琴エンドのキスシーン、あれとの対比がされない。水依はキスシーンがあったことには安堵しましたが、やはり純愛Hがないのは…。獄でも水依だけヤマトとの純愛Hなかったし、無印リメイクで見れなきゃいつ見れるのッ!
考えてみれば水依って獄でもハッピーエンドというかノーマルエンド的な終わり方だったし、ヤダもしかして冷遇されてる…?
淫妖って特に悦まで、その中でも特に無印は読み物としても上質なんですよね。物語背景の設定もメチャクチャ練られて凝ってるし。俺たちが愛した淫妖蟲はそういうところにもあるのだ。子宮ぶっこ抜きとか苗床とか、そんなのばかりではなく。獄とか新訳の子宮で抜かないの?って聞かれたらまあ猿のように抜くんですけど。
無印やったことない人がいたら同封されてるので、ぜひDL版淫妖蟲やってみてほしいんです。初回版とかあおじる5本版と比べて、ボイスからノイズが消えてクリアになってもいるし。
でも桃がいる立ち絵でウィンドウを消去するこれ、懐かしいです。淫妖愛を感じた。
・CG+エロ
と、けちょんけちょん気味だったけど、ここからは無印にはなかった、現在のティンカーベル、新訳のいいところも。
今回の淫妖を一言で言うなら、出産特化だったと思います。とにかく人間、成体(!)人間、妖魔、蟲と、産んで産んで産みまくりです。産後の腹の肉のだぶつきなど、これは他のエロゲでは見ない新機軸でした。
エロシーンは無印に比べれば対人比率が高いです。それでもCGに蟲と触手が紛れ込んでるのは基本エロCG全体の5割はあると思いますが。対人バッドエンドは対人エロシーン、妖魔系バッドエンドは蟲エロシーンと、結構差別化はされてたと思います。
無印のCG構図を再現したイベントCGはメイン3ヒロインにちょくちょく見受けられます。その中でも特に武×うなぎ妖魔、無印の悪食を再現したあれは恐ろしく気合が入ってたように思います。正直悪食リメイクは原作完全に超えた。
ただCGの使い回しはちょっと多かった。便宜上ここでそう呼んでますが、特に深琴の贄・母体・厄災バッドエンドと、水依の堕落バッドエンド。この4エンドだけ、見たCGが何回も出るので、製作期間足りなかったのかな…と思わされたり。下に本編のCG枠61と書いてありますが、同基本CG差分で登録されてるものがあるので、それを抜けば48まで減りますし。背景が違えば肌の色とかも一つ一つ塗り直されているなど(昼教室内と昼野外と、その程度の明暗差でもきちんと塗り直されてます)、見どころはあるんですが…。やはり完全な61枚基本CGで見たかったです。けど背景が違うとその明暗で立ち絵姿さえも、肌とか髪の色が微妙に変わるというのは、ティンカーベルくらいでしか見ないのでこの点スゴイと思う。
あおじる氏がそう筆が速くないだろうことはわかってるので、製作スパンをもっと長く取っても構わないというのが個人的なところ。
・テキスト
小峰氏のエロテキストホントよくなった…。いやいやで拒絶してる時も受精しちゃうとか赤ちゃんできちゃうといった風に、相手の欲情を煽るような形で拒んでみせる台詞なのがいい…。
・BGM
リメイク作ということで主題歌は十年越しのNo Wayリメイクを期待していたんですが、残念。そこは使いまわしていいのよ。真理絵氏も健在なんだし…。
・萩尾姉妹編
獄に続き杏依出演。今回は妹の杏紀も。相変わらず最高に可愛い。「何見てんのよ」とか(何こいつ…気持ち悪い)とかいった台詞が、本当に氷のように冷たい抑揚のない声でゾクゾクする。けど口が悪くて男嫌いだけど、素の姿だと人を傷つけられない子で増々好きになりました。ていうか男嫌いになるのも組織憎悪するのも仕方ないと思った。読んでてSと竿役連中ぶっ殺してやりたいと思ったもの…。
杏紀は獄の最後に一言言及されていたもののキャラとしては初登場で、けど今リメイクでは正直何かをどうと考えられるほど出番がなかった。しかし、立ち絵モードで頬染め照れ笑い全裸でラブホに立たせてると、僕は恋をしていました。次回作はまず萩尾姉妹がメインとなるだろうと思いますので、そこに期待。
杏依に杏紀は次回作の最後で黒猫支店メンバーに心の底からなってもらいたい。杏依と武は互いにわかりあえる関係になってほしい。深琴と武の姉妹対比としても活きるからね。
時にあおじる氏って杏依もそうですけど、ギャル系とかあそんでそーな女の子とか、そういうキャラデザが実は物凄くいいですよね…。腐果に出てきたギャルとか。今回もモブ女子生徒が一人いるんですが、エロおねいさん系でメチャクチャいい。
しかし沼田。他のモブ竿役は身体すら書いてもらえない、空中チ○ポな扱いがほとんどなのに、獄新訳とシーン出演中顔面露出率90%超えるこの人の優遇ぶりが謎すぎる。杏依の貴重すぎる舌出しトロ顔差分とのけぞりアクメ1枠に顔面出張とか、ホントもう完全に嫌がらせとしか思えないチクショウ…。
なんか今回最後にツンデレイチャコラみたいなことし始めて思ったんですが、次回作で沼田との純愛はやめてくれ、純愛だけは本当にやめてくれ。モブAVスタッフとか男子学生みたいなクズ一辺倒の人間でないことはわかる。けど無理なものは無理であると。好きな女の子が嫌いな男に取られるかもしれない、寝取られゲー主人公の気持ちが初めて実体験で実感できた。胃がキリキリして吐きそう。
木っ端のモブ竿とはいえ組織の人間には、やってることがマジで非人間的でヒドイだけに、研究対象の動物に対して接する感じ、もっと探求者的に冷静に狂っていて欲しかった。ゲヘヘビッチマ○コサイコーとか、そこらの男子学生と言動が変わらないのはナンカチョットチガウ。
