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注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
九十九の奏 (SkyFish)
2012/9/28
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
一部画像にホラー要素の強いものがございます。ご注意ください。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:6746字)
<補足>
当該作品には多数のBADエンドがありますが、キャラ個別エンディングのみを記してあります。
黒字は基本の共通ストーリーである伏・花蓮ルートでの進行になります。青字は愛那ルートでの共通内追加エピソードを表しています。
<ストーリー>
東京の美術専門学校に通う学生である、百日紅一二三。
盆に差し掛かり帰省しなければならなかった一二三だが、偶然にも単位の確保の為にボランティア活動が必要な三角愛那と七飯冬真の二人と共に、故郷である新潟の葛折町へと戻ることとなる。
母が亡くなり記者である父が家を空けるようになってからは一二三も世話になった、叔父夫婦の経営するペンション九条に到着した一行。どこか頼りない従兄の九条鼎と、奔放な従姉の九条花蓮に滅茶苦茶にされながらも、一二三は学友の二人と共にペンションに逗留する。
夜になり花蓮から姉の鳴が帰ってきているかもしれないと聞かされた一二三は、一旦実家へと向かう。灯りこそあるものの人の気配のない百日紅家。きびすを返した一二三はそこで、山腹に青い狐火を見る。見えてはいけないもの。一二三の左目には、そんなものを映す力があった。
狐火に不思議と惹かれ、四君子邸と呼ばれ現在は文化財となっている旧名家宅までやってきた一二三。そこで彼は唐突に、恐ろしい容貌の少女に襲われる。
白い巨大な蛇をけしかける全身包帯の少女。しかしその危ういところを、南部十四年式拳銃を操る少女に一二三は助けられる。
翌日実家で目を覚ました一二三。傍には昨日の黒髪の少女と姉の鳴がいた。
伏姫という名を鳴によって与えられた、記憶を失った少女に助けられたことを一二三は知る。次いで、自身を襲った白い蛇の怪物が、年月を幾重にも重ねた骨董品が妖怪化した「九十九神」であったことも。
それを知る二人もやはり、九十九神に憑かれていた。父と四君子との縁から手にした、過去全ての知識を得る綴本「三申目録」によって鳴はそれを知ったのだった。九十九神を使役する代償として記憶か寿命かを僅かずつ削りながら。
伏も拳銃に宿った「八房」を持ち、記憶を失ったのも強力な願いを望んだ為と推測された。唯一記憶にあるのは、ただ一人のさる何者かを護ることのみであり、伏はそれが一二三であると確信していた。その当人にも彼女に関しての記憶はないが、言葉では言い表せないなにかを感じ取るのだった。
実家を出た一二三は本来の目的の一つを果たすべく、廃校となった五倍子山学園へと向かう。そこへ人夫としてやってきた葛折月園学園の女子生徒。彼女らを引率する、花蓮の後輩でもある学生会長の万年青聖月と一二三たちは知り合うこととなる。
校舎の美術館改装は滞りなく進むが、一二三は廊下で出会い頭に聖月とぶつかりその胸を揉んでしまう。聖月の印象をかなり悪いものにしてしまう一二三。
活動を終えた一二三は夜を迎え、伏と鳴と共に再び四君子邸を訪れる。一二三の九十九神である白蛇精を炎で包み襲わせる包帯まみれの少女。
一二三を護る為に、白蛇精の本体の形代を撃ち破壊すれば彼の失われた記憶は戻らない。だからといって放置すれば形代がいずれ燃え尽きてしまうことは明白であり、伏は追い詰められる。
しかし自らの死さえ省みず形代を取り戻した依代を見て、驚きさえ浮かべた剣呑な少女は自らの名を明かし再び姿を消す。
翌日以降も続く改装作業。
美術品の運び出しの為に訪れた四君子邸の蔵から、四君子伊織の資料を一二三は発見する。鳴の三申目録の件もあり、九十九神と関わりのあるであろうそれを持ち帰ることを決める。校舎へ戻り美術品を選別していた一二三は、その中から古い馬頭琴の飾りを見つけるが、かつてはその奏者でありそれに興味を示した花蓮の手に渡ってしまうのだった。
