C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
sin 光臨天使エンシェル・レナ ~REINCARNATION~ (Triangle)
2017/7/28
©Triangle/Route2
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:3785字)
<まえがき>
敵個別バッドエンドは省略しています。
<ストーリー>
海上都市ゼロポリスでは近頃事件が頻発していた。まるで大型獣に襲われたかのような損壊を伴う連続殺人事件。私立グリーンウォーターアカデミーに通う朋衛玲奈も、それまで平和だった街からは考えられない事件に不安を覚える市民の一人だった。そんなある日、夜の公園で姫騎士としか言いようがない美しい少女と異形の怪物が戦う、現実離れした光景を玲奈は目にする。
怪物たちを一蹴する少女だが、その形勢は玲奈が人質に取られたことで逆転してしまう。手を出せない少女に死が迫る間際、その身体に縋りついた玲奈。その瞬間、玲奈は少女と似た衣装に包まれていた。それは外見だけではなく、確かな力を内に感じた。エンシェリウムカードに選ばれた伝説の降臨天使。驚愕する少女がそう呼ぶ声のままに、それまで喧嘩さえしたことがない玲奈は怪物たちを滅ぼしていた。
自分は地球のあるこの次元とは違う、パレキシアという次元からやってきた。その少女、エリカ・ラ・エティエンヌは玲奈にそう語り始める。全ての次元の支配を掲げるアザハイド帝国によってパレキシアは侵略され、故国であるエティエンヌ王国は滅亡した。亡国の王女となったエリカは帝国を打ち倒すことができる存在を探していたのだという。それが王国の神器、エンシェリウムカードだった。パレキシアを創造した女神ラエリスが遺した、次元と次元の狭間に存在する超エネルギーと繋がることができるカード。エリカたちパレキシアの戦士ではそのレプリカまでが精々で、オリジナルのそれを扱える者は誰一人としていなかった。魔力の希薄な異世界の住民である玲奈がその適合者という道理はない。だが現実としてエンシェリウムカードが起動している。
玲奈はエリカから、帝国と戦うよう求められる。融和など望むべくもない、異次元の侵略者はこの世界にもやってきている。それがわかりながらも玲奈は、どうしても戦う決意を自身の内に見い出せなかった。動揺や戸惑いも大きい。人を傷つけられないその人格を悟ってか、エリカはそれ以上踏み込まなかった。だが友人の負傷や担任の死という報せがもたらされ、玲奈は掛け替えのないものを守る為にエリカと共に戦うことを決心する。
エンシェルレナと名乗り、帝国の雑兵たちを退けていく玲奈。だがそんな中で刺客として現れた、黒いエンシェリウムカードを操る黒衣の少女、アリシア・ヘリオゼネスが玲奈を圧倒する。そうして捕らえられた玲奈は仇敵である帝国の帝位継承者、ディネロ・エル・エクスティーネ・アザハイドと出会った。ディネロは彼らがいう劣等種の地球人である玲奈になぜか執着し、妻に据えると公言して憚らない。
純潔を散らされながらも、エリカの助けによってディネロの閉鎖空間から脱出した玲奈。だがそれ以来、玲奈に調教を施しその本性を暴く為として、ディネロは帝国の生体兵器を次々と差し向けてくる。それでも大切なものを守りたいという高潔な思いの下にカードの力を引き出していく玲奈は、傷を負いながらもそれらを打ち倒していった。そんな玲奈とエリカの前に帝国の大幹部、コキュートスとその配下のアリシアが立ち塞がる。(※1)
エリカにとってアリシアは王国での臣下であり親友だった。悪の強大さと正義の無力を知り、戦いを止めなかった王女を憎悪するアリシアはエリカに復讐の刃を向ける。死んでいった者たちの為という誰に託されたでもない復讐と、父母や騎士たちや民草が最後まで殉じていった誇りと正義の護持。そのぶつかり合いは、折れず腐らず絶望を拒絶し続ける、エリカの心の強さがアリシアの弱さにまさった。
