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注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
ノラと皇女と野良猫ハート (HARUKAZE)
2016/2/26
©HARUKAZE
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:5386字)
<ストーリー>
科学の発展によって死が地上から遠ざかり始めてから、異世界である冥界の綻びは始まった。このまま時の流れに任せれば遠からず冥界は滅びてしまうだろう。それを憂いた冥界の母は皇女の二人を地上へ送る。その力で大規模な破壊をもたらし、人々に死を思い起こさせる為に。
反田ノラはいつもように、夕莉シャチに起こされ目を覚ます。亡くなった母がそうだったようにノラは何でも拾う癖があり、彼女も幼い頃の自身が家に連れてきた家なし子だった。変わりのない日常の朝。そんなある日ノラはまた新しいものを拾う。桜並木で行き倒れとなっていた異国の少女は、パトリシア・オブ・エンドと名乗った。生命力に満ちた春は冥界の住人にとって毒素にも等しいという少女を痛いと思いながらも、身体の不調は事実らしく介抱することになったノラ。そうしてノラはなぜか少女に懐かれてしまうが正直、彼女のいう魔法だとか使命などはさっぱりだった。
パトリシアとどうにか別れ、桜ヶ淵学園へと到着したノラだがその日は厄日だったのか、風紀委員の黒木未知に呼び出される。恋に悩む級友へのアドバイスの為にその練習をしなければという、真意は定かでない謎の思い立ちだが、妙に堂に入り告白しあぐねる未知。そこに街を一望できる場所を探していたパトリシアが現れ、真剣な様子の告白を大魔術の詠唱と早合点してしまう。それをそらんじたパトリシアは直後何かに取り憑かれたかのように、ノラに口づける。言葉が言霊であったかのように。魔力を使い果たし倒れたパトリシアは姉のルーシアによって冥界へと連れ帰られたが、二つ目の変化があったのはその時だった。ノラの身体は突如猫の姿へと変わり、街をさまよっていたところを未知に保護される。結局その変化は再び現れたパトリシアによって、あの時の口づけが契約となったのだと結論付けられた。パトリシアの眷属となってしまったノラだが、幸い再度の口づけで元の姿を取り戻すことはできた。
地上の魔法を習得するのだとして、ノラの家での逗留を決めたパトリシア。姉のルーシアは妹たちを守る為に、末の妹のユウラシアは地上に対する純粋な好奇心から。三人の皇女を新たに迎え、都合五人の大所帯となった反田家の日々が始まる。そんな中での目下の問題は、キスの度に猫化してしまうノラの身体、その将来についてだった。
<未知ルート>
逡巡と紆余曲折を経てどうにかキスを受け入れる未知。その結果、口づけを終えてもノラが猫に変わることはなく儀式は終わった。だがその足元には一匹の猫。どういった誤りか、今度は未知がノラの眷属として猫の姿となってしまう。そして改めて行われた儀式では二人共に猫となる有様だった。未知はほどなくして人間の姿に戻ったものの、ノラだけはどうしてもその姿を変えられない。主のない眷属、ノラは本当の意味で野良猫となってしまった。このまま時間が過ぎれば人としての記憶も遠からず消えていく。
だがパトリシアが対処法に目処をつけ選んだ儀式の日、未知は現れない。行き過ぎた教育熱を持ち、母の代から反田家で続いている学童保育を落伍者の集まりと蔑視する未知の母は、娘と反田の関わりを拒絶していた。それでも仲間たちの言葉に押され、未知は何かに突き動かされるように走った。パトリシアの詠唱が響く中、未知は母の存在から曖昧にし続けた思いを吐露しながら、ノラに口づける。キスに思いを託す。そんな当たり前のことを、今二人はようやく果たす。人の姿を取り戻したノラが初めにすべきこと、それは思いを返し応える告白だった。
