C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
グランギニョルの夜 (TinkerBell)
2018/2/23
©TinkerBell/Cyberworks
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:7429字)
<屍者編ストーリー>
受験の時期が視野に入り、同時に両親の海外赴任もあって、環境を変える為として今は亡き祖父母が住んでいた上里村に移り住むことを決めた松瀬渚。生まれ育った都会は渚にとって、ずっとどこか居たたまれない異郷のようだった。だがかつて夏の度に訪れていた上里村には、一臣と一葉の萩本兄妹、同い年の少女の杉江光といった友人たちがいる。そして三年ぶりとなる今も、寂れたバス停まで迎えに来てくれるような彼らとその辺鄙な田舎の村にこそ、渚は郷愁を感じている。(※1)
母の縁によって、村の名士である新堂の屋敷に預けられた渚。家の娘の灯里と夜海は美しい姉妹だが、正直なところいまいち気が乗らない。第一に屋敷の執事であり番犬じみた、黒滝周のことが渚は昔から苦手だった。灯里は朗らかだがあまりに眩しすぎ、無口で無表情な夜海にはどう接していいか掴みづらい。そんな片割れの夜海が、渚は自分のもの、思い出しては駄目などと要領を得ないことを言い、またキスや口淫を繰り返してくるのが不可解だった。
そんな中、一臣たちと行なった百物語の怪談話から、渚は以前にも増して説明のつかない不安に襲われるようになる。振り下ろした槌の感触、何かを埋める土の音。なぜかこれまで忘れ続けていたそれはまるで、人を殺めた記憶のように思えた。そしてその時も今と同じように目の前に夜海が立っていたような。
今こうして目の前に立つ夜海をかつて殺したなどと馬鹿げている。だが怪談話の中に屍者という村に伝わる話があった。起き上がった死者が男と交わり作った子供を食らい、また生者も食らう。そしてその犠牲者にまつわる記憶や記録はことごとく、痕跡を残さずに消え去るのだという。渚は迷信深くない。だがその話には心当たりがある。ある日親切にしてくれた村の主婦の存在を誰も、その夫ですらも記憶していない怪異があった。
そして渚は忍び込んだ夜海の部屋に隠された地下室で決定的な光景を目にしてしまう。生々しい肉片と夥しい血痕が残された、そこはおぞましい殺戮の現場以外の何物でもなかった。(※2)
光や一臣に相談しても渚の不安が払拭されることはない。だが光は人を殺めたことは忘れられるものではないとして、渚を信じている。日常的に暴力を振るう父を突き飛ばし怪我をさせ、それが二心を誘ったのか金の無心に来た叔父に両親を殺害された光。事情を知った医者や刑事に幾ら慰められても、人を死に追い込んだという自責の念は消えない。
そして渚に転機が訪れる。それをもたらしたのは都会からやって来た二人の出版関係者だった。低俗な怪談コラムの取材だったはずの加賀美冬司は、三年前に妻子を殺害した犯人がこの村に存在することを確信していた。そしてもう一人の穂坂千鶴はその姉を殺され、加賀美に複雑な恋慕を続ける義妹だった。加賀美はかつて屍者を封じた高僧が遺した法具の在り処を伝承や郷土史から突き止め、復讐心に燃えている。そして加賀美に接触し屍者の秘密を明かした者が夜海であることを、渚は知った。その口から全ての真実が語られる。
三年前、灯篭流しの夜、渚は立ち寄った神社で前代の屍者に襲われ、とっさに境内に落ちていた槌を拾い無我夢中でそれを打ち殺した。混乱の極みの中で自身の行いに慄き遺体を埋める渚。そこに偶然涼みに来た夜海と灯里が通りがかる。そうして屍者は次の器として灯里に取り憑いた。屍者の支配下にある上里村を離れた渚は事件の記憶を薄れさせながら漠然とした不安に襲われ続けたが、夜海の地獄はそこから始まった。屍者となった灯里は黒滝との間に産み落とした赤子や村の女、事故で他界した両親の遺産管理の為に訪れた都会で、次々と人を食らった。その中には病弱だった一番上の姉や、灯里が常に身につけている装飾具の本来の持ち主である加賀美の妻もいる。
家族も同様な黒滝が子種とその肉を捧げ屍者と混じり合っていく様を見続け、姉妹二人の部屋から通じる地下室のその痕跡を消そうとし続けた夜海にとって、その三年は地獄だった。何より屍者となってもかつての姉の姿と意識を留めた灯里を見続けたことも。そんな灯里が、再び村を訪れた渚を黒滝と同じ餌としたくないのなら、自分のものにしろと夜海に命じたのは屍者か灯里の言葉かわからない。
いずれにせよ、加賀美と協力し屍者に対抗する術を知った夜海は、全てを終わらせる決意をした。高僧の遺した刀を用いて器の肉体から屍者を切り離し、女の子宮に宿らせた数珠玉に封印する。その務めを果たせるのはかつての屍者が産み落とし食われずに生き延びた、夜海と光以外にない。そして二人は数珠玉の力を発現させる生贄として必要な精子を、誰よりも愛する渚に求める。
灯籠流しの夜が終わり、新堂の屋敷に集まった渚たち。障害となる黒滝には加賀美が一人で当たることになった。女子供には荷が勝ちすぎると思ってのことだったが、妻を直接手にかけた、「絞めた」当人だと黒滝自身の口から知った時、加賀美はその幸運に感謝した。身体の節々を欠損させながらも屍者と交わり続けたことで怪物的な身体能力を持つに至った黒滝と、本物の仇と出会い歓喜に震える加賀美の戦いは、ほんの偶然と幸運の差で復讐心が勝る。
