C￥Documents and Settings￥User￥My Document￥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロｇ彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた

<序章>




前回の怪異から一月後。
再び件の旅館へ訪れた深見夏彦。人形の間へ通された深見は、以前は少しばかりの恐怖を感じていたその部屋にどことない懐かしささえ感じていた。思い出されるのは黒髪の美少女、蓮華。

彼女のことを思い浮かべていた深見の前に、以前と同じように唐突に現れる蓮華。
自分に会いに来たのかと問う蓮華に、深見は肯定の意思を返す。前回は戻ってきたとはいえ、幻想の世界に執着してはいけないと警告する蓮華。
それを振り切り深見は、なおも万華鏡の物語を求める。

深見がすでにあちら側の世界に魅入られてしまっていることに嘆息しつつも、蓮華は万華鏡を持った手を差し出すのだった。

<忘れな草と永遠の少女>

神埼彰人には、幼い頃の煌びやかな思い出があった。
幼馴染の沢渡雫が見つけた忘れな草の種。それを父親と共に、二人の遊び場であるほたる池に植えたのだった。
二ヵ月後、咲いているであろう花を二人だけで見に行く。しかし山には二つの池があり、道を間違えてしまった二人は夜の山で迷ってしまう。
泣きじゃくる雫を連れてどうにかほたる池に辿りついた彰人はそこで一晩を過ごす。夜が明けた時、池岸には二人の植えた忘れな草が咲き誇っていた。彰人はずっと渡そうと思っていた花のヘアピンを雫にプレゼントする。それを受け取った雫は忘れな草の花言葉を伝え、彰人に口づける。

引越しによって雫と離れてしまった彰人は、彼女へ宛てる手紙を長い間出しあぐねていた。それには彼の現在の境遇もあったのだろう。心臓の定期検診の為に病院へ向かった帰り、子供の頃からの友人で現在は疎遠になっていた高岡甲児と花里めぐみに彰人は出会う。
身体の不調でほとんど学園へ出てこれない彰人に、めぐみは慰めと励ましの言葉をかけるが、甲児は彰人の心情を慮ってそれをやんわりと制止する。二人に同情の色を見た彰人は返事もおざなりにその場を離れてしまう。

学園で授業を受ける気にもならず、二年前までは四人でよく使っていた近場の秘密基地へ彰人は向かう。
その廃墟で唐突に雫との再会を果たすが、彼女に置いていかれたように感じていた彰人は素直になれず、心ならずも強く当たってしまう。家に戻った彰人は、今まで消息知れずになっていた雫について考える。
出した手紙は全て宛先不明で戻ってきたことに、今更ながら住所を間違えていた可能性に思い至る。しかし机を調べるが、肝心の手紙を見つけられない。

翌日目を覚ました彰人の目に、隣で眠る雫の姿が飛び込んでくる。雫との食事に、密かに求めていた人並みの幸せを感じる彰人だが、それをごまかし本音に蓋をする。
そこに前日の彰人の様子を心配した甲児とめぐみが訪ねてくる。旧友が集まり、自然とかつてのような和気に包まれる居間。だがやはり、彰人だけは心の底から笑えない。
甲児とめぐみが帰り夕飯を作ろうとする雫。彰人は今まで連絡の一つもよこさなかった彼女に、暗い苛立ちをぶつけてしまう。そのことについて何も理由を話そうとしない雫は、彰人の為ならどんなことでもすると許しを請う。それに答えない彰人に、また明日も家に来ることを言い残し雫はその場を去る。

翌日、前日の約束通りに彰人の家を訪ねてくる雫。
その雫に対して彰人は、前日と同じように彼女に執着しながらも言葉では拒絶してしまう。自分に対して悪いと思うのなら裸になってみろという彰人の無茶にも、ためらいながらも従う雫。だが雫の裸を見た彰人は、心臓の発作に倒れてしまう。
目を覚ました彰人は気を失っていたのがほんのわずかのことであり、その間雫に膝枕をされていたことに気づく。
とめどなく涙を流す雫に、意固地に凝り固まっていた自分を恥じ、初めて心から謝罪する彰人。雫はそんな彰人がずっと好きだったと告げ、それを聞いた彰人もわだかまりを捨て、雫が好きだと返す。
彰人の部屋に移動した二人はお互いの気持ちを確かめ合う。