だがその一方でコキュートスは余りにも強大だった。帝国の覇権をその小さな身体で担保する、超文明が遺した最後のホムンクルス。その魔力はもはや超越した存在のものだった。それでもエリカを消去しようとするコキュートスを前にして、一度破れた玲奈は立ち上がる。それに応えたのは女神ラエリスだった。カードを通してラエリスの化身となった玲奈はどうにかコキュートスを退かせる。その間際に見た仮面の下の素顔には記憶にない、だが確かにそうと確信できる見覚えがあった。
コキュートスが退いても戦いは続く。侮れない存在となった玲奈に対して帝国は、怪物に仕立てた人間を差し向けてきた。守るべき相手に手を上げられない玲奈。そんな窮地を突如現れたアリシアが救う。敗北を咎められ懲罰を受けていた二人だったが、心の迷いを吐露するアリシアをコキュートスは、自らの運命は自分で選ぶようにと、そのさなかに転移させた。正義の無力さを知った時、その心を救ってくれたコキュートス。その秘めた苦悩から彼女を解放する為に、アリシアは玲奈たちと共に戦うことを決めた。
アリシアに導かれ、玲奈とエリカはディネロたちの拠点空間に侵入を果たす。帝国幹部の魔導博士ギルベドをアリシアが、ディネロの近衛騎士マーセットをエリカが、それぞれ命を賭して食い止める中、大悪魔ゼノハルトを下した玲奈はコキュートスの前に立った。
戦いを前にしてコキュートスは昔語りを始める。それはいつかどこかの世界であった話。かつてあるホムンクルスが人々を守る為にエンシェリウムカードをある無垢な少女に与え、彼女たちは悪に打ち勝った。だが戦いは終わらない。次の悪、次の次の悪。そうしていつか少女は折れてしまった。魂を持たない人形はあらゆる次元と平行世界を渡り歩いたが、そのいずれの世界でも少女は最後には悲惨な結末を迎えた。そうして運命というものの存在を悟った人形は、少女を二度と浮き上がれない官能の泥の底に沈め、その使命と意志を断つことを決意した。戦いの螺旋とそれを司る女神から少女を解放する為に。
以前と違い一分の手心もなく、幾多の平行世界から魔力を抽出して玲奈に迫るコキュートスとの戦いは閉鎖空間そのものを揺るがすような激闘となった。揺らぐことのない祈りのような希望と、那由多の絶望の戦い。それはラエリスという神の力も得て、玲奈の思いの側がまさった。絶望は吹き飛ばされ、コキュートスはその心と共に玲奈といた頃の、クーラという名を取り戻す。
そうして玲奈は最後の部屋にまでたどり着く。そこはこれまでとは違う、どの次元からも断絶した空間だった。その中央には浮遊する奇妙な歯車の群れ。ディネロはそれが、あらゆる時間と次元と平行世界を観測する、帝国の科学が作り上げた機械じかけの神の目なのだという。それを用いて、ディネロもクーラと同じように、玲奈の運命の全てを見て知っていた。そして玲奈はそこで、自身が辿り辿ることになる、あらゆる世界の自分の末路をまざまざと見せつけられる。その陰惨な光景はそれまで散々に汚されてきた玲奈の身体を容易く燃え上がらせた。そんな玲奈にディネロは自分のものになれと、果てのない快楽を受け入れるようにと囁く。(※2)
<悪夢バッドエンド>
(※1)
アリシアにエリカが、玲奈がコキュートスに破れ、全てが帝国の支配に落ちた。帝国本国へと連行された二人。エリカは断頭台に送られ、その最期の瞬間までを帝国人たちに汚されながら、アリシアに首を断たれた。そして玲奈はコキュートスの元で彼女が救済と謳う、機械が見せる淫夢の中で眠りについている。それは戦いから放たれていつまでも続く汚泥の中の幸福か、永遠に終わらない悪夢か。いずれにせよ玲奈はもはや何も語らない。
<罪バッドエンド>
(※2)