そして渚たちは灯里と相対していた。高僧の遺した護符と刀によって動きを縫い止められ器と切り離されたおぞましい粘体生物、屍者は、夜海と光の身体に埋め込まれた数珠玉に封印されていった。
そうして屍者の脅威は村から去った。だが灯里の時間を巻き戻すことはできない。最後の力を振り絞っているのだろう、致命傷を負いながらもその場に現れた黒滝に抱え上げられた灯里もまた、虫の息だった。灯里が消え去ると同時に黒滝は自らの命を絶つのだろう。夜海と渚にはそれが何となくわかった。灯里を抱き抱えて黒滝は森の中に消えていく。そうして渚たちの長い夜は明けたのだった。(※3)
<バッドエンド>
(※2)
自分が夜海を化物にした。そう辿り着いた結論に渚は壊れてしまう。塞ぎ込んだ果てに、渚は自身の務めを果たすことを決意した。屍者を殺せばその中身の怪物は次の器に取り憑く。であれば器となる村全ての女性を殺害するしかない。そうして渚は夜闇に乗じてそれをやり遂げた。とてつもない疲労感の中に、あるいはこの世ならぬ官能を味わったようにも感じる。ただいずれにせよ、夜海も今、その苦悩から解放してやった。
だが倒れ込んだ夜海の部屋で目を覚ました渚は、地下室から妙な音が響いていることに気づく。そして部屋にあるはずの遺体もない。何かを咀嚼するような音はいつしか石畳を上がる足音に変わっていた。渚は慄きながら、口の開いたその闇を見つめ続けるしかない。
<夜海エンド>
(※3)
渚は独り屋敷に残された夜海に寄り添い続けた。その日も大学に向かう渚を送り出す、静かで満ち足りた朝を迎える夜海。この広く、少し寂しい屋敷の中を眺めると、何かが足りないという思いに時々囚われる。決して忘れないと誓った何かがかつてあった気がする。今はもう思い出せない何かに、だがせめて報いていつか伝えられるように、二人は幸福な明日を続けられるよう、今日を精一杯に生きている。
<光エンド>
(※3)
都会に移り住んだ光はその数年後、渚と結婚した。二人が幾つかの日々を過ごしたあの村での記憶は今では遠い。こうしてお腹の中に宿った幸福に触れる時、何か大切なことを忘れているような、そんな気がしていた。二人は覚えていない。だがそうしているとなぜか温かい、我が子に対するものだけではない慈しみのような気持ちが湧いてくるのだった。
<冬司と千鶴エピソード>
あれから一年が経ち、上里村での出来事は二人の中から徐々に薄れ始めていた。その移り変わりの中で加賀美は少しずつ仕事に、以前よりは向き合い始めているが、それでも時折物憂い気な表情を浮かべていることがある。編集者としてかつてのような記事を書いてほしいという思いから仕事を回し続けている千鶴。だが加賀美の側に自分がいることで亡き妻、千草の存在をいつまでも振り切れないのではないかと、最近思うようになった。本人にとっては忘れることなどあってはならない罪なのだろうが、義兄はもう充分に苦しんだし、一つの区切りを迎えたことで未来に目を向けるべきだと思えた。それに比べれば自分の中の、初めて二人の姿を見た時から焦がれ続けた、叶わない恋を殺すことなどなんでもない。今ある仕事の幾つかを全うした後は義兄の前から姿を消そうと、千鶴は決めていた。
そんな思いで千鶴は取材中の連続女性殺人事件、その目撃者だという男の家に通ってしまう。以前対面した時には加賀美の手前もあってか要領を得ない話に終止していた、根拠のない自信にうぬぼれている男。だがその男こそが実は、世を騒がせている殺人犯だった。千鶴を監禁した男は女性や世のカップルにそうしたように、加賀美との関係を邪推し身勝手な殺意を向ける。だがその間際、事前の会社への連絡が功を奏し、連絡のつかないことに不審を覚えた加賀美がそこに現れた。
失いかけて初めて、加賀美は千鶴の掛け替えなさを実感として理解した。千草を忘れるのではなく、時の流れがその傷を癒やしたこと。それを、千鶴が生きているという安堵を得て、ようやく認めて向き合うことができた。そうして加賀美は千草に対して、何より自分自身に対して許してこなかった、その想いを千鶴に吐露する。
初めて出会ったその時から燻り続けた、そして千草の死から止まっていた二人の時間は、今ようやく再びその時を刻み始めた。
<灯里エピソード>
あの灯籠流しの夜から続く堪えようのない飢餓感が、あの夜自身の身体に入り込んできた何かがもたらしていることは、灯里にははっきりとわかる。灯里は最近、夢を見るようになった。
それは化け物が人間だった頃の記憶だった。その景色は近代に入ろうかというほどに古く、その女はそんな貧しい村の中でも評判の美人であったようだった。地主の家に嫁として入った女。だが石女とわかった時、その扱いは一変した。跡取りを残せない女になど家畜ほどの価値もない時代にあって彼女はその容姿も祟り、押し込められた座敷牢で村衆の慰みものとされた。そうして世間への怨みと子供を持つ女への憎悪から命を絶った女は、自らの内に育てた怪物を世に放つ。以来屍者は人間を食らい、封印され、そして惨劇の記憶が薄れる度に村人を誘惑しては村に舞い戻ってきた。
気が狂ってしまえばいっそどれだけ楽だったろう、だが自分自身の人格と記憶は始まりの女と混ざり合いながらも、屍者としてこの世に留まっている。産み落とした二人の子供を産院ですり替えた前代の器の女もそうだったのだろう。
