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注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
美少女万華鏡 -神が造りたもうた少女たち- (ωstar)
2015/3/27
©ωstar
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:3883字)
<プロローグ>
深見がその宿に足を運ぶのはこれが都合三度目。蓮華の持つ万華鏡に魅せられてか、あるいは未だ謎の存在である彼女自身に興味を惹かれた為か。その胸の内は自身のことながら、判然としない。そんな戸惑いを知ってか知らずか、帰りを待つと囁いた蓮華はその七宝色の細工でもって、深見を再び夢の世界へといざなう。
<神が造りたもうた少女たち>
進化した機械生命と創造主たる人類が引き起こした最終戦争によって滅びを迎えた世界。その先にあっても、人類はその存在を辛うじて維持していた。だが果てしない干ばつと化学汚染された大地という環境は、僅かに残された人々の生命を常に脅かしている。その数少ない生存圏である村を、神成龍之介は訪れた。汚染された地下水を浄水する旧時代の遺物である給水塔、その管理を行える龍之介は村人たちから博士と呼ばれ、余所者ながら閉鎖的な村社会にもどうにか受け入れられていた。荒れ果てた砂漠に向日葵でもって植生を取り戻そうとしている変人、とも見られてはいたが。
そんな龍之介は村人たちには決して明かせなかったが、彼らが悪魔の城と恐れる、砂漠の果てに建つ塔で暮らしていた。マザーコンピューター・ガイアと龍之介の存在によって未だ内部設備が維持される、旧時代に家庭向けドールを生産していたファンタージエン社の工場兼本社ビル。水源と発電、書庫や研究所などの施設、植物標本からワクチンといった希少品に至るまで現存する、失われた文明の楽園だった。
その日龍之介は幼い頃に見かけて以来、人生の一つの標となっていた、破棄されていた有機体アンドロイドの起動を成功させる。亜璃子(アリス)と名づけたそれに、メイドの役割を期待していた龍之介。だが元は低年齢向けの友達というコンセプトで製造されお嬢様じみたアリスは、書き換えられたプログラムに猛反発し、メイドとしてはまるで使いものにならない。売り言葉に買い言葉から、アリスを性欲処理の道具として使ってしまった龍之介はその憎悪を受ける。本気かは定かではないにせよ、殺意にまで言及し行動に移り始めたアリスを前に、龍之介は新たな存在を求めた。そうして動かされた、次なるドールの燈露椎(ドロシー)。
メイドとしては完璧ながら無機質に過ぎ、にもかかわらず確固とした我を感じさせるドロシーに、龍之介は居心地の悪さを覚える。それには、ドロシーが現れて以来姿を消したアリスへの罪悪感も作用していた。アリスとドロシー、向きは違えど、その心の在処が掴めず触れあえないことが龍之介を苛む。親の顔も知らず、今は亡きマザーと呼ばれる塔のロボットを母代わりとして育った龍之介に、他者の、ましてや女の扱いがわかろうはずもない。
幼い頃に見かけた二人と、友達になりたいと願い続けていたはずの龍之介。それを確信として思い出したのは、アリスが塔を去ったという話を聞いてからだった。砂漠で行き倒れとなっていたアリスに追いついた龍之介はその思いを叫ぶ。龍之介とドロシーを見て、そこに自身の居場所はないのだと絶望していたアリス。誰もが友達、そして家族を求めていただけだった。それを伝えるほんの少しばかりの勇気が足りなかっただけ。抱きあう二人を見つめるドロシーの眼差しは微笑みを湛えた優しいものだった。
触れあいの中で二人はプログラムではない、一つの明確な意志を発芽させていく。理屈ではない、誰かを愛するということ。二人のいずれかを選んで欲しいという言葉に龍之介は困惑する。選ばれなかった側はどうなるのか。そう考えると、龍之介の口はまるで縫いつけられたかのように動かない。(※1)