その言葉に玲奈は気がつけば頷いていた。これまでの戦いで自身の身に起こったこと、そして目にしたあらゆる世界の自身の痴態が、玲奈に自らの本性を思い知らせた。心底望んで玲奈はディネロに身を委ねる。ディネロにとっては自身の運命を刈り取る者だった玲奈を手にすることで自らの命を永らえ、また狂おしいほどに愛おしい彼女の破滅からの救済が叶えられた。
そして堕天使のように禍々しい色に染まったエンシェルレナは、この先の残酷な運命からクーラやエリカ、アリシアを救おうと決める。幾度も汚されその味を知っているクーラたちでさえ彼女らがかつて愛した、変わり果てた玲奈の、甘く腐った匂いを振りまく天使がもたらす救済は跳ね除け難い。悦楽に絡め取られた降臨天使たちは神の衣を纏いながらのその罪深さゆえか、どこまでも落ちていく。
<真エンド>
(※2)
その誘惑を、だが玲奈は跳ね除けた。自らの本性が淫らなのだとしても、人々を守りたいというその本質は失われない。この先の未来に待ち受ける、まだ見ぬそれを嘆いて自らの弱さに溺れる、そんな道を選ばない強さを玲奈は得ていた。言葉以外の力を持たない、そしてそれも玲奈自身の芯を捉えるに至らなかったディネロを、かつてどこかでの世界のように殺す必要もなかった。孤独な神の座にディネロを置いたまま、玲奈は仲間たちの待つ世界に向かって足を踏み出す。
それからの玲奈はエリカとアリシアと共にアカデミーに通い、そこにクーラを加えて暮らす穏やかな日々を過ごしている。それは戦いの合間の短い平穏に過ぎないのだろう。アザハイド帝国、そして新たに現れるだろう悪がいつまた牙をむくかわからない。だが得難い仲間を得て、彼女たちとならばどんな困難も乗り越えていける。そう明日を信じられる、希望に満ちた今日が今そこにはある。
<プレイ時間>
悪夢バッドエンド(初回ルート)10時間34分、エリカバッドエンド6時間17分、アリシアバッドエンド28分、レナバッドエンド(対ゼノハルト)26分、レナバッドエンド(対コキュートス)51分、レナバッドエンド(対カルマノイド・クーラ)1時間1分、罪エンド2時間19分、真エンド3時間58分。計25時間54分。
ソフマップ特典9分。総計26時間3分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
もしもし広島(CGディレクター)、佐倉井なな(CGディレクター)、チームDDF、合同会社シーシーエス、株式会社天沼矛、bsts、加納保宏
<あとがき・2017/08/28>
・CG+エロ
エリカ、アリシアを担当されている原画家の佐藤匠氏がとても好きなので結構久しぶりなトライアングル作品のプレイになりました。原画過去作でもそうでしたが、ケツの丸みと腰周り足周りのハリがたまらない。特にアリシア。全身タイツが。パツパツで。
ただ塗りが照り返しのあまりない淡い色合いで、ちょっと正直トライアングルの塗りはあまり合ってなかったかなと思います。ソフマップとげっちゅの店特タペストリー、たぶん両原画家さんご本人の塗りだと思いますが、この塗りでやってくれたら死ぬほど抜けること間違いなしなんですが。特に佐藤氏の絵はムチムチ肉感が素晴らしすぎるので。以前やったアパタイトの黒ギャルビッチはゲップが出るくらい濃くて強い色合いが素晴らしく合ってて、あちらは年間の中で最上位に抜けるよレベルでとてもよかったのですが。
トライアングルはアークキャリバーから魔法戦士エクストラステージ2の頃のちょっとテカってた塗り方が一番よかったと思うので、この頃のテイストに戻してくれたら…。
・ストーリー
たぶん2005年発売のエンシェルレナの続編なのだと思いますが、前作を平行世界としてそこに繋ぐ、二部作のような感じで作ってあるのは面白いと思いました。普通にパート2ってやるより前作との一体性が感じられるように思います。
・キャラクター
