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注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
淫妖蟲 悦 ~怪楽変化退魔録~ (TinkerBell)
2009/11/27
©TinkerBell/Cyberworks
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:3049字)
<まえがき>
バッドエンド及びノーマルエンドは省略しています。
<ストーリー>
ヤマトと深琴のよくある小さな諍いに、これまたよくある脳天に本の角を見舞う武という、黒猫支店ではよくある風景の、過ぎかけた夏のある日。水依が本店に出向いている中で三人は夜から、練絃道という話を切りだされる。それは退魔屋本舗において、ある程度の経験を積んだ者が正式な退魔師として認可される為の最終試験だった。なんちゃって退魔師の深琴、家事手伝いのヤマトと、書類上での扱いを知り今更ながらに憤慨する二人だったが、正式な退魔師となれば基本給が、という話に飛びつく。そして二人は準退魔師の武と共にその試練の場へと赴く。そこは奇しくも深琴と武の故郷、綾神の郷だった。
姉妹の母である初音に迎えられ、ヤマトの育ての親にして師である流れの退魔師、八鬼弥生が監督官を務める中で始まった練絃道。座学を終え、実技の為に郷の頭領、四法院家を訪れた三人を、若き当主である龍樹が迎える。提示された試練は郷の退魔師が敵役を務めるとはいえ、そう難しくないことのように思われた。
山を登るにつれて原因不明の不調を隠せなくなっていくヤマト。にもかかわらず退魔師たちの追撃は容赦なく続く。そして大結界に捕らわれたヤマトたちに、使役される触手体が襲いかかろうとしていたその時、疾風と共にそれを鏖殺し、伝説に語られる大妖の鬼が現れる。あざみと名乗った彼女に、ヤマトは見覚えがあった。夜な夜な見る淫夢に現れる女、それがあざみだった。ヤマトを姉の子、甥と呼ぶあざみは、衝撃的な事実に硬直する一同に、意味深な言葉を残して消え去る。
霊山に封じられた鬼が現れるという事態の後は平穏を保ったまま、ヤマトたちは山頂にたどり着く。祠に呪符を収めた瞬間、何かが解放されるような感覚と共に、ヤマトの不調も霞のように消え去った。聞いたことのない不可解すぎる練絃道の内容に、温泉で深琴たちから事の次第を伝え聞く弥生は首を傾げる。その顔には四法院への明らかな不信があった。
そのさなか突如そこに、触手が垣根を破って現れる。敵襲に構える三人だが、それはヤマトの肉体の一部がなぜか変容したものだった。初音の助けもありヤマトは安静を取り戻すが、その身体からは鬼の因子、倭が消えていた。生まれながらの一つの肉体と二つの魂。その奇妙な安定が崩れた理由、そして結果として何が起きるのか、古今の文献にもない答えを知る者はいない。そこに再び現れたあざみ。ヤマトか倭、いずれの為か、その精を抜いたあざみは妖魔化を食い止める。だがそれを完全に静める為には、いつの間にか戻ってきていた倭の魂魄を再び封印する以外にない。
その精神を眠らせ、肉体を停止させ、封印する。成長した鬼である倭を封じる為には、その能力を持つ三体の妖魔が必要だった。そしてそのような高度な妖魔を獲得するには、それ自体を生み出す以外に方法がない。深琴と武はヤマトの為にその母体となることを決心する。残りの一体は、龍樹の妹である夕の受け持ちとなった。その献身に身を焼かんばかりの苦悩に苛まれるヤマトだが、三人の決意は固く翻ることはない。
三人が葛藤の果てに産んだ妖魔を用いて、倭の再封印が始まった。だが最後の封印を行うはずの夕が突如苦しみだすやいなや、三体の妖魔が弾け飛ぶ。弥生と初音が熟慮を重ねた試みは倭にとって、寝起きを覚醒させる効果しか生まなかった。夕を攫い犯す倭だが、初音の機転で施されていた霊符が精力を枯渇させたことで、肉体の支配権はヤマトに還る。だがもはや猶予はないとして、ヤマトの魂魄ごと倭を分割し弱めるべく、白鳥家に乗り込んでくる龍樹。初音と弥生の機転によって間一髪、脱出に成功したヤマトたちは、郷に動員をかけた龍樹の行動に、界隈で唯一退魔業を営んでいない道明寺への避難を余儀なくされる。
同じ魂について語るヤマトの言葉から、度々肉体を抜け出す倭の行方、そしてあの封印劇に違和感を抱いていた弥生と初音は、その関係を問い質す為に夕の元へと向かう。だがその間隙を縫うように、郷の総力を率いた龍樹が道明寺に攻め寄せる。際限なく押し寄せる下級妖魔の群れを前に、自らが殿となってヤマトたちを脱出させる武。奮闘むなしく捕らえられた武だがその時、完全に途絶えた連絡に不審なものを感じて訪れた夜によって、すんでのところで助けだされた。