作業を進める中、聖月と一二三との溝が埋まる気配はなかった。聖月に寄り添う十月桜李砂との間にも穏やかでない空気が漂うが、冬真が割って入ることによって事なきを得る。
その平穏な日常の裏では人知れず、玉梓が謀りを巡らせているのだった。
鳴の部屋を訪れた一二三は資料の読み取りについての進捗を尋ね、そして衝撃的な事柄を知る。
百年に一度の夜、九十九神はその依代と共に月に昇り、文字通りの神となる。前回月の門が開いたのは12年前。資料を記した四君子伊織、そしてその娘の一人が事故死したのが13年前。その一年後の、妻の四君子静花と残された娘の失踪と続く。
三申目録を使わざるを得なかった鳴。12年前の門の開きが不完全であり、九日後にその夜が訪れること。九十九神にも格があり、どれがそれを満たして月に昇るかをあらかじめ知ることは、三申の能力にも余ることを知る。
不完全な門でさえ最低二人の失踪者を出したことが考えられ、三人は早急に対策を練るのだった。
学園の暗がりの中。人知れずうごめく影があった。その男は名を田無裕吾といい、町の名家・万年青家当主であり聖月の兄(実際には父)でもある万年青丈に仕事と家を奪われ恨みを抱いていた。
万年青が取り仕切る廃校改装の件を破談させることで田無は鬱憤を晴らそうとしており、それに目をつけた玉梓によって九十九神・「仁木弾正」を与えられた。
身に余る力を得た田無は、丈が唯一下手に出る相手である三角家の娘愛那を襲う。一緒にいた一二三を昏倒させ縛り上げた上で、田無は愛那を傷物にしようとする。
しかし一二三への暴力を見た愛那はその気配を変え、仁木弾正の支配を奪った上で自身を襲おうとした暴漢を半殺しにしてしまう。
翌日普段通りの、だが豹変ぶりを見られて戸惑う愛那と会った一二三は一応の安堵を得るのだった。そして愛那もまた、新たな依代の一人となった。
その頃町では、首のない馬の亡霊が出るという噂が広がっていた。
花蓮から馬頭琴の飾りを取り戻した一二三。しかし、時遅く花蓮は亡霊に連れ去られてしまう。
亡霊の目撃範囲の推移から、ペンションを危険視した一二三はかろうじてその場に間に合うが、亡霊の力によって花蓮と共にいずこかの洞窟に飛ばされてしまう。
その洞窟の内部で、頭の破損した馬頭琴を携えた白骨死体を二人は発見する。鳴から教わった、かつての昔話の悲恋を思い出した一二三は、その琴を白蛇精の力で修復する。
そしてそれがやはり九十九神の形代だった。身分の違いから引き剥がされた恋人を想う余り、死してなおそれを追い求める男の妄念が、九十九神さえも操ったのだった。
その故人の恋人との関係を認めた馬頭琴は花蓮を依代と定め、演奏を通すことで亡霊の慰撫を求める。その時間を作り出す為に一二三は亡霊の前に立ちはだかる。遅まきながら場所を探り当てた伏の助けもあり、亡霊を昇天させた花蓮は九十九神「龍馬」の依代となった。
九十九神に関しての手がかりといえば、四君子邸ともう一つは五倍子山にあるという九十九折神社跡だった。
山に入った一二三と伏、鳴はそこで玉梓と出くわす。探し物をしているという玉梓は、山に結界がかかっていることを三人に教え、自らの持つ九十九神・ドロウの夢を操る能力で神社へと導くことを提案する。彼女に到底信用の置けない三人だが、その申し出を拒否しては神社跡へたどり着けないことは明白だった。
神社跡を訪れた一同はそこで、聖域の守護者を名乗る猪の九十九神「山立姫」と対峙する。炎を操り巨大な体躯を持つ山立姫を前にして、一二三と伏は重傷を負い爆風を利用して逃げるのが精一杯だった。取り残された鳴もまた絶体絶命の危機に陥るが、依代を守るべく三申は自ら能力を発動させ、自身の中に構築した過去世界(鳴いわくバーチャル世界)へ鳴を退避させるのだった。
その世界で山立姫の形代を確認した鳴は現実へと帰還する。偶然にも戻ってきたところは、一二三と伏が飛ばされ治療し合っていた縦穴その場所だった。
再び神社へと向かう三人。詐術によって山立姫を油断させた鳴は過去世界へ彼女を飛ばす。欺かれたことに気づいた山立姫はその世界の主である鳴への攻撃が通じないと見るや、強引に過去世界そのものを破壊してしまう。
しかしすでに時遅かった。鳴から伝えられた一二三が左目でその位置を捉え、その感覚を通した伏の八房によって、山腹の小さな祠に収められた山立姫の形代は破壊された。