二人から距離を置きたい一心で足を運んだ村の酒場。そこで龍之介は女主人のリリーから、愛の告白を受ける。人見知りがちな自身にも分け隔てなく接してくれていた、憧れの女性だったリリー。だが龍之介はその手を取ることが出来なかった。脳裏に浮かんだのは彼女の姿。ようやく心は定まった。龍之介はその思いを伝える。愛していると。
一つの節目を迎えても龍之介の危惧とは裏腹に、三人の関係に大きな変化はなかった。例え選ばれなかったとしても、家族であることは変わらない。続いていく日常の中である日、三人は孤児たちにお菓子を振る舞う為、村に足を運ぶ。そこに、金属疲労で主柱を失い崩れてくる給水塔。土煙の後には、塔の崩壊を膂力で押し留める二人と、地面にうずくまる子供たちの姿があった。だがその光景は村人たちの、ある疑念を招く。
村では一つの宗教が蔓延っていた。人と同じ姿をした悪魔、旧世界を滅ぼしたロボット。元は村を支配する為の方便に過ぎなかったはずの手段が、その明確な証を得る。教会神父は龍之介に、命が惜しいのならば二人を引き渡すよう要求する。龍之介の為に命をなげうとうとする二人。その行いに人と機械のどんな違いがあるのか。そこにある生命への尊厳に龍之介は命をなげうち、魔窟と化した教会から二人と共に逃げる道を選ぶ。かつては龍之介とも杯を交わし未来への希望を語った友人たちが、目を剥きながら狂信に走る悪夢。神父はアポカリプスという、旧世界を滅ぼした生物兵器さえ用い、逃走を阻む。
命からがらどうにか塔へと辿り着いた三人。ウィルスに冒された二人にワクチンを打った龍之介はマザーコンピューターのガイアから予想だにしない話を持ちだされる。敵を殲滅する為に人が作り出したアポカリプスは忌むべき失敗作であり、ロボットの有機細胞だけではなくあらゆる生命体の生体組織を攻撃するのだと。そして龍之介はファンタージエン社の科学者だった母によってコールドスリープを施され、母の意識をクローニングしたガイアがワクチンを完成させていたことを知る。
村へと走った龍之介たち。そこは全てのものが死に絶えた墓標と化していた。最後まで三人を庇ったリリーの亡骸を前に龍之介は絶望する。だが村の外では、これまで一度たりとも花を咲かせることがなかった、龍之介が改良した向日葵が砂漠に広がっていた。そして村を案じて現れた、ブギーマンと呼ばれる汚染地帯に住む人々。アポカリプスにさえ耐性を持った、荒野に生きる者たちの姿だった。それはまるで何かさきがけのような光景。(※2)
<リリーエンド>
(※1)
塔を飛び出し村の酒場へと走った龍之介。そこには、常に親身に接してくれていた、女主人のリリーがいる。龍之介の板挟みの苦悩を知ったリリーは、その手を重ねる。砂漠に緑を広げるという夢物語。こんな世界で見ず知らずの誰かの為に生きている、お人好しで変わり者の男に、リリーは恋をしていた。そして龍之介もまた、人と碌に交われない自身でもいつか彼女と親しくなれればという、アリスとドロシーに願いを託したきっかけを思い出す。
初めて知った生身の女に溺れる龍之介。二人に答えを返せないまま時間だけが過ぎていく。そんな中、実験中に爆発事故が起きた。自身を庇いアリスとドロシーが死んだという現実、そこから龍之介は酒に逃げ続ける。恋人を案じ塔に身を寄せるようになったリリーに対しても、心を開けなくなっていった。リリーに支えられながら横になる龍之介。だが安眠の日が訪れることは、もはやない。
<ドロシーエンド>
(※2)
それから一年が過ぎた。リリーのことは龍之介の胸に未だ小さな棘を残しているが、未来の為に立ち止まってばかりではいられない。ブギーマンたちと協力し緑を広げるという夢。それが食料と燃料という日々の糧を与えてくれる日も、そう遠いものではないだろう。
その日龍之介はドロシーから、旧世界の記念日について言及される。女性が愛する男性に贈り物をするという日。書物で語られるようなデートを楽しんだ二人は心と身を繋げる。今はまだ恋人。だが二人はまだ始まったばかり。それがこの先どう変わっていくのか。龍之介は二人の未来に、思いを馳せる。