・伏線
今回はSの正体でしょうか。最初は反魂を使うことから、阿僧祇からの繋がりで白鳥父のSかと思いましたが、伝聞でしか深琴たちのことを知らないようなので没。ということでストレートに晴明のSでしょうか。老人ということも合致するし。1000歳くらいだろうけど…。
CG数61(内胸露出以上のエロCG数53)…エロ割合87%、回想数56。
追加シナリオ月白姉妹編基本CG数6(内胸露出以上のエロCG数5)…エロ割合83%、回想数3。
追加シナリオ白猫本舗編基本CG数13(内胸露出以上のエロCG数9)…エロ割合70%、回想数10。
総計CG数80(内胸露出以上のエロCG数67)…エロ割合84%、総計回想数69。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEあり、エロシーン連続時付着精液残留あり、尻モザなし、淫語P音修正なし、立ち絵鑑賞モードあり。
<新訳淫妖蟲出典の設定>
(正規ルートのみの設定。ただしルートに依らない、人物の固有・核心の設定であれば記載)
(正規ルート、バッドエンドルート両記載)
(正規ルート、バッドエンドルート両記載)
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2017/5/26
©TinkerBell/Cyberworks
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:9440字)
<本編ストーリー>
人を害する怪異の解決を請け負う退魔屋本舗黒猫支店。鵺の夜が所長を務めるそこで、橘木ヤマトは幼馴染の深琴、武の白鳥姉妹と共に退魔師として働いている。そんなある日、隣町の山あいにある春秋学園から除霊の依頼がもたらされた。猪突猛進のヤマトと幽霊嫌いの深琴には難儀なその仕事は、符術に長けた武が適任だった。退魔屋にとってはありふれた何でもない仕事。だがそれから数日が過ぎても、武が連絡を寄越さないというのは普通の話ではなかった。
武を追って学園に足を運んだヤマトと深琴。だが依頼を終えて消息知れずと語る、病欠の学園長の代理だという生徒会長の御崎の話は、ヤマトたちの認識と食い違うばかりだった。ともかく、二人は学園に生徒という身分で編入し武の足取りを追うことにした。そんな中でヤマトは幼い頃に別れ離れとなった少女、香山水依と再会する。学園に痕跡を残さずにいた武。その存在を一般生徒の中で、人並み外れた霊力を秘める水依だけは知っていた。二人に協力する水依を見つめる眼差しに、疑わしい御崎を何かと庇うような振る舞いと、ヤマトと深琴は互いの言動に説明のつかない苛立ちを募らせるようになっていく。(※1)
そのすれ違いもじきに克服し、水依が手繰り寄せた武の気配を追う二人は御崎と相対する。西洋妖魔の姿を現した御崎、インプであるその力は予想外のもので、窮地に陥る二人。それを救ったのは武だった。再会を喜び合う、だがその夜。想像もつかない淫靡な姿と顔で迫ってきた武に、ヤマトは激しく狼狽する。(※2)
深琴が目を覚ますまで、どうにかヤマトはその色気に堪える。そうして消えた姿を追う二人は空き教室で、武に何が起きたのかを悟った。何人もの男たちに犯されながらその肉塊の中でよがり狂い、そして化け物を産み落とす武。激昂、悲嘆し、それでもなお深琴は、その哀願に反し妹の命を救うことに賭けた。雷光剣の霊撃で武の脳に巣食う蟲を両断した深琴は、ようやくその手に妹を取り戻す。
三人の力を合わせインプを完全に滅ぼした後、武はその黒幕の存在を語り始める。西洋の大妖ナイトメア。学園丸ごとを生贄とし、この世界と異世界を繋げるつもりだと。それを阻むべく水依の力を借りた結界をぶつけ、校庭に施された夢魔の魔結界を消滅させた武。だがヤマトたちはおろか、危機を悟って現れ力を全開にした夜さえもナイトメアは圧倒する。(※3)
それでも諦めるわけにはいかない。ヤマトは母から受け継がれ封印された鬼の力を使うことを迫られる。全く制御の効かないそれを鎮めるには命を絶つしかない。深琴たちを背にしてナイトメアを阻む為に、ヤマトはその力を開放する。東西の大妖同士の戦いは壮絶なものとなったが、鬼の爪が先に夢魔の肉体を切り裂いた。
そしてその暴走は夜が放った術によって、ヤマトの肉体と魂を切り離すことで止められる。避けられないヤマトの犠牲だが、その内に僅かに残されていた人の心に一同は賭けた。深琴が精神世界に潜り、沈むヤマトを引き上げる、途轍もない危険を孕む行為。だが暴風が吹き荒れる心象世界を越えて深琴は、独りうずくまる幼い姿のヤマトの手を引いて生還する。
そうして黒猫支店始まって以来の大事件は幕を閉じた。戻ってきた、ヤマトを取り巻く賑やかな日常。そこに退魔師見習いの水依を加えて。彼らの物語はここから始まっていく。
<贄バッドエンド>
(※1)
売り言葉に買い言葉で憤慨し学園を去ったヤマト。そんな隙間を埋めたのは御崎だった。心傷に甘い慰めを塗り込められた深琴は言われるがままに恋人という言葉を受け入れていく。御崎に抱かれながら愛をささやきあうその度に濁っていく自身の瞳に、深琴は気づいていなかった。それは汚泥の中で見る夢のように重く、抗いがたい。校門前に放置された裸に熱い昂ぶりを燃やすほどに。(※4)