消え行く山立姫は白蛇精と八房を、聖域を穢す裏切り者と呼び続け最期まで怨嗟を残していった。
鳴が過去世界で見た、形代となる器物の収められた神社蔵を探す三人。しかし神社を破壊した山津波によって埋もれてしまったのだと結論付け山を降りる。そこへ、消えていたはずの玉梓が蔵の跡地へ哄笑と共に現れるのだった。
神社跡が空振りに終わり四君子邸に忍び込んだ三人は、そこで三申目録の力によって過去を見る。伏は四君子静花やその祖父から八房と呼ばれ、拳銃の九十九神として子犬の姿をしていた過去を。
そして一二三は、円という名の妹と共に四君子家の跡取りだった過去を知る。
父の伊織と円が事故で死亡した後、母静花は九十九神・玉兎とドロウを用いて円の魂を現世の夢の中に留めた。しかし月の門が開けばその玉兎も現世を去ってしまう。
龍笛「呑龍」を操り九十九神を導く巫女であった静花は月の門を歪めたことにより、九十九神たちの怒りを買ってしまう。歪んだ月の門は全ての人間からその日の記憶を奪った。そして一人残された一二三は、両親の友人であった百日紅賢に拾われたのだった。
過去世界を旅した一二三は、夢の狭間で妹の円と邂逅する。しかし一二三は夢の世界ではなく、今生きる現実を直視することを選び取る。
過去世界で静花と繋がりのあった丈。翌日一二三は彼の元へ向かい、災厄を防ぐ為には月の門へ送る九十九神を御する力を持つ呑龍が必要だと教わる。失われた呑龍は円と共に、静花の作り出した異空間にあるとされ、一二三は九十九折神社へと向かう。
そこでは玉梓が蔵の案内人として一二三たちを待っていた。玉梓と共にドロウの力によって開いた蔵へ入る一二三だが、そこへ再び山立姫が現れる。
彼女を救った玉梓だがこれには予想外だったらしく、呑龍がすでに失われていることを言い残して消え去る。
山立姫の弱点を突き圧倒する伏。しかし、そこへ突如冬真が現れる。一二三を昏倒させた冬真。山立姫の依代であり、万年青に買われた妹を探すことを条件に、彼は力を貸していたのだった。
山立姫の炎に巻かれる一二三だが、とっさにかばった鳴によって過去世界へと飛ばされる。再び過去世界を巡る彼は、そこで自身の失われた記憶と相対するのだった。
かつて絵を描くことに煮詰まっていた一二三は、よく訪れていた滝壷で一人の少女と出会う。名を五十子美琴といい、快活な彼女と一二三は心通わせていく。しかし彼女は万年青の巫女であり、丈にその先見の力を使われ、残された寿命はほんの僅かだった。
ある日一二三は美琴を連れて街を逃げ出す。子供の手慰みではあったが二人は甘く短い夢を過ごし、そして美琴は彼の記憶を消す。
同じく丈に囚われているも同然の聖月はそんな二人を不憫に思い、彼女の持つ玉兎の力によって一二三の記憶を戻し、美琴を助ける為に九十九折神社で白蛇精を手にする。一二三は自身の命と美琴の記憶を引き換えに、美琴の完全な回復を白蛇精に願う。それを聞き届けた白蛇精だが、その命ではなく記憶のみの代償に留め、自身は再び眠りにつく。
健康を取り戻したものの力を失った美琴は遠い親戚である三角家に引き取られることになった。そしてその家は、聖月の本来の生家であった。
美琴を駅まで送る聖月。東京に一二三が移り住んだことを思い起こし、万年青の籠から放たれた美琴に嫉妬を抱いた聖月は、美琴を駅のホームから突き落としてしまう。自身の中に住むもう一人の、暗い声の指すがままに。
過去を知った一二三は夢の果てで再び美琴と出会う。今を生き、大切な人を護って欲しいと美琴は彼に言い残す。
現実に戻った一二三はそこで、伏との戦いで瀕死となった冬真を回復させる。本来はどちらも同じ目的を持っていた、月の門を正す為に協力を約束させるのだった。
万年青邸を訪れた三人は、すでに丈が聖月と李砂によって殺されていたことを知る。
更に四君子邸でも過去を見る鳴。聖月がその身に四君子円を、そして玉梓を宿しており、月の門に封印され狂った九十九神ドロウが世界の全てを夢に沈めるべく現世に湧き出そうとしていることを知る。
静花の遺志を継ぐ者、そして聖月の実の姉である愛那が「金鶏」をもってドロウの夢の一部を砕くものの、本体の聖月を切り離すのが精一杯だった(実際には円が切り離された。しかし玉梓は円に強く繋がっていた為)。そして愛那は夢の中に沈む。
