C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
ヒトカタノオウ アカシノクニ・ヨルノモリ (Artel)
2007/3/30
©Artel
(引用:getchu.com様)
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:6695字)
<プロローグ>
八坂直哉は夢を見る。月夜の少女と過ごした、幼い頃の夢。月下に野山で触れ合った少女。その少女も今は隣にいない。
八坂は古い家であり、鳴守市の名高い家柄だった。直哉はその家の長子だが、八坂は女性を始祖に持つ。それ故に直哉は八坂の跡取りではなく、母が病で伏せってからは庶家出身の五十鈴咲月が当主代行となっていた。
その咲月もそう歳は離れておらず、八坂の従者である黒羽奈緒や家令の六倉と共に、直哉は穏やかな日々を過ごしていた。
そんなある日直哉は家の森で、道に迷ったらしき女性と出会う。近々行われる花火大会について話に花を咲かせる二人だが、直哉が八坂の家の者であることを知った女性は驚き、そして唐突に身を翻す。
家に戻った直哉は再び夢を見る。
白いいでたちの少女の名前を思い出した直哉。夜になるたびに長らくミズハと遊んでいたが、その日の彼女は悲しげに顔を伏せ別れを切り出す。
幼い怒りに任せてその場を駆け出す直哉だが、彼は風にあおられ吊り橋から落ちてしまう。
気がつけば、どこまでも暗く続く洞窟。そんなところに彼はいた。まるで地の底へ向かって吸い寄せられるように歩いていく直哉だが、それを呼び止めるミズハ。彼女の声で我に返り、すんでのところで踵を返すことができた。
夢から覚めた直哉は、奈緒と連れ立って鳴守の祭りに向かう。
見た目相応の無邪気さを見せる奈緒だが、唐突に様子を変えた彼女はその場を駆け出す。その後を追った直哉が見たものは、森で出会った女性と奈緒との戦いだった。
奈緒を庇った直哉を見て、すんでのところで矛を収める女性、ミズハ。だが割って入ったまま動こうとしなかった直哉を殴りつけた奈緒に対してミズハは激昂し、二人はもつれ合ったまま谷底へ落ちていく。
<アカシノクニ・奈緒編>
自室で目を覚ました直哉は咲月に呼び出され離れの屋敷に向かう。いつまでも帰らない二人に対して家の者を出していた咲月は、昨日の顛末を直哉に尋ねるのだった。
二人が谷底に落ちた後、明らかに人ではない鬼としか呼べない容貌の男に直哉は襲われる。昏倒から目を覚ました直哉が谷底へ降りるとミズハの姿はなく、冷たくなった奈緒の亡骸がそこにあるだけだった。
嘆く直哉だが、気づけば「そこ」にいた。
道の先へ歩みを進める奈緒を必死に呼び止めた直哉はどうにか、二人で道を戻ることができた。
ことの顛末を聞いた咲月は奈緒の無事を告げ、直哉を襲った男を妖と呼んだ。八坂はタタリ神と黄泉戸の封印を守護する一族でありその力は、自然の怪異である妖にも向けられていることを咲月は明かす。
八坂と妖が、自身とミズハが、対立する立場に置かれていたことを知った直哉は、森の吊り橋へ向かう。そこでミズハと再び出会うが、昨晩までの彼女とはまるで別人のようだった。八坂も妖も全てを置き捨て、ただ二人だけで「トコタチノクニ」へ逃げようというミズハ。その荒唐無稽な話を断りたしなめた直哉に対して、ミズハは冷たい憤怒を爆発させる。
愛しい男を惑わし二人を遮る全てを殺し尽くすと絶叫したミズハは、ふいと一転して薄ら寒い微笑を浮かべ直哉に歩み寄る。狂気に彩られたその姿に戦慄した直哉は屋敷に向かって逃げ出し、彼を探しに出ていた奈緒と咲月に庇われる形で九死に一生を得る。
数日後直哉は、八坂に出入りする医者の火谷木と、奈緒の妹である仁奈と顔を合わせる。街で近頃、致死量の血痕が見つかるも、死体のない怪事件が起きていることを火谷木は語る。
咲月に呼び出された直哉は、街を警邏していた奈緒が怪物を討伐したことを聞かされる。封印されたタタリ神はその綻びから、自らの一部であるマガツヒを現世に送り込み、それに食われた者は生きた屍となり周囲の者を食らう。奈緒が討伐したのはそれだった。街の件にミズハが絡んでいないことに安堵する直哉。
奈緒の持つ剣の神器ミツルギに封じられたマガツヒは通常、それが火谷木によって作られた模造品であることもあり、黄泉戸の中に捨てられる。だがそのマガツヒを祓う力が直哉にあることを咲月は明かす。そんなことを露知らず驚く直哉だが、手をかざし強く念じることでミツルギごとマガツヒを消し去ることができた。