だが未知の母はノラを認めようとはしない。娘の為として、実際には再婚相手の要望だったのだが、性急に引っ越しを決めてしまう。苦悩しながらも友人たちの助言によって、子供の立場を弁えそこから最善を目指すことを選んだ未知。そんな矢先、再婚相手の男が未知の身体に下卑た手を伸ばす。それを不審な電話で察したノラはパトリシアの忠告を振りきって駆けた。その身体は魔力の侵食に対して限界をきたしており、再び猫となった肉体は異形の怪物へと変貌する。だがノラはそれでもよかった。未知を助けられたのだから。通報を受け現れた警官たちから恐慌のあまり、一斉射撃を受けるノラ。その骸の前で泣き崩れる未知に対して、パトリシアは決断を促す。
ノラが目を覚ました時、そこは病院の一室だった。パトリシアによれば、その力を与えられた未知は冥界に赴き、旅の果てにノラの魂を連れ戻したのだという。再び戻ってきた、手繰り寄せた日常。再婚相手が結婚詐欺で逮捕され、娘と向き合うことになった未知の母も、ノラに対して幾らか柔らかくなっただろうか。
その日退院後初となるデートに繰り出す二人だが、そこにパトリシアたちが現れ、冥界で起きた事件の為に未知の協力を求める。指折り数えた日をふいにされ地団駄を踏む未知。ノラはその手を取って駆け出す。
<ユウキルート>
同い年ながら一つ下の後輩で、ノラにとっては悪友のような関係の明日原ユウキ。ある日パトリシアは彼女から、飼い猫をバイト先の猫喫茶に貸してほしいと頼まれる。その正体など知る由もないことで、携帯の待受画面に込めた慕情をその本人に気取られたなどと、ユウキは夢想だにしていない。前の卒業と同時に都会に出たもののそこで挫折を味わい、抜け殻のような体で戻ってきたユウキに桜ヶ淵学園への受験を粘り強く勧めたのがノラだった。
バイトの報酬代わりというキスで猫の姿から戻ってしまったことで全てが明るみになったノラ。店の猫たちから、見た目ほどには強い人間ではない彼女を守ってやってほしいと託されていたノラは、自身の願いもあってユウキに告白する。それは肩透かしの結果に終わったものの、柄の悪いかつての友人たちの絡み、そして街の不良から庇ったノラの行動に、当初は何かに気兼ねしていたようなユウキもついには、心の内からの望みを認めて折れた。
恋人となった二人。だがそんなある日、バイト先の猫喫茶が襲撃され猫たちが重症を負うという事件が起こる。その夜、店に差し入れにいったノラたちにはわかった。そこに以前ユウキに告白してきた男がいたことが。この世には釣り損ねた魚に対して我慢ならないという人種がいるということだった。怒れる友人、ノブチナと井田と共に、その男のいる大学に乗り込んだノラは不良大学生たちを叩きのめし、その結果停学という報いを受ける。そこに後悔は微塵もない。恋人となる前は自身が周囲を傷つける存在と信じノラを頑なに遠ざけていたユウキが、張り付かせていた笑顔を捨て、怒り涙して、そうしてなお側にいることを選んだのだから。
停学中は暇を持て余しながら、二人にとって互いの温もりを確かめあう穏やかな時間となった。その日ノラとユウキは、近所の子どもたちの間に、学校に馴染めないという少女を見る。まるでかつての自身のよう。ユウキはその手を差し伸べる。それはノラとその母親から、幼い頃この家で学んだことだった。思いは受け継がれ、そうしてそこには子供を肩車したノラと寄り添うユウキ、まるで十年後の未来を先取りしたかのような光景があるのだった。
<シャチルート>
数年前、海岸で倒れていたシャチ。当時は感情の起伏の少ない少女だったが、今ではノラにとって姉のように母のように、掛け替えのない家族となっていた。だがノラが猫となった時、元の姿に戻る為のキスを、シャチは家族の間ではあってはならないことして頑なに否定する。当のノラは連れ込まれた風呂場で、動物の本能だけでは説明がつかない感情を、久方ぶりに見るシャチの裸に抱いているというのに。
それは遠い日の記憶。ノラの母親は男に振られる度に小さな息子に慰められては泣きはらし、翌日にはそれを綺麗さっぱり記憶から消しているような女性だったが、家からは不思議と子供たちの笑顔が絶えなかった。そんな家で世話になることになった、身の上不詳のシャチ。人形のように無機質だった幼いシャチに常識や礼節、勉強や家事、そして家族の意味を辛抱強く教えたのは他ならぬノラの母だった。そんな日々の中で医者から下された宣告。余命の限りを悟った彼女からノラを託されたシャチだが、年月を経てもそれに強く囚われ続けているほどに、その存在と喪失感は大きなものだった。