作品の雰囲気ではアークキャリバーやセイクリッドリネージュに似ていたと思います。ボスは自分では動かず部下を動かし高見から眺めている王様系で、あまり好きにはなれるタイプではなかったですが…。魔界の木っ端から策謀と自分の力だけで王にまでのし上がったりするアークキャリバーのラグナや、悪党らしく汚い手も使うし戦いでも搦め手を恥じないけれどそれが外れても泰然として戦いを諦めないセイクリッドリネージュのフォルネウスといったボス像の方が好きなタイプ。
言葉で籠絡するのみで直接身体を張らないというのは、自分がこれまでやったトライアングル作品のボスにはなかったタイプで、そのイメージもついてこなかった。これは前作ですでに自ら戦うキャラではなかったとか、そういうやむない事情ももしかしたらあったのかもしれませんが。
敵としてはむしろ狂的な忠臣で主人公たちのように守りたいものがあるマーセットの方が好きでした。エリカとの、この終わりとかよかったです。セイクリッドリネージュの雪とアンドラスのように、一瞬だけ重なりあう敵同士ってとても好き。
ただ作中ではエリカとマーセットが直接戦うのはこの一度きりだったので、ガイスト枠を削ってこの二人をもう少し掘り下げられていたらなと、そこが残念。
・BGM
相変わらず音楽がとてもいい。戦闘曲だけでなく、いつもはタイトル画面でしか使われない主題歌も今回は一度だけ作中で流れたのもよかったです。トライアングルの音楽チームは物凄くいい仕事するのでもっと露出増やしてもいいと思うの。
基本CG数71(内胸露出以上のエロCG数58)…エロ割合82%、回想数71。
ソフマップ特典基本CG数1(内胸露出以上のエロCG数1)、回想数1。
エロ1CGの尺は6分(スライムガイスト戦闘後自宅でスライム姦)から25分30秒(玲奈つかさ美樹・レズ)。平均13分30秒。
永続ループBGVなし(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEなし、連戦時付着精液残留-(エロイベント連戦なし)、尻モザあり、淫語P音修正なし、立ち絵鑑賞モードなし。
2017/7/28
©Triangle/Route2
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:3785字)
<まえがき>
敵個別バッドエンドは省略しています。
<ストーリー>
海上都市ゼロポリスでは近頃事件が頻発していた。まるで大型獣に襲われたかのような損壊を伴う連続殺人事件。私立グリーンウォーターアカデミーに通う朋衛玲奈も、それまで平和だった街からは考えられない事件に不安を覚える市民の一人だった。そんなある日、夜の公園で姫騎士としか言いようがない美しい少女と異形の怪物が戦う、現実離れした光景を玲奈は目にする。
怪物たちを一蹴する少女だが、その形勢は玲奈が人質に取られたことで逆転してしまう。手を出せない少女に死が迫る間際、その身体に縋りついた玲奈。その瞬間、玲奈は少女と似た衣装に包まれていた。それは外見だけではなく、確かな力を内に感じた。エンシェリウムカードに選ばれた伝説の降臨天使。驚愕する少女がそう呼ぶ声のままに、それまで喧嘩さえしたことがない玲奈は怪物たちを滅ぼしていた。
自分は地球のあるこの次元とは違う、パレキシアという次元からやってきた。その少女、エリカ・ラ・エティエンヌは玲奈にそう語り始める。全ての次元の支配を掲げるアザハイド帝国によってパレキシアは侵略され、故国であるエティエンヌ王国は滅亡した。亡国の王女となったエリカは帝国を打ち倒すことができる存在を探していたのだという。それが王国の神器、エンシェリウムカードだった。パレキシアを創造した女神ラエリスが遺した、次元と次元の狭間に存在する超エネルギーと繋がることができるカード。エリカたちパレキシアの戦士ではそのレプリカまでが精々で、オリジナルのそれを扱える者は誰一人としていなかった。魔力の希薄な異世界の住民である玲奈がその適合者という道理はない。だが現実としてエンシェリウムカードが起動している。