その頃、一方のヤマトたちは、龍樹が差し向けた最精鋭の退魔師、天眩破軍七部衆と対峙していた。多勢に無勢で追い込まれるヤマトたちだがそこに、肉体を抜け出ていた倭が夕を伴って現れる。ヤマトの肉体に宿る鬼の因子を抜き取り、あの時の因子が胎内に残る夕を母体として転生することで、ついに受肉し現世に生まれ落ちる倭。だがそこに龍樹が加わり、総力を挙げた攻撃が始まった。転生に力を使ったばかりで抗しきれない倭を尻目に、武と弥生たちの身柄を隠し合流した夜は、ヤマトたちに退避を促す。
だがその中でただ一人、深琴だけは倭を捨て置けなかった。あの学び舎で、あの島で、共に戦った倭は、深琴にとって間違いなく黒猫支店の仲間の一人だった。自身の思いがヤマト、あるいは倭へのものなのか、それを確かめる為にも深琴は霊力がぶつかりあう奔流へと飛び込む。それを歯痒く思いながらもヤマトは深琴の後を追う。力尽きようとしている倭を庇いながら、四方八方から穿たれる雷撃を捌き続けるヤマトたち。だが雷獣たる夜、雷光を持つ深琴をもってしても、反撃の手がなければどうにもならない。一人ずつ弾き飛ばされていく中で最後まで踏みとどまるその背に、逃げろと脱出を叫ぶ倭だが、深琴は最後の瞬間までそれを拒んだ。倭を庇い焼かれ弾かれたその身体、両断され裂けた深琴の上半身を腕にヤマトは咆哮する。その瞬間、倭への、龍樹たちへの、そして自身への怒りに焼かれたヤマトは鬼へと化した。
永遠の責め苦を加えるべく龍樹を昏倒させたヤマトは、憤怒の化身となりながら七部衆を打ち倒す。なおも夜たちを狙いだし、もはや完全に正気を失ったヤマト。だがそれを止めたのは他ならぬ倭だった。深琴を救うのだという言葉にヤマトも、その血色に染まった瞳に色を取り戻す。深琴の欠損した肉体を埋め再構築する為に、倭は自らの肉体を捧げる。それは奇しくも、幼い倭が暴走したあの時と重なった。
魂魄となり、自身の中で再び眠りにつく倭に後を託されたヤマトは、喉が枯れてなお深琴に語りかけ続ける。虚しく過ぎていく時。だが初めて口にした深琴を愛する言葉、そしてヤマトの涙は、その魂をついに呼び戻した。涙と鼻水で顔面を歪めたヤマトは、その身体を二度と離さぬよう強く抱きしめる。
それから一ヶ月後。黒猫支店には変わらない日常があった。深琴は当然のことながら、魂の離れた前後について覚えてはいないようだった。霊力を使い果たした倭は深い眠りにつきながらも、いつもの諍いを眺めては、深琴に思いを伝え直さないことを笑っているのだろう。だが深琴の笑顔を前にしてヤマトは、それでいいのだと思った。
そしてその時、扉をノックする音が響く。そこにいたのは夕だった。各地の退魔組織間交流として東北に赴いた水依のように、一ヶ月の任期で綾神の郷から派遣されたのだった。龍樹も自身が招いた惨状を深く悔い、方針の転換を決心したことで、全ては元の鞘に収まった。倭を変わらず慕う夕と更には気まぐれに現れたあざみに、両腕を占められるヤマト。それに対する深琴の刺のある視線。どこまでも平和で普段通りの、黒猫支店のそんな一日だった。
<プレイ時間>
穢れを撒く~破瓜バッドエンド(初回プレイ)2時間25分、秋津バッドエンド26分、悪夢は続くバッドエンド3時間58分、倭処女~倭融合バッドエンド1時間51分、穢れと共に~慈母バッドエンド1時間9分、孕神子~栄辱バッドエンド1時間58分
ノーマルエンド58分、ハッピーエンド19分、綾神の郷余録壱45分、綾神の郷余録弐40分。計14時間29分。
<印象に残ったシーン>
(地味に謎の存在、それが退魔屋本舗・通称本店。持ちこんでくる仕事はいつも胡散臭いものという、実に怪しさ満点の存在)
(龍樹と武は確かに似たもの同士に思えます。個人的なチンイラ葛藤とか抜きにすれば、少なくとも無印の御崎よりはよほどお似合いだと思います)
<グラフィッカー情報・敬称略>
るんるん、ネコキチ、あずる、むねこちん
<あとがき・3/9>
・エロ+CG
この時期の武は本当に好きです。なんだろう、色気と戸惑いと抵抗と繁殖欲が混在しているというか。いやんいやん叫びながら顔がドエロに呆けきってるところとか。後深琴に負けず劣らずむちむちグラマー巨乳。無印や蝕は手のひらサイズでしたが、その頃は深琴もあんまり変わらない。設定上文章上は深琴の方がいい身体という扱いですが、実際はそこまで変わらない武の印象です。武の立ち絵は悦が一番好き。深琴と水依は凶。水依だけは無印の頃のストレートロングヘアを今の絵で見てみたい気もしますが。
これまで散々一切報われなかった武と三作目にしてついに迎えるハッピーエンド的な、食事からシモから性欲までお世話され尽くされる甘い生活という、穢れと共にエンドなどは本当に素晴らしいです。まあヤマトは肉塊なんですけど。