灯里は人肉を食らう化け物となりながら、自らの意志で黒滝に一緒に堕ちてほしいと願った。両親の事故死から幼い姉妹を執事として見守り続けてきてくれた、父であり兄であり家族よりも濃い絆で結ばれた他人。最期までずっと一緒にいてほしいなどと陳腐な言葉をかけるには相応しくない相手だったが、あるいは屍者に侵されことで念願をようやく口にできた、それだけは灯里にとっての救いだったのかもしれない。そして夜海が何かを企んでいる。屍者の器も死ねば誰の記憶に留まることなく消え去る。それは村を訪れる少年を貪り食いたいと今も渇望してしまう灯里が切望する、もう一つの願いだった。その願をかけるように、自らが食った犠牲者が持っていた装飾具を、灯里は今も身につけている。
血の繋がらない最愛の妹に救って欲しいと灯里は心の底から願い、希望を託している。
<果実編ストーリー>
(※1)
灯里と夜海を誘い一臣たちと花火をすることになった渚。一臣との会話の合間に、近場の高見山という山で昔あった殺人事件に話が及ぶことがあった。それをきっかけにして一臣と光、一葉とハイキングに出かけた渚はその山で、アケビに似た色とりどりの果実を目にする。目を逸らせないほどの強く甘い芳香に誘われ、気がつけば渚たちはそれを口にしていた。その夜、異常な身体の熱に苛まれる渚の前に突然、新堂の屋敷だというのに光が現れる。彼女もまた狂おしい熱に身を焦がしていた。(※4)
だが激しい性交のさなか、渚はいつしかナイフを手にしていた光に突然襲われる。その危ういところに助けに入った灯里と黒滝、そして屋敷に出入りしていた加賀美と千鶴。彼らはとある組織の研究員だった。高見山に自生するあの果実は摂取した動物に強い繁殖本能と、稀に手がつけられないほどの攻撃性をも引き起こすのだという。かつての高見山での事件はあの果実がもたらしたものであり、そして光がそれを口にしたのはこれが二度目だった。両親が犠牲となった一度目の過去を、光は研究所の処置もあって覚えていない。(※5)
<光エンド>
(※5)
研究員たちは果実を口にして全く同じ行動を見せた光の再現性と、その彼女の体液を摂取し影響を受けた渚に強い興味を示した。その日から二人は、実験サンプルとして研究所に留め置かれている。研究員たちに観察されながら、実験室の中の渚と光は交配の為に交尾の記録を残し続ける。
<光・灯里エンド>
(※5)
そんな光の体液を、あの時の混乱のさなか、渚は眼球に受けてしまっていた。粘膜に直接侵入し感染した果実の毒素は渚を殺人鬼に変えてしまう。加賀美に始まり千鶴、一臣と一葉、黒滝と次々に人々を弄びながら殺害した渚は何も事情を知らない夜海にまで手を出すが、かつて果実を食らい怪物になりかけた灯里、そして嫉妬心一つでその相手すらも半殺しに追い込んでしまう光によってそれ以上の凶行を阻まれる。
以来渚は研究所の一室でヒト以下の実験動物として飼育されている。実験体であるからして死ななければ何をしても構わない。そう上層部から許可を取り付けた灯里によって両手足をもがれ、それ以上の直接的な報復ができなくなってからは、性感だけを徹底的に嬲られ続けていた。二度目の暴走で完全に知性を失い今は別の研究棟で飼育されている光との交配の機会だけを、あれから三年経った今も、渚は浅ましく渇望し続けている。
<夜海エンド>
(※1)
感情の起伏が小さく、両親を事故で失ってからは人を寄せ付けず独りでいる夜海。そんな彼女と改めて話をしてみれば、他人とどう接していいかわからず言葉少なになってしまう、普通の少女にすぎなかった。子供の頃に出会い、上里村を訪れる度に顔は見ていたはずの夜海。その彼女の素顔に渚は初めて気付かされる。そして妹が秘め続けているという想いを灯里から伝えられた時、渚はその事実に胸を高鳴らせている自分に気づいた。
そうして一緒にいる時間が徐々に増えていき、二人は想いを打ち明け合い恋人となる。紆余曲折を経てそうなった為か、その関係は幾らか変態的なきらいがあるが、二人が二人でいる日々はこれからも続いていくのだろう。
<一葉エンド>
(※1)
田舎が嫌いで都会に憧れる一葉。外見はまるでモデルのようでもある黒滝にも麻疹的に想いを寄せているが、それが叶うことはまずないだろう。常にそんな鬱々としたものを抱えている一葉が自分は誰の一番にもなれないと漏らした時、そんなことはないと渚は返した。それに反応した一葉は自分の身体でも異性を興奮させられるのか確かめたいとして一糸纏わぬ姿となる。
そしてその一度の出来事で一葉は妊娠してしまった。家を巻き込んだ騒動が落ち着くと、空き家を改装して一葉と共に村で暮らし始めた渚。一葉にとっては元鞘に収まった形だがそう不満はないようだ。現実を知り愛を知り、そのことに充足を知ったのだから。
<光エンド>
(※1)
両親の死以来、縁戚の萩本家に厄介になっていることに負い目を抱き、就職と同時に家を出ようと考えている光。そんな境遇にあるにもかかわらず、光はいつでも穏やかで優しい。だがそんな彼女は誰に甘えればいいのかと考えた時、渚には持てる答えがない。両親もしばらく戻らない家で一緒に暮らそうという言葉が突いて出たのは半ば無意識のものだったが、一拍おいても渚の中に後悔は湧かなかった。結局のところ、その初めての出会いから互いが互いのことを意識し続け、今それが愛情だったのだと結論付けられたのだろう。