母親代わりという言葉に縛られたシャチ。だがある日身体の不調で寝込み、家の中にノラの姿がなかったことはシャチを動揺させる。それは母親の感情ではない。捨てられたことに怯える、それは子供のようであり恋人のそれのようでもあった。ようやく自身の本心に気づいたシャチに、ノラはその想いを伝える。
家族で恋人となったノラとシャチ。だがその翌朝、二人の前にあるものが現れる。シャチとの出会いからその背にあった、浮遊する鋼鉄の翼。それが突如意志をもったように動き出し言葉を発し始めた。シャチをオルキヌスと呼ぶ、ユーリと名乗る翼は、自身らが冥界と対になる異世界、天界からやってきた存在だと明かす。地上繁栄の為のシステムの一つとして天候操作の機能を与えられ送り出されたユニット、それがオルキヌスだった。本来であれば人間の感情を知り自身を起動させた時点でオルキヌスは運用データと共に天界へと帰還するはずだったが、それを履行させるには現在のシャチは余りにも人間でありすぎていた。
それからも二人の日々は変わらず続いている。母の遺影とユーリに見守られながら。これまでと変わらずにいて、だがそこに加わった温かさを慈しみながら少しずつ変わっていく、それが今の二人の日常だった。
<パトリシアルート>
パトリシアは苦しんでいた。この世界に降り立ってから感じる言葉に表しようのない躍動感と、地上の滅亡を急かす母との間で。敬う母と使命を蔑ろにするつもりはないが、地上の知識と文明、そして自身の友人ともなったそこに生きる人々はパトリシアにとって眩しく、美しい。その中でも特に大きな存在となったのがノラだった。子供たちの間に混じってノラから教わる時間は胸をときめかせ、眷属の影響から雌猫に走られれば言いようのない胸のささくれを抑えきれない。その感情が何かを変えたのか、ノラとの契約を解除したパトリシアは冥界へと繋がる魔法陣から弾かれてしまう。いつしかその胸には、一つの鼓動が打つようになっていた。
家に戻る術を失ったパトリシアだが、その振る舞いは変わらない。むしろ以前よりも明るくなったようでさえあった。まるで地上に生を受けた、歳相応の少女のように。そんなパトリシアに接する中でノラは、自身の胸を占めつつあった思いにふと気づく。その形に気づくのにそう時間はかからず、ノラはそれを打ち明けた。その問いに対してパトリシアが抱いた答えは一つしかなかった。あるいはあの日、初めて出会ったあの時からそうだったのかもしれない。
ファーストの際とは違う、思いを込めたキスで心を通じあわせたノラとパトリシア。だがそんな二人の前にルーシアが立ちふさがる。パトリシアの心臓を剣で突き鼓動を消し去った上で連れ帰るよう母から厳命されたルーシアだが、ノラはそんな彼女を憎めない。生命の根源である水は彼女らにとって毒にも等しい。にもかかわらず池で溺れた猫を身を張って助けるようなルーシアは、紛うことなくパトリシアの姉だった。
そんなルーシアに明確な障害として決闘を申し込まれたノラ。元より勝負になる戦いではなかったが、ルーシアの起こした砂塵に校庭のスプリンクラーが偶然作動したことで、ノラは勝利を拾う。そしてノラは命を賭した報いというパトリシアの主張によって、ルーシアを抱くことになった。妹たち以外では初めて触れた、ノラの肌の温もり、それはルーシアの胸の鼓動を呼び覚ます。
次いでユウラシアもまた母に差し向けられ、ノラの性欲を消し去ることで一度は破局に迫るが、それもパトリシアの体当たり的な献身によって阻止される。そして姉たちの笑顔に疎外感を募らせていたユウラシアもまた、ノラを求めることになった。
桜ヶ淵市の沖合に巨大な城が突如現れたのはそんな矢先だった。全ての娘を地上に奪われた形となった冥界の母は自ら地上に赴き、パトリシアの心臓を穿つ。ノラのキスによって息を吹き返したパトリシアだったが、その不思議な絆に瞠目しながらも冥界の母は選択を迫る。パトリシアの為に命を捨て冥界で暮らすか、道ならぬ恋を諦めるか、そのいずれかを。そんな中でノラは自身の身体の不調に気づき始める。それはパトリシアとのキスを通して流れ込んだ、冥界の魔力だった。ノラの心臓の鼓動は止まりつつある。思い悩んだ末、ノラは冥界に落ちることを決心した。地上と冥界の魂の量は常に一定でなければならず、その上死者から生者へと生まれ変わったパトリシアの存在はこの世界の法則を歪めつつあった。このままではその綻びから地上も冥界も滅びてしまうことは避けられない。涙ぐむパトリシアにノラは約束する。いつか冥界の獣として地上を滅ぼしにくる。その時は、と。