後あざみは最高に抜けるエロBBAなんですけど、絡みが少なすぎるのが残念。設定的にも色々あるので、続投をずっと望んでいます。
・シナリオ
悦はストーリーも含めて、無印の次点に好きです。好きなんですよね、手を取り合うはずの陣営同士が、譲れない信念の為にぶつかり合わなければいけないという、いと哀しい展開。淫妖で人間が敵というのもなかなか新鮮です。四法院は敵とはいえあおじるゲーの中では比較的珍しい、綺麗なイケメンですが。
不満は水依がいないことだけがね…。ウェブ小説の水依は(尻が)素晴らしかったので、同時期のこの頃の水依はもっと見てみたかったものです。
興味深い設定がもっとも多いので、背景としても悦は好きです。術詠唱とか一番いいですね。愛情イッポンとかドラリオンとかドルエモンとか愉快痛快奇々怪々とかゾマホンとか、名前がちょっとアレですが。
・ストーリー
悦は妖魔を敵にした退魔業ではなく、一貫した行動指針がない為に、結構ストーリーの展開が変わります。練絃道からヤマトの変貌、蟲産みから綾神の郷との戦いと、このめまぐるしさは嫌いではありません。
ノーマルとハッピーが最後しか変わらないので、ハッピーエンドルートは戦い自体が生起しない展開に変更してしまってもよかったのかもとは思います。あざみと受肉した倭が綾神の守り神になることを約束するとか。龍樹の狙いは鬼の力一点のみですが、忠誠を得られずとも郷が滅びるかどうかの戦いを天秤にかければ譲歩する男だと思うんですよね。あざみが新キャラにもかかわらず、封印を解かれた後でも、ヤマトの妖魔化のところと四法院の家での忠告くらいしか関わりがなく、若干寂しいので。
まあ倭を独立させるとヤマトが本格的に存在意義なくしてしまうので、それも難しいものなんだとは思いますが。
基本CG数62(内エロCG数42)、回想数50。
エロ1CG辺りの尺は3分(初音胸愛撫・慈悲乳房CG)から25分(武爆乳化・穢れを育む起承転CG)。平均15分。
永続ループBGVなし、永続ループBGエロSEなし、尻モザあり、淫語修正1文字無音修正あり。
特殊システム(立ち絵鑑賞モード)
<淫妖蟲悦出典の設定>
(正規ルートのみの設定。ただしルートに依らない、人物の固有・核心の設定であれば記載)
(正規ルート、バッドエンドルート両記載)
(正規ルート、バッドエンドルート両記載)
(関連記事:淫妖蟲)
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(関連記事:淫妖蟲外伝2)
(関連記事:淫妖蟲外伝3)
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2009/11/27
©TinkerBell/Cyberworks
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:3049字)
<まえがき>
バッドエンド及びノーマルエンドは省略しています。
<ストーリー>
ヤマトと深琴のよくある小さな諍いに、これまたよくある脳天に本の角を見舞う武という、黒猫支店ではよくある風景の、過ぎかけた夏のある日。水依が本店に出向いている中で三人は夜から、練絃道という話を切りだされる。それは退魔屋本舗において、ある程度の経験を積んだ者が正式な退魔師として認可される為の最終試験だった。なんちゃって退魔師の深琴、家事手伝いのヤマトと、書類上での扱いを知り今更ながらに憤慨する二人だったが、正式な退魔師となれば基本給が、という話に飛びつく。そして二人は準退魔師の武と共にその試練の場へと赴く。そこは奇しくも深琴と武の故郷、綾神の郷だった。
姉妹の母である初音に迎えられ、ヤマトの育ての親にして師である流れの退魔師、八鬼弥生が監督官を務める中で始まった練絃道。座学を終え、実技の為に郷の頭領、四法院家を訪れた三人を、若き当主である龍樹が迎える。提示された試練は郷の退魔師が敵役を務めるとはいえ、そう難しくないことのように思われた。
山を登るにつれて原因不明の不調を隠せなくなっていくヤマト。にもかかわらず退魔師たちの追撃は容赦なく続く。そして大結界に捕らわれたヤマトたちに、使役される触手体が襲いかかろうとしていたその時、疾風と共にそれを鏖殺し、伝説に語られる大妖の鬼が現れる。あざみと名乗った彼女に、ヤマトは見覚えがあった。夜な夜な見る淫夢に現れる女、それがあざみだった。ヤマトを姉の子、甥と呼ぶあざみは、衝撃的な事実に硬直する一同に、意味深な言葉を残して消え去る。