そうして光が卒業してから数年。今では二人は都会に移り住み、その間幾度となく愛し合った結果が光の身体に現れていた。今日もその営みを繰り返しながら、今ここにある幸福を二人は噛み締める。
<ハーレムエンド(灯里・夜海・千鶴)>
(※4)
果実を口にしたその夜、灯里と夜海が渚の部屋にやってくる。かつて身をもって果実の味を知った灯里だが、渚が口にしたそれがもたらす効果には彼女でさえも抗い難いようだった。果実の影響で強烈に雌を惹きつけるフェロモンを放つようになってしまった渚。それは姉妹だけでなく、想い人がいる千鶴さえも捕らえて離さない。(※6)
そうしていつしか灯里と夜海、千鶴は、それぞれに渚をつがいとした、群れを形作る雌の一頭のようになっていた。三人の身体は渚との間に子孫を残そうとして大きく変化している。加賀美や黒滝の存在を顧みながらも灯里たちが股を開き、その胎の中で自身の遺伝子を育んでいることに、雄としてこの上ない誇らしさを感じる。そしてその黒滝たちが研究者として自分たちの繁殖の過程を記録していることに、倒錯した興奮を覚えずにはいられない。人としての何かが腐り落ちていく感覚がありながらも、今日も渚はその発情のままに、つがいを抱きかかえながら生殖器を結合させ交尾を始める。
<ハーレムエンド(光・一葉)>
(※6)
そして同じ実を食べた光と一葉には、より強く惹かれた。それは彼女らも同じだったようで、焼けつくような身体の火照りに浮かされ、探し求めた存在に夜道で巡り会った三人は、薄汚れた山小屋の中で服を脱ぎ散らかしたまま発情期の動物のように激しくまぐわう。
以来人間性を忘れた三人は、研究所に実験動物として飼われ続けている。精液を放出しそれを胎内に受け入れる生殖行為に一心不乱となっているが、それ以外のことにはまるで頓着していない。だから三人は自分たちが生み落とした何人もの仔のことは何も知らないし、今黒滝が抱え上げた胎児がどうなるのかも興味がなかった。そうして三人は飢餓感に似た何かを埋めるように、再び生殖器を繋げ合わせ刺激し合い始める。
<プレイ時間>
一周目本編・屍者編バッドエンド(初回ルート)3時間25分、夜海エンド3時間52分、光エンド6分
二週目本編・果実編光狂気エンド(既読部通常スキップ使用)1時間31分、光・灯里狂気エンド1時間16分、冬司と千鶴エピソード1時間10分、夜海エンド56分、一葉エンド34分、光エンド40分、ハーレムエンド(灯里・夜海・千鶴)1時間27分、ハーレムエンド(光・一葉)40分、灯里エピソード38分。計16時間15分。
追加シナリオDLC1(夜海24分+光30分+灯里22分)・1時間16分、追加シナリオDLC2・50分、追加シナリオDLC3・48分。計2時間54分。
総計19時間9分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
島木、かーみん、乙女パスタ、忍花、奈緒、ぷねぷねこ、あき
<あとがき・2018/3/25>
・エロ+ストーリー
化け物の存在が描かれる猟奇ルートや、エロ重視ルートでは人を狂わせる実などが現れ、それによってキャラの設定が全く変わること、そしてそのタイトルからも、かまいたちの夜を思わせる作り。あれほどのボリュームはありませんが、小峰氏のホラーテイストのテキストは攫雌もそうでしたが、やっぱり不気味ですね。淫妖よりこっちの方が輝いてる気がする。
ティンカーベルは、というかあおじるゲーはお世辞にもCG数は多くないのが普通ですが、今回は100枚超え!とフルプライス順当に結構多い!
テキストを読ませるゲームなこともあってかこれまでになく背景CGが豊富で、また普段見ないような立ち絵風味のような構図のイベントCGが多かったのが印象的。全体的に今回はいつものティンカーベルとは幾らか毛並みが違い、結構新鮮に感じました。
抜き要素よりも演出の為にここまでCG比率で比重が置かれているあおじるゲーは今までになく珍しい。ただCG枚数そのものが少なくないので、エロ少なくて抜けねーようビュクンビュクンという感じはあまりなかったです。
ゲームとしては猟奇に入りますが、絵的には腸ドバー子宮ズボーみたいな、いつもの調子は強くないです。狂気で飛んだ顔や、人肉絡みの鬱々としたテキストの方がよほどきつい。淫妖のようなクサレゲス男もいないので鬱度は幾らか軽めで読みやすく、読みものとしても結構に面白い。むしろ黒滝や加賀美はティンカーベルのゲームにはあまりいない、不器用に真摯な男前キャラだったので、そういう意味でもおススメ。
ただ可哀想なキャラの死に方はホント可哀想な、きついものもありますが。一葉とか。がきんちょとかちょっと頭の弱い子など、そういう守られるべき対象が殊更嬲られるのはホントきつい。
基本CG数94(内胸露出以上のエロCG数37)…エロ割合40%、回想数29。
追加シナリオDLC1・3枚(内エロ3枚)、追加シナリオDLC2・5枚(内エロ4枚)、追加シナリオDLC3・2枚(内エロ2枚)。総計基本CG数104(内胸露出以上のエロCG数46)。
エロ1CGあたりの尺は1分(果実編、一葉・一臣セックス後精液ひり出し)から20分(果実編ハーレムルート、光・一葉ダブル処女喪失~出産)。平均16分30秒。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEあり、エロイベント連戦時付着精液残留なし、尻モザなし、淫語P音修正なし、立ち絵鑑賞モードあり。