次の日に学園に編入するという雫は学生生活を楽しみにしていたが、当日彰人はいつもの癖で寝過ごしてしまう。夜になり彰人の家に訪ねてきた雫は、彰人がこれ以上寝過ごさないよう家に泊まりこむことを決める。

昨日とは一転して、朝食の席で憂鬱な顔を見せる彰人。学園での遅れをもう取り戻せないものと諦め、心臓の病気を逃げの理由にしていたこと。かつての原動力は全て、雫に認められ近づきたいが為のものであったことを彰人は告白する。その心情の吐露に対し、自分が彰人の居場所になると雫は約束し、自らがあれほど楽しみにしていた学園にも行く必要はないと告げる。雫にそれだけのことを言わせてようやく、彰人は学園に行く覚悟を固め雫と学園にいくことを伝える。

登校中に甲児とめぐみに出くわした彰人は、ようやく雫と収まるところへ収まったことを報告する。甲児は冗談まじりに冷やかしながらも最後には感慨深げに二人を祝福するが、めぐみはどこか虚ろな顔で生返事を返す。
学園についてからほどなくして、彰人は奇妙な感覚にとらわれ始める。
昼休み、朝とはまるで別人のような雰囲気のめぐみに、登校してきたことを涙ながらに喜ばれ一緒に下校しようと誘われたかと思うと、放課後にめぐみと雫とを連れて一緒に帰ろうとすれば、まるでそれを覚えていないかのようなそぶりを見せるめぐみ。しかしその違和感も、雫と下校する楽しいひと時の前に薄れていく。

病院の定期検診に訪れた彰人は担当医に再び学園に通うようになったことを告げ、彼はそれを上向きの証だとして歓迎する。子供時代の雫をよく夢に見ること、ほたる池の一本樹の麓を自分が掘り続けていること。彰人は最近よく見る夢について担当医に相談する。彼は彰人か、もしくは雫がどちらかに隠し事をしていることへの暗示ではないかと答える。それに不快さを感じる彰人に、愚者は愚かさを繰り返す、などと謎めいた言葉を彼は残す。

夜再び夢を見た彰人は、いつにも増して現実感を伴ったその夢の内容を雫に聞いてみることを決心する。子供の頃にそんなことがあったかと問うが、雫は何も知らないと返す。
一度ほたる池に行って忘れな草でも見ようと提案する彰人だったが、雫は悲しみに顔を歪ませながら山には行けないと告げる。その頑なな様子に、彰人は二の句を継げないでいた。

時は過ぎ、学園は一学期を終え夏休みになっていた。その終業式の夜、いつもの4人は学園のプールに忍び込む。
その帰り、いつものように玄関前で雫と別れようとした彰人は不意に、未だに雫の家に招かれずどこに家があるのかさえ知らされていないことに気づく。
それを問い質し家まで送ろうとする彰人だが、雫は自分を信じてほしいとだけ言い残し夜の街に消える。駆け出した雫を追った彰人だが、雫を見失いいつの間にか自分が泳いだり走ったりできていることに、更に不安を強くする。布団に入った彰人だが、そこにめぐみからの電話がかかる。

翌日めぐみと会った彰人だが、そこでめぐみにずっと好きだったと唐突に告白される。彰人は雫と恋人であるからと当然断るのだが、めぐみはそんなはずはないと言う。
「なぜなら雫は」
その言葉の先に言い知れない恐怖を感じて、彰人はその場を逃げ出してしまう。
その夜、枕元に子供の雫が唐突に現れる。慌てる彰人にこれは夢だと諭し、自分とずっと夢の中で生きることを彼女は願う。しかし彰人はこれまで過ごした雫との思い出を忘れることはできなかった。子供の姿の雫は、どんな彰人でも好きだと告げ、自分を忘れないでほしいと言い残して消え去った。それと同時に、彰人の携帯に甲児から着信が入る。