霊山に封じられた鬼が現れるという事態の後は平穏を保ったまま、ヤマトたちは山頂にたどり着く。祠に呪符を収めた瞬間、何かが解放されるような感覚と共に、ヤマトの不調も霞のように消え去った。聞いたことのない不可解すぎる練絃道の内容に、温泉で深琴たちから事の次第を伝え聞く弥生は首を傾げる。その顔には四法院への明らかな不信があった。
そのさなか突如そこに、触手が垣根を破って現れる。敵襲に構える三人だが、それはヤマトの肉体の一部がなぜか変容したものだった。初音の助けもありヤマトは安静を取り戻すが、その身体からは鬼の因子、倭が消えていた。生まれながらの一つの肉体と二つの魂。その奇妙な安定が崩れた理由、そして結果として何が起きるのか、古今の文献にもない答えを知る者はいない。そこに再び現れたあざみ。ヤマトか倭、いずれの為か、その精を抜いたあざみは妖魔化を食い止める。だがそれを完全に静める為には、いつの間にか戻ってきていた倭の魂魄を再び封印する以外にない。
その精神を眠らせ、肉体を停止させ、封印する。成長した鬼である倭を封じる為には、その能力を持つ三体の妖魔が必要だった。そしてそのような高度な妖魔を獲得するには、それ自体を生み出す以外に方法がない。深琴と武はヤマトの為にその母体となることを決心する。残りの一体は、龍樹の妹である夕の受け持ちとなった。その献身に身を焼かんばかりの苦悩に苛まれるヤマトだが、三人の決意は固く翻ることはない。
三人が葛藤の果てに産んだ妖魔を用いて、倭の再封印が始まった。だが最後の封印を行うはずの夕が突如苦しみだすやいなや、三体の妖魔が弾け飛ぶ。弥生と初音が熟慮を重ねた試みは倭にとって、寝起きを覚醒させる効果しか生まなかった。夕を攫い犯す倭だが、初音の機転で施されていた霊符が精力を枯渇させたことで、肉体の支配権はヤマトに還る。だがもはや猶予はないとして、ヤマトの魂魄ごと倭を分割し弱めるべく、白鳥家に乗り込んでくる龍樹。初音と弥生の機転によって間一髪、脱出に成功したヤマトたちは、郷に動員をかけた龍樹の行動に、界隈で唯一退魔業を営んでいない道明寺への避難を余儀なくされる。
同じ魂について語るヤマトの言葉から、度々肉体を抜け出す倭の行方、そしてあの封印劇に違和感を抱いていた弥生と初音は、その関係を問い質す為に夕の元へと向かう。だがその間隙を縫うように、郷の総力を率いた龍樹が道明寺に攻め寄せる。際限なく押し寄せる下級妖魔の群れを前に、自らが殿となってヤマトたちを脱出させる武。奮闘むなしく捕らえられた武だがその時、完全に途絶えた連絡に不審なものを感じて訪れた夜によって、すんでのところで助けだされた。
その頃、一方のヤマトたちは、龍樹が差し向けた最精鋭の退魔師、天眩破軍七部衆と対峙していた。多勢に無勢で追い込まれるヤマトたちだがそこに、肉体を抜け出ていた倭が夕を伴って現れる。ヤマトの肉体に宿る鬼の因子を抜き取り、あの時の因子が胎内に残る夕を母体として転生することで、ついに受肉し現世に生まれ落ちる倭。だがそこに龍樹が加わり、総力を挙げた攻撃が始まった。転生に力を使ったばかりで抗しきれない倭を尻目に、武と弥生たちの身柄を隠し合流した夜は、ヤマトたちに退避を促す。
だがその中でただ一人、深琴だけは倭を捨て置けなかった。あの学び舎で、あの島で、共に戦った倭は、深琴にとって間違いなく黒猫支店の仲間の一人だった。自身の思いがヤマト、あるいは倭へのものなのか、それを確かめる為にも深琴は霊力がぶつかりあう奔流へと飛び込む。それを歯痒く思いながらもヤマトは深琴の後を追う。力尽きようとしている倭を庇いながら、四方八方から穿たれる雷撃を捌き続けるヤマトたち。だが雷獣たる夜、雷光を持つ深琴をもってしても、反撃の手がなければどうにもならない。一人ずつ弾き飛ばされていく中で最後まで踏みとどまるその背に、逃げろと脱出を叫ぶ倭だが、深琴は最後の瞬間までそれを拒んだ。倭を庇い焼かれ弾かれたその身体、両断され裂けた深琴の上半身を腕にヤマトは咆哮する。その瞬間、倭への、龍樹たちへの、そして自身への怒りに焼かれたヤマトは鬼へと化した。
永遠の責め苦を加えるべく龍樹を昏倒させたヤマトは、憤怒の化身となりながら七部衆を打ち倒す。なおも夜たちを狙いだし、もはや完全に正気を失ったヤマト。だがそれを止めたのは他ならぬ倭だった。深琴を救うのだという言葉にヤマトも、その血色に染まった瞳に色を取り戻す。深琴の欠損した肉体を埋め再構築する為に、倭は自らの肉体を捧げる。それは奇しくも、幼い倭が暴走したあの時と重なった。
魂魄となり、自身の中で再び眠りにつく倭に後を託されたヤマトは、喉が枯れてなお深琴に語りかけ続ける。虚しく過ぎていく時。だが初めて口にした深琴を愛する言葉、そしてヤマトの涙は、その魂をついに呼び戻した。涙と鼻水で顔面を歪めたヤマトは、その身体を二度と離さぬよう強く抱きしめる。