通りがかりの男たちにその姿を目撃された深琴は、自暴自棄のまま流されていく自身を止めることができない。男たちに犯され、それを撮影される日々。いつしか有名な裏AV女優とされていた深琴は、誰のものとも知れない種で膨れ上がった腹、その現実に押し潰されない為に心を偽り続けている。
そして訪れた出産の時、気づけば周りの全ての生命が消えていた。そこには御崎の姿だけがある。主の為の味付け。そう言い放たれた言葉に続けてそれが現れる。ナイトメアに貪り食われる中で、今ようやく思い出したヤマトや武の後を追える、その生の終わりに深琴は心から安穏するのだった。
<母体バッドエンド>
(※4)
それを男子生徒たちに目撃された深琴は学園の性処理役に貶められていく。止むことのない陵辱の中、その日も深琴は保健室で犯されている。だがそこに、カーテン越しに懐かしい声が響いた。武に続いて深琴までもが連絡を断ったことでさすがに意地を張り続けられない。(※5)
こんな姿をヤマトにだけは見せられない。そんな一心で再びその声を拒絶した深琴。そうして戻った腐臭のする日常、だがそれにも唐突な終わりが訪れる。御崎が正体を現し、深琴は夢魔の手駒を作り出す母体として見初められた。妖魔の巣となった深琴の胎内は、ナイトメアの精を受け妖魔を生み出し続ける。理性を手放しその快楽に身を任せれば、それは幸せですらあった。
<厄災バッドエンド>
(※5)
硬直するヤマトの前で腰を振る下卑た男子生徒。だが彼はその愚かさに気づいていない。上半身を吹き飛ばされ肉塊となっていることにも恐らくきっと。
怒りと憎悪に飲まれたヤマトは荒唐無稽な昔話にでもあるような、飢えた悪鬼となった。それを止められるような者は人にも妖魔にも存在しない。その可能性を持つ深琴の命はたった今ヤマトの手によって摘み取られた。そして後にはその時間が尽きるまで目につくもの全てを殺し尽くす厄災だけが残される。
<苗床バッドエンド>
(※1)
その夜、学園の探索中に下級妖魔の襲撃を受ける二人。普段なら歯牙にもかけない出来損ないの触手に不覚をとってしまう。触手に種付けされ自らが産み落としたそれがヤマトの遺体を糧に育っていく、その光景は深琴の精神を蝕み尽くす。そうして深琴は雑多な妖魔を生み続ける下級妖魔の苗床となった。自らが産んだ蟲に使い潰された身体を貪られながら、深琴はようやくヤマトの元に逝けることに安堵して意識を手放す。
<悪夢バッドエンド>
(※2)
誘惑に屈し、武の肌に吸い寄せられるヤマト。だがその胎内から産み落とされたものはヤマトの正常な判断を奪ってしまう。そしてその光景を目撃した深琴共々、武の陰に囚われた。(※6)
気がつけば深琴は学園の生徒たちに囲まれていた。側には拷問の痕を手酷く残したヤマトが息も絶え絶えのまま横たわっている。その命を秤にかけられ、御崎の言葉をはね退ける術がない。その日から男子生徒たちに休みなく犯される深琴。だが人間の交尾と繁殖が繰り返されるインプの仕込みは、主の不興を買ったようだった。顕現したナイトメアは使い捨てとして深琴を扱うことを決める。その一度きりで着床し、直後腹を裂きながら現界する夢魔の分身。身体の芯が冷えていく中で深琴の脳裏に浮かんだのは幼い頃のヤマトたちとの思い出だった。深琴は最後の力でその温もりに向かって手を伸ばす。
<玩具バッドエンド>
(※6)
正気を失ったヤマトと武が動物の繁殖本能を剥き出しにしてつがう、その光景を視界におきながら、インプに種付けされる深琴。そしていつしか深琴は身体を作り変えられ、戯れか幼い頃の体躯に戻されてしまっていた。全く不釣り合いな対比、身の丈を優に超える蟲に伸し掛かられ腹をはちきれんばかりに膨らませる、この世ならぬ官能。それに深琴は永遠にもだえ狂う。
<魔宴バッドエンド>
(※3)
深琴の恐怖の忘我を利用し、彼女を庇おうとしたヤマト、そして夜を殺害したナイトメア。精神の支柱を失った深琴たちは容易く捕らえられる。夢魔の分身を宿すことができるよう胎内を作り変えられた三人。だが数百の眷属を生み出し続けた、その永遠とも思える日々にも終わりが訪れた。もはや出来損ないしか産めなくなった三人は体内に穿たれた触手を通して処分され始める。人生の終着にその生を燃やし尽くすような快楽を味わいながら逝けた三人は、あるいは幸せだったのかもしれない。
<武編ストーリー>
春秋学園に潜入した武は強い霊力を秘める水依の証言から、霊などではなく、この学園に巣くう妖魔の存在を疑う。夜の学園に下級妖魔が姿を現したことでそれは確信へと変わった。(※7)
そして濃厚に漂い出す陰気。それは余りにも露骨で、罠であることは明白だった。事実、武は体育館で犯される女子生徒を目撃する。彼女を見捨てることはその矜持が許さない。現れた御崎に敵わなかった武は女子生徒の身代わりとなることを毅然と告げる。だが操られているとはいえ守るべき人間に汚される恥辱と初めて受けた粗野な暴力は、自らに課していた退魔師としての覚悟が夢想にすぎなかったことを暴いた。そして汚濁に塗れ朦朧とする武の前に現界したナイトメアは、母体となりうる深琴をおびき寄せるよう告げる。(※8)
姉を裏切ること、それは武にとって受け入れ難い。だがナイトメアから直接受ける幻夢を織り交ぜた責めはそんな意志をも蝕む。そして折れた心が身体を曲げ、武を敵の前に跪かせてしまった。
