C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
幻奏童話 ALICETALE (Nexton)
2012/11/30
©NEXTON/GALACTICA
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:5983字)
<ストーリー>
自身でも覚えのない頃から、春駒銀太にはある一つの力があった。それを家族には隠しながら、妹のあきらと祖父の錠吉と共に暮らしていた。
街には近頃、怪物が現れるという噂が立っており、ある日銀太は街の一角に異変を嗅ぎ取る。そこで人狼のような怪物と、それに襲われる少女の姿を見た銀太はその間に割って入る。銀太の力とは目の前の人狼、「おおかみ」と同じ姿になれるというものだった。
おおかみを打ち倒し少女を救った銀太だが、その彼の前に三人の見知らぬ少女が現れ、問答無用で打ちのめされてしまう。
目を覚ました銀太の前には三人の少女、そして盤城千種と名乗る女性がいた。おおかみから人の姿に戻ったことで図らずも誤解が解かれることになった銀太。
この世界はANDERと呼ばれる学術機関によって統一された治世の下にあり、その下部組織であるグリム機関は、おおかみという解明されていない異物との戦いを続けていた。彼女らがALICEと呼ばれる変身と戦闘能力を持ち、その戦闘員であることを聞いた銀太はグリム機関へ志願する。入団試験と、そのさなかに起きたおおかみへの対応をもって、入団を果たした銀太。
山王丸芳香、姫宮ゆり、塔ノ沢芙美の三人のALICEたちと共に、銀太の新しい日々が始まる。
機関員として第43グリム学園へ編入した銀太。おおかみと戦う中で一ヵ月後、銀太は真紅の少女と出会う。おおかみを殲滅する真紅のALICE。銀太の姿を見た彼女はその得物を向けるが、人語を解すおおかみに驚き矛を収める。銀太に興味を抱く少女。しかしゆりたちが救援に現れたことでその場を引く。
その二日後、グリム学園に一人の転入生がやってくる。名を兵藤エリカといい、その例えようのない雰囲気に銀太は確信を持つ。
再び学園に現れるおおかみたち。それに紛れ込んだ大型のおおかみを相手に四人は苦戦する。だがそこへ加勢したエリカによって敵は倒され、その戦闘能力の高さに一同は目を見張る。エリカはその実力を生徒会メンバー、グリム機関戦闘部隊へ提供する見返りとして、銀太の協力を要求する。銀太の鼻の高い探知能力でもって探し物をしてもらいたいというエリカ。監視の為手元に置く意味合いもあり、グリム機関長官として千種はその全ての条件を受け入れた。
銀太に黒い紙片を差し出すエリカ。学園を巡り同じ匂いを探すものの見つからず、だが銀太はその匂いにエリカからもたびたび感じていた、言い知れない既視感を覚えるのだった。
その頃生徒会では、おおかみを狩る野良ALICEが話題になっていた。人目につきすぎるとして千種から調査を命じられた一同は街へ向かい、おおかみを倒しつつ獲物を狙う狩人を待つ。目論見通り現れる和装の剣士だったが、銀太とエリカにはその顔に見覚えがあった。二人のクラスメイトでありエリカにとっては寮のルームメイトでもある鞍上友近。
残ったおおかみたちを倒し、グリム機関へ友近を誘うゆり。厳格な家庭に生まれ、そんな中の落ちこぼれと自認していた友近は、本来の自信のなさからそれを一度断る。だがエリカの説得によって意識を変えた友近は新たな居場所を得る。
だがそれも束の間、器物破損や落書きの悪戯が街で頻発するようになる。赤いフードを被った人間だという目撃者の談を伝え聞いた一同。やり口がエリカのものとは思えなかった一同は街の巡回を始める。数日の後、哨戒にかかった犯人。