それから一ヶ月後。黒猫支店には変わらない日常があった。深琴は当然のことながら、魂の離れた前後について覚えてはいないようだった。霊力を使い果たした倭は深い眠りにつきながらも、いつもの諍いを眺めては、深琴に思いを伝え直さないことを笑っているのだろう。だが深琴の笑顔を前にしてヤマトは、それでいいのだと思った。
そしてその時、扉をノックする音が響く。そこにいたのは夕だった。各地の退魔組織間交流として東北に赴いた水依のように、一ヶ月の任期で綾神の郷から派遣されたのだった。龍樹も自身が招いた惨状を深く悔い、方針の転換を決心したことで、全ては元の鞘に収まった。倭を変わらず慕う夕と更には気まぐれに現れたあざみに、両腕を占められるヤマト。それに対する深琴の刺のある視線。どこまでも平和で普段通りの、黒猫支店のそんな一日だった。
<プレイ時間>
穢れを撒く~破瓜バッドエンド(初回プレイ)2時間25分、秋津バッドエンド26分、悪夢は続くバッドエンド3時間58分、倭処女~倭融合バッドエンド1時間51分、穢れと共に~慈母バッドエンド1時間9分、孕神子~栄辱バッドエンド1時間58分
ノーマルエンド58分、ハッピーエンド19分、綾神の郷余録壱45分、綾神の郷余録弐40分。計14時間29分。
<印象に残ったシーン>
(地味に謎の存在、それが退魔屋本舗・通称本店。持ちこんでくる仕事はいつも胡散臭いものという、実に怪しさ満点の存在)
(龍樹と武は確かに似たもの同士に思えます。個人的なチンイラ葛藤とか抜きにすれば、少なくとも無印の御崎よりはよほどお似合いだと思います)
<グラフィッカー情報・敬称略>
るんるん、ネコキチ、あずる、むねこちん
<あとがき・3/9>
・エロ+CG
この時期の武は本当に好きです。なんだろう、色気と戸惑いと抵抗と繁殖欲が混在しているというか。いやんいやん叫びながら顔がドエロに呆けきってるところとか。後深琴に負けず劣らずむちむちグラマー巨乳。無印や蝕は手のひらサイズでしたが、その頃は深琴もあんまり変わらない。設定上文章上は深琴の方がいい身体という扱いですが、実際はそこまで変わらない武の印象です。武の立ち絵は悦が一番好き。深琴と水依は凶。水依だけは無印の頃のストレートロングヘアを今の絵で見てみたい気もしますが。
これまで散々一切報われなかった武と三作目にしてついに迎えるハッピーエンド的な、食事からシモから性欲までお世話され尽くされる甘い生活という、穢れと共にエンドなどは本当に素晴らしいです。まあヤマトは肉塊なんですけど。
後あざみは最高に抜けるエロBBAなんですけど、絡みが少なすぎるのが残念。設定的にも色々あるので、続投をずっと望んでいます。
・シナリオ
悦はストーリーも含めて、無印の次点に好きです。好きなんですよね、手を取り合うはずの陣営同士が、譲れない信念の為にぶつかり合わなければいけないという、いと哀しい展開。淫妖で人間が敵というのもなかなか新鮮です。四法院は敵とはいえあおじるゲーの中では比較的珍しい、綺麗なイケメンですが。
不満は水依がいないことだけがね…。ウェブ小説の水依は(尻が)素晴らしかったので、同時期のこの頃の水依はもっと見てみたかったものです。
興味深い設定がもっとも多いので、背景としても悦は好きです。術詠唱とか一番いいですね。愛情イッポンとかドラリオンとかドルエモンとか愉快痛快奇々怪々とかゾマホンとか、名前がちょっとアレですが。
・ストーリー
悦は妖魔を敵にした退魔業ではなく、一貫した行動指針がない為に、結構ストーリーの展開が変わります。練絃道からヤマトの変貌、蟲産みから綾神の郷との戦いと、このめまぐるしさは嫌いではありません。
ノーマルとハッピーが最後しか変わらないので、ハッピーエンドルートは戦い自体が生起しない展開に変更してしまってもよかったのかもとは思います。あざみと受肉した倭が綾神の守り神になることを約束するとか。龍樹の狙いは鬼の力一点のみですが、忠誠を得られずとも郷が滅びるかどうかの戦いを天秤にかければ譲歩する男だと思うんですよね。あざみが新キャラにもかかわらず、封印を解かれた後でも、ヤマトの妖魔化のところと四法院の家での忠告くらいしか関わりがなく、若干寂しいので。
まあ倭を独立させるとヤマトが本格的に存在意義なくしてしまうので、それも難しいものなんだとは思いますが。
基本CG数62(内エロCG数42)、回想数50。
エロ1CG辺りの尺は3分(初音胸愛撫・慈悲乳房CG)から25分(武爆乳化・穢れを育む起承転CG)。平均15分。
永続ループBGVなし、永続ループBGエロSEなし、尻モザあり、淫語修正1文字無音修正あり。
特殊システム(立ち絵鑑賞モード)