<アリスエンド>
(※2)
それから一年が過ぎた。リリーのことは龍之介の胸に未だ小さな棘を残しているが、未来の為に立ち止まってばかりではいられない。ブギーマンたちと協力し緑を広げるという夢。それが食料と燃料という日々の糧を与えてくれる日も、そう遠いものではないだろう。
相変わらず小憎たらしい、だがゆえに一層愛おしいアリスと、龍之介は少々変わったプレイで今日も愛しあう。その最後は口づけで締められるのが二人の慣わし。それが離れることのないように。
<アリス・ドロシーエンド>
(※1)
それでもなお龍之介は二人のどちらかを選ぶことができない。二人を愛している、それが偽らざる気持ちだった。それこそが、二人が望んだものだった。龍之介から寄せられる思いを知ったアリスとドロシーは、そこに互いの存在を認める。穏やかな日常へと還った三人。今日も情熱的に始まる交歓を脅かすようなものは何もない。この日々は続いていく。まるで夢のように。いつまでも。
<エピローグ>
夢から覚めた深見。淫靡に彩られた、美しい物語を再び垣間見たような。だがそこへ不意に激しい頭痛が襲う。いつしか側に佇んでいた蓮華に手を添えられた瞬間、それは幻のように消え去ったが、彼女は寂しげに笑う。額をくすぐる温もりを残したまま蓮華は、いつかのようにその姿を消した。
翌日宿を離れる深見。新作小説の構想に集中するあまり足をもつれさせたところに、不意に彼女の声が響いた気がした。それは竹林を通り抜ける風の響きだったのかもしれない。だが振り返ればここではいつでも、彼女に見守られていたように思えた。深見は蓮華へ別れの挨拶を口に、そして再会を期して、歩みを始める。
<プレイ時間>
リリーエンド(初回プレイ)7時間54分、ドロシーエンド2時間51分、アリスエンド2時間40分、アリス・ドロシーエンド32分。計13時間57分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
夏華瑠璃、MARSHAN
<あとがき・2015/5/1>
・CG
今回boin以来となる八宝氏の本格的年増おねいさんの登場ということで、おっぱいに密かに期すものがあったんですが、それは残念な結果に終わってしまいました。クラクラの杏夏はあんまり年増という感じがない。昔は色白年増巨大おっぱいのみに、血管の筋が薄く浮き出てたんですが、あれなんだかエロいんですよね。やっぱりもうあれやらないんでしょうか…残念です。
3話目ということで、絵と塗り自体はもう語ることもないくらいです。シリーズ4作目となってもまるで衰えることを知らぬ素晴らしい出来です。
・エロ
卑語りまくりです。ただこれはいつも通りとも言えますが、なんというのでしょうか、はっちゃけたタイプのエロテキストです。ムキムキとかギンギンとかびしょびしょとか濡れ濡れだとか、そういった形容詞が乱舞しています。個人的には情景の実況的な台詞で占められるより、喘ぎや吐息を第一にした、感情のやりとりを重視します。好きとか嬉しいとか最低の屑ねとか。もちろん実況もあってもいいのですが、ちょっと多くてくどかったかな。
エロ絵の構図はワキとか足の裏とかが結構多くて好きです。八宝氏の描く膝頭と、足指と足の裏好きなんですよね。適度に固そうで。
・シナリオ+演出
世界崩壊後という中々に厳しい背景設定ながら、1話2話に比べて今回はコミカル寄り。ミドリムシスライムやトトのくだりはほのぼのしました。そういう場面でも立ち絵やエフェクト、SEなど演出に富んでいて楽しいです。演出では初代ですでに周知のことですが、ロープライスの範疇を超越しています。