エリカの仕業を装ったのはグリム機関をおびき寄せる為であったこと。そして銀太を知るような口ぶりで執着を見せる彼女に対して、機関の情報漏れの懸念が頭をよぎる銀太。
ゴーレムを操るALICEの力を持ち、たった一人で機関メンバーと渡り合った少女。銀太への執着を最後まで見せながら、最速の脚力を持つ友近を振り切りその場から消え去る。
この一件でグリム機関にではなく、生徒会メンバーに対して一定の信頼を預けることを決めたエリカは、自らの探し物の仔細を明かす。御伽噺のオリジナルの原典であり、ALICEの力の源泉となる「原書」。その一つで、六十年前にこの世界に現れ、そしてそれを追うようにおおかみたちが姿を現したという、「黒の原書」。邪まな御伽噺の原典というそれが、エリカの求めるものだった。
その後、グリム機関の最上位の機密に当たる「原書」についての説明を千種から受けた、新人の銀太と友近。存在の確認された原書は学園地下の最奥に封印されているが、グリム機関の知る限り銀太のALICEに対応する原書は存在しないことが伝えられる。
ある日の戦闘中に芙美が負傷し、親友を守れなかったことを悔やむゆり。自身の身体を苛め抜くような訓練を始めるが、無理が祟って倒れてしまい、銀太は医務室までゆりを運ぶ。
その夜銀太の部屋を訪ねてくるゆり。おおかみに母を殺されALICEに目覚めた経緯とその力を失いつつある現状、そして自身が色情症の疾患を抱えていることを語る。それでもゆりに対して唯一のリーダーだという信頼を示す銀太。
何かを吹っ切ったような表情のゆりは翌日、実戦さながらの訓練を銀太に願い出る。戦いはほぼ互角に終わり、そしてその後に続くおおかみとの戦いで、ゆりはそれまでのシンデレラの力から本来のいばら姫の力を取り戻す。戦線を離れていた芙美も怪我が癒えたことで戻るが、今度は芳香と友近がALICEとしての姿勢を理由に、仲たがいを起こしてしまう。
エリート揃いの家族から、ALICEであることを理由にグリム学園に追い立てられたという友近。家族に受け入れられながらも、周囲から厳しい視線が絶えなかったことに負い目を感じる芳香。銀太はそんな二人への仲介をゆりから頼まれる。
妹のあきらからアドバイスを得た銀太は双方の家族を呼び出し、親睦を図る。友近の鞍上家も子煩悩な芳香の山王丸家に張り合おうとするものの、思っていたほど辛らつな態度ではなく、胸をなでおろす銀太とゆり、エリカ。だがそこへおおかみが街を襲撃する。
襲われかけていた芳香の弟をとっさに救った友近。戦いが終わり一部始終を見ていた友近の両親と兄は、ALICEの力を持った末娘に接しあぐねていたことを告白し、友近と山王丸一家に真摯に謝罪する。友近と家族の、そして友近と芳香のわだかまりは消え、ようやく本来の形へと収まる。
それまで何かと目の敵にされていた芙美に、突如森に呼び出された銀太。だが芙美はいつもの小言などではなく、本気で銀太を排除しようとする。人魚姫の精神感応の力を使い傀儡化しようとする芙美だがなぜかそれは弾かれ、逆に銀太は芙美の記憶を覗き見る。彼女が、上位組織であるペロー機関にグリムの機密を流していたスパイという事実を知る銀太。
そしてそこへ現れる、芙美とのやりとりを行っていた諜報員。研究の産物である人工製造のおおかみと戦うことになる銀太だが、そこへあの少女が助けに入る。騒ぎを聞きつけて急行してきたメンバーたちに向かい、銀太を処理する組織の決定に反発し脱走してきたことを明かす。そしておおかみを量産できる、エリカも持っていた「黒い原書」の紙片の全てを持ち出してきたことも。
母が死に寝たきりの父と心臓疾患を抱える弟を持ち、親友のゆりも力を失いつつあったことで、芙美は自らが不幸を振りまく存在と思い込んでいた。それをペロー機関に嗅ぎつけられ、匿名の下に父と弟を治療されることで、盾に取られた芙美。その記憶を見た銀太は、彼女を咎めることはしなかった。