夜になり母の唯が外に出ようとしているところを、直哉は見かける。衰弱の激しい唯が出歩くなどありえないことであり、直哉の元に向かっていたのだという母と共に離れの屋敷に戻る。
ミツルギに封じられるマガツヒの量は、それが簡単に複製できないこともあり、そう多くない。万が一大量のマガツヒが現世にあふれ出すようなことがあれば、八坂は、咲月は。死体に群がるマガツヒに対して餌を使わざるを得ない。そのおぞましい手段が使われることのないよう、唯は破魔の力である道返を使いこなすよう直哉に託すのだった。
奈緒を常に傍につけるよう咲月に命じられ、直哉は奈緒の巡回に付き合うことになる。遺棄された建設現場へ、綻びの修復に向かった二人はそこで、直哉を襲ったあの鬼と出会う。二人の行動を見た彼はそれを遅きに失したと一蹴する。黄泉波と呼ばれる大量のマガツヒがまもなく現れ、黄泉返りを果たした者をさらっていくという。
かろうじて均衡を保っていた三人の間にミズハが唐突に現れる。奈緒とミズハの戦いが始まるが、どういったわけか鬼は奈緒を援護する。斬りつけられたミズハの姿を見た直哉は、彼女の身に何が起きたのかをようやく知るのだった。
一瞬の隙をつき三人全員を絡め取ったミズハは、彼女の持つ宝玉でもって鬼の意志を奪う。そして奈緒の身体を襲わせるミズハ。全てが終わりそこへ、奈緒の妹の仁奈が現れる。奈緒を嫌いながらも、火谷木の命令には絶対服従する仁奈。それに従い、オリジナルのミツルギを持った仁奈はミズハを圧倒する。
直哉が目を覚ましたのは火谷木の研究所の一室だった。そこで直哉は予想だにしないものを見る。
唯の身柄が、奈緒の研究の献体として咲月から提供されたものだと火谷木から説明を受けた直哉は絶句する。そして奈緒たちが直哉の身代わりとして彼から作られたクローン体であり、痛覚を与えられず身体を酷使し続けた結果、奈緒の限界が近いことを知る。
問答を続ける直哉たちだったがそこへ、活動を停止したはずのミズハがマガツヒの力によって甦る。火谷木と仁奈はミツルギを使いその場から脱出するが、直哉と奈緒が取り残されてしまう。窮地に立たされた直哉は奥の区画を開くが、そこには火谷木の作り出した初期の「失敗作」が押し込められていた。到底人と呼べない姿ながらも、道返の力だけは発揮できるそれに対して脅威を抱くミズハ。二人はその混乱をつき脱出することができた。
無事屋敷に戻った二人。ミズハによって痛みを植えつけられた奈緒は戦いを恐れるようになってしまう。それを埋める為に、奈緒は直哉を求める。
直哉と奈緒は妖の長に招かれ、その里を訪れる。
黄泉波を抑えマガツヒに冒された長は奈緒の名を聞き、その名が持つ意味を語る。黒羽とは古来では黄泉戸に捧げる生贄を指した。かつて一人の黒羽の娘がおり、黄泉路を下りマガツヒに食われることを恐れた彼女は現世に留まり続けた。フシガミと呼ばれるようになったその少女はいつかタタリ神を退け黄泉へと下る術を見つける為に、八坂の当主たちの肉体を奪い続けていた。ゆえに本来の咲月がどうなったかは今では知る由もない。
そしてミズハを甦らせたのが妖たちであったことを長は明かす。かつての山の神、現在のタタリ神から妖たちが受け継いだ三種の神器。その一つミカガミの片割れをもって、長は神器の唯一の使い手であるミズハを呼び戻そうとしたがやはり失敗した。かつて谷底に落ちた幼い直哉をミカガミの力で救い、その記憶に封印をかけたミズハ。直哉の身体にはその時のミカガミの片割れが眠っていた。不完全なミカガミと使い手を使い、ミズハとの戦いで妖の戦士をことごとく失い、自らもマガツヒに冒された長は、悔恨にまみれた懇願を二人に託す。
現世に戻った二人は、マガツヒに襲われた屋敷を見る。ミタマをもって咲月を操ったミズハは火谷木と仁奈に、直哉の確保を命じる。
火谷木は持ち歩いていた自らの失敗作に食われ、同じ道返の力で上回った直哉が生き残る。ミツルギでの斬撃をミカガミの反射で退けた直哉。その腕の中で息絶えた仁奈の目に、本来の光が戻ることはなかった。
黄泉戸を封じた地下祭壇。咲月を昏倒させそこで待つミズハの前に二人は立つ。直哉と共に彼女のいうトコタチノクニへ逝くことだけに駆られたミズハと、ミズハを黄泉に送り黄泉波を止めんとする直哉と奈緒。三人の最後の戦いが始まる。