甲児に呼び出された彰人は、悄然とした様子の甲児に連れられ、街の墓地を訪れる。そこで彰人は、雫が二年前に通り魔にあい、すでに死んでいることを告げられる。それを悪質な嘘と考え激昂する彰人だが、甲児は過去に生きる彰人を殴りつける。そこへ二人の間に割って入るめぐみ。彰人は全てを確かめる為、熱に浮かされたような足取りでほたる池へ向かう。
忘れな草が咲き誇る岸。その間の一本樹の麓を、彰人は手で掘り始める。夢と同じように。そこから出てきたのは、茶色い錆のようなものがこびりついた、薄汚れたナイフだった。AKのイニシャル。

彰人は行き先も考えず歩き出す。たどり着いたのはいつも通っている病院だった。担当医は驚きながらも迎え入れ、彰人はこれまであったことを彼に告白する。それを聞き、担当医は今までと同じように彰人が全てを思い出す手伝いを続けると告げる。その言葉に腑に落ちないものを感じつつ、彰人はそれを望んだ。

美しく成長し学園のマドンナとなっていた雫。だが彰人は雫に比べれば平々凡々な生徒。かつてのようにお互いに想いを通じ合わせているかもわからず、彰人の閉塞した鬱憤は溜まっていく。どこかの男に彼女を取られるのならばと、倒錯した衝動にかられた彰人は雫を呼び出す。
思い出のほたる池で、彰人は雫をナイフで脅し襲ってしまう。してやったりと暗い喜びを抱く彰人。
しかし雫は今でも身につける花飾りを指し、彰人がずっと好きだったことを明かし、こんな形であっても喜びさえすれ恨んでいないことを告げる。
身勝手な自分の罪をようやく自覚した彰人は、手に持っていたナイフで自分の胸を突き、背後のほたる池へと自ら身を投げる。

全てを思い出した彰人は雫の墓へと戻ってきていた。罪の重さに耐えかね、再び自らの心臓を突こうとする彰人だが、それを彰人を抱きすくめた雫に制止される。驚く彰人に雫は、この世界が彰人の作り出した、自らに閉じこもった世界であることを告げる。彰人がそれを認識した瞬間、虚構の世界は崩れ落ち、そして新生する。

<忘れな草と永遠の少女エンド>

最初に目に入ってきたのは病室の天井だった。ほたる池に落ちてからの二年。その長い間を眠り続けていた彰人の、その傍らには常に雫が寄り添っていた。
甲児とめぐみも駆けつけ、彰人の回復を心から祝う。閉じた世界でも雫の声は届いていたことを彰人は雫に告げ、言葉でいくつ積み重ねても足りない感謝と謝罪を伝える。
そして二人は遠い時間を超え、この世界で永遠を誓った。




<バッドエンド>

全てを思い出し、雫を手にかけたと思いながらも、なおも暗く彼女を求める彰人。もはや彼は壊れきってしまっていた。自らの世界に篭り、瞼の裏に残る彼女の幻影を追い続けるだけの、虚ろな人形に過ぎなかった。

<愚者エンド>

全てを受け入れることの勇気を持てなかった彰人。閉じられた世界では、その道はどの先にも繋がることはないのだった。そして、愚者は自分の愚かさを繰り返す。

<エピローグ>

万華鏡の世界から再び還ってこれた深見に、蓮華は不器用な言葉ながらも気遣いを見せる。そんな態度に対して深見は嬉しさ半分に皮肉るが、蓮華は以前と同じように唐突に姿を消してしまう。ますます万華鏡に執念を燃やす深見は、蓮華に会う為に再訪を決意するのだった。


<プレイ時間>
計5時間30分。

<グラフィッカー情報・敬称略>
MARSHAN、夏華瑠璃

<印象に残ったシーン>



<あとがき・11/28>
上記はシークレットタイトル画像です。1と違いなかなか出てきません。体感は3％くらい。
配色が素晴らしいの一言。

(関連記事：美少女万華鏡 第1話 -呪われし伝説の少女-)
(関連記事：美少女万華鏡 第2.5話 -かつて少女だった君へ-)
(関連記事：美少女万華鏡 第3話 -神が造りたもうた少女たち-)
(関連記事：美少女万華鏡 第4話 -罪と罰の少女-)