報告を受けた千種は織江に関してはグリム機関預かりとし、織江としても銀太の傍でおおかみの研究を続けられる、その二点以外にはさして関心を払わない。そして千種は芙美のスパイ行為に気づいていたことと偽の機密情報を掴ませていたことを明かし、ゆりと芙美に模擬戦を命じる。それが千種なりの芙美への罰であり、二人のわだかまりを解きほぐす方便だった。
そしてそれを見守った千種はその足で、諜報員の元へ向かう。かつて魔女と呼ばれた彼女。その男がどうなったかを知る者はいない。
ペロー機関への内偵に向かう千種だが、数日後に突如来訪したANDERの連絡官によって一同は、千種が長官職を解任されたと聞かされる。それが自身の祖父の手によるものだと推測する織江。
その後十数日に渡っておおかみ討伐の日々が続き、そんな中で銀太は森の奥に嫌な匂いを嗅ぎ取る。銀太はエリカと織江と共に、ANDERの監視を避けその調査に向かう。森の奥にあったのは、ローマのコロッセオを模したような巨大な建物。そして数百匹にも上るおおかみたちの姿だった。その戦いのさなか、突如コロッセオが光に包まれる。
その姿を見たエリカは、血相を変えてその場へ駆け出す。しかし尽きることのないおおかみの戦力と体力の限界。引こうとしないエリカを気絶させた銀太はその場から踵を返す。そして銀太はその道すがら、少女へと寄る僧院仇兼の姿を見た。戦えない二人を撤退させる為に殿を務めた織江。しかし敵に分断され、銀太は織江の言葉に従い二人で帰還する。
ゆりにことの顛末を報告するが、その途中で突然エリカが部屋を飛び出し、銀太はそれを追う。それと入れ違いにANDERの特務部隊が現れ、おおかみ製造の嫌疑がエリカにかかっていると告げ、その居場所を語ろうとしないメンバーを拘束してしまう。
エリカを追って女子寮へ向かった銀太。そこで彼女の正体と、その目的を知る。
自身が人間ではなく、原書を管理していた不老の生命であること。彼女の妹と呼べる存在が黒の原書と共に姿を消し、数十年間探し続けていたこと。あの光の中から現れた少女がその妹、アリスであること。旅の中で人外に対する人間の態度を思い知り、しかしグリムのメンバーに対して友情を感じてしまったこと。
全ての心情を吐露したエリカ。銀太はそんな彼女に対して、エリカはエリカであり仲間だという事実は変わらないと告げ、彼女を受け入れる。
翌日アリスを救う為、銀太とエリカはゆりたちには告げないまま、コロッセオに向かう。その道中織江と再会し、千種に助けられたことを知らされる。コロッセオに再び向かう三人だが、やはり大量のおおかみに阻まれ窮地に陥る。
そこに現れたメンバーたちと、彼女たちを救い駆けつけた千種。千種もまた仇兼によって拘束されていたが、仇兼の研究を知り反旗を翻したペロー機関の高官によって救い出されていた。その高官の証言によりANDERが改めてグリム側についたことを知らされる一同。
そして千種はエリカに、仇兼とアリスの関係について語る。六十年以上前。世界大戦前夜ともいえるその時期、黒の原書とアリスを強奪したある男が仇兼に接触した。その男はエリカたちと同じ不老の種であり、全ての人間の死を望んでいた。だがおおかみの材料である人間の絶滅は望まない仇兼。二人はいつしか衝突するようになり、その男は仇兼に殺害された。
アリスの能力、原書の内容を現実世界に投影させる力を得た仇兼。黒の原書とアリスを融合させようとするものの、その膨大なデータ量に耐え切れずアリスの身体は霧散し、情報の群体となり世界に漂うこととなった。その結果、黒の原書の中に書かれていた「おおかみ」がアリスの能力により世界に降り注ぐことになる。