それから三日後。パトリシアは桜並木の下でそれに出会う。冥界で千年を生きし、地上を滅ぼす黒い獣、だがそれは満ちる生気にやられ行き倒れとなっていた。あの時とは真逆の位置に立ち、二人の時間はここから始まり、そして再び刻み出す。
<プレイ時間>
未知ルート(初回ルート)12時間29分、ユウキルート4時間58分、シャチルート5時間1分、パトリシアルート10時間42分、ピリ辛勇者ノブチナ18分。計33時間28分。
ビジュアルファンブックアペンド1時間11分。総計34時間39分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
大空樹(グラフィックチーフ、原画)、鏑木かんら、トン☆ヌラ、七条貞之、伊原あす太、株式会社ウィンディール
<あとがき・2016/3/25>
・エロ+CG
教室内で全裸になって手コキとかいい…。脱いでする意味が全く見つからない行為だからこそ、その非現実的さがエロく映える。まあ僕が単に全裸同士が好きなだけなんですけどね。いやでもホントにエロいよ?
一部マニアックな構図、画面一杯のケツで顔さえ映らない後背位とかもいいです。素晴らしい。バックフェチとしてはたまらない。後僕ルーシアが好きなんですが、まあでもサブだからエロシーンはないんだろうねと思ってたので、妹に観察されながらックスがあって本当に嬉しかった!期待していなかっただけに、諦めてた女の子でオ○ニーをする時、それはまさに天にも昇る心地です。
普段アイアムサツガイガールなどと叫びながら剣を振り回してるようなルーシアをいざ抱く時になって、「はい…」って従順な言葉。ズキュンズキュンでドピュンドピュン。
・シナリオ
死とか命の重みが話の初めに出ますが、そこから生まれるもの、このゲームが言いたかったことは家族の存在の大きさ、素晴らしさ、煩わしさ、温かさ、それらを含んだようなものだったのではないかと思います。なので一番印象に残ったのはシャチルートでしょうか。人間でなくとも心を通わせ家族になれる。それは犬や猫を家族のように思うものに近いのかもしれません。一人でそうするには長すぎる、生きていく時間を、そう願える相手と共に寄り添っていく為。それは母であったり、恋人であったり、姉妹や友人、気がつけばいつでも隣にあったものだったり。それが命が生まれる、生きていく意味なのではないかと、そんなことが感じられました。
・ストーリー
harukazeといえばコミカルタッチなテキストとストーリー。ただ前作のらぶおぶに比べると大人しい感じを受けたかなと思います。らぶおぶは登場キャラクターの行動からしてぶっ飛んでたというか、突如脈絡のない展開が始まることもしばしばでしたが、今作は台詞やテキストは変わらずコメディタッチですがストーリーそのものは至ってシリアス、真面目なものです。アニメ化するようなのでその為でしょうか。
個人的には野良猫ハートの方が好みです。らぶおぶは正直、ドゥーユーコト?と突然の流れの前後をつかめず戸惑うこともありましたが、野良猫ハートはそういうことで読むのが止まることもなくじっくり読めます。ライターさんのテキスト自体が独特で充分楽しめるしね…。エロゲ原作のアニメは本来エロゲにまず求めるところのエロに基本期待できないのであまり見ませんが、野良猫ハートはこの点見たいと思わせるものがありました。
基本CG数119(内乳首露出以上のエロCG数47)、回想数20。ビジュアルファンブックアペンド基本CG数6(内乳首露出以上のエロCG数1)、ビジュアルファンブックアペンド回想数0。総計基本CG数125(内乳首露出以上のエロCG数48)、総計回想数20。
エロ1CGあたりの尺は3分(シャチスク水胸揉み)から22分(パトリシア初体験)。平均11分。
永続ループBGVなし、永続ループBGエロSEなし、連戦時付着精液残留なし、尻モザなし、淫語P音修正あり。