2018/2/23
©TinkerBell/Cyberworks
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:7429字)
<屍者編ストーリー>
受験の時期が視野に入り、同時に両親の海外赴任もあって、環境を変える為として今は亡き祖父母が住んでいた上里村に移り住むことを決めた松瀬渚。生まれ育った都会は渚にとって、ずっとどこか居たたまれない異郷のようだった。だがかつて夏の度に訪れていた上里村には、一臣と一葉の萩本兄妹、同い年の少女の杉江光といった友人たちがいる。そして三年ぶりとなる今も、寂れたバス停まで迎えに来てくれるような彼らとその辺鄙な田舎の村にこそ、渚は郷愁を感じている。(※1)
母の縁によって、村の名士である新堂の屋敷に預けられた渚。家の娘の灯里と夜海は美しい姉妹だが、正直なところいまいち気が乗らない。第一に屋敷の執事であり番犬じみた、黒滝周のことが渚は昔から苦手だった。灯里は朗らかだがあまりに眩しすぎ、無口で無表情な夜海にはどう接していいか掴みづらい。そんな片割れの夜海が、渚は自分のもの、思い出しては駄目などと要領を得ないことを言い、またキスや口淫を繰り返してくるのが不可解だった。
そんな中、一臣たちと行なった百物語の怪談話から、渚は以前にも増して説明のつかない不安に襲われるようになる。振り下ろした槌の感触、何かを埋める土の音。なぜかこれまで忘れ続けていたそれはまるで、人を殺めた記憶のように思えた。そしてその時も今と同じように目の前に夜海が立っていたような。
今こうして目の前に立つ夜海をかつて殺したなどと馬鹿げている。だが怪談話の中に屍者という村に伝わる話があった。起き上がった死者が男と交わり作った子供を食らい、また生者も食らう。そしてその犠牲者にまつわる記憶や記録はことごとく、痕跡を残さずに消え去るのだという。渚は迷信深くない。だがその話には心当たりがある。ある日親切にしてくれた村の主婦の存在を誰も、その夫ですらも記憶していない怪異があった。
そして渚は忍び込んだ夜海の部屋に隠された地下室で決定的な光景を目にしてしまう。生々しい肉片と夥しい血痕が残された、そこはおぞましい殺戮の現場以外の何物でもなかった。(※2)
光や一臣に相談しても渚の不安が払拭されることはない。だが光は人を殺めたことは忘れられるものではないとして、渚を信じている。日常的に暴力を振るう父を突き飛ばし怪我をさせ、それが二心を誘ったのか金の無心に来た叔父に両親を殺害された光。事情を知った医者や刑事に幾ら慰められても、人を死に追い込んだという自責の念は消えない。
そして渚に転機が訪れる。それをもたらしたのは都会からやって来た二人の出版関係者だった。低俗な怪談コラムの取材だったはずの加賀美冬司は、三年前に妻子を殺害した犯人がこの村に存在することを確信していた。そしてもう一人の穂坂千鶴はその姉を殺され、加賀美に複雑な恋慕を続ける義妹だった。加賀美はかつて屍者を封じた高僧が遺した法具の在り処を伝承や郷土史から突き止め、復讐心に燃えている。そして加賀美に接触し屍者の秘密を明かした者が夜海であることを、渚は知った。その口から全ての真実が語られる。
三年前、灯篭流しの夜、渚は立ち寄った神社で前代の屍者に襲われ、とっさに境内に落ちていた槌を拾い無我夢中でそれを打ち殺した。混乱の極みの中で自身の行いに慄き遺体を埋める渚。そこに偶然涼みに来た夜海と灯里が通りがかる。そうして屍者は次の器として灯里に取り憑いた。屍者の支配下にある上里村を離れた渚は事件の記憶を薄れさせながら漠然とした不安に襲われ続けたが、夜海の地獄はそこから始まった。屍者となった灯里は黒滝との間に産み落とした赤子や村の女、事故で他界した両親の遺産管理の為に訪れた都会で、次々と人を食らった。その中には病弱だった一番上の姉や、灯里が常に身につけている装飾具の本来の持ち主である加賀美の妻もいる。
家族も同様な黒滝が子種とその肉を捧げ屍者と混じり合っていく様を見続け、姉妹二人の部屋から通じる地下室のその痕跡を消そうとし続けた夜海にとって、その三年は地獄だった。何より屍者となってもかつての姉の姿と意識を留めた灯里を見続けたことも。そんな灯里が、再び村を訪れた渚を黒滝と同じ餌としたくないのなら、自分のものにしろと夜海に命じたのは屍者か灯里の言葉かわからない。
いずれにせよ、加賀美と協力し屍者に対抗する術を知った夜海は、全てを終わらせる決意をした。高僧の遺した刀を用いて器の肉体から屍者を切り離し、女の子宮に宿らせた数珠玉に封印する。その務めを果たせるのはかつての屍者が産み落とし食われずに生き延びた、夜海と光以外にない。そして二人は数珠玉の力を発現させる生贄として必要な精子を、誰よりも愛する渚に求める。
灯籠流しの夜が終わり、新堂の屋敷に集まった渚たち。障害となる黒滝には加賀美が一人で当たることになった。女子供には荷が勝ちすぎると思ってのことだったが、妻を直接手にかけた、「絞めた」当人だと黒滝自身の口から知った時、加賀美はその幸運に感謝した。身体の節々を欠損させながらも屍者と交わり続けたことで怪物的な身体能力を持つに至った黒滝と、本物の仇と出会い歓喜に震える加賀美の戦いは、ほんの偶然と幸運の差で復讐心が勝る。