六十年前の失敗。そしてそこから現在の仇兼の目的を語る千種。おおかみをALICEにぶつけることで情報体に戻し、それを集めることでアリスを再構成しようとしていること。そしておおかみの製造施設であるコロッセオでの、前回の戦いで現実にそれが起きたこと。全てを知ったメンバーたちは仇兼の元へ向かう。
肉体が霧散したアリスの魂を封じたクローン体。暴走したクローンは仇兼を飲み込み、研究所を破壊し始める。アリスとクローン体の魂の匂いを嗅ぎ分けた銀太は、クローンの魂のみを攻撃して封じることに成功する。
数十年の放浪を経てアリスを取り戻したエリカ。だがクローンの肉体の劣化は明らかで、エリカは妹との最期の時間を二人きりで過ごすことを決め、彼女たちの本来の居場所へと帰っていく。
<友近エンド>
あれから一年。生徒会メンバーたちは学園を卒業し、銀太と友近は恋人関係となっていた。エリカがいつ戻っても誇れる友人でいたいと願う友近は、自身を変えていくことを誓う。
その後、芸能の道に進んだ友近。アイドルでありALICEである彼女はその活動を通して、ALICEと世界の融和を目指す。
<芳香エンド>
戦いが終わり、芳香は銀太に自身の思いを打ち明ける。それを受け入れた銀太は芳香と将来を誓い合う。そして十数年後。二人は子供たちに囲まれながら幸せな日々を送っていた。
<芙美エンド>
数年の時が流れ、新たなグリムの長官となった芙美。銀太はその補佐官となり、二人は今日もおおかみに立ち向かう。
<ゆりエンド>
時代は移ろい、ゆりは千種の後を継ぎグリムの長官となった。教官としてゆりを支えながら銀太は後進の育成に励む。
ペロー機関とおおかみの残党の処理を続けながらも、エリカとの再会を諦めていないゆり。二人の戦いはまだ終わらない。
<エリカエンド>
数十年の放浪を経てアリスを取り戻したエリカ。だがクローンの肉体の劣化は進んでおり、終わりが避けられないのは明白だった。エリカはメンバーたちに愛情を感じながらも、アリスを貶めた人間全てを憎む。
エリカもアリスと同じく原書管理者として、感情の高まりをトリガーに原書を体内で複製する能力を持っていた。そして憎しみに飲まれた彼女が呼び寄せるのは黒の原書。憎しみを収めることのできないエリカは自身の死を願うが、銀太はそれを否定し最良の道を目指す。そしてアリスの為に人類を滅ぼそうとするエリカと、全てを守ろうとする銀太の戦いが始まる。
エリカの強大な力の前に一度は膝を屈する銀太だが、そこへ仲間たちが駆けつける。銀太はアリスの声を聞いた。銀太と繋がっていたというアリスは、残った最後のクローンの魂を破壊し自身を解放するよう願う。再び力場体となって漂い出したアリスは姉に呼びかける。
あの戦いから二ヶ月後。本来ならばそのまま消え去るはずだったアリス。だが織江は、クローン体の維持に仇兼が使っていた機材を用いれば、アリスを固定することが可能だという。そしてその試みは成功し、装置を設置したエリカの部屋であればアリスは存在し続けることができるようになった。
不都合あれど平穏な日常。エリカとアリスはついにそれを手にし、銀太はその未来を勝ち取った。
人気のない路地裏。そこに、千種に捕らえられグリムを脱走してきたあの諜報員の男がいた。古巣はすでに絶え帰る場所もない彼の前に、一人の男が現れる。
男が差し出したのは、全てが黒く装丁され黄金の文字で綴られた、一冊の本。その本を手に取った諜報員が顔を上げた時、そこには何者の姿もなかった。
<プレイ時間>
初回友近ルート(戦闘込み)16時間20分、芳香ルート50分、芙美ルート35分、ゆりルート35分、エリカルート1時間35分(未読戦闘込み)、織江BAD+EXTRA30分。計20時間25分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
月織、チマQ、tkh-c、kennel、杜若、まよ吉、ant、ふじみとわ