(関連記事:ノラと皇女と野良猫ハート2)
2016/2/26
©HARUKAZE
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:5386字)
<ストーリー>
科学の発展によって死が地上から遠ざかり始めてから、異世界である冥界の綻びは始まった。このまま時の流れに任せれば遠からず冥界は滅びてしまうだろう。それを憂いた冥界の母は皇女の二人を地上へ送る。その力で大規模な破壊をもたらし、人々に死を思い起こさせる為に。
反田ノラはいつもように、夕莉シャチに起こされ目を覚ます。亡くなった母がそうだったようにノラは何でも拾う癖があり、彼女も幼い頃の自身が家に連れてきた家なし子だった。変わりのない日常の朝。そんなある日ノラはまた新しいものを拾う。桜並木で行き倒れとなっていた異国の少女は、パトリシア・オブ・エンドと名乗った。生命力に満ちた春は冥界の住人にとって毒素にも等しいという少女を痛いと思いながらも、身体の不調は事実らしく介抱することになったノラ。そうしてノラはなぜか少女に懐かれてしまうが正直、彼女のいう魔法だとか使命などはさっぱりだった。
パトリシアとどうにか別れ、桜ヶ淵学園へと到着したノラだがその日は厄日だったのか、風紀委員の黒木未知に呼び出される。恋に悩む級友へのアドバイスの為にその練習をしなければという、真意は定かでない謎の思い立ちだが、妙に堂に入り告白しあぐねる未知。そこに街を一望できる場所を探していたパトリシアが現れ、真剣な様子の告白を大魔術の詠唱と早合点してしまう。それをそらんじたパトリシアは直後何かに取り憑かれたかのように、ノラに口づける。言葉が言霊であったかのように。魔力を使い果たし倒れたパトリシアは姉のルーシアによって冥界へと連れ帰られたが、二つ目の変化があったのはその時だった。ノラの身体は突如猫の姿へと変わり、街をさまよっていたところを未知に保護される。結局その変化は再び現れたパトリシアによって、あの時の口づけが契約となったのだと結論付けられた。パトリシアの眷属となってしまったノラだが、幸い再度の口づけで元の姿を取り戻すことはできた。
地上の魔法を習得するのだとして、ノラの家での逗留を決めたパトリシア。姉のルーシアは妹たちを守る為に、末の妹のユウラシアは地上に対する純粋な好奇心から。三人の皇女を新たに迎え、都合五人の大所帯となった反田家の日々が始まる。そんな中での目下の問題は、キスの度に猫化してしまうノラの身体、その将来についてだった。
<未知ルート>
逡巡と紆余曲折を経てどうにかキスを受け入れる未知。その結果、口づけを終えてもノラが猫に変わることはなく儀式は終わった。だがその足元には一匹の猫。どういった誤りか、今度は未知がノラの眷属として猫の姿となってしまう。そして改めて行われた儀式では二人共に猫となる有様だった。未知はほどなくして人間の姿に戻ったものの、ノラだけはどうしてもその姿を変えられない。主のない眷属、ノラは本当の意味で野良猫となってしまった。このまま時間が過ぎれば人としての記憶も遠からず消えていく。
だがパトリシアが対処法に目処をつけ選んだ儀式の日、未知は現れない。行き過ぎた教育熱を持ち、母の代から反田家で続いている学童保育を落伍者の集まりと蔑視する未知の母は、娘と反田の関わりを拒絶していた。それでも仲間たちの言葉に押され、未知は何かに突き動かされるように走った。パトリシアの詠唱が響く中、未知は母の存在から曖昧にし続けた思いを吐露しながら、ノラに口づける。キスに思いを託す。そんな当たり前のことを、今二人はようやく果たす。人の姿を取り戻したノラが初めにすべきこと、それは思いを返し応える告白だった。
だが未知の母はノラを認めようとはしない。娘の為として、実際には再婚相手の要望だったのだが、性急に引っ越しを決めてしまう。苦悩しながらも友人たちの助言によって、子供の立場を弁えそこから最善を目指すことを選んだ未知。そんな矢先、再婚相手の男が未知の身体に下卑た手を伸ばす。それを不審な電話で察したノラはパトリシアの忠告を振りきって駆けた。その身体は魔力の侵食に対して限界をきたしており、再び猫となった肉体は異形の怪物へと変貌する。だがノラはそれでもよかった。未知を助けられたのだから。通報を受け現れた警官たちから恐慌のあまり、一斉射撃を受けるノラ。その骸の前で泣き崩れる未知に対して、パトリシアは決断を促す。