だが深琴とヤマトに救われ、ナイトメアは滅びた。それでも身体機能に霊力と、失ったものは大きい。これからは水依を育て、ヤマトたちを後方から支えていくことしかできないだろう。それでも救われた命の意味をヤマトたちに見い出して、武はこれからを生き続ける。
<末路バッドエンド>
(※7)
インプの罠に落ち、自身では想像だにできない責め苦を現実のものとして肉体に加えられる武。数え切れないほどの妖魔を孕ませられ、その身体はもはや限界だった。その武ににじり寄るものがあった。世話係といいながらその身体を貪ってきた男たち。瘴気に侵され人の形さえ失った同じ成れの果ての、なお武を求めるそれを、哀れで愛おしいとさえ思えた。それらと共に蟲の餌となりながら、武は大切な姉の名を呟き続ける。
<祝福バッドエンド>
(※8)
魂を押し潰すようなナイトメアの存在は自身が敵わなかったインプの比ではない。気がつけば武は心底恐懼していた。学生たちから隷奴のように扱われながら深琴を待ち続ける武。そうして全校生徒の前で性交を実演する中で待望の瞬間が訪れる。ナイトメアによって深琴は捕らえられ、共に母体となった。姉妹で妖魔を産み続けながら、時折余興のように武は深琴への種付けを許されている。姉の卵子に自身の遺伝子から作られた精子を掛け合わせる、それは武の秘めた願望だったのかもしれない。終わりが見えているのならばせめて少しでも長く。それだけが武の望みだった。
<水依編ストーリー>
幼い頃、いじめられていた自分を助け公園で遊んでくれていた少年。引っ越しでこの街から去っていった彼のことは、水依の中に今でも鮮烈な煌めきを残している。だがいざ思いがけなく再会したヤマト、その隣にはアイドルじみた見知らぬ少女がいた。地味で内気な、胸ばかりが育った恥ずかしい自分とはまるで違う深琴。そんな相手に敵うはずがない。(※9)
そんな自分にもできることがある、自分を変えたいと、ヤマトを見て思えた。そうしてヤマトたちを手伝い始めた水依。(※10)
助け出された武に霊力を託しナイトメアを滅ぼすきっかけの一つとなり、命を捧げる覚悟でヤマトの精神世界に潜った水依は、その献身と幾らかの幸運もあって温かな世界に戻ってくることができた。
事件を経て水依は、クラスメイトのからかいや意地悪に対してほんの少し勇気を奮い立たせることができるようになった。そして今では退魔師としての道を歩みだそうとしている。力のない誰かの為に、そして何よりヤマトの為に。取り巻く世界が少しずつ変わっていくように、夢に見たもの、それを口にできるほどに自分も変わっていけるだろうか。その日を夢見て水依は今日明日の一日一日を懸命に生きている。
<堕落バッドエンド>
(※9)
劣等感と喪失感に苛まれ二人の前から駆け出した水依は、気がつけば駅前に座り込んでいた。そんな水依に学園の用務員が声をかけてくる。それが責任感や善意ではないことは目つきからわかったが、傷心にある水依に手を振り払う気力は残されていない。
それ以来水依は時や場所を問わず呼び出されては調教されるようになった。それだけでなくことを知ったクラスメイトや不良たちにも。そうしてAVに身をやつしていくのはよくある話だった。事実を知った親から逃げ出しながら、水依は今でもそこからは逃げようとしない。薬を使っての出産。痛みに悦楽を見い出してよがり狂う水依も、その映像以外には頓着しない男たちも、もはや人のような何かでしかないのだろう。そんな腐臭を嗅ぎ取ったのか、小悪魔のような妖魔が水依の前に現れる。
妖魔の力を与えられた水依は全く無邪気に男たちを食い殺していった。腹を満たそうと再び現れた小悪魔さえも。そしてその存在を唯一覚えていた男さえも喰らい尽くした水依。満たされない飢餓を抱え、水依という名だった妖魔は今日も人海の底をさまよい続けている。
<冷熱バッドエンド>
(※10)
そんな中、水依はプールで妖魔に捕らえられてしまう。外界と遮断されたのか、ヤマトたちの助けはない。その時から水依は妖魔の巣に囚われ続けている。苦痛も、狂おしいほどの快楽も今はなく、ただ蟲たちを生み続けるのみ。(※11)
その最後の役目として、ナイトメアに幼い頃の姿に戻された水依はその命と引き換えに強力な妖魔を産む。幼い精神はそれに食われる恐怖に耐えられない。悲痛な叫びを残しながら、それが水依の最期だった。
<母性バッドエンド>
(※11)
妖魔の巣。そこに水依は今日もいる。胃の底のように溶解液の溜まった水底に。溶けてほぐれていく身体を自らが産んだ蟲たちに食まれながら、水依は幸福を感じていた。あるいは母に対する情けか、脳を冒された水依に苦痛はない。そうして終わりの時までを水依はゆりかごのようなそこで、我が子らとたゆたう。
<小春編ストーリー>
ヤマトと深琴、二人の転入生を抱えることになった担任の野原小春。生徒会長が学園長代理となって以来、学園に妙な空気を感じるようになっていた。(※12)
教師生活に悩んだ果てに、小春は全てを投げ出すことを決めた。婚約者、その人以外に大切なことなどあろうはずがない。身一つで遠方から追いかけてきた小春の行動に仰天していた婚約者だったが、今では穏やかな日々を過ごせている。保育所に勤めながら自身の中にも芽吹いた幼い命。新たな幸せが今ここにはある。
<淫夢バッドエンド>
(※12)
そんな矢先、忘れ物を取りに戻った夜の学園で蟲じみた化物としかいいようがないものと遭遇する。犯され孕まされ食われる。その全てがわけもわからぬまま。小春は自身を殺したものの正体さえ知らない。