2012/11/30
©NEXTON/GALACTICA
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:5983字)
<ストーリー>
自身でも覚えのない頃から、春駒銀太にはある一つの力があった。それを家族には隠しながら、妹のあきらと祖父の錠吉と共に暮らしていた。
街には近頃、怪物が現れるという噂が立っており、ある日銀太は街の一角に異変を嗅ぎ取る。そこで人狼のような怪物と、それに襲われる少女の姿を見た銀太はその間に割って入る。銀太の力とは目の前の人狼、「おおかみ」と同じ姿になれるというものだった。
おおかみを打ち倒し少女を救った銀太だが、その彼の前に三人の見知らぬ少女が現れ、問答無用で打ちのめされてしまう。
目を覚ました銀太の前には三人の少女、そして盤城千種と名乗る女性がいた。おおかみから人の姿に戻ったことで図らずも誤解が解かれることになった銀太。
この世界はANDERと呼ばれる学術機関によって統一された治世の下にあり、その下部組織であるグリム機関は、おおかみという解明されていない異物との戦いを続けていた。彼女らがALICEと呼ばれる変身と戦闘能力を持ち、その戦闘員であることを聞いた銀太はグリム機関へ志願する。入団試験と、そのさなかに起きたおおかみへの対応をもって、入団を果たした銀太。
山王丸芳香、姫宮ゆり、塔ノ沢芙美の三人のALICEたちと共に、銀太の新しい日々が始まる。
機関員として第43グリム学園へ編入した銀太。おおかみと戦う中で一ヵ月後、銀太は真紅の少女と出会う。おおかみを殲滅する真紅のALICE。銀太の姿を見た彼女はその得物を向けるが、人語を解すおおかみに驚き矛を収める。銀太に興味を抱く少女。しかしゆりたちが救援に現れたことでその場を引く。
その二日後、グリム学園に一人の転入生がやってくる。名を兵藤エリカといい、その例えようのない雰囲気に銀太は確信を持つ。
再び学園に現れるおおかみたち。それに紛れ込んだ大型のおおかみを相手に四人は苦戦する。だがそこへ加勢したエリカによって敵は倒され、その戦闘能力の高さに一同は目を見張る。エリカはその実力を生徒会メンバー、グリム機関戦闘部隊へ提供する見返りとして、銀太の協力を要求する。銀太の鼻の高い探知能力でもって探し物をしてもらいたいというエリカ。監視の為手元に置く意味合いもあり、グリム機関長官として千種はその全ての条件を受け入れた。
銀太に黒い紙片を差し出すエリカ。学園を巡り同じ匂いを探すものの見つからず、だが銀太はその匂いにエリカからもたびたび感じていた、言い知れない既視感を覚えるのだった。
その頃生徒会では、おおかみを狩る野良ALICEが話題になっていた。人目につきすぎるとして千種から調査を命じられた一同は街へ向かい、おおかみを倒しつつ獲物を狙う狩人を待つ。目論見通り現れる和装の剣士だったが、銀太とエリカにはその顔に見覚えがあった。二人のクラスメイトでありエリカにとっては寮のルームメイトでもある鞍上友近。
残ったおおかみたちを倒し、グリム機関へ友近を誘うゆり。厳格な家庭に生まれ、そんな中の落ちこぼれと自認していた友近は、本来の自信のなさからそれを一度断る。だがエリカの説得によって意識を変えた友近は新たな居場所を得る。
だがそれも束の間、器物破損や落書きの悪戯が街で頻発するようになる。赤いフードを被った人間だという目撃者の談を伝え聞いた一同。やり口がエリカのものとは思えなかった一同は街の巡回を始める。数日の後、哨戒にかかった犯人。
エリカの仕業を装ったのはグリム機関をおびき寄せる為であったこと。そして銀太を知るような口ぶりで執着を見せる彼女に対して、機関の情報漏れの懸念が頭をよぎる銀太。