ノラが目を覚ました時、そこは病院の一室だった。パトリシアによれば、その力を与えられた未知は冥界に赴き、旅の果てにノラの魂を連れ戻したのだという。再び戻ってきた、手繰り寄せた日常。再婚相手が結婚詐欺で逮捕され、娘と向き合うことになった未知の母も、ノラに対して幾らか柔らかくなっただろうか。
その日退院後初となるデートに繰り出す二人だが、そこにパトリシアたちが現れ、冥界で起きた事件の為に未知の協力を求める。指折り数えた日をふいにされ地団駄を踏む未知。ノラはその手を取って駆け出す。
<ユウキルート>
同い年ながら一つ下の後輩で、ノラにとっては悪友のような関係の明日原ユウキ。ある日パトリシアは彼女から、飼い猫をバイト先の猫喫茶に貸してほしいと頼まれる。その正体など知る由もないことで、携帯の待受画面に込めた慕情をその本人に気取られたなどと、ユウキは夢想だにしていない。前の卒業と同時に都会に出たもののそこで挫折を味わい、抜け殻のような体で戻ってきたユウキに桜ヶ淵学園への受験を粘り強く勧めたのがノラだった。
バイトの報酬代わりというキスで猫の姿から戻ってしまったことで全てが明るみになったノラ。店の猫たちから、見た目ほどには強い人間ではない彼女を守ってやってほしいと託されていたノラは、自身の願いもあってユウキに告白する。それは肩透かしの結果に終わったものの、柄の悪いかつての友人たちの絡み、そして街の不良から庇ったノラの行動に、当初は何かに気兼ねしていたようなユウキもついには、心の内からの望みを認めて折れた。
恋人となった二人。だがそんなある日、バイト先の猫喫茶が襲撃され猫たちが重症を負うという事件が起こる。その夜、店に差し入れにいったノラたちにはわかった。そこに以前ユウキに告白してきた男がいたことが。この世には釣り損ねた魚に対して我慢ならないという人種がいるということだった。怒れる友人、ノブチナと井田と共に、その男のいる大学に乗り込んだノラは不良大学生たちを叩きのめし、その結果停学という報いを受ける。そこに後悔は微塵もない。恋人となる前は自身が周囲を傷つける存在と信じノラを頑なに遠ざけていたユウキが、張り付かせていた笑顔を捨て、怒り涙して、そうしてなお側にいることを選んだのだから。
停学中は暇を持て余しながら、二人にとって互いの温もりを確かめあう穏やかな時間となった。その日ノラとユウキは、近所の子どもたちの間に、学校に馴染めないという少女を見る。まるでかつての自身のよう。ユウキはその手を差し伸べる。それはノラとその母親から、幼い頃この家で学んだことだった。思いは受け継がれ、そうしてそこには子供を肩車したノラと寄り添うユウキ、まるで十年後の未来を先取りしたかのような光景があるのだった。
<シャチルート>
数年前、海岸で倒れていたシャチ。当時は感情の起伏の少ない少女だったが、今ではノラにとって姉のように母のように、掛け替えのない家族となっていた。だがノラが猫となった時、元の姿に戻る為のキスを、シャチは家族の間ではあってはならないことして頑なに否定する。当のノラは連れ込まれた風呂場で、動物の本能だけでは説明がつかない感情を、久方ぶりに見るシャチの裸に抱いているというのに。
それは遠い日の記憶。ノラの母親は男に振られる度に小さな息子に慰められては泣きはらし、翌日にはそれを綺麗さっぱり記憶から消しているような女性だったが、家からは不思議と子供たちの笑顔が絶えなかった。そんな家で世話になることになった、身の上不詳のシャチ。人形のように無機質だった幼いシャチに常識や礼節、勉強や家事、そして家族の意味を辛抱強く教えたのは他ならぬノラの母だった。そんな日々の中で医者から下された宣告。余命の限りを悟った彼女からノラを託されたシャチだが、年月を経てもそれに強く囚われ続けているほどに、その存在と喪失感は大きなものだった。