<午睡バッドエンド>
(※12)
そんなある日、小春に男子生徒が声をかけてくる。体育教師に言い寄られた際の写真を使っての脅し。裸にならなければそれを婚約者に送りつけるという話など、冷静であれば取り合うべくもないものだった。だが教師生活に悩み婚約者に依存していた小春はそれを真に受けてしまう。
それ以来小春は男たちの玩具となった。来る日も来る日も犯され、ついには妊娠し、それを婚約者に知られた小春は全てを諦めてしまった。子供を産み落とすと同時に突如空間が歪み、男たちの絶叫が響く中でも、その命の終わりと引き換えにこの地獄から解放されることへの安堵が勝った。
真っ白な部屋。小春はそこで横になっている。なぜここにいるのか、隣で手を握っている男性は何者なのか。小春には何もわからない。だがここは陽だまりの中のように温かかった。
<桃編ストーリー>
春秋学園に顕現したナイトメアは、その保健室で奇妙な教師と出くわす。出会うなり自らの威容にも全く動じず、茶と蜜柑を勧めてくる保険医、桃野桃。思わずそれに従ってしまったが、自身の野望を阻むのであれば容赦はしない。そう決意して桃を幻惑と洗脳の支配下においた、はずだった。受精を桃に懇願させ悦に入っていた、そんな幻を見せられていたのはナイトメアの側だった。配下の妖魔たちも桃の膝元にひれ伏すばかり。
そして後日。「メッ」されたという、ナイトメアの消息を知る者は桃以外には誰もいない。
<追加シナリオ2月白姉妹編ストーリー>
冥王鬼の足取りを追い続ける月白姉妹。長らく万退魔請負屋を営んできた二人に、ようやく大きな情報がもたらされる。神隠しが多発しているという大上島。失踪者たちの中から生還したという男には、濃厚な陰気の残滓がこびりついていた。
すぐさま島に乗り込むことを決めた二人だが、なぜか執事の影山(獄予約特典参照)が姿を見せない。ようやく現れた影山は酷い傷を負っていた。その隣には先ほどの男の気配を纏った、餓鬼がいる。男が運良く冥王鬼の囲いから逃れられたのだと思っていた菊花と桜花は、それが獲物を釣る餌だったことを悟った。(※13)
その瞬間、弾かれたように桜花は餓鬼を滅ぼしていた。だがその腕に抱いた影山の命は尽きようとしている。人間の男という存在はいつでも、二人にとっては温もりからかけ離れたものだった。だが二人にとってはその一瞬のような時間を永遠のように願って過ごしてきた影山との別れは、両親とのそれにも迫るほどに辛く重い。冥王鬼を滅ぼす、その決意を固くしながら、菊花と桜花はその島に向けての一歩を踏み出す。
<バッドエンド>
(※13)
影山を案じるあまり非情になりきれず、その結果餓鬼に捕らえられてしまった菊花と桜花。餓鬼は冥王鬼とは違う形で鬼になることを目論んでいた。その為に不死である二人の肉体を狙ったようだった。
餓鬼はある退魔組織から奪った術を用いて菊花と桜花の生殖機能を融合させる。そして自害した上で自らの肉片を二人の子宮に埋め込んだ。そうして生まれてきたものは確かに鬼のようだった。だがその身体は瞬く間に腐り落ちる。下等な妖魔が神にも等しい鬼となる、その試みは完全に失敗だった。だが二人の不死の身体はその意志に依らず術を続け、餓鬼は生と死を繰り返し続ける。腹を裂かれ続ける無限の苦痛の中、それでも一つとなっていることへの安堵と幸福。それを菊花と桜花は感じていた。
<追加シナリオ1白猫本舗編>
その日、新人アイドルの神庭空は所属先の閉鎖を受けて移籍の決まった芸能事務所、シャットブロンシュに足を運ぶ。その所長、白猫のリュンは実のところ、退魔師として空をスカウトしたのだという。同時にアイドルとしてサポートするとも提案された空は勇んで退魔屋本舗白猫支店の一員となった。その初仕事は所属退魔師の九重鈴子と共に、ある名門学園での除霊というものだった。水と油の性格ながら鈴子との仕事を始めた空だったが、それが罠であることがほどなくして明らかとなる。学園一帯を結界で覆い現れたインプ。(※14)
抗いながら脱出を目指す二人。敵に阻まれ絶体絶命に陥ったその時、そこに現れたのは鈴子の母親の京子と所属退魔師の桐島香織だった。京子はインプを造作もなく焼き滅ぼす。
空と鈴子の初仕事は大失敗に終わった。京子と香織がいなければどうなっていたかわからない。リュンの判断により鈴子は欧州支店で、空は香織に付くという形を通して、それぞれに修行を積むことになった。それは空にとっては地獄のスパルタの日々の幕開けとなるのだが、それはまた別のお話。
<バッドエンド>
(※14)
西洋妖魔に理解がない二人は容易く捕らえられ、操られた男子学生たちに息つく間もなく犯され続ける。京子や香織が駆けつけても、二人が人質にある以上、事態は好転しない。そうして白猫本舗の退魔師全てがインプの玩具となった。空は香織に、鈴子は京子に、それぞれ膣内に身体を押し込められ窒息死に追い込まれる。その間違いに、インプは最後まで気づかなかった。娘を失った京子は妖狐となって完全に暴走し、学園を一瞬で蒸発させた。そして災害となったそれは退魔屋本舗ほぼ全ての退魔師と都市一つを犠牲にして、滅ぼされたのだった。
<追加シナリオ1萩尾姉妹編>
姉の杏依に一つ下の妹の杏紀、萩尾姉妹は退魔師だった。その日も依頼を一つこなし、午後の甘味処で和んでいた姉妹。そこに彼女らが属する組織から急な召集がかかる。だがそこはじめじめとした薄暗い地下室で、とても相応しい場とは思えない。目の前にいる「S」と名乗った老人の胡散臭さも。