そして渚たちは灯里と相対していた。高僧の遺した護符と刀によって動きを縫い止められ器と切り離されたおぞましい粘体生物、屍者は、夜海と光の身体に埋め込まれた数珠玉に封印されていった。
そうして屍者の脅威は村から去った。だが灯里の時間を巻き戻すことはできない。最後の力を振り絞っているのだろう、致命傷を負いながらもその場に現れた黒滝に抱え上げられた灯里もまた、虫の息だった。灯里が消え去ると同時に黒滝は自らの命を絶つのだろう。夜海と渚にはそれが何となくわかった。灯里を抱き抱えて黒滝は森の中に消えていく。そうして渚たちの長い夜は明けたのだった。(※3)
<バッドエンド>
(※2)
自分が夜海を化物にした。そう辿り着いた結論に渚は壊れてしまう。塞ぎ込んだ果てに、渚は自身の務めを果たすことを決意した。屍者を殺せばその中身の怪物は次の器に取り憑く。であれば器となる村全ての女性を殺害するしかない。そうして渚は夜闇に乗じてそれをやり遂げた。とてつもない疲労感の中に、あるいはこの世ならぬ官能を味わったようにも感じる。ただいずれにせよ、夜海も今、その苦悩から解放してやった。
だが倒れ込んだ夜海の部屋で目を覚ました渚は、地下室から妙な音が響いていることに気づく。そして部屋にあるはずの遺体もない。何かを咀嚼するような音はいつしか石畳を上がる足音に変わっていた。渚は慄きながら、口の開いたその闇を見つめ続けるしかない。
<夜海エンド>
(※3)
渚は独り屋敷に残された夜海に寄り添い続けた。その日も大学に向かう渚を送り出す、静かで満ち足りた朝を迎える夜海。この広く、少し寂しい屋敷の中を眺めると、何かが足りないという思いに時々囚われる。決して忘れないと誓った何かがかつてあった気がする。今はもう思い出せない何かに、だがせめて報いていつか伝えられるように、二人は幸福な明日を続けられるよう、今日を精一杯に生きている。
<光エンド>
(※3)
都会に移り住んだ光はその数年後、渚と結婚した。二人が幾つかの日々を過ごしたあの村での記憶は今では遠い。こうしてお腹の中に宿った幸福に触れる時、何か大切なことを忘れているような、そんな気がしていた。二人は覚えていない。だがそうしているとなぜか温かい、我が子に対するものだけではない慈しみのような気持ちが湧いてくるのだった。
<冬司と千鶴エピソード>
あれから一年が経ち、上里村での出来事は二人の中から徐々に薄れ始めていた。その移り変わりの中で加賀美は少しずつ仕事に、以前よりは向き合い始めているが、それでも時折物憂い気な表情を浮かべていることがある。編集者としてかつてのような記事を書いてほしいという思いから仕事を回し続けている千鶴。だが加賀美の側に自分がいることで亡き妻、千草の存在をいつまでも振り切れないのではないかと、最近思うようになった。本人にとっては忘れることなどあってはならない罪なのだろうが、義兄はもう充分に苦しんだし、一つの区切りを迎えたことで未来に目を向けるべきだと思えた。それに比べれば自分の中の、初めて二人の姿を見た時から焦がれ続けた、叶わない恋を殺すことなどなんでもない。今ある仕事の幾つかを全うした後は義兄の前から姿を消そうと、千鶴は決めていた。
そんな思いで千鶴は取材中の連続女性殺人事件、その目撃者だという男の家に通ってしまう。以前対面した時には加賀美の手前もあってか要領を得ない話に終止していた、根拠のない自信にうぬぼれている男。だがその男こそが実は、世を騒がせている殺人犯だった。千鶴を監禁した男は女性や世のカップルにそうしたように、加賀美との関係を邪推し身勝手な殺意を向ける。だがその間際、事前の会社への連絡が功を奏し、連絡のつかないことに不審を覚えた加賀美がそこに現れた。
失いかけて初めて、加賀美は千鶴の掛け替えなさを実感として理解した。千草を忘れるのではなく、時の流れがその傷を癒やしたこと。それを、千鶴が生きているという安堵を得て、ようやく認めて向き合うことができた。そうして加賀美は千草に対して、何より自分自身に対して許してこなかった、その想いを千鶴に吐露する。
初めて出会ったその時から燻り続けた、そして千草の死から止まっていた二人の時間は、今ようやく再びその時を刻み始めた。
<灯里エピソード>
あの灯籠流しの夜から続く堪えようのない飢餓感が、あの夜自身の身体に入り込んできた何かがもたらしていることは、灯里にははっきりとわかる。灯里は最近、夢を見るようになった。
それは化け物が人間だった頃の記憶だった。その景色は近代に入ろうかというほどに古く、その女はそんな貧しい村の中でも評判の美人であったようだった。地主の家に嫁として入った女。だが石女とわかった時、その扱いは一変した。跡取りを残せない女になど家畜ほどの価値もない時代にあって彼女はその容姿も祟り、押し込められた座敷牢で村衆の慰みものとされた。そうして世間への怨みと子供を持つ女への憎悪から命を絶った女は、自らの内に育てた怪物を世に放つ。以来屍者は人間を食らい、封印され、そして惨劇の記憶が薄れる度に村人を誘惑しては村に舞い戻ってきた。
気が狂ってしまえばいっそどれだけ楽だったろう、だが自分自身の人格と記憶は始まりの女と混ざり合いながらも、屍者としてこの世に留まっている。産み落とした二人の子供を産院ですり替えた前代の器の女もそうだったのだろう。