神器所有者三人の戦いは延々と長引き、双方決め手に欠けた。その均衡を破ったのは倒れていたはずの咲月だった。祭壇のかがり火を浴びたミズハはマガツヒを焼かれ、ミツルギをその身に受ける。一滴の涙を現世に残して、ミズハの命はミツルギに封じられ肉体は消えていく。
そして咲月、フシガミは、ミズハの命を吸ったミツルギを使い黄泉戸の結界ごと全てを吹き飛ばすよう告げる。そして神剣を振るう奈緒を前にして、直哉は火谷木から聞いたいつかの言葉を思い出す。
黄泉波も、黄泉路に巣食うものも、全てが絶えた黄泉路。フシガミと奈緒がその路を下りていく。直哉は奈緒に呼びかけるが、ミカガミの力が足りず声は届かない。その時二人の前に妖の長が現れる。
フシガミは何か遠い記憶を手繰り寄せるように、その身体に自らの身を預ける。そして長は奈緒に対して、自らの腹にあったミカガミの半身を差し出す。一つの姿を取り戻した神鏡によって奈緒は直哉の声を聞き、二たびの帰還を果たす。
<奈緒エンド1・八坂日造>
あれからいくつかの時が流れた。
生き残った家の使用人たちはあの事件を恐れ、僅かな老衆を残し八坂を去っていた。そんな中で直哉は奈緒と共に、八坂の再建にあたっていた。
フシガミが消え、その代わりに新たな結界の要として奈緒が名乗り出る。火谷木の言葉が脳裏から離れない直哉だが、それを退けることができなかった。
それまでを、二人はその日を精一杯に生きていく。
そして、二人をここまで見届けた一つの魂もまた今、空へ還っていく。
<奈緒エンド2・八坂日継>
火谷木の研究所から唯を連れて逃げ出した二人。黄泉路を行くフシガミは咲月ではなく、前当主の唯の身体で黄泉に落ちる。
自我を取り戻した咲月。自身に代わり直哉が八坂を取り仕切れるようになった後は、自らの道に進むことを決める。その咲月に買い物を頼まれる直哉と奈緒。鳴守の街は夕日に包まれ、一日が終わっていく。
そうやって直哉は、これからの一日一日を奈緒と共に生きていく。
<ヨルノモリ・ミズハ編>
谷底へ向かった直哉はそこで二人の亡骸を目にするが、唐突に立ち上がった奈緒は幽鬼のようにその場を離れる。悲嘆にくれる直哉だが、その慟哭に呼応するかのようにミカガミが黄泉路のミズハと直哉を繋ぐ。
そしてミズハを追って谷に現れた鬼のヤトは、妖の長イミナの声に戸惑いながらも、直哉と眠りに落ちたミズハを妖の里へ連れて行く。妖たちに憎悪される八坂に対して、妖の姫巫女を救ったことを感謝するイミナ。そして八坂を裏切った形の直哉に対して、里にしばらく留まるよう勧める。
ミズハが目を覚ましたという知らせをヤトから受けた直哉はイミナの元を訪れるがその時、大量のマガツヒが里を襲う。直哉に根付いたミカガミを取り出せないと見るや、イミナは自らの腹にあった片割れを直哉に預ける。直哉のミカガミとミズハのミタマによってマガツヒは駆逐されるものの、癒しの地であるヤヒロドノと西の森。汚染されたその地を里から切り離すという結果となった。
イミナは里の状況を語った上で、迫る黄泉波を止める為、黄泉と現世の亀裂を埋めるよう二人を街に向かわせる。
斥候として街に出ていた妖の少女クシビから情報を得て、破棄された建設現場へ向かった二人は亀裂を封印して里に戻る。そして時を置いて戻ってきたクシビ。
再びマガツヒの侵入を許した里。クシビを失いほうけるミズハをどうにか正気に戻した直哉は、恐慌をきたした妖たちを庇いながらかろうじてマガツヒを祓いきる。その姿に、妖たちの直哉に対する態度にも少しずつ変化が見られるようになっていく。
イミナは娘のクシビが逝ったことを虎妖に伝える役目をミズハに託す。そして同時に直哉とヤトにミツルギの奪還を命じる。ヤトは森で直哉を襲い咲月に助けられる形で、結界に護られた屋敷に戻る直哉。
黄泉への亀裂を探す直哉は、離れで唯と顔を合わせる。黄泉に座礁したトリフネを破壊しなければ黄泉波は止められず、その為のミツルギが火谷木の元にあると告げる唯。それはかつてミズハが直哉に語った、妖たちをトコタチノクニへ導くとされる舟の名前だった。
そして妖を狩って戻ってきた奈緒が現れる。その言葉を聞いた咲月は直哉の裏切りを確信し、足を落とし捕らえるよう奈緒に命じる。