五倍子山学園に着いた冬真。歪んだ月の門が近い影響で、辺りには雑多な九十九神が湧き出し人々を襲って依代としていた。
それらを焼き払った冬真の前に李砂が現れ、そして兄と妹の戦いが始まる。
器物の心を読むサトリの能力を持つ冬真。「李微」と肉体ごと同化して戦う李砂を前に、依代からの援護を受けられず苦戦する山立姫だが、李砂の心を乱した上で李微の心を読んだ冬真が勝利する。
かつて自身を捨てた全てを憎んだ妹は、兄だけは最後まで自身を見捨てなかったことを悟り、その腕の中で息を引き取る。
生存者を連れた冬真は教室で花蓮と鳴、そして鼎と合流する。それまでドロウにより夢を見せられ丈を仮初めの主としていた件(と、丈は思い込んでいたが実際にはドロウが見せた夢の虚構)は、鼎を自らの依代と認める。そして鼎は件によって一つの未来を指し示されるのだった。
一二三と伏は九十九折神社跡へ向かっていた。玉梓にドロウの夢の中に引きずり込まれる二人だが、一二三は幸せな夢の中で眠ることを拒否する。
そこへ現れる伏。聖月と切り離された玉梓に、伏を止める術はなかった。円から生まれたドロウの澱である玉梓は消え、そして残された円は兄の一二三と再び一つになる。
そして夢の中の眠りから愛那を引き上げた一二三は、九十九神ドロウとの戦いに臨む。
ドロウと一体化した聖月を分離することに成功した一二三。玉兎を失い不死の存在とはいかなくなったものの、一二三たちを飲み込んだ夢の世界そのものであるドロウはなお強大だった。
しかし一二三は自らと一つになった円の力を使う。円から生まれたドロウの依代、玉梓の力を。
玉梓となった一二三はドロウの夢の力を逆手に取り、静花の死と共に失われた龍笛を復元する。呑龍の九十九神を導く力によってドロウは常世へと消え去った。数多の九十九神たちもまた、龍笛の奏の下に月の門を越えて常世へと旅立つのだった。
冬真の手にかかった李砂も、聖月の玉兎によってその命を繋ぎ現世へと戻っていく。
人でありたいと願い続けた九十九神・八房。かつて美琴とそして一二三との触れ合いを見守りその果てに人となった八房だが、常に願いを自身に使い続けた結果ドロウとの戦いまでが伏の限界だった。
そして傷跡を様々に残しながらも、葛折の人々はなんでもない、されど掛け替えのない日常を取り戻していく。
<エンディング14・伏姫エンド1・幸せな終焉>
世界の狭間で朽ちていく伏。一二三はその定めに抗い、巨大な九十九神でもある月の門に願いをかける。
いかなる奇跡か、あるいは美琴あるいは静花。その思いが世界の狭間に残っていたのだろうか。伏はひとたびの命を得る。
そして伏は最愛の人とその、人の生を謳歌するのだった。
<エンディング12・花蓮エンド・年上の人>
伏を失い、帰還した一二三はあの日に関しての記憶を失っていた。
姉弟のような関係からお互いの気持ちを通じ合わせて変わっていた花蓮は、そんな一二三を見守り続けるのだった。
<エンディング16・愛那エンド・いつか欠けることなく>
あの戦いから幾つかの時が流れた。
一二三と愛那は東京へ、それぞれの日常へと戻っていく。以前と変わったことといえば、明確な形となった二人の関係だろう。伏を失った一二三だが、彼女とのいつかの再会を信じ、その居場所を愛那と共に護っていく。
その頃あの山では再び、一条の光が舞い降りるのだった。
<エンディング11・聖月エンド・悪夢再来>
一度は聖月と確かに心を通わせた一二三。
あの戦いの後、戻ってきたのは傷ついた一二三と聖月の二人だけだった。病室へ見舞に訪れた一二三は、聖月からいつか嗅いだ甘い匂いを感じ取る。
纏わりつくような暗い夢の匂い。それはあの玉梓と共にあったものだった。
<エンディング17・伏姫エンド2・続く物語>
世界の狭間で朽ちていく伏。一二三はその定めに抗い、巨大な九十九神でもある月の門に願いをかける。
いかなる奇跡か、あるいは美琴あるいは静花。その思いが世界の狭間に残っていたのだろうか。伏はひとたびの命を得る。
東京に移った二人は愛那から、古い着物を子供たちに、という新たなボランティアに誘われる。しかし現代都市にも古き神々はひそかに息づいていた。
白い蛇、そして鋼の銃狗は今日も魔都東京を駆け抜ける。二人の物語は終わらない。
<設定資料>
(干支)名・読み…正式な依代名・固有能力