玲奈はエリカから、帝国と戦うよう求められる。融和など望むべくもない、異次元の侵略者はこの世界にもやってきている。それがわかりながらも玲奈は、どうしても戦う決意を自身の内に見い出せなかった。動揺や戸惑いも大きい。人を傷つけられないその人格を悟ってか、エリカはそれ以上踏み込まなかった。だが友人の負傷や担任の死という報せがもたらされ、玲奈は掛け替えのないものを守る為にエリカと共に戦うことを決心する。
エンシェルレナと名乗り、帝国の雑兵たちを退けていく玲奈。だがそんな中で刺客として現れた、黒いエンシェリウムカードを操る黒衣の少女、アリシア・ヘリオゼネスが玲奈を圧倒する。そうして捕らえられた玲奈は仇敵である帝国の帝位継承者、ディネロ・エル・エクスティーネ・アザハイドと出会った。ディネロは彼らがいう劣等種の地球人である玲奈になぜか執着し、妻に据えると公言して憚らない。
純潔を散らされながらも、エリカの助けによってディネロの閉鎖空間から脱出した玲奈。だがそれ以来、玲奈に調教を施しその本性を暴く為として、ディネロは帝国の生体兵器を次々と差し向けてくる。それでも大切なものを守りたいという高潔な思いの下にカードの力を引き出していく玲奈は、傷を負いながらもそれらを打ち倒していった。そんな玲奈とエリカの前に帝国の大幹部、コキュートスとその配下のアリシアが立ち塞がる。(※1)
エリカにとってアリシアは王国での臣下であり親友だった。悪の強大さと正義の無力を知り、戦いを止めなかった王女を憎悪するアリシアはエリカに復讐の刃を向ける。死んでいった者たちの為という誰に託されたでもない復讐と、父母や騎士たちや民草が最後まで殉じていった誇りと正義の護持。そのぶつかり合いは、折れず腐らず絶望を拒絶し続ける、エリカの心の強さがアリシアの弱さにまさった。
だがその一方でコキュートスは余りにも強大だった。帝国の覇権をその小さな身体で担保する、超文明が遺した最後のホムンクルス。その魔力はもはや超越した存在のものだった。それでもエリカを消去しようとするコキュートスを前にして、一度破れた玲奈は立ち上がる。それに応えたのは女神ラエリスだった。カードを通してラエリスの化身となった玲奈はどうにかコキュートスを退かせる。その間際に見た仮面の下の素顔には記憶にない、だが確かにそうと確信できる見覚えがあった。
コキュートスが退いても戦いは続く。侮れない存在となった玲奈に対して帝国は、怪物に仕立てた人間を差し向けてきた。守るべき相手に手を上げられない玲奈。そんな窮地を突如現れたアリシアが救う。敗北を咎められ懲罰を受けていた二人だったが、心の迷いを吐露するアリシアをコキュートスは、自らの運命は自分で選ぶようにと、そのさなかに転移させた。正義の無力さを知った時、その心を救ってくれたコキュートス。その秘めた苦悩から彼女を解放する為に、アリシアは玲奈たちと共に戦うことを決めた。
アリシアに導かれ、玲奈とエリカはディネロたちの拠点空間に侵入を果たす。帝国幹部の魔導博士ギルベドをアリシアが、ディネロの近衛騎士マーセットをエリカが、それぞれ命を賭して食い止める中、大悪魔ゼノハルトを下した玲奈はコキュートスの前に立った。
戦いを前にしてコキュートスは昔語りを始める。それはいつかどこかの世界であった話。かつてあるホムンクルスが人々を守る為にエンシェリウムカードをある無垢な少女に与え、彼女たちは悪に打ち勝った。だが戦いは終わらない。次の悪、次の次の悪。そうしていつか少女は折れてしまった。魂を持たない人形はあらゆる次元と平行世界を渡り歩いたが、そのいずれの世界でも少女は最後には悲惨な結末を迎えた。そうして運命というものの存在を悟った人形は、少女を二度と浮き上がれない官能の泥の底に沈め、その使命と意志を断つことを決意した。戦いの螺旋とそれを司る女神から少女を解放する為に。