シナリオ的にはガイア関連で幾つかの謎が最後まで残りました。アリスとドロシーを始めとしたAI全てに対して否定的ですが、旧大戦の元凶という理由以上のものが感じられなかった点。龍之介が神となるべき、とガイアはよく漏らしますが、それが単純に指導者的な意味合いなのか別の意味を持つものなのか、漠然としている点。描写された母親の言動と現在のガイアには差異が見られるので、龍之介という原則を除いて、完全に同一の存在というわけではなさそうですが。設定的な意味でのバッドエンドが今回なかったので、その辺りを2話のように補完していたらなと思います。心変わりを生む変化から龍之介が神になることを決意する、ガイアがやはり改めてアリスとドロシーを破壊してその理由を語る、バッドエンドが。
・キャラクター
アリス…。2年くらい前から狙ってたあの娘。
友達の代替として作られながら求めていたものが家族だったロボットって、こう書くとなんか哀しいですね。後別にツンデレではなかったですね。和解する前はかなり本気で憎悪してるっぽいので。その後はデレ続けますが。まあそんな小難しいことは別として、最高に好みの容姿をしております。まさに愛玩ドールの名に相応しい。
2話がそうだったのでサブキャラに走るとバッド風味になるのはなんとなく予想していましたが、正規ルートで死亡までいくとは正直思いませんでした。実は塔まで追いかけてきてたんでしょ?ガイアが保護してたんでしょ?と村に着くまでは思ってたんですが。
リリーは最後まで主人公を庇い、マッドドッグは不明ですが敵意を向ける描写自体はなかっただけに残念でした。誤解から関係が始まったダグも地味に残念でしたね。そういった経緯があればこそ深い友人にもなれるもので、信仰より友情に真実を置くような気骨さに期待したんですが。
基本エロCG数33+基本一般CG・カットインCG数24、回想数22。
エロ1CGあたりの尺は6分半(ドロシー初体験手淫)から21分(アリス逆レ○プ)。平均14分。
BGVなし、BGエロSEあり、尻モザなし、淫語修正なし。
特殊システム(AEアニメ・6CG)
(関連記事:美少女万華鏡 第1話 -呪われし伝説の少女-)
(関連記事:美少女万華鏡 第2話 -忘れな草と永遠の少女-)
(関連記事:美少女万華鏡 第2.5話 -かつて少女だった君へ-)
(関連記事:美少女万華鏡 第4話 -罪と罰の少女-)
2015/3/27
©ωstar
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:3883字)
<プロローグ>
深見がその宿に足を運ぶのはこれが都合三度目。蓮華の持つ万華鏡に魅せられてか、あるいは未だ謎の存在である彼女自身に興味を惹かれた為か。その胸の内は自身のことながら、判然としない。そんな戸惑いを知ってか知らずか、帰りを待つと囁いた蓮華はその七宝色の細工でもって、深見を再び夢の世界へといざなう。
<神が造りたもうた少女たち>
進化した機械生命と創造主たる人類が引き起こした最終戦争によって滅びを迎えた世界。その先にあっても、人類はその存在を辛うじて維持していた。だが果てしない干ばつと化学汚染された大地という環境は、僅かに残された人々の生命を常に脅かしている。その数少ない生存圏である村を、神成龍之介は訪れた。汚染された地下水を浄水する旧時代の遺物である給水塔、その管理を行える龍之介は村人たちから博士と呼ばれ、余所者ながら閉鎖的な村社会にもどうにか受け入れられていた。荒れ果てた砂漠に向日葵でもって植生を取り戻そうとしている変人、とも見られてはいたが。
そんな龍之介は村人たちには決して明かせなかったが、彼らが悪魔の城と恐れる、砂漠の果てに建つ塔で暮らしていた。マザーコンピューター・ガイアと龍之介の存在によって未だ内部設備が維持される、旧時代に家庭向けドールを生産していたファンタージエン社の工場兼本社ビル。水源と発電、書庫や研究所などの施設、植物標本からワクチンといった希少品に至るまで現存する、失われた文明の楽園だった。