ゴーレムを操るALICEの力を持ち、たった一人で機関メンバーと渡り合った少女。銀太への執着を最後まで見せながら、最速の脚力を持つ友近を振り切りその場から消え去る。
この一件でグリム機関にではなく、生徒会メンバーに対して一定の信頼を預けることを決めたエリカは、自らの探し物の仔細を明かす。御伽噺のオリジナルの原典であり、ALICEの力の源泉となる「原書」。その一つで、六十年前にこの世界に現れ、そしてそれを追うようにおおかみたちが姿を現したという、「黒の原書」。邪まな御伽噺の原典というそれが、エリカの求めるものだった。
その後、グリム機関の最上位の機密に当たる「原書」についての説明を千種から受けた、新人の銀太と友近。存在の確認された原書は学園地下の最奥に封印されているが、グリム機関の知る限り銀太のALICEに対応する原書は存在しないことが伝えられる。
ある日の戦闘中に芙美が負傷し、親友を守れなかったことを悔やむゆり。自身の身体を苛め抜くような訓練を始めるが、無理が祟って倒れてしまい、銀太は医務室までゆりを運ぶ。
その夜銀太の部屋を訪ねてくるゆり。おおかみに母を殺されALICEに目覚めた経緯とその力を失いつつある現状、そして自身が色情症の疾患を抱えていることを語る。それでもゆりに対して唯一のリーダーだという信頼を示す銀太。
何かを吹っ切ったような表情のゆりは翌日、実戦さながらの訓練を銀太に願い出る。戦いはほぼ互角に終わり、そしてその後に続くおおかみとの戦いで、ゆりはそれまでのシンデレラの力から本来のいばら姫の力を取り戻す。戦線を離れていた芙美も怪我が癒えたことで戻るが、今度は芳香と友近がALICEとしての姿勢を理由に、仲たがいを起こしてしまう。
エリート揃いの家族から、ALICEであることを理由にグリム学園に追い立てられたという友近。家族に受け入れられながらも、周囲から厳しい視線が絶えなかったことに負い目を感じる芳香。銀太はそんな二人への仲介をゆりから頼まれる。
妹のあきらからアドバイスを得た銀太は双方の家族を呼び出し、親睦を図る。友近の鞍上家も子煩悩な芳香の山王丸家に張り合おうとするものの、思っていたほど辛らつな態度ではなく、胸をなでおろす銀太とゆり、エリカ。だがそこへおおかみが街を襲撃する。
襲われかけていた芳香の弟をとっさに救った友近。戦いが終わり一部始終を見ていた友近の両親と兄は、ALICEの力を持った末娘に接しあぐねていたことを告白し、友近と山王丸一家に真摯に謝罪する。友近と家族の、そして友近と芳香のわだかまりは消え、ようやく本来の形へと収まる。
それまで何かと目の敵にされていた芙美に、突如森に呼び出された銀太。だが芙美はいつもの小言などではなく、本気で銀太を排除しようとする。人魚姫の精神感応の力を使い傀儡化しようとする芙美だがなぜかそれは弾かれ、逆に銀太は芙美の記憶を覗き見る。彼女が、上位組織であるペロー機関にグリムの機密を流していたスパイという事実を知る銀太。
そしてそこへ現れる、芙美とのやりとりを行っていた諜報員。研究の産物である人工製造のおおかみと戦うことになる銀太だが、そこへあの少女が助けに入る。騒ぎを聞きつけて急行してきたメンバーたちに向かい、銀太を処理する組織の決定に反発し脱走してきたことを明かす。そしておおかみを量産できる、エリカも持っていた「黒い原書」の紙片の全てを持ち出してきたことも。
母が死に寝たきりの父と心臓疾患を抱える弟を持ち、親友のゆりも力を失いつつあったことで、芙美は自らが不幸を振りまく存在と思い込んでいた。それをペロー機関に嗅ぎつけられ、匿名の下に父と弟を治療されることで、盾に取られた芙美。その記憶を見た銀太は、彼女を咎めることはしなかった。