ミツルギの斬撃をミカガミで弾いた直哉は屋敷を逃げ出し、咲月の捕縛術を破ったヤトと合流する。追撃してきた奈緒を二人がかりで退けミズハとも合流した二人。異常な回復力で何度も立ち上がり贋作の神剣を砕かれても戦いをやめようとしない奈緒の姿に毒気を抜かれたヤトは、直哉の言葉を聞き入れ矛を収める。
しかし死にかけた奈緒に引き寄せられたマガツヒがそこに現れ、奈緒は食われてしまう。直哉と咲月に呪詛の言葉を残して消える奈緒。
里に戻った直哉は、黄泉路に漂い里を縛るトリフネを破壊する為に火谷木の元へ向かうことを決心する。
複製品を量産できるまでに調べつくしたミツルギを、火谷木はあっさりと二人に返す。直哉の父であり妖との和解を目指した俊哉が八坂に粛清されていたこと。ミツルギを含め神器を扱えるものの病弱だった直哉の代替として、奈緒たちが作られたこと。直哉たちと戦った奈緒が、吊り橋から落ちた奈緒の記憶を移植した代替であったことを、直哉は知る。
八坂に攻め入り地下祭壇を目指す準備を始める直哉たちだが、そこへ複製体たちが里を襲う。
裏切ったという火谷木や仁奈を消してきたことを示唆する奈緒たち。足止めをするヤトや、里を黄泉に落とさず狭間に沈めるイミナを残して、直哉とミズハは僅かに生き残った妖たちを率いて現世に脱出する。
二人は八坂の地下祭壇へ向かう。自らを顧みない全てを憎悪し、咲月を屠った奈緒がそこにいた。贋作のミツルギに正面から押されるミカガミとミタマだが、最後には浄化の炎が奈緒の身を焼く。そして二人はミツルギでもって、全てのマガツヒを消し去る。
<ミズハエンド1・流浪ノ民>
奈緒が全てを殺しつくした八坂の屋敷を封印した直哉。幼い日から過ごしたそこに別れを告げた直哉を、ミズハが迎える。新たな族長となった二人は妖たちと共に、まだ見ぬ最果てを目指すのだった。
<ミズハエンド2・遠クテ近イ空>
火谷木からミツルギを受け取り里へ戻った直哉。黄泉戸へ向かう為に咲月の説得を考える直哉だが、そこへ虎妖が屋敷を襲ったという一報が入る。ミズハと共に屋敷に向かうが、森で直哉を待ち構えていた奈緒。彼女を送るのは誰でもない自身だとわかっていた直哉はミズハを虎妖の説得に向かわせる。
雲泥の差の身体能力で押しまくられる直哉だが、完全なミカガミを吸収することは、虎妖一派の妖を幾ら飲み込もうとも贋作のミツルギには不可能だった。ミカガミの光を浴びた奈緒は、かつての無垢な表情を一瞬だけ取り戻し、その身体を崩壊させていく。
それを振り切って屋敷に向かった直哉は未だ続く戦いの中に飛び込む。虎妖はすでに咲月に滅ぼされ、その魂はヤトによってミツルギに吸収されていた。直哉の登場によっても八坂に動揺はなく、直哉とミズハはヤトが足止めをする中、地下祭壇へ向かう。
二人の前に立ちはだかる咲月。だが予想外の唯の行動によって咲月は倒れる。咲月を飲み干したミツルギの贋作を破壊し、後を追ってきたヤトと三人で黄泉路へ向かう直哉。母と息子はすれ違いざま、終生の別れを交わす。
黄泉路に横たわり、マガツヒに穢されきったトリフネ。ミズハとヤトの援護を受けながらマガツヒの波をかいくぐった直哉はミカガミによってトリフネを浄化する。
トリフネを祓い、神器を揃え、二人の使い手を得た妖たち。彼らはついに彼らの故郷を取り戻した。
ミズハと直哉の子供ヒズヤに振り回されるヤトとイミナ。穏やかな日々。かつてミズハが渇望した、どこまでも青い空の下、妖たちと人はいつまでも共に手を取り合って生きていくだろう。
このトコタチノクニで。
<プレイ時間>
プロローグ1時間25分、八坂日造4時間、八坂日継20分、流浪ノ民4時間、遠クテ近イ空1時間30分。計11時間15分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
Inumiya、KEI
<印象に残ったシーン>
<あとがき・11/16>
「全部を護る方法はない。手から零れるモノがきっとあると思う」
このゲームはこの言葉が表す通りです。選ばなかった側の人物はことごとく失われます。例外はアカシノクニ編で生き延び、ヨルノモリ編で死亡するクシビくらいでしょうか。これが選択肢というものだ!ヤメテー。
ヨルノモリは特に終盤までひたすら絶望的な状況が続きますが、遠クテ近イ空でようやく報われます。このエンドなかったら鬱で寝込むよ…。
画像が多い!最初50枚以上ありましたがなんとかなんとか削って20枚超…。好きすぎるのも考え物。