その日龍之介は幼い頃に見かけて以来、人生の一つの標となっていた、破棄されていた有機体アンドロイドの起動を成功させる。亜璃子(アリス)と名づけたそれに、メイドの役割を期待していた龍之介。だが元は低年齢向けの友達というコンセプトで製造されお嬢様じみたアリスは、書き換えられたプログラムに猛反発し、メイドとしてはまるで使いものにならない。売り言葉に買い言葉から、アリスを性欲処理の道具として使ってしまった龍之介はその憎悪を受ける。本気かは定かではないにせよ、殺意にまで言及し行動に移り始めたアリスを前に、龍之介は新たな存在を求めた。そうして動かされた、次なるドールの燈露椎(ドロシー)。
メイドとしては完璧ながら無機質に過ぎ、にもかかわらず確固とした我を感じさせるドロシーに、龍之介は居心地の悪さを覚える。それには、ドロシーが現れて以来姿を消したアリスへの罪悪感も作用していた。アリスとドロシー、向きは違えど、その心の在処が掴めず触れあえないことが龍之介を苛む。親の顔も知らず、今は亡きマザーと呼ばれる塔のロボットを母代わりとして育った龍之介に、他者の、ましてや女の扱いがわかろうはずもない。
幼い頃に見かけた二人と、友達になりたいと願い続けていたはずの龍之介。それを確信として思い出したのは、アリスが塔を去ったという話を聞いてからだった。砂漠で行き倒れとなっていたアリスに追いついた龍之介はその思いを叫ぶ。龍之介とドロシーを見て、そこに自身の居場所はないのだと絶望していたアリス。誰もが友達、そして家族を求めていただけだった。それを伝えるほんの少しばかりの勇気が足りなかっただけ。抱きあう二人を見つめるドロシーの眼差しは微笑みを湛えた優しいものだった。
触れあいの中で二人はプログラムではない、一つの明確な意志を発芽させていく。理屈ではない、誰かを愛するということ。二人のいずれかを選んで欲しいという言葉に龍之介は困惑する。選ばれなかった側はどうなるのか。そう考えると、龍之介の口はまるで縫いつけられたかのように動かない。(※1)
二人から距離を置きたい一心で足を運んだ村の酒場。そこで龍之介は女主人のリリーから、愛の告白を受ける。人見知りがちな自身にも分け隔てなく接してくれていた、憧れの女性だったリリー。だが龍之介はその手を取ることが出来なかった。脳裏に浮かんだのは彼女の姿。ようやく心は定まった。龍之介はその思いを伝える。愛していると。
一つの節目を迎えても龍之介の危惧とは裏腹に、三人の関係に大きな変化はなかった。例え選ばれなかったとしても、家族であることは変わらない。続いていく日常の中である日、三人は孤児たちにお菓子を振る舞う為、村に足を運ぶ。そこに、金属疲労で主柱を失い崩れてくる給水塔。土煙の後には、塔の崩壊を膂力で押し留める二人と、地面にうずくまる子供たちの姿があった。だがその光景は村人たちの、ある疑念を招く。
村では一つの宗教が蔓延っていた。人と同じ姿をした悪魔、旧世界を滅ぼしたロボット。元は村を支配する為の方便に過ぎなかったはずの手段が、その明確な証を得る。教会神父は龍之介に、命が惜しいのならば二人を引き渡すよう要求する。龍之介の為に命をなげうとうとする二人。その行いに人と機械のどんな違いがあるのか。そこにある生命への尊厳に龍之介は命をなげうち、魔窟と化した教会から二人と共に逃げる道を選ぶ。かつては龍之介とも杯を交わし未来への希望を語った友人たちが、目を剥きながら狂信に走る悪夢。神父はアポカリプスという、旧世界を滅ぼした生物兵器さえ用い、逃走を阻む。
命からがらどうにか塔へと辿り着いた三人。ウィルスに冒された二人にワクチンを打った龍之介はマザーコンピューターのガイアから予想だにしない話を持ちだされる。敵を殲滅する為に人が作り出したアポカリプスは忌むべき失敗作であり、ロボットの有機細胞だけではなくあらゆる生命体の生体組織を攻撃するのだと。そして龍之介はファンタージエン社の科学者だった母によってコールドスリープを施され、母の意識をクローニングしたガイアがワクチンを完成させていたことを知る。