灯里は人肉を食らう化け物となりながら、自らの意志で黒滝に一緒に堕ちてほしいと願った。両親の事故死から幼い姉妹を執事として見守り続けてきてくれた、父であり兄であり家族よりも濃い絆で結ばれた他人。最期までずっと一緒にいてほしいなどと陳腐な言葉をかけるには相応しくない相手だったが、あるいは屍者に侵されことで念願をようやく口にできた、それだけは灯里にとっての救いだったのかもしれない。そして夜海が何かを企んでいる。屍者の器も死ねば誰の記憶に留まることなく消え去る。それは村を訪れる少年を貪り食いたいと今も渇望してしまう灯里が切望する、もう一つの願いだった。その願をかけるように、自らが食った犠牲者が持っていた装飾具を、灯里は今も身につけている。
血の繋がらない最愛の妹に救って欲しいと灯里は心の底から願い、希望を託している。
<果実編ストーリー>
(※1)
灯里と夜海を誘い一臣たちと花火をすることになった渚。一臣との会話の合間に、近場の高見山という山で昔あった殺人事件に話が及ぶことがあった。それをきっかけにして一臣と光、一葉とハイキングに出かけた渚はその山で、アケビに似た色とりどりの果実を目にする。目を逸らせないほどの強く甘い芳香に誘われ、気がつけば渚たちはそれを口にしていた。その夜、異常な身体の熱に苛まれる渚の前に突然、新堂の屋敷だというのに光が現れる。彼女もまた狂おしい熱に身を焦がしていた。(※4)
だが激しい性交のさなか、渚はいつしかナイフを手にしていた光に突然襲われる。その危ういところに助けに入った灯里と黒滝、そして屋敷に出入りしていた加賀美と千鶴。彼らはとある組織の研究員だった。高見山に自生するあの果実は摂取した動物に強い繁殖本能と、稀に手がつけられないほどの攻撃性をも引き起こすのだという。かつての高見山での事件はあの果実がもたらしたものであり、そして光がそれを口にしたのはこれが二度目だった。両親が犠牲となった一度目の過去を、光は研究所の処置もあって覚えていない。(※5)
<光エンド>
(※5)
研究員たちは果実を口にして全く同じ行動を見せた光の再現性と、その彼女の体液を摂取し影響を受けた渚に強い興味を示した。その日から二人は、実験サンプルとして研究所に留め置かれている。研究員たちに観察されながら、実験室の中の渚と光は交配の為に交尾の記録を残し続ける。
<光・灯里エンド>
(※5)
そんな光の体液を、あの時の混乱のさなか、渚は眼球に受けてしまっていた。粘膜に直接侵入し感染した果実の毒素は渚を殺人鬼に変えてしまう。加賀美に始まり千鶴、一臣と一葉、黒滝と次々に人々を弄びながら殺害した渚は何も事情を知らない夜海にまで手を出すが、かつて果実を食らい怪物になりかけた灯里、そして嫉妬心一つでその相手すらも半殺しに追い込んでしまう光によってそれ以上の凶行を阻まれる。
以来渚は研究所の一室でヒト以下の実験動物として飼育されている。実験体であるからして死ななければ何をしても構わない。そう上層部から許可を取り付けた灯里によって両手足をもがれ、それ以上の直接的な報復ができなくなってからは、性感だけを徹底的に嬲られ続けていた。二度目の暴走で完全に知性を失い今は別の研究棟で飼育されている光との交配の機会だけを、あれから三年経った今も、渚は浅ましく渇望し続けている。
<夜海エンド>
(※1)
感情の起伏が小さく、両親を事故で失ってからは人を寄せ付けず独りでいる夜海。そんな彼女と改めて話をしてみれば、他人とどう接していいかわからず言葉少なになってしまう、普通の少女にすぎなかった。子供の頃に出会い、上里村を訪れる度に顔は見ていたはずの夜海。その彼女の素顔に渚は初めて気付かされる。そして妹が秘め続けているという想いを灯里から伝えられた時、渚はその事実に胸を高鳴らせている自分に気づいた。
そうして一緒にいる時間が徐々に増えていき、二人は想いを打ち明け合い恋人となる。紆余曲折を経てそうなった為か、その関係は幾らか変態的なきらいがあるが、二人が二人でいる日々はこれからも続いていくのだろう。
<一葉エンド>
(※1)
田舎が嫌いで都会に憧れる一葉。外見はまるでモデルのようでもある黒滝にも麻疹的に想いを寄せているが、それが叶うことはまずないだろう。常にそんな鬱々としたものを抱えている一葉が自分は誰の一番にもなれないと漏らした時、そんなことはないと渚は返した。それに反応した一葉は自分の身体でも異性を興奮させられるのか確かめたいとして一糸纏わぬ姿となる。
そしてその一度の出来事で一葉は妊娠してしまった。家を巻き込んだ騒動が落ち着くと、空き家を改装して一葉と共に村で暮らし始めた渚。一葉にとっては元鞘に収まった形だがそう不満はないようだ。現実を知り愛を知り、そのことに充足を知ったのだから。
<光エンド>
(※1)
両親の死以来、縁戚の萩本家に厄介になっていることに負い目を抱き、就職と同時に家を出ようと考えている光。そんな境遇にあるにもかかわらず、光はいつでも穏やかで優しい。だがそんな彼女は誰に甘えればいいのかと考えた時、渚には持てる答えがない。両親もしばらく戻らない家で一緒に暮らそうという言葉が突いて出たのは半ば無意識のものだったが、一拍おいても渚の中に後悔は湧かなかった。結局のところ、その初めての出会いから互いが互いのことを意識し続け、今それが愛情だったのだと結論付けられたのだろう。
そうして光が卒業してから数年。今では二人は都会に移り住み、その間幾度となく愛し合った結果が光の身体に現れていた。今日もその営みを繰り返しながら、今ここにある幸福を二人は噛み締める。