報告を受けた千種は織江に関してはグリム機関預かりとし、織江としても銀太の傍でおおかみの研究を続けられる、その二点以外にはさして関心を払わない。そして千種は芙美のスパイ行為に気づいていたことと偽の機密情報を掴ませていたことを明かし、ゆりと芙美に模擬戦を命じる。それが千種なりの芙美への罰であり、二人のわだかまりを解きほぐす方便だった。
そしてそれを見守った千種はその足で、諜報員の元へ向かう。かつて魔女と呼ばれた彼女。その男がどうなったかを知る者はいない。
ペロー機関への内偵に向かう千種だが、数日後に突如来訪したANDERの連絡官によって一同は、千種が長官職を解任されたと聞かされる。それが自身の祖父の手によるものだと推測する織江。
その後十数日に渡っておおかみ討伐の日々が続き、そんな中で銀太は森の奥に嫌な匂いを嗅ぎ取る。銀太はエリカと織江と共に、ANDERの監視を避けその調査に向かう。森の奥にあったのは、ローマのコロッセオを模したような巨大な建物。そして数百匹にも上るおおかみたちの姿だった。その戦いのさなか、突如コロッセオが光に包まれる。
その姿を見たエリカは、血相を変えてその場へ駆け出す。しかし尽きることのないおおかみの戦力と体力の限界。引こうとしないエリカを気絶させた銀太はその場から踵を返す。そして銀太はその道すがら、少女へと寄る僧院仇兼の姿を見た。戦えない二人を撤退させる為に殿を務めた織江。しかし敵に分断され、銀太は織江の言葉に従い二人で帰還する。
ゆりにことの顛末を報告するが、その途中で突然エリカが部屋を飛び出し、銀太はそれを追う。それと入れ違いにANDERの特務部隊が現れ、おおかみ製造の嫌疑がエリカにかかっていると告げ、その居場所を語ろうとしないメンバーを拘束してしまう。
エリカを追って女子寮へ向かった銀太。そこで彼女の正体と、その目的を知る。
自身が人間ではなく、原書を管理していた不老の生命であること。彼女の妹と呼べる存在が黒の原書と共に姿を消し、数十年間探し続けていたこと。あの光の中から現れた少女がその妹、アリスであること。旅の中で人外に対する人間の態度を思い知り、しかしグリムのメンバーに対して友情を感じてしまったこと。
全ての心情を吐露したエリカ。銀太はそんな彼女に対して、エリカはエリカであり仲間だという事実は変わらないと告げ、彼女を受け入れる。
翌日アリスを救う為、銀太とエリカはゆりたちには告げないまま、コロッセオに向かう。その道中織江と再会し、千種に助けられたことを知らされる。コロッセオに再び向かう三人だが、やはり大量のおおかみに阻まれ窮地に陥る。
そこに現れたメンバーたちと、彼女たちを救い駆けつけた千種。千種もまた仇兼によって拘束されていたが、仇兼の研究を知り反旗を翻したペロー機関の高官によって救い出されていた。その高官の証言によりANDERが改めてグリム側についたことを知らされる一同。
そして千種はエリカに、仇兼とアリスの関係について語る。六十年以上前。世界大戦前夜ともいえるその時期、黒の原書とアリスを強奪したある男が仇兼に接触した。その男はエリカたちと同じ不老の種であり、全ての人間の死を望んでいた。だがおおかみの材料である人間の絶滅は望まない仇兼。二人はいつしか衝突するようになり、その男は仇兼に殺害された。
アリスの能力、原書の内容を現実世界に投影させる力を得た仇兼。黒の原書とアリスを融合させようとするものの、その膨大なデータ量に耐え切れずアリスの身体は霧散し、情報の群体となり世界に漂うこととなった。その結果、黒の原書の中に書かれていた「おおかみ」がアリスの能力により世界に降り注ぐことになる。
六十年前の失敗。そしてそこから現在の仇兼の目的を語る千種。おおかみをALICEにぶつけることで情報体に戻し、それを集めることでアリスを再構成しようとしていること。そしておおかみの製造施設であるコロッセオでの、前回の戦いで現実にそれが起きたこと。全てを知ったメンバーたちは仇兼の元へ向かう。