2007/3/30
©Artel
(引用:getchu.com様)
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:6695字)
<プロローグ>
八坂直哉は夢を見る。月夜の少女と過ごした、幼い頃の夢。月下に野山で触れ合った少女。その少女も今は隣にいない。
八坂は古い家であり、鳴守市の名高い家柄だった。直哉はその家の長子だが、八坂は女性を始祖に持つ。それ故に直哉は八坂の跡取りではなく、母が病で伏せってからは庶家出身の五十鈴咲月が当主代行となっていた。
その咲月もそう歳は離れておらず、八坂の従者である黒羽奈緒や家令の六倉と共に、直哉は穏やかな日々を過ごしていた。
そんなある日直哉は家の森で、道に迷ったらしき女性と出会う。近々行われる花火大会について話に花を咲かせる二人だが、直哉が八坂の家の者であることを知った女性は驚き、そして唐突に身を翻す。
家に戻った直哉は再び夢を見る。
白いいでたちの少女の名前を思い出した直哉。夜になるたびに長らくミズハと遊んでいたが、その日の彼女は悲しげに顔を伏せ別れを切り出す。
幼い怒りに任せてその場を駆け出す直哉だが、彼は風にあおられ吊り橋から落ちてしまう。
気がつけば、どこまでも暗く続く洞窟。そんなところに彼はいた。まるで地の底へ向かって吸い寄せられるように歩いていく直哉だが、それを呼び止めるミズハ。彼女の声で我に返り、すんでのところで踵を返すことができた。
夢から覚めた直哉は、奈緒と連れ立って鳴守の祭りに向かう。
見た目相応の無邪気さを見せる奈緒だが、唐突に様子を変えた彼女はその場を駆け出す。その後を追った直哉が見たものは、森で出会った女性と奈緒との戦いだった。
奈緒を庇った直哉を見て、すんでのところで矛を収める女性、ミズハ。だが割って入ったまま動こうとしなかった直哉を殴りつけた奈緒に対してミズハは激昂し、二人はもつれ合ったまま谷底へ落ちていく。
<アカシノクニ・奈緒編>
自室で目を覚ました直哉は咲月に呼び出され離れの屋敷に向かう。いつまでも帰らない二人に対して家の者を出していた咲月は、昨日の顛末を直哉に尋ねるのだった。
二人が谷底に落ちた後、明らかに人ではない鬼としか呼べない容貌の男に直哉は襲われる。昏倒から目を覚ました直哉が谷底へ降りるとミズハの姿はなく、冷たくなった奈緒の亡骸がそこにあるだけだった。
嘆く直哉だが、気づけば「そこ」にいた。
道の先へ歩みを進める奈緒を必死に呼び止めた直哉はどうにか、二人で道を戻ることができた。
ことの顛末を聞いた咲月は奈緒の無事を告げ、直哉を襲った男を妖と呼んだ。八坂はタタリ神と黄泉戸の封印を守護する一族でありその力は、自然の怪異である妖にも向けられていることを咲月は明かす。
八坂と妖が、自身とミズハが、対立する立場に置かれていたことを知った直哉は、森の吊り橋へ向かう。そこでミズハと再び出会うが、昨晩までの彼女とはまるで別人のようだった。八坂も妖も全てを置き捨て、ただ二人だけで「トコタチノクニ」へ逃げようというミズハ。その荒唐無稽な話を断りたしなめた直哉に対して、ミズハは冷たい憤怒を爆発させる。
愛しい男を惑わし二人を遮る全てを殺し尽くすと絶叫したミズハは、ふいと一転して薄ら寒い微笑を浮かべ直哉に歩み寄る。狂気に彩られたその姿に戦慄した直哉は屋敷に向かって逃げ出し、彼を探しに出ていた奈緒と咲月に庇われる形で九死に一生を得る。
数日後直哉は、八坂に出入りする医者の火谷木と、奈緒の妹である仁奈と顔を合わせる。街で近頃、致死量の血痕が見つかるも、死体のない怪事件が起きていることを火谷木は語る。
咲月に呼び出された直哉は、街を警邏していた奈緒が怪物を討伐したことを聞かされる。封印されたタタリ神はその綻びから、自らの一部であるマガツヒを現世に送り込み、それに食われた者は生きた屍となり周囲の者を食らう。奈緒が討伐したのはそれだった。街の件にミズハが絡んでいないことに安堵する直哉。
奈緒の持つ剣の神器ミツルギに封じられたマガツヒは通常、それが火谷木によって作られた模造品であることもあり、黄泉戸の中に捨てられる。だがそのマガツヒを祓う力が直哉にあることを咲月は明かす。そんなことを露知らず驚く直哉だが、手をかざし強く念じることでミツルギごとマガツヒを消し去ることができた。