<ハーレムエンド(灯里・夜海・千鶴)>
(※4)
果実を口にしたその夜、灯里と夜海が渚の部屋にやってくる。かつて身をもって果実の味を知った灯里だが、渚が口にしたそれがもたらす効果には彼女でさえも抗い難いようだった。果実の影響で強烈に雌を惹きつけるフェロモンを放つようになってしまった渚。それは姉妹だけでなく、想い人がいる千鶴さえも捕らえて離さない。(※6)
そうしていつしか灯里と夜海、千鶴は、それぞれに渚をつがいとした、群れを形作る雌の一頭のようになっていた。三人の身体は渚との間に子孫を残そうとして大きく変化している。加賀美や黒滝の存在を顧みながらも灯里たちが股を開き、その胎の中で自身の遺伝子を育んでいることに、雄としてこの上ない誇らしさを感じる。そしてその黒滝たちが研究者として自分たちの繁殖の過程を記録していることに、倒錯した興奮を覚えずにはいられない。人としての何かが腐り落ちていく感覚がありながらも、今日も渚はその発情のままに、つがいを抱きかかえながら生殖器を結合させ交尾を始める。
<ハーレムエンド(光・一葉)>
(※6)
そして同じ実を食べた光と一葉には、より強く惹かれた。それは彼女らも同じだったようで、焼けつくような身体の火照りに浮かされ、探し求めた存在に夜道で巡り会った三人は、薄汚れた山小屋の中で服を脱ぎ散らかしたまま発情期の動物のように激しくまぐわう。
以来人間性を忘れた三人は、研究所に実験動物として飼われ続けている。精液を放出しそれを胎内に受け入れる生殖行為に一心不乱となっているが、それ以外のことにはまるで頓着していない。だから三人は自分たちが生み落とした何人もの仔のことは何も知らないし、今黒滝が抱え上げた胎児がどうなるのかも興味がなかった。そうして三人は飢餓感に似た何かを埋めるように、再び生殖器を繋げ合わせ刺激し合い始める。
<プレイ時間>
一周目本編・屍者編バッドエンド(初回ルート)3時間25分、夜海エンド3時間52分、光エンド6分
二週目本編・果実編光狂気エンド(既読部通常スキップ使用)1時間31分、光・灯里狂気エンド1時間16分、冬司と千鶴エピソード1時間10分、夜海エンド56分、一葉エンド34分、光エンド40分、ハーレムエンド(灯里・夜海・千鶴)1時間27分、ハーレムエンド(光・一葉)40分、灯里エピソード38分。計16時間15分。
追加シナリオDLC1(夜海24分+光30分+灯里22分)・1時間16分、追加シナリオDLC2・50分、追加シナリオDLC3・48分。計2時間54分。
総計19時間9分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
島木、かーみん、乙女パスタ、忍花、奈緒、ぷねぷねこ、あき
<あとがき・2018/3/25>
・エロ+ストーリー
化け物の存在が描かれる猟奇ルートや、エロ重視ルートでは人を狂わせる実などが現れ、それによってキャラの設定が全く変わること、そしてそのタイトルからも、かまいたちの夜を思わせる作り。あれほどのボリュームはありませんが、小峰氏のホラーテイストのテキストは攫雌もそうでしたが、やっぱり不気味ですね。淫妖よりこっちの方が輝いてる気がする。
ティンカーベルは、というかあおじるゲーはお世辞にもCG数は多くないのが普通ですが、今回は100枚超え!とフルプライス順当に結構多い!
テキストを読ませるゲームなこともあってかこれまでになく背景CGが豊富で、また普段見ないような立ち絵風味のような構図のイベントCGが多かったのが印象的。全体的に今回はいつものティンカーベルとは幾らか毛並みが違い、結構新鮮に感じました。
抜き要素よりも演出の為にここまでCG比率で比重が置かれているあおじるゲーは今までになく珍しい。ただCG枚数そのものが少なくないので、エロ少なくて抜けねーようビュクンビュクンという感じはあまりなかったです。
ゲームとしては猟奇に入りますが、絵的には腸ドバー子宮ズボーみたいな、いつもの調子は強くないです。狂気で飛んだ顔や、人肉絡みの鬱々としたテキストの方がよほどきつい。淫妖のようなクサレゲス男もいないので鬱度は幾らか軽めで読みやすく、読みものとしても結構に面白い。むしろ黒滝や加賀美はティンカーベルのゲームにはあまりいない、不器用に真摯な男前キャラだったので、そういう意味でもおススメ。
ただ可哀想なキャラの死に方はホント可哀想な、きついものもありますが。一葉とか。がきんちょとかちょっと頭の弱い子など、そういう守られるべき対象が殊更嬲られるのはホントきつい。
基本CG数94(内胸露出以上のエロCG数37)…エロ割合40%、回想数29。
追加シナリオDLC1・3枚(内エロ3枚)、追加シナリオDLC2・5枚(内エロ4枚)、追加シナリオDLC3・2枚(内エロ2枚)。総計基本CG数104(内胸露出以上のエロCG数46)。
エロ1CGあたりの尺は1分(果実編、一葉・一臣セックス後精液ひり出し)から20分(果実編ハーレムルート、光・一葉ダブル処女喪失~出産)。平均16分30秒。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEあり、エロイベント連戦時付着精液残留なし、尻モザなし、淫語P音修正なし、立ち絵鑑賞モードあり。
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