組織の大願、妖魔殲滅の為の、栄えある実験の被験者に選ばれたのだというSの胡乱さは増々甚だしい。だがその力は本物だった。杏依と杏紀の雷撃と結界を纏めて弾き返し、二人を造作もなく昏倒させる。
目を覚ました杏依は分娩台に拘束されていることに気づく。そして自身の両手両足が欠けていることにも。隣では杏紀が汚濁に塗れながら男と交わっている。思春期を迎えてからは胸にかかる異性の視線を避けてきた男性忌避の気。その姿からそれを思い起こすことは難しい。そしてその腹はすでに大きく張っていた。妖魔から抽出、精製したその薬は、複雑な体組織の人間であっても短期間での出産を可能にする。
そして人間の想像の埒外だが、杏依が眠っていた間に姉妹はその身体をすげ替えられていた。頭部と両手足を切断し、それを残った片割れの胴体に再結合させることによって。人間より遥かに強力な妖魔に抗する為には、退魔師の大量生産、修理、そして再利用が必要だとSは信仰しているようだった。その最後の実験の為に、杏紀は杏依の眼前で解体される。その肉片を杏依の胎内で再構成し、Sは大禁術とされる反魂にさえ到った。
施術の際に見せた技を無意識に会得していたことで、その血統に興味を持ち杏依を生かしたS。それ以来、杏依は組織が扱う性奴となった。妖魔に勝るとも劣らない、精神が腐り切った客たち。そんな男たちに汚されながら、数ヶ月をかけて手足の固着と機会を窺っていた杏依は組織からの脱走を果たした。だがSによって失われた臓器を蟲に置き換えられていた杏依は、その機能を維持する為に精子を取り込まざるを得ない。
だが飢餓にも近い吸精への衝動はその対象の生命を勘定しない。行きずりの男を衰弱死に追い込みかねない無意識の内の自身を恐れ、自殺さえ考える杏依。沼田という男に出会ったのはそんな時だった。幾ら射精しても尽きることのない精力は、その容姿を問わなければ理想的だった。これで男漁りに煩わされることなく、全てを杏紀の捜索に充てられる。行き倒れていた見ず知らずの女をアパートまで運び、解熱剤を探してゴミの山をひっくり返していたその姿からも、組織の客に比べればその内面もマシなようだった。その言動は恐ろしく気持ち悪いものの。
一晩中その身体に脚を絡め腕を回し、求愛のように熱のこもった喘ぎと口づけで繁殖を促すような、交尾じみたまぐわいに耽った杏依。それを思い出し軽い自己嫌悪に陥りながら、沼田の尻を蹴り上げ風呂と甘味処を求めてアパートを二人で後にする。そのひと時に、穏やかな心地を久しぶりに感じている杏依がいた。
<プレイ時間>
本編贄バッドエンド4時間24分(初回プレイ)、母体バッドエンド2時間19分、厄災バッドエンド7分、苗床バッドエンド56分、悪夢バッドエンド1時間35分、玩具バッドエンド35分、魔宴バッドエンド58分、深琴エンド29分。
武編末路バッドエンド1時間、祝福バッドエンド1時間59分、武エンド33分、武エンド追加エピソード20分。
水依編堕落バッドエンド5時間34分、冷熱バッドエンド54分、母性バッドエンド6分、水依エンド1時間。
小春編淫夢バッドエンド51分、午睡バッドエンド56分、小春エンド4分。
桃エンド29分。
本編計25時間9分。
追加シナリオ2月白姉妹編バッドエンド1時間10分、姉妹編エンド10分。
追加シナリオ1白猫本舗編バッドエンド1時間50分、バッドエンドルート内回収53分、白猫本舗エンド23分。
追加シナリオ1萩尾姉妹編1時間44分。
追加シナリオ計6時間10分。
本編声優さんからのメッセージ9分、追加シナリオ2声優さんからのメッセージ3分、追加シナリオ1声優さんからのメッセージ10分。計22分。
総計31時間41分。
<印象に残ったシーン>
(無印になかった、この水依の独白は凄くよかった。積年の思いを恋という一言で簡単に片付けなかったところも)
<グラフィッカー情報・敬称略>
島木、奈緒、かーみん、忍花、乙女パスタ、べら
<あとがき・2017/06/21>
・ストーリー
正規ルートストーリーの大まかな流れはおおむね踏襲されています。細かいところはかなり違いますが。
無印と違い、正規ルート学園パートなどでも深琴視点で進むことがほとんど。ヤマトの主人公感がもうほぼ残されていない…。無印は序盤でも、No Wayインストが流れてる中、深琴が魔結界に引きずり込まれる寸前で群雲に全てを込めて結界を破る救出シーンとかあってそれがホントにシビれるんだけど…。まあカットです(泣)
無印は戦闘シーンが、軽快感のあるテキスト・格好いい詠唱・CG・演出とあわさって本当に好きです。貴重なCG枠使ってまで触手抜きゲにそれが必要なの?と言われるとしぼむしかないんですが。
小桃と李がいないので当然なんですが、春風寮のやりとりなんかは全面カット。生徒会室を拠点にしたイベントもカット。まあこれはいい、よくないけど。それよりも何よりも、深琴とのキスシーンと水依との純愛Hが削除されてるのはいただけない。
深琴を間一髪助けて、戦いの中でかいた汗の匂いで初めて幼馴染を女として意識する、あの原風景が流れてる中でのキスシーン。あれのリメイクがないと獄深琴エンドのキスシーン、あれとの対比がされない。水依はキスシーンがあったことには安堵しましたが、やはり純愛Hがないのは…。獄でも水依だけヤマトとの純愛Hなかったし、無印リメイクで見れなきゃいつ見れるのッ!