<淫妖蟲悦出典の設定>
人物 |
橘木ヤマト | ヤマトの父は死亡したとされていたが(無印)、実際には倭と同じように妻の死で怒りに飲まれ鬼と化した。 それを封印したのが深琴たちの父。両者は親友同士だった。 鬼となった肉体を瀕死の倭と夜に分けることで封印した。その魂魄は現在行方不明で、深琴たちの父が捜索にあたっているが音沙汰なし。 二つの魂を内包していたヤマトの肉体はその影響ですでに変容しており、純粋に人のものとはいえない。 倭を失うことで魂と肉体の均衡が崩れ、結果として妖魔に近い姿になるのはその為。 |
倭 | 鬼である母から受け継がれた鬼の因子。もう一人のヤマトで、母の死で呼び起こされた強い怒りから人格として覚醒した。 これまでヤマトが鬼の力を解放した際、その力を意識的に与えており、その出来事を見知っている(無印・蝕)。 ヤマトに幼少期の記憶がないのは、その頃の肉体が倭の意識下にあった為。 ただしヤマトは幼い頃の水依との思い出や、母の死で街を離れる際の別れを明確に記憶している(無印)。この時の主人格がどちらだったかは不明。 深琴と武、弥生と夕に対しては他の人間にはない、執着のようなものを抱いている。特に深琴に対してはヤマトと同じ感情とされる。 |
あざみ | ヤマトの母の妹で叔母にあたる。文献における呼び名は无射志碇星鬼(むざし-ていせい-き)。明治期に封印される。 今代当主の龍樹との取引で、倭の覚醒、ヤマトの父の魂魄の捜索、綾神の郷の者を襲わないという条件つきで、忌姫山の封印から解き放たれた。 仮に倭を龍樹に奪われ下僕にされたとしても、その際は綾神の郷を滅ぼし奪い返せば問題ないと考えていた。 事実、人に御せるまでに分割され薄められた鬼紛いでは、あざみには到底及ばない。 同族の倭には当然として、ヤマトに対しても肉親の情を寄せているよう。 |
白鳥初音 | 深琴・武の母。深琴か武、どちらかをヤマトの嫁にと何度も口にしている。 元退魔師で、結界、治癒の術を得意とする。現在では引退し、後進のサポートを行っている。 夫も退魔師だが、現在行方不明。初音は現世ではないところまで戦いに行っていると表現した。 |
八鬼弥生 | 「天狗掌の八神」という通り名を持つ上級退魔師にして、ヤマトの師。弥生自身の師はヤマトの父だった。 その記憶がない頃のヤマトを連れ、全国を巡り退魔業をこなしていた。二人で綾神の郷に住んでいた時期もあるらしい。 封じられた鬼の因子を取り除こうと手を尽くしたが、最終的に不可能という結論を出す。 ヤマトに対しては母性にも似た親愛を寄せているが、一方の倭に対してはかつての記憶もあり、複雑な敵意を抱いている。 幼かった倭を封印という形で眠らせた後、退魔屋に身を寄せた夜にヤマトを預ける。ヤマトの記憶があるのはこの頃から。 |
四法院龍樹 | 悦ボス。綾神の郷の名士である四法院家の当主。四法院家は綾神の退魔師の頭領たる地位を占める。 1年前、両親が戦いで命を落としたことで家督を継いだ。ヤマトたちの数歳ほど上の年齢。 あざみを封印から解いた理由は倭の魂を手に入れ、孕神子を用いて鬼を手駒とする為。 人類の拡大とそれに伴う私欲の増大が昨今の妖魔の強大化に繋がり、このままでは遠からず抵抗の術を失うと考えている。 あざみを解放し、孕神子の知識を得る為に妹を供し、ヤマトの犠牲も仕方のないことと捉えるなど、力を得る為には手段を問わない。 心優しい青年ではあるが、兄や里長としての思いと、退魔師としての決意は別物。 妖魔に捕らわれた経験を持つ元蟲憑であり、封印で不完全に抑えこんでいる武と違い、性衝動を痛みに変換している。 |
四法院夕 | 龍樹の妹。兄に道ならぬ思いを抱いている。龍樹とは違う形で郷の為に、倭と契約した。それが具体的に何を指すのかは不明。 結果的には倭を受肉させる為の母体となる。その過程で倭に恋したよう。 |
道明寺光彦 | 綾神の郷の菩提寺、道明寺の住職。 妖魔に殺められるなど非業の死を遂げた者は正しく供養されなければ死霊となる為、退魔業には関わっていないが、並の退魔師を凌ぐ法力を持つ。 龍樹とは同い年だが正反対の性格。郷での水着パレードやメディア露出、女退魔師のアイドル展開といった村おこしを龍樹に訴えるなど、かなり俗っぽい。 弥生をヤヨリンと呼ぶなど何かしらの縁があるようだが、彼女からは苦手とされている。 一方でヤマトには今回シンパシーを感じたらしく、二人共にウマが合うよう。 |
術 |
曖杖逸奔(あいじょういっぽん) | 深琴に擬似男性器を生やした弥生の術。瓶の中に収まった何かしらの媒体を用いた為、術自体にどのような効果があるのかは不明。 | 言霊印 「池頭春草に蒔きし種、その恵み懇々と吸い抄いて疾く威きり伸び賜え。曖杖逸奔」 |