夜になり母の唯が外に出ようとしているところを、直哉は見かける。衰弱の激しい唯が出歩くなどありえないことであり、直哉の元に向かっていたのだという母と共に離れの屋敷に戻る。
ミツルギに封じられるマガツヒの量は、それが簡単に複製できないこともあり、そう多くない。万が一大量のマガツヒが現世にあふれ出すようなことがあれば、八坂は、咲月は。死体に群がるマガツヒに対して餌を使わざるを得ない。そのおぞましい手段が使われることのないよう、唯は破魔の力である道返を使いこなすよう直哉に託すのだった。
奈緒を常に傍につけるよう咲月に命じられ、直哉は奈緒の巡回に付き合うことになる。遺棄された建設現場へ、綻びの修復に向かった二人はそこで、直哉を襲ったあの鬼と出会う。二人の行動を見た彼はそれを遅きに失したと一蹴する。黄泉波と呼ばれる大量のマガツヒがまもなく現れ、黄泉返りを果たした者をさらっていくという。
かろうじて均衡を保っていた三人の間にミズハが唐突に現れる。奈緒とミズハの戦いが始まるが、どういったわけか鬼は奈緒を援護する。斬りつけられたミズハの姿を見た直哉は、彼女の身に何が起きたのかをようやく知るのだった。
一瞬の隙をつき三人全員を絡め取ったミズハは、彼女の持つ宝玉でもって鬼の意志を奪う。そして奈緒の身体を襲わせるミズハ。全てが終わりそこへ、奈緒の妹の仁奈が現れる。奈緒を嫌いながらも、火谷木の命令には絶対服従する仁奈。それに従い、オリジナルのミツルギを持った仁奈はミズハを圧倒する。
直哉が目を覚ましたのは火谷木の研究所の一室だった。そこで直哉は予想だにしないものを見る。
唯の身柄が、奈緒の研究の献体として咲月から提供されたものだと火谷木から説明を受けた直哉は絶句する。そして奈緒たちが直哉の身代わりとして彼から作られたクローン体であり、痛覚を与えられず身体を酷使し続けた結果、奈緒の限界が近いことを知る。
問答を続ける直哉たちだったがそこへ、活動を停止したはずのミズハがマガツヒの力によって甦る。火谷木と仁奈はミツルギを使いその場から脱出するが、直哉と奈緒が取り残されてしまう。窮地に立たされた直哉は奥の区画を開くが、そこには火谷木の作り出した初期の「失敗作」が押し込められていた。到底人と呼べない姿ながらも、道返の力だけは発揮できるそれに対して脅威を抱くミズハ。二人はその混乱をつき脱出することができた。
無事屋敷に戻った二人。ミズハによって痛みを植えつけられた奈緒は戦いを恐れるようになってしまう。それを埋める為に、奈緒は直哉を求める。
直哉と奈緒は妖の長に招かれ、その里を訪れる。
黄泉波を抑えマガツヒに冒された長は奈緒の名を聞き、その名が持つ意味を語る。黒羽とは古来では黄泉戸に捧げる生贄を指した。かつて一人の黒羽の娘がおり、黄泉路を下りマガツヒに食われることを恐れた彼女は現世に留まり続けた。フシガミと呼ばれるようになったその少女はいつかタタリ神を退け黄泉へと下る術を見つける為に、八坂の当主たちの肉体を奪い続けていた。ゆえに本来の咲月がどうなったかは今では知る由もない。
そしてミズハを甦らせたのが妖たちであったことを長は明かす。かつての山の神、現在のタタリ神から妖たちが受け継いだ三種の神器。その一つミカガミの片割れをもって、長は神器の唯一の使い手であるミズハを呼び戻そうとしたがやはり失敗した。かつて谷底に落ちた幼い直哉をミカガミの力で救い、その記憶に封印をかけたミズハ。直哉の身体にはその時のミカガミの片割れが眠っていた。不完全なミカガミと使い手を使い、ミズハとの戦いで妖の戦士をことごとく失い、自らもマガツヒに冒された長は、悔恨にまみれた懇願を二人に託す。
現世に戻った二人は、マガツヒに襲われた屋敷を見る。ミタマをもって咲月を操ったミズハは火谷木と仁奈に、直哉の確保を命じる。
火谷木は持ち歩いていた自らの失敗作に食われ、同じ道返の力で上回った直哉が生き残る。ミツルギでの斬撃をミカガミの反射で退けた直哉。その腕の中で息絶えた仁奈の目に、本来の光が戻ることはなかった。
黄泉戸を封じた地下祭壇。咲月を昏倒させそこで待つミズハの前に二人は立つ。直哉と共に彼女のいうトコタチノクニへ逝くことだけに駆られたミズハと、ミズハを黄泉に送り黄泉波を止めんとする直哉と奈緒。三人の最後の戦いが始まる。