肉体が霧散したアリスの魂を封じたクローン体。暴走したクローンは仇兼を飲み込み、研究所を破壊し始める。アリスとクローン体の魂の匂いを嗅ぎ分けた銀太は、クローンの魂のみを攻撃して封じることに成功する。
数十年の放浪を経てアリスを取り戻したエリカ。だがクローンの肉体の劣化は明らかで、エリカは妹との最期の時間を二人きりで過ごすことを決め、彼女たちの本来の居場所へと帰っていく。
<友近エンド>
あれから一年。生徒会メンバーたちは学園を卒業し、銀太と友近は恋人関係となっていた。エリカがいつ戻っても誇れる友人でいたいと願う友近は、自身を変えていくことを誓う。
その後、芸能の道に進んだ友近。アイドルでありALICEである彼女はその活動を通して、ALICEと世界の融和を目指す。
<芳香エンド>
戦いが終わり、芳香は銀太に自身の思いを打ち明ける。それを受け入れた銀太は芳香と将来を誓い合う。そして十数年後。二人は子供たちに囲まれながら幸せな日々を送っていた。
<芙美エンド>
数年の時が流れ、新たなグリムの長官となった芙美。銀太はその補佐官となり、二人は今日もおおかみに立ち向かう。
<ゆりエンド>
時代は移ろい、ゆりは千種の後を継ぎグリムの長官となった。教官としてゆりを支えながら銀太は後進の育成に励む。
ペロー機関とおおかみの残党の処理を続けながらも、エリカとの再会を諦めていないゆり。二人の戦いはまだ終わらない。
<エリカエンド>
数十年の放浪を経てアリスを取り戻したエリカ。だがクローンの肉体の劣化は進んでおり、終わりが避けられないのは明白だった。エリカはメンバーたちに愛情を感じながらも、アリスを貶めた人間全てを憎む。
エリカもアリスと同じく原書管理者として、感情の高まりをトリガーに原書を体内で複製する能力を持っていた。そして憎しみに飲まれた彼女が呼び寄せるのは黒の原書。憎しみを収めることのできないエリカは自身の死を願うが、銀太はそれを否定し最良の道を目指す。そしてアリスの為に人類を滅ぼそうとするエリカと、全てを守ろうとする銀太の戦いが始まる。
エリカの強大な力の前に一度は膝を屈する銀太だが、そこへ仲間たちが駆けつける。銀太はアリスの声を聞いた。銀太と繋がっていたというアリスは、残った最後のクローンの魂を破壊し自身を解放するよう願う。再び力場体となって漂い出したアリスは姉に呼びかける。
あの戦いから二ヶ月後。本来ならばそのまま消え去るはずだったアリス。だが織江は、クローン体の維持に仇兼が使っていた機材を用いれば、アリスを固定することが可能だという。そしてその試みは成功し、装置を設置したエリカの部屋であればアリスは存在し続けることができるようになった。
不都合あれど平穏な日常。エリカとアリスはついにそれを手にし、銀太はその未来を勝ち取った。
人気のない路地裏。そこに、千種に捕らえられグリムを脱走してきたあの諜報員の男がいた。古巣はすでに絶え帰る場所もない彼の前に、一人の男が現れる。
男が差し出したのは、全てが黒く装丁され黄金の文字で綴られた、一冊の本。その本を手に取った諜報員が顔を上げた時、そこには何者の姿もなかった。
<プレイ時間>
初回友近ルート(戦闘込み)16時間20分、芳香ルート50分、芙美ルート35分、ゆりルート35分、エリカルート1時間35分(未読戦闘込み)、織江BAD+EXTRA30分。計20時間25分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
月織、チマQ、tkh-c、kennel、杜若、まよ吉、ant、ふじみとわ
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