村へと走った龍之介たち。そこは全てのものが死に絶えた墓標と化していた。最後まで三人を庇ったリリーの亡骸を前に龍之介は絶望する。だが村の外では、これまで一度たりとも花を咲かせることがなかった、龍之介が改良した向日葵が砂漠に広がっていた。そして村を案じて現れた、ブギーマンと呼ばれる汚染地帯に住む人々。アポカリプスにさえ耐性を持った、荒野に生きる者たちの姿だった。それはまるで何かさきがけのような光景。(※2)
<リリーエンド>
(※1)
塔を飛び出し村の酒場へと走った龍之介。そこには、常に親身に接してくれていた、女主人のリリーがいる。龍之介の板挟みの苦悩を知ったリリーは、その手を重ねる。砂漠に緑を広げるという夢物語。こんな世界で見ず知らずの誰かの為に生きている、お人好しで変わり者の男に、リリーは恋をしていた。そして龍之介もまた、人と碌に交われない自身でもいつか彼女と親しくなれればという、アリスとドロシーに願いを託したきっかけを思い出す。
初めて知った生身の女に溺れる龍之介。二人に答えを返せないまま時間だけが過ぎていく。そんな中、実験中に爆発事故が起きた。自身を庇いアリスとドロシーが死んだという現実、そこから龍之介は酒に逃げ続ける。恋人を案じ塔に身を寄せるようになったリリーに対しても、心を開けなくなっていった。リリーに支えられながら横になる龍之介。だが安眠の日が訪れることは、もはやない。
<ドロシーエンド>
(※2)
それから一年が過ぎた。リリーのことは龍之介の胸に未だ小さな棘を残しているが、未来の為に立ち止まってばかりではいられない。ブギーマンたちと協力し緑を広げるという夢。それが食料と燃料という日々の糧を与えてくれる日も、そう遠いものではないだろう。
その日龍之介はドロシーから、旧世界の記念日について言及される。女性が愛する男性に贈り物をするという日。書物で語られるようなデートを楽しんだ二人は心と身を繋げる。今はまだ恋人。だが二人はまだ始まったばかり。それがこの先どう変わっていくのか。龍之介は二人の未来に、思いを馳せる。
<アリスエンド>
(※2)
それから一年が過ぎた。リリーのことは龍之介の胸に未だ小さな棘を残しているが、未来の為に立ち止まってばかりではいられない。ブギーマンたちと協力し緑を広げるという夢。それが食料と燃料という日々の糧を与えてくれる日も、そう遠いものではないだろう。
相変わらず小憎たらしい、だがゆえに一層愛おしいアリスと、龍之介は少々変わったプレイで今日も愛しあう。その最後は口づけで締められるのが二人の慣わし。それが離れることのないように。
<アリス・ドロシーエンド>
(※1)
それでもなお龍之介は二人のどちらかを選ぶことができない。二人を愛している、それが偽らざる気持ちだった。それこそが、二人が望んだものだった。龍之介から寄せられる思いを知ったアリスとドロシーは、そこに互いの存在を認める。穏やかな日常へと還った三人。今日も情熱的に始まる交歓を脅かすようなものは何もない。この日々は続いていく。まるで夢のように。いつまでも。
<エピローグ>
夢から覚めた深見。淫靡に彩られた、美しい物語を再び垣間見たような。だがそこへ不意に激しい頭痛が襲う。いつしか側に佇んでいた蓮華に手を添えられた瞬間、それは幻のように消え去ったが、彼女は寂しげに笑う。額をくすぐる温もりを残したまま蓮華は、いつかのようにその姿を消した。
翌日宿を離れる深見。新作小説の構想に集中するあまり足をもつれさせたところに、不意に彼女の声が響いた気がした。それは竹林を通り抜ける風の響きだったのかもしれない。だが振り返ればここではいつでも、彼女に見守られていたように思えた。深見は蓮華へ別れの挨拶を口に、そして再会を期して、歩みを始める。
<プレイ時間>
リリーエンド(初回プレイ)7時間54分、ドロシーエンド2時間51分、アリスエンド2時間40分、アリス・ドロシーエンド32分。計13時間57分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
夏華瑠璃、MARSHAN
<あとがき・2015/5/1>
・CG