母親代わりという言葉に縛られたシャチ。だがある日身体の不調で寝込み、家の中にノラの姿がなかったことはシャチを動揺させる。それは母親の感情ではない。捨てられたことに怯える、それは子供のようであり恋人のそれのようでもあった。ようやく自身の本心に気づいたシャチに、ノラはその想いを伝える。
家族で恋人となったノラとシャチ。だがその翌朝、二人の前にあるものが現れる。シャチとの出会いからその背にあった、浮遊する鋼鉄の翼。それが突如意志をもったように動き出し言葉を発し始めた。シャチをオルキヌスと呼ぶ、ユーリと名乗る翼は、自身らが冥界と対になる異世界、天界からやってきた存在だと明かす。地上繁栄の為のシステムの一つとして天候操作の機能を与えられ送り出されたユニット、それがオルキヌスだった。本来であれば人間の感情を知り自身を起動させた時点でオルキヌスは運用データと共に天界へと帰還するはずだったが、それを履行させるには現在のシャチは余りにも人間でありすぎていた。
それからも二人の日々は変わらず続いている。母の遺影とユーリに見守られながら。これまでと変わらずにいて、だがそこに加わった温かさを慈しみながら少しずつ変わっていく、それが今の二人の日常だった。
<パトリシアルート>
パトリシアは苦しんでいた。この世界に降り立ってから感じる言葉に表しようのない躍動感と、地上の滅亡を急かす母との間で。敬う母と使命を蔑ろにするつもりはないが、地上の知識と文明、そして自身の友人ともなったそこに生きる人々はパトリシアにとって眩しく、美しい。その中でも特に大きな存在となったのがノラだった。子供たちの間に混じってノラから教わる時間は胸をときめかせ、眷属の影響から雌猫に走られれば言いようのない胸のささくれを抑えきれない。その感情が何かを変えたのか、ノラとの契約を解除したパトリシアは冥界へと繋がる魔法陣から弾かれてしまう。いつしかその胸には、一つの鼓動が打つようになっていた。
家に戻る術を失ったパトリシアだが、その振る舞いは変わらない。むしろ以前よりも明るくなったようでさえあった。まるで地上に生を受けた、歳相応の少女のように。そんなパトリシアに接する中でノラは、自身の胸を占めつつあった思いにふと気づく。その形に気づくのにそう時間はかからず、ノラはそれを打ち明けた。その問いに対してパトリシアが抱いた答えは一つしかなかった。あるいはあの日、初めて出会ったあの時からそうだったのかもしれない。
ファーストの際とは違う、思いを込めたキスで心を通じあわせたノラとパトリシア。だがそんな二人の前にルーシアが立ちふさがる。パトリシアの心臓を剣で突き鼓動を消し去った上で連れ帰るよう母から厳命されたルーシアだが、ノラはそんな彼女を憎めない。生命の根源である水は彼女らにとって毒にも等しい。にもかかわらず池で溺れた猫を身を張って助けるようなルーシアは、紛うことなくパトリシアの姉だった。
そんなルーシアに明確な障害として決闘を申し込まれたノラ。元より勝負になる戦いではなかったが、ルーシアの起こした砂塵に校庭のスプリンクラーが偶然作動したことで、ノラは勝利を拾う。そしてノラは命を賭した報いというパトリシアの主張によって、ルーシアを抱くことになった。妹たち以外では初めて触れた、ノラの肌の温もり、それはルーシアの胸の鼓動を呼び覚ます。
次いでユウラシアもまた母に差し向けられ、ノラの性欲を消し去ることで一度は破局に迫るが、それもパトリシアの体当たり的な献身によって阻止される。そして姉たちの笑顔に疎外感を募らせていたユウラシアもまた、ノラを求めることになった。
桜ヶ淵市の沖合に巨大な城が突如現れたのはそんな矢先だった。全ての娘を地上に奪われた形となった冥界の母は自ら地上に赴き、パトリシアの心臓を穿つ。ノラのキスによって息を吹き返したパトリシアだったが、その不思議な絆に瞠目しながらも冥界の母は選択を迫る。パトリシアの為に命を捨て冥界で暮らすか、道ならぬ恋を諦めるか、そのいずれかを。そんな中でノラは自身の身体の不調に気づき始める。それはパトリシアとのキスを通して流れ込んだ、冥界の魔力だった。ノラの心臓の鼓動は止まりつつある。思い悩んだ末、ノラは冥界に落ちることを決心した。地上と冥界の魂の量は常に一定でなければならず、その上死者から生者へと生まれ変わったパトリシアの存在はこの世界の法則を歪めつつあった。このままではその綻びから地上も冥界も滅びてしまうことは避けられない。涙ぐむパトリシアにノラは約束する。いつか冥界の獣として地上を滅ぼしにくる。その時は、と。