以前と違い一分の手心もなく、幾多の平行世界から魔力を抽出して玲奈に迫るコキュートスとの戦いは閉鎖空間そのものを揺るがすような激闘となった。揺らぐことのない祈りのような希望と、那由多の絶望の戦い。それはラエリスという神の力も得て、玲奈の思いの側がまさった。絶望は吹き飛ばされ、コキュートスはその心と共に玲奈といた頃の、クーラという名を取り戻す。
そうして玲奈は最後の部屋にまでたどり着く。そこはこれまでとは違う、どの次元からも断絶した空間だった。その中央には浮遊する奇妙な歯車の群れ。ディネロはそれが、あらゆる時間と次元と平行世界を観測する、帝国の科学が作り上げた機械じかけの神の目なのだという。それを用いて、ディネロもクーラと同じように、玲奈の運命の全てを見て知っていた。そして玲奈はそこで、自身が辿り辿ることになる、あらゆる世界の自分の末路をまざまざと見せつけられる。その陰惨な光景はそれまで散々に汚されてきた玲奈の身体を容易く燃え上がらせた。そんな玲奈にディネロは自分のものになれと、果てのない快楽を受け入れるようにと囁く。(※2)
<悪夢バッドエンド>
(※1)
アリシアにエリカが、玲奈がコキュートスに破れ、全てが帝国の支配に落ちた。帝国本国へと連行された二人。エリカは断頭台に送られ、その最期の瞬間までを帝国人たちに汚されながら、アリシアに首を断たれた。そして玲奈はコキュートスの元で彼女が救済と謳う、機械が見せる淫夢の中で眠りについている。それは戦いから放たれていつまでも続く汚泥の中の幸福か、永遠に終わらない悪夢か。いずれにせよ玲奈はもはや何も語らない。
<罪バッドエンド>
(※2)
その言葉に玲奈は気がつけば頷いていた。これまでの戦いで自身の身に起こったこと、そして目にしたあらゆる世界の自身の痴態が、玲奈に自らの本性を思い知らせた。心底望んで玲奈はディネロに身を委ねる。ディネロにとっては自身の運命を刈り取る者だった玲奈を手にすることで自らの命を永らえ、また狂おしいほどに愛おしい彼女の破滅からの救済が叶えられた。
そして堕天使のように禍々しい色に染まったエンシェルレナは、この先の残酷な運命からクーラやエリカ、アリシアを救おうと決める。幾度も汚されその味を知っているクーラたちでさえ彼女らがかつて愛した、変わり果てた玲奈の、甘く腐った匂いを振りまく天使がもたらす救済は跳ね除け難い。悦楽に絡め取られた降臨天使たちは神の衣を纏いながらのその罪深さゆえか、どこまでも落ちていく。
<真エンド>
(※2)
その誘惑を、だが玲奈は跳ね除けた。自らの本性が淫らなのだとしても、人々を守りたいというその本質は失われない。この先の未来に待ち受ける、まだ見ぬそれを嘆いて自らの弱さに溺れる、そんな道を選ばない強さを玲奈は得ていた。言葉以外の力を持たない、そしてそれも玲奈自身の芯を捉えるに至らなかったディネロを、かつてどこかでの世界のように殺す必要もなかった。孤独な神の座にディネロを置いたまま、玲奈は仲間たちの待つ世界に向かって足を踏み出す。
それからの玲奈はエリカとアリシアと共にアカデミーに通い、そこにクーラを加えて暮らす穏やかな日々を過ごしている。それは戦いの合間の短い平穏に過ぎないのだろう。アザハイド帝国、そして新たに現れるだろう悪がいつまた牙をむくかわからない。だが得難い仲間を得て、彼女たちとならばどんな困難も乗り越えていける。そう明日を信じられる、希望に満ちた今日が今そこにはある。
<プレイ時間>
悪夢バッドエンド(初回ルート)10時間34分、エリカバッドエンド6時間17分、アリシアバッドエンド28分、レナバッドエンド(対ゼノハルト)26分、レナバッドエンド(対コキュートス)51分、レナバッドエンド(対カルマノイド・クーラ)1時間1分、罪エンド2時間19分、真エンド3時間58分。計25時間54分。