考えてみれば水依って獄でもハッピーエンドというかノーマルエンド的な終わり方だったし、ヤダもしかして冷遇されてる…?
淫妖って特に悦まで、その中でも特に無印は読み物としても上質なんですよね。物語背景の設定もメチャクチャ練られて凝ってるし。俺たちが愛した淫妖蟲はそういうところにもあるのだ。子宮ぶっこ抜きとか苗床とか、そんなのばかりではなく。獄とか新訳の子宮で抜かないの?って聞かれたらまあ猿のように抜くんですけど。
無印やったことない人がいたら同封されてるので、ぜひDL版淫妖蟲やってみてほしいんです。初回版とかあおじる5本版と比べて、ボイスからノイズが消えてクリアになってもいるし。
でも桃がいる立ち絵でウィンドウを消去するこれ、懐かしいです。淫妖愛を感じた。
・CG+エロ
と、けちょんけちょん気味だったけど、ここからは無印にはなかった、現在のティンカーベル、新訳のいいところも。
今回の淫妖を一言で言うなら、出産特化だったと思います。とにかく人間、成体(!)人間、妖魔、蟲と、産んで産んで産みまくりです。産後の腹の肉のだぶつきなど、これは他のエロゲでは見ない新機軸でした。
エロシーンは無印に比べれば対人比率が高いです。それでもCGに蟲と触手が紛れ込んでるのは基本エロCG全体の5割はあると思いますが。対人バッドエンドは対人エロシーン、妖魔系バッドエンドは蟲エロシーンと、結構差別化はされてたと思います。
無印のCG構図を再現したイベントCGはメイン3ヒロインにちょくちょく見受けられます。その中でも特に武×うなぎ妖魔、無印の悪食を再現したあれは恐ろしく気合が入ってたように思います。正直悪食リメイクは原作完全に超えた。
ただCGの使い回しはちょっと多かった。便宜上ここでそう呼んでますが、特に深琴の贄・母体・厄災バッドエンドと、水依の堕落バッドエンド。この4エンドだけ、見たCGが何回も出るので、製作期間足りなかったのかな…と思わされたり。下に本編のCG枠61と書いてありますが、同基本CG差分で登録されてるものがあるので、それを抜けば48まで減りますし。背景が違えば肌の色とかも一つ一つ塗り直されているなど(昼教室内と昼野外と、その程度の明暗差でもきちんと塗り直されてます)、見どころはあるんですが…。やはり完全な61枚基本CGで見たかったです。けど背景が違うとその明暗で立ち絵姿さえも、肌とか髪の色が微妙に変わるというのは、ティンカーベルくらいでしか見ないのでこの点スゴイと思う。
あおじる氏がそう筆が速くないだろうことはわかってるので、製作スパンをもっと長く取っても構わないというのが個人的なところ。
・テキスト
小峰氏のエロテキストホントよくなった…。いやいやで拒絶してる時も受精しちゃうとか赤ちゃんできちゃうといった風に、相手の欲情を煽るような形で拒んでみせる台詞なのがいい…。
・BGM
リメイク作ということで主題歌は十年越しのNo Wayリメイクを期待していたんですが、残念。そこは使いまわしていいのよ。真理絵氏も健在なんだし…。
・萩尾姉妹編
獄に続き杏依出演。今回は妹の杏紀も。相変わらず最高に可愛い。「何見てんのよ」とか(何こいつ…気持ち悪い)とかいった台詞が、本当に氷のように冷たい抑揚のない声でゾクゾクする。けど口が悪くて男嫌いだけど、素の姿だと人を傷つけられない子で増々好きになりました。ていうか男嫌いになるのも組織憎悪するのも仕方ないと思った。読んでてSと竿役連中ぶっ殺してやりたいと思ったもの…。
杏紀は獄の最後に一言言及されていたもののキャラとしては初登場で、けど今リメイクでは正直何かをどうと考えられるほど出番がなかった。しかし、立ち絵モードで頬染め照れ笑い全裸でラブホに立たせてると、僕は恋をしていました。次回作はまず萩尾姉妹がメインとなるだろうと思いますので、そこに期待。
杏依に杏紀は次回作の最後で黒猫支店メンバーに心の底からなってもらいたい。杏依と武は互いにわかりあえる関係になってほしい。深琴と武の姉妹対比としても活きるからね。
時にあおじる氏って杏依もそうですけど、ギャル系とかあそんでそーな女の子とか、そういうキャラデザが実は物凄くいいですよね…。腐果に出てきたギャルとか。今回もモブ女子生徒が一人いるんですが、エロおねいさん系でメチャクチャいい。
しかし沼田。他のモブ竿役は身体すら書いてもらえない、空中チ○ポな扱いがほとんどなのに、獄新訳とシーン出演中顔面露出率90%超えるこの人の優遇ぶりが謎すぎる。杏依の貴重すぎる舌出しトロ顔差分とのけぞりアクメ1枠に顔面出張とか、ホントもう完全に嫌がらせとしか思えないチクショウ…。
なんか今回最後にツンデレイチャコラみたいなことし始めて思ったんですが、次回作で沼田との純愛はやめてくれ、純愛だけは本当にやめてくれ。モブAVスタッフとか男子学生みたいなクズ一辺倒の人間でないことはわかる。けど無理なものは無理であると。好きな女の子が嫌いな男に取られるかもしれない、寝取られゲー主人公の気持ちが初めて実体験で実感できた。胃がキリキリして吐きそう。