それから三日後。パトリシアは桜並木の下でそれに出会う。冥界で千年を生きし、地上を滅ぼす黒い獣、だがそれは満ちる生気にやられ行き倒れとなっていた。あの時とは真逆の位置に立ち、二人の時間はここから始まり、そして再び刻み出す。
<プレイ時間>
未知ルート(初回ルート)12時間29分、ユウキルート4時間58分、シャチルート5時間1分、パトリシアルート10時間42分、ピリ辛勇者ノブチナ18分。計33時間28分。
ビジュアルファンブックアペンド1時間11分。総計34時間39分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
大空樹(グラフィックチーフ、原画)、鏑木かんら、トン☆ヌラ、七条貞之、伊原あす太、株式会社ウィンディール
<あとがき・2016/3/25>
・エロ+CG
教室内で全裸になって手コキとかいい…。脱いでする意味が全く見つからない行為だからこそ、その非現実的さがエロく映える。まあ僕が単に全裸同士が好きなだけなんですけどね。いやでもホントにエロいよ?
一部マニアックな構図、画面一杯のケツで顔さえ映らない後背位とかもいいです。素晴らしい。バックフェチとしてはたまらない。後僕ルーシアが好きなんですが、まあでもサブだからエロシーンはないんだろうねと思ってたので、妹に観察されながらックスがあって本当に嬉しかった!期待していなかっただけに、諦めてた女の子でオ○ニーをする時、それはまさに天にも昇る心地です。
普段アイアムサツガイガールなどと叫びながら剣を振り回してるようなルーシアをいざ抱く時になって、「はい…」って従順な言葉。ズキュンズキュンでドピュンドピュン。
・シナリオ
死とか命の重みが話の初めに出ますが、そこから生まれるもの、このゲームが言いたかったことは家族の存在の大きさ、素晴らしさ、煩わしさ、温かさ、それらを含んだようなものだったのではないかと思います。なので一番印象に残ったのはシャチルートでしょうか。人間でなくとも心を通わせ家族になれる。それは犬や猫を家族のように思うものに近いのかもしれません。一人でそうするには長すぎる、生きていく時間を、そう願える相手と共に寄り添っていく為。それは母であったり、恋人であったり、姉妹や友人、気がつけばいつでも隣にあったものだったり。それが命が生まれる、生きていく意味なのではないかと、そんなことが感じられました。
・ストーリー
harukazeといえばコミカルタッチなテキストとストーリー。ただ前作のらぶおぶに比べると大人しい感じを受けたかなと思います。らぶおぶは登場キャラクターの行動からしてぶっ飛んでたというか、突如脈絡のない展開が始まることもしばしばでしたが、今作は台詞やテキストは変わらずコメディタッチですがストーリーそのものは至ってシリアス、真面目なものです。アニメ化するようなのでその為でしょうか。
個人的には野良猫ハートの方が好みです。らぶおぶは正直、ドゥーユーコト?と突然の流れの前後をつかめず戸惑うこともありましたが、野良猫ハートはそういうことで読むのが止まることもなくじっくり読めます。ライターさんのテキスト自体が独特で充分楽しめるしね…。エロゲ原作のアニメは本来エロゲにまず求めるところのエロに基本期待できないのであまり見ませんが、野良猫ハートはこの点見たいと思わせるものがありました。
基本CG数119(内乳首露出以上のエロCG数47)、回想数20。ビジュアルファンブックアペンド基本CG数6(内乳首露出以上のエロCG数1)、ビジュアルファンブックアペンド回想数0。総計基本CG数125(内乳首露出以上のエロCG数48)、総計回想数20。
エロ1CGあたりの尺は3分(シャチスク水胸揉み)から22分(パトリシア初体験)。平均11分。
永続ループBGVなし、永続ループBGエロSEなし、連戦時付着精液残留なし、尻モザなし、淫語P音修正あり。
(関連記事:ノラと皇女と野良猫ハート2)
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