神器所有者三人の戦いは延々と長引き、双方決め手に欠けた。その均衡を破ったのは倒れていたはずの咲月だった。祭壇のかがり火を浴びたミズハはマガツヒを焼かれ、ミツルギをその身に受ける。一滴の涙を現世に残して、ミズハの命はミツルギに封じられ肉体は消えていく。
そして咲月、フシガミは、ミズハの命を吸ったミツルギを使い黄泉戸の結界ごと全てを吹き飛ばすよう告げる。そして神剣を振るう奈緒を前にして、直哉は火谷木から聞いたいつかの言葉を思い出す。
黄泉波も、黄泉路に巣食うものも、全てが絶えた黄泉路。フシガミと奈緒がその路を下りていく。直哉は奈緒に呼びかけるが、ミカガミの力が足りず声は届かない。その時二人の前に妖の長が現れる。
フシガミは何か遠い記憶を手繰り寄せるように、その身体に自らの身を預ける。そして長は奈緒に対して、自らの腹にあったミカガミの半身を差し出す。一つの姿を取り戻した神鏡によって奈緒は直哉の声を聞き、二たびの帰還を果たす。
<奈緒エンド1・八坂日造>
あれからいくつかの時が流れた。
生き残った家の使用人たちはあの事件を恐れ、僅かな老衆を残し八坂を去っていた。そんな中で直哉は奈緒と共に、八坂の再建にあたっていた。
フシガミが消え、その代わりに新たな結界の要として奈緒が名乗り出る。火谷木の言葉が脳裏から離れない直哉だが、それを退けることができなかった。
それまでを、二人はその日を精一杯に生きていく。
そして、二人をここまで見届けた一つの魂もまた今、空へ還っていく。
<奈緒エンド2・八坂日継>
火谷木の研究所から唯を連れて逃げ出した二人。黄泉路を行くフシガミは咲月ではなく、前当主の唯の身体で黄泉に落ちる。
自我を取り戻した咲月。自身に代わり直哉が八坂を取り仕切れるようになった後は、自らの道に進むことを決める。その咲月に買い物を頼まれる直哉と奈緒。鳴守の街は夕日に包まれ、一日が終わっていく。
そうやって直哉は、これからの一日一日を奈緒と共に生きていく。
<ヨルノモリ・ミズハ編>
谷底へ向かった直哉はそこで二人の亡骸を目にするが、唐突に立ち上がった奈緒は幽鬼のようにその場を離れる。悲嘆にくれる直哉だが、その慟哭に呼応するかのようにミカガミが黄泉路のミズハと直哉を繋ぐ。
そしてミズハを追って谷に現れた鬼のヤトは、妖の長イミナの声に戸惑いながらも、直哉と眠りに落ちたミズハを妖の里へ連れて行く。妖たちに憎悪される八坂に対して、妖の姫巫女を救ったことを感謝するイミナ。そして八坂を裏切った形の直哉に対して、里にしばらく留まるよう勧める。
ミズハが目を覚ましたという知らせをヤトから受けた直哉はイミナの元を訪れるがその時、大量のマガツヒが里を襲う。直哉に根付いたミカガミを取り出せないと見るや、イミナは自らの腹にあった片割れを直哉に預ける。直哉のミカガミとミズハのミタマによってマガツヒは駆逐されるものの、癒しの地であるヤヒロドノと西の森。汚染されたその地を里から切り離すという結果となった。
イミナは里の状況を語った上で、迫る黄泉波を止める為、黄泉と現世の亀裂を埋めるよう二人を街に向かわせる。
斥候として街に出ていた妖の少女クシビから情報を得て、破棄された建設現場へ向かった二人は亀裂を封印して里に戻る。そして時を置いて戻ってきたクシビ。
再びマガツヒの侵入を許した里。クシビを失いほうけるミズハをどうにか正気に戻した直哉は、恐慌をきたした妖たちを庇いながらかろうじてマガツヒを祓いきる。その姿に、妖たちの直哉に対する態度にも少しずつ変化が見られるようになっていく。
イミナは娘のクシビが逝ったことを虎妖に伝える役目をミズハに託す。そして同時に直哉とヤトにミツルギの奪還を命じる。ヤトは森で直哉を襲い咲月に助けられる形で、結界に護られた屋敷に戻る直哉。
黄泉への亀裂を探す直哉は、離れで唯と顔を合わせる。黄泉に座礁したトリフネを破壊しなければ黄泉波は止められず、その為のミツルギが火谷木の元にあると告げる唯。それはかつてミズハが直哉に語った、妖たちをトコタチノクニへ導くとされる舟の名前だった。
そして妖を狩って戻ってきた奈緒が現れる。その言葉を聞いた咲月は直哉の裏切りを確信し、足を落とし捕らえるよう奈緒に命じる。
ミツルギの斬撃をミカガミで弾いた直哉は屋敷を逃げ出し、咲月の捕縛術を破ったヤトと合流する。追撃してきた奈緒を二人がかりで退けミズハとも合流した二人。異常な回復力で何度も立ち上がり贋作の神剣を砕かれても戦いをやめようとしない奈緒の姿に毒気を抜かれたヤトは、直哉の言葉を聞き入れ矛を収める。