木っ端のモブ竿とはいえ組織の人間には、やってることがマジで非人間的でヒドイだけに、研究対象の動物に対して接する感じ、もっと探求者的に冷静に狂っていて欲しかった。ゲヘヘビッチマ○コサイコーとか、そこらの男子学生と言動が変わらないのはナンカチョットチガウ。
・伏線
今回はSの正体でしょうか。最初は反魂を使うことから、阿僧祇からの繋がりで白鳥父のSかと思いましたが、伝聞でしか深琴たちのことを知らないようなので没。ということでストレートに晴明のSでしょうか。老人ということも合致するし。1000歳くらいだろうけど…。
CG数61(内胸露出以上のエロCG数53)…エロ割合87%、回想数56。
追加シナリオ月白姉妹編基本CG数6(内胸露出以上のエロCG数5)…エロ割合83%、回想数3。
追加シナリオ白猫本舗編基本CG数13(内胸露出以上のエロCG数9)…エロ割合70%、回想数10。
総計CG数80(内胸露出以上のエロCG数67)…エロ割合84%、総計回想数69。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEあり、エロシーン連続時付着精液残留あり、尻モザなし、淫語P音修正なし、立ち絵鑑賞モードあり。
<新訳淫妖蟲出典の設定>
人物 |
白鳥武 | 無印では生殖能力を失い蟲憑の呪いが残されたが、今リメイクでは子宮及び臓器の幾つかを喪失という形に変化。 臓器機能は蟲で代替されており、それに伴い霊力も大部分が失われた。 ただその蟲は長い施術下において、人体組織に変え定着させていくことができる模様。 | |
御崎達矢 | 無印ではナイトメアの寄り代で実在の人間だったが、今作では中級?妖魔のインプがその正体。 | |
桃野桃 | 弟が京子の夫。京子とは義理の姉妹、鈴子とは叔母姪の関係ということになる。 | |
ナイトメア | 無印では明かされることがなかったが、春秋学園を足がかりに異世界の妖魔を使役し、いずれはこの国を支配することが目的だった模様。 | |
神庭空 | 人間と猫又の混血、半妖。 | |
桐島香織 | 白猫支店の古株で、長い間京子のパートナーを務めていた。 | |
萩尾杏依 | 身体の縫合痕は、頭部と手足を杏紀の胴体に接ぎ直された為のもの。ゆえにその胸や性器、臓器といった部位は杏紀のものといえる。 獄では心霊手術、スピリチュアルサージャリーを使用していたが、本来はSの技だった。詳細は不明だが、それは萩尾一族の能力に依るもののよう。 反魂の素体となった反動による臓器欠損を、代替蟲に置き換えることで生き延びさせたのもS。 平素にも男性嫌悪が見られるが、であってもその殺害には自殺を考えるほどに強い抵抗を示す。獄での苛烈な行動はナイトメアの影響下にあった為か。 正規ルートでの出産経験あり。 | |
萩尾杏紀 | 杏依の一つ下の妹。双子ではない。 一度はバラバラに解体されたが、Sの反魂によって復活。記憶の連続性があったことから反魂は成功したと思われるが、以後の消息は不明。 正規ルートでの出産経験あり。 | |
S | 人物・職位など詳細不明。杏依たちの前に現れた際も、その人相を確認することはできなかった。年寄りのような声とは杏依の言。 妖魔の使役を肯定している退魔屋本舗のありかたをおぞましいものと唾棄していることから、徹底的な反妖魔思想の持ち主のよう。 |
術 |
八卦炉(はっけろ) | 餓鬼が退魔組織に捕らえられた際に得た、冥王鬼とは違う形で鬼を目指す為の術。月白姉妹の下半身を融合させ巨大な生体の炉として、そこから新たな生命を生み出した。 双角や三本指(ヤマトやあざみの半妖形態では五本)などの特徴を備えたものが生まれたが、即座に腐乱したことから鬼を生み出すことは叶わなかった。 | |
反魂(はんごん) | 詳細は獄の項目。使用者はS。 | |
八百八卦炉(やおはっけろ) | Sによって編み出された、反魂に到る為の術。 杏依の胎内を炉として、杏紀の肉片を用いて人体精錬と魂の定着が成され、結果的に反魂による復活は成功した。 |
用語 |
退魔組織 | 国内の大掛かりな組織は三つに分けられる。 ヤマトたちが属する退魔屋本舗が最も規模が大きく、その他に萩尾姉妹が所属していた、「本社・組織」などと暗じて呼ばれる集団も存在する。 |
緋々色金 | 月白姉妹に施された不死は緋々色金がその源だが、同時に彼女たちに直接用いれば、不死性を減退させ霊力さえも大幅に弱める。破邪の性質を持つ為か。 餓鬼は大量の触手群を犠牲にしながら、妖魔には触れられない緋々色金の欠片を月白姉妹に用いていた。 |
魔界 | ナイトメアは春秋学園と繋げようとしていた異空間をそう呼んでいた。 この世界のものより強力な妖魔がひしめいている模様。 |
霊覚玉(れいかくだま) | 萩尾一族が用いる、霊力を引き上げる為に肉体に埋め込む勾玉。その他の詳細は不明。 |
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