簡易走査(名称不明) | 武が文献から得た術。皿の中をその地域の水、井戸水と御神酒で満たし、柊南天の葉を一枚浮かべ、気を通す。普段であれば回転し続ける葉が霊気を捉えると、その方向へ引き寄せられる。 武は携帯しやすいよう皿ではなくペットボトルを用いた。いってみれば水依の能力の劣化汎用術。知気探求と同じ種の術だが、妖気と霊気の差異があり、こちらは人間などを感知できる。 | 言霊印 「我が眼、甘風にひらぐ翼となりその飛影に触れし物、身を伏せしこと能わず」 |
完全睡眠(名称不明) | 深琴が産んだ妖魔と共に行使した術。一時的とはいえ、鬼を完全に眠らせ無効化した。 | 言霊印 「ヤマトの中に住まいし、人ならざる者の魂魄よ。汝、長くたゆたう汚泥を纏い、ゆるく、ゆるく、永久にゆるく闇の王の祝福の中に眠り賜え。ゆるく、ゆるく、永久にゆるく、闇の王の祝福の中、何人たりとも汝の安息妨げること能わず。ゆるく、ゆるく、永久にゆるく、闇の王の祝福の中、ぬくもりの尊きを喜びて眠り賜え。ゆるく、ゆるく、永久にゆるく」 |
神音波(かんのんぱ) | 身体能力を増強する狗法と呼ばれる術。敵を直接掴み手を通して、気を送り込み攻撃する。弥生が得意とする。 | 言霊印 「剛力招来、超力招来。狗法・神音波」 |
鎖悶陰形結界(さもんいんぎょうけっかい) | 対象を捕縛、拘束する結界。妖魔の使う魔結界のように、肉壁の異界を形成する。倭の魂魄を失い暴走したヤマトに対して弥生が用いた。 術者である弥生をも取り込もうとする、取り扱いの難しい術。 | 言霊印 「剛力招来、超力招来。狗法・鎖悶陰形結界」 |
式神 | 自我を持たない低級霊などを、札といった媒体を用いて擬似的に受肉させ使役する。ヤマトたちは使用できないが武は多少の心得があるとのこと。桜花のものと同一だが、あちらは霊獣に近く、極めて高度な術。 | |
浄化(名称不明) | 初音が展開した結界。妖魔に憑かれた退魔師の破壊衝動を性欲に変換し昇華する。 | 言霊印 「欲を根とし身を根とせし者、汝の拠る世は鈍色の白き汚泥の中にあり」 |
真尭陰形結界(しんぎょうおんぎょうけっかい) | 空間の位相を変える術。 術にかかった者は、目に見える風景の中にあって、一つずれた別の次元に捕らわれる。森の中で術にかかったとすれば、草木は目に映っても触れられず、立つ地面さえも結界の一部にすぎない。物理的な脱出は不可能。 極めて強力な術ではあるが、複数の術者が必要な大魔術で、かつ一人は結界内で術を維持しなければならない。 | |
生体停止(名称不明) | 武が産んだ妖魔と共に行使した術。ヤマトごと倭を肉体活動停止状態においた。 | 言霊印 「四肢五体に轟きし響き、見えざる腕持ちて汝を戒めるモノなり。汝、動くこと能わず。四肢五体に轟きし響き、見えざる衣持ちて汝を包むモノなり。汝、察すること能わず。四肢五体に轟きし響き、汝に疾く駆け渡り賜え」 |
全陣烈刃・銅鑼利音 | 龍樹が天眩破軍七部衆、及び十体以上の雷獣を陣とした元に使用した大魔術。 ヤマト、倭、光彦、雷獣の鵺である夜、雷光を持つ深琴、があわさった防御壁を撃ち抜くほどの大火力。 | 言霊印 「天網恢々疎にして漏らさず。轟き持ちて具来し熾光の御手、天地を結びて我が敵を砕く鉄槌となり賜え。全陣烈刃・銅鑼利音」 |
天象操作(名称不明) | 妖魔を用いた術による嵐を、天候ごと消し飛ばした風の術。術者への負担が非常に大きく、術後の武は体力を使い果たし動けないほどだった。 | 言霊印 「我、白き西の王に献言す。猛き咆哮の慈しみ忘れし雨調べ汝の威厳害うものなり。御力もちて清純なる律の調べ取り戻し賜え。我が響き聞き届け賜え」 |
転水縛腑三陣(てんすいばくふさんじん) | 依代に魂魄を定着させる術。覗き見をするヤマトの魂魄を、温泉の湯に閉じ込める意図で弥生が使用した。本来は式神などに用いる術か。 | 言霊印 「汝、遍く地の雫を身とし、拠るべき肉に帰する事叶わず。転水縛腑三陣」 |
怒髪天(どはつてん) | 身体能力を増強する狗法と呼ばれる術。髪を硬化させ刺突に用いる。弥生が得意とする術。 | 言霊印 「剛力招来、超力招来。狗法・怒髪天」 |
怒瑠獲門(どるえもん) | 身体能力を増強する狗法と呼ばれる術。陰門を使い侵入してきた対象を食いちぎる。弥生が得意とする術。 | 言霊印 「剛力招来、超力招来。狗法・怒瑠獲門」 |
魄離聞眼(はくりきがん) | いわゆる幽体離脱の術。座学中のヤマトが古文書の中から発見した。霊体は川辺や雨中など、水分によって安定する性質がある。女湯を覗く為に使用した。 | 言霊印 「魂魄の理を廃し我が五種の感よ、現世に放たれ舞い駆けよ。秘術、魄離聞眼」 |