今回boin以来となる八宝氏の本格的年増おねいさんの登場ということで、おっぱいに密かに期すものがあったんですが、それは残念な結果に終わってしまいました。クラクラの杏夏はあんまり年増という感じがない。昔は色白年増巨大おっぱいのみに、血管の筋が薄く浮き出てたんですが、あれなんだかエロいんですよね。やっぱりもうあれやらないんでしょうか…残念です。
3話目ということで、絵と塗り自体はもう語ることもないくらいです。シリーズ4作目となってもまるで衰えることを知らぬ素晴らしい出来です。
・エロ
卑語りまくりです。ただこれはいつも通りとも言えますが、なんというのでしょうか、はっちゃけたタイプのエロテキストです。ムキムキとかギンギンとかびしょびしょとか濡れ濡れだとか、そういった形容詞が乱舞しています。個人的には情景の実況的な台詞で占められるより、喘ぎや吐息を第一にした、感情のやりとりを重視します。好きとか嬉しいとか最低の屑ねとか。もちろん実況もあってもいいのですが、ちょっと多くてくどかったかな。
エロ絵の構図はワキとか足の裏とかが結構多くて好きです。八宝氏の描く膝頭と、足指と足の裏好きなんですよね。適度に固そうで。
・シナリオ+演出
世界崩壊後という中々に厳しい背景設定ながら、1話2話に比べて今回はコミカル寄り。ミドリムシスライムやトトのくだりはほのぼのしました。そういう場面でも立ち絵やエフェクト、SEなど演出に富んでいて楽しいです。演出では初代ですでに周知のことですが、ロープライスの範疇を超越しています。
シナリオ的にはガイア関連で幾つかの謎が最後まで残りました。アリスとドロシーを始めとしたAI全てに対して否定的ですが、旧大戦の元凶という理由以上のものが感じられなかった点。龍之介が神となるべき、とガイアはよく漏らしますが、それが単純に指導者的な意味合いなのか別の意味を持つものなのか、漠然としている点。描写された母親の言動と現在のガイアには差異が見られるので、龍之介という原則を除いて、完全に同一の存在というわけではなさそうですが。設定的な意味でのバッドエンドが今回なかったので、その辺りを2話のように補完していたらなと思います。心変わりを生む変化から龍之介が神になることを決意する、ガイアがやはり改めてアリスとドロシーを破壊してその理由を語る、バッドエンドが。
・キャラクター
アリス…。2年くらい前から狙ってたあの娘。
友達の代替として作られながら求めていたものが家族だったロボットって、こう書くとなんか哀しいですね。後別にツンデレではなかったですね。和解する前はかなり本気で憎悪してるっぽいので。その後はデレ続けますが。まあそんな小難しいことは別として、最高に好みの容姿をしております。まさに愛玩ドールの名に相応しい。
2話がそうだったのでサブキャラに走るとバッド風味になるのはなんとなく予想していましたが、正規ルートで死亡までいくとは正直思いませんでした。実は塔まで追いかけてきてたんでしょ?ガイアが保護してたんでしょ?と村に着くまでは思ってたんですが。
リリーは最後まで主人公を庇い、マッドドッグは不明ですが敵意を向ける描写自体はなかっただけに残念でした。誤解から関係が始まったダグも地味に残念でしたね。そういった経緯があればこそ深い友人にもなれるもので、信仰より友情に真実を置くような気骨さに期待したんですが。
基本エロCG数33+基本一般CG・カットインCG数24、回想数22。
エロ1CGあたりの尺は6分半(ドロシー初体験手淫)から21分(アリス逆レ○プ)。平均14分。
BGVなし、BGエロSEあり、尻モザなし、淫語修正なし。
特殊システム(AEアニメ・6CG)
(関連記事:美少女万華鏡 第1話 -呪われし伝説の少女-)
(関連記事:美少女万華鏡 第2話 -忘れな草と永遠の少女-)
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(関連記事:美少女万華鏡 第4話 -罪と罰の少女-)
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