ソフマップ特典9分。総計26時間3分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
もしもし広島(CGディレクター)、佐倉井なな(CGディレクター)、チームDDF、合同会社シーシーエス、株式会社天沼矛、bsts、加納保宏
<あとがき・2017/08/28>
・CG+エロ
エリカ、アリシアを担当されている原画家の佐藤匠氏がとても好きなので結構久しぶりなトライアングル作品のプレイになりました。原画過去作でもそうでしたが、ケツの丸みと腰周り足周りのハリがたまらない。特にアリシア。全身タイツが。パツパツで。
ただ塗りが照り返しのあまりない淡い色合いで、ちょっと正直トライアングルの塗りはあまり合ってなかったかなと思います。ソフマップとげっちゅの店特タペストリー、たぶん両原画家さんご本人の塗りだと思いますが、この塗りでやってくれたら死ぬほど抜けること間違いなしなんですが。特に佐藤氏の絵はムチムチ肉感が素晴らしすぎるので。以前やったアパタイトの黒ギャルビッチはゲップが出るくらい濃くて強い色合いが素晴らしく合ってて、あちらは年間の中で最上位に抜けるよレベルでとてもよかったのですが。
トライアングルはアークキャリバーから魔法戦士エクストラステージ2の頃のちょっとテカってた塗り方が一番よかったと思うので、この頃のテイストに戻してくれたら…。
・ストーリー
たぶん2005年発売のエンシェルレナの続編なのだと思いますが、前作を平行世界としてそこに繋ぐ、二部作のような感じで作ってあるのは面白いと思いました。普通にパート2ってやるより前作との一体性が感じられるように思います。
・キャラクター
作品の雰囲気ではアークキャリバーやセイクリッドリネージュに似ていたと思います。ボスは自分では動かず部下を動かし高見から眺めている王様系で、あまり好きにはなれるタイプではなかったですが…。魔界の木っ端から策謀と自分の力だけで王にまでのし上がったりするアークキャリバーのラグナや、悪党らしく汚い手も使うし戦いでも搦め手を恥じないけれどそれが外れても泰然として戦いを諦めないセイクリッドリネージュのフォルネウスといったボス像の方が好きなタイプ。
言葉で籠絡するのみで直接身体を張らないというのは、自分がこれまでやったトライアングル作品のボスにはなかったタイプで、そのイメージもついてこなかった。これは前作ですでに自ら戦うキャラではなかったとか、そういうやむない事情ももしかしたらあったのかもしれませんが。
敵としてはむしろ狂的な忠臣で主人公たちのように守りたいものがあるマーセットの方が好きでした。エリカとの、この終わりとかよかったです。セイクリッドリネージュの雪とアンドラスのように、一瞬だけ重なりあう敵同士ってとても好き。
ただ作中ではエリカとマーセットが直接戦うのはこの一度きりだったので、ガイスト枠を削ってこの二人をもう少し掘り下げられていたらなと、そこが残念。
・BGM
相変わらず音楽がとてもいい。戦闘曲だけでなく、いつもはタイトル画面でしか使われない主題歌も今回は一度だけ作中で流れたのもよかったです。トライアングルの音楽チームは物凄くいい仕事するのでもっと露出増やしてもいいと思うの。
基本CG数71(内胸露出以上のエロCG数58)…エロ割合82%、回想数71。
ソフマップ特典基本CG数1(内胸露出以上のエロCG数1)、回想数1。
エロ1CGの尺は6分(スライムガイスト戦闘後自宅でスライム姦)から25分30秒(玲奈つかさ美樹・レズ)。平均13分30秒。
永続ループBGVなし(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEなし、連戦時付着精液残留-(エロイベント連戦なし)、尻モザあり、淫語P音修正なし、立ち絵鑑賞モードなし。
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