しかし死にかけた奈緒に引き寄せられたマガツヒがそこに現れ、奈緒は食われてしまう。直哉と咲月に呪詛の言葉を残して消える奈緒。
里に戻った直哉は、黄泉路に漂い里を縛るトリフネを破壊する為に火谷木の元へ向かうことを決心する。
複製品を量産できるまでに調べつくしたミツルギを、火谷木はあっさりと二人に返す。直哉の父であり妖との和解を目指した俊哉が八坂に粛清されていたこと。ミツルギを含め神器を扱えるものの病弱だった直哉の代替として、奈緒たちが作られたこと。直哉たちと戦った奈緒が、吊り橋から落ちた奈緒の記憶を移植した代替であったことを、直哉は知る。
八坂に攻め入り地下祭壇を目指す準備を始める直哉たちだが、そこへ複製体たちが里を襲う。
裏切ったという火谷木や仁奈を消してきたことを示唆する奈緒たち。足止めをするヤトや、里を黄泉に落とさず狭間に沈めるイミナを残して、直哉とミズハは僅かに生き残った妖たちを率いて現世に脱出する。
二人は八坂の地下祭壇へ向かう。自らを顧みない全てを憎悪し、咲月を屠った奈緒がそこにいた。贋作のミツルギに正面から押されるミカガミとミタマだが、最後には浄化の炎が奈緒の身を焼く。そして二人はミツルギでもって、全てのマガツヒを消し去る。
<ミズハエンド1・流浪ノ民>
奈緒が全てを殺しつくした八坂の屋敷を封印した直哉。幼い日から過ごしたそこに別れを告げた直哉を、ミズハが迎える。新たな族長となった二人は妖たちと共に、まだ見ぬ最果てを目指すのだった。
<ミズハエンド2・遠クテ近イ空>
火谷木からミツルギを受け取り里へ戻った直哉。黄泉戸へ向かう為に咲月の説得を考える直哉だが、そこへ虎妖が屋敷を襲ったという一報が入る。ミズハと共に屋敷に向かうが、森で直哉を待ち構えていた奈緒。彼女を送るのは誰でもない自身だとわかっていた直哉はミズハを虎妖の説得に向かわせる。
雲泥の差の身体能力で押しまくられる直哉だが、完全なミカガミを吸収することは、虎妖一派の妖を幾ら飲み込もうとも贋作のミツルギには不可能だった。ミカガミの光を浴びた奈緒は、かつての無垢な表情を一瞬だけ取り戻し、その身体を崩壊させていく。
それを振り切って屋敷に向かった直哉は未だ続く戦いの中に飛び込む。虎妖はすでに咲月に滅ぼされ、その魂はヤトによってミツルギに吸収されていた。直哉の登場によっても八坂に動揺はなく、直哉とミズハはヤトが足止めをする中、地下祭壇へ向かう。
二人の前に立ちはだかる咲月。だが予想外の唯の行動によって咲月は倒れる。咲月を飲み干したミツルギの贋作を破壊し、後を追ってきたヤトと三人で黄泉路へ向かう直哉。母と息子はすれ違いざま、終生の別れを交わす。
黄泉路に横たわり、マガツヒに穢されきったトリフネ。ミズハとヤトの援護を受けながらマガツヒの波をかいくぐった直哉はミカガミによってトリフネを浄化する。
トリフネを祓い、神器を揃え、二人の使い手を得た妖たち。彼らはついに彼らの故郷を取り戻した。
ミズハと直哉の子供ヒズヤに振り回されるヤトとイミナ。穏やかな日々。かつてミズハが渇望した、どこまでも青い空の下、妖たちと人はいつまでも共に手を取り合って生きていくだろう。
このトコタチノクニで。
<プレイ時間>
プロローグ1時間25分、八坂日造4時間、八坂日継20分、流浪ノ民4時間、遠クテ近イ空1時間30分。計11時間15分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
Inumiya、KEI
<印象に残ったシーン>
<あとがき・11/16>
「全部を護る方法はない。手から零れるモノがきっとあると思う」
このゲームはこの言葉が表す通りです。選ばなかった側の人物はことごとく失われます。例外はアカシノクニ編で生き延び、ヨルノモリ編で死亡するクシビくらいでしょうか。これが選択肢というものだ!ヤメテー。
ヨルノモリは特に終盤までひたすら絶望的な状況が続きますが、遠クテ近イ空でようやく報われます。このエンドなかったら鬱で寝込むよ…。
画像が多い!最初50枚以上ありましたがなんとかなんとか削って20枚超…。好きすぎるのも考え物。
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