覇焚掌(ばぶんしょう) | 身体能力を増強する狗法、それによる掌打。弥生が得意とする術。単純に威力を増した上位版である、剛禮覇焚掌という技もある。 | 言霊印 「剛力招来、超力招来。狗法・覇焚掌」 |
憑依術 | 動物霊などを自身に憑依させる術。本来はそのような使い方で妖魔に抗するが、使い手である夕は争い事が苦手で温和な動物霊しか憑依させることができない。 | |
分魂封星七碌(ぶんこんふうせいななろく) | 強大な魂を封じるために編み出された補助術。魂を小分けにし、御しきれるまでに弱める。倭の場合は7つにまで分魂されるはずだったので七碌と呼ばれる。 | |
癒戒通戒・忌鬼廻界 | 龍樹が倭に用いた、綾神の郷に連綿と受け継がれてきた対鬼専用大結界。綾神の霊脈たる地形を利用したもの。 かつてあざみを封じることができたのも、この術によるところが大きい。この結界の中では鬼の力は大幅に削がれる。 | 言霊印 「綾神の峰、角帯びし者の御身その懐に召して、吐息塞ぎ、脈動塞ぎ、寸分の身じろぎ与えること許さず。角帯びし者、綾神の峰の御霊に頭垂れ謹み敬いて、この地の盤石と化せ。角帯びし邪なる者の名は倭なり。癒戒通戒・忌鬼廻界」 |
雷鉾 | 深琴の雷光から直接打ち出す雷撃。中級妖魔程度であれば一撃で滅ぼせるほどの、身体から放つ電撃とは比べ物にならない出力を誇る。 | 言霊印 「その輝きは陽の如し、天震え地轟く千の鉾。言霊に集い我が敵を砕き貫け。光、成れ」 |
霊診(名称不明) | 武がヤマトに使った治癒系の術。霊符を通して身体の状態を調べることができる。 | 言霊印 「汝、四肢五体に馳せ廻りし者に問う。陰何処、棘何処、膿何処、窄何処、礫何処」 |
用語 |
鬼 | 妖魔の中でも最上位に位置づけられる大妖。 生まれながらの鬼の他に、個人の強い怒りが周囲の念と同化することで、人が直接鬼となるケースが極稀にある。後者は歴史上、13件確認されている。 |
神 | 陰気を元に生まれる妖魔と逆を成すもの。 陽気から生まれるが、陰気に比べ強い感情に乏しく、固定化され顕現するほどの存在は少ない。 |
腫下法・魂蘭茅(しゅげほう・たまらんち) | 下級妖魔。いわゆる触手、いつものアレ。の人間側文献における呼称。 個々に自我はないが、群として寄り集まると知性を発芽させる。その個体が核(蝕参照)。 |
腫中法・楚馬叛(しゅちゅうほう・ぞまほん) | 中級妖魔。体高10mを超える大型の甲虫型妖魔。 綾神の郷でも使役されており、ヤマトたちに襲いかかった。処刑された罪人の負の感情から生まれる。 |
天眩破軍七部衆(てんげんはぐんしちぶしゅう) | 綾神の郷、最精鋭の退魔師である七人組。 全て女性で、全員が妖魔の種を孕んでいる。龍樹はこれに、分魂封星を用い7つに分魂した倭の魂魄を植え付けることで、鬼の力を持つ妖魔を得ようとした。 |
流れ退魔師 | 退魔の郷や退魔屋といった組織にとらわれない、個人で退魔業を営む者。 組織力とは無縁な為に小口の仕事が多いが、己が身体一つで妖魔と渡り合う結果として、高い実力の者であることがほとんど。 閉鎖的になりがちな郷と郷との連絡や、一つの流派に凝り固まりやすい郷に新たな風を呼びこむ為に雇われることも多い。 |
孕神子(はみこ) | 綾神の郷では妖魔を使役する術が盛ん。 下級妖魔であれば捕獲してしまえばいいが、中級妖魔は犠牲が大きすぎ、上級妖魔となるとまず捕獲不可能。そういった強力な妖魔を使役する為には、召喚した妖魔と交わり孕む、人身御供が必要となる。その呼称。 あまりに過酷すぎ、また霊力の高い女性退魔師の使い捨てになりかねない為、現在では外法扱い。 |
半妖 | 妖魔と人間から生まれた混血の呼称。 通常、人間と妖魔の交配は、ヒト側の遺伝子が全て食い尽くされてしまう為に、純粋な妖魔のみが生まれる。人間と妖魔の両因子を完全に備えて生まれることは非常に稀であり、文献にもその存在は記されていない。 人間の父親と鬼の母親から生まれたヤマト・倭のみが記録に残り、かつ現存する唯一の事例。 |
蟲憑 | 説明は触の項。悦の舞台から数年後、克服の一端が開かれる。 蟲憑同士が寄り添うと妖気が反発しあい、ほぼ無効化と呼べるほどに性衝動が軽減される。 |
妖魔 | その本質は人間の感情の集合体。様々な感情が寄り集まったものが長い年月をかけ形を成し、更に自我を獲得することで妖魔となる。 魂蘭茅などは飢餓の苦しみ、鬼などは怒りの感情から生まれたとされる。とはいえ原因となったその念が妖魔のあり方を左右するわけではない。夜などのように融和的な妖魔も存在する。 |
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