(子)仁木弾正ニッキダンジョウ…三角愛那。分身と変身の能力を持つ。
(丑)件クダン…九条鼎。あらゆる未来を予知する。
(寅)李微リチョウ…十月桜李砂。氷を操る。
(卯)玉兎ギョクト…万年青(三角)聖月。命や記憶のカタチを繋ぐ。
(辰)呑龍ドンリュウ…四君子静花。九十九神を導く。すでに本体形代依代、全てが現世から失われている。
(巳)白蛇精ハクジャセイ…四君子(百日紅)一二三。傷や病を癒す。
(午)龍馬リュウマ…九条花蓮。瞬間的な跳躍移動。
(未)ドロウ…玉梓。夢を操る。すでに本体は現世から失われている。未の九十九神と明言されてはいないがCGモードより。
(申)三申サンザル…百日紅鳴。あらゆる過去を見通す。
(酉)金鶏アサヒドリ…三角愛那。夢を断ち切り朝を呼ぶ。
(戌)八房ヤツフサ…五十子美琴・伏姫。間接攻撃に特化し雷を操る。限定的な回復能力をも持つ。
(亥)山立姫ヤマダチヒメ…七飯冬真。炎を操る。
<プレイ時間>
END14伏姫11時間半(初回プレイ)、END12花蓮40分、END16愛那2時間、END17伏姫10分、END11聖月1時間、その他回収2時間。計17時間半。
<グラフィッカー情報・敬称略>
コバぴょん(監修)、ゆき丸、すし丸、るび様、永月到、ヲリ、千年
2012/9/28
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
一部画像にホラー要素の強いものがございます。ご注意ください。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:6746字)
<補足>
当該作品には多数のBADエンドがありますが、キャラ個別エンディングのみを記してあります。
黒字は基本の共通ストーリーである伏・花蓮ルートでの進行になります。青字は愛那ルートでの共通内追加エピソードを表しています。
<ストーリー>
東京の美術専門学校に通う学生である、百日紅一二三。
盆に差し掛かり帰省しなければならなかった一二三だが、偶然にも単位の確保の為にボランティア活動が必要な三角愛那と七飯冬真の二人と共に、故郷である新潟の葛折町へと戻ることとなる。
母が亡くなり記者である父が家を空けるようになってからは一二三も世話になった、叔父夫婦の経営するペンション九条に到着した一行。どこか頼りない従兄の九条鼎と、奔放な従姉の九条花蓮に滅茶苦茶にされながらも、一二三は学友の二人と共にペンションに逗留する。
夜になり花蓮から姉の鳴が帰ってきているかもしれないと聞かされた一二三は、一旦実家へと向かう。灯りこそあるものの人の気配のない百日紅家。きびすを返した一二三はそこで、山腹に青い狐火を見る。見えてはいけないもの。一二三の左目には、そんなものを映す力があった。
狐火に不思議と惹かれ、四君子邸と呼ばれ現在は文化財となっている旧名家宅までやってきた一二三。そこで彼は唐突に、恐ろしい容貌の少女に襲われる。
白い巨大な蛇をけしかける全身包帯の少女。しかしその危ういところを、南部十四年式拳銃を操る少女に一二三は助けられる。
翌日実家で目を覚ました一二三。傍には昨日の黒髪の少女と姉の鳴がいた。
伏姫という名を鳴によって与えられた、記憶を失った少女に助けられたことを一二三は知る。次いで、自身を襲った白い蛇の怪物が、年月を幾重にも重ねた骨董品が妖怪化した「九十九神」であったことも。
それを知る二人もやはり、九十九神に憑かれていた。父と四君子との縁から手にした、過去全ての知識を得る綴本「三申目録」によって鳴はそれを知ったのだった。九十九神を使役する代償として記憶か寿命かを僅かずつ削りながら。
伏も拳銃に宿った「八房」を持ち、記憶を失ったのも強力な願いを望んだ為と推測された。唯一記憶にあるのは、ただ一人のさる何者かを護ることのみであり、伏はそれが一二三であると確信していた。その当人にも彼女に関しての記憶はないが、言葉では言い表せないなにかを感じ取るのだった。
実家を出た一二三は本来の目的の一つを果たすべく、廃校となった五倍子山学園へと向かう。そこへ人夫としてやってきた葛折月園学園の女子生徒。彼女らを引率する、花蓮の後輩でもある学生会長の万年青聖月と一二三たちは知り合うこととなる。
校舎の美術館改装は滞りなく進むが、一二三は廊下で出会い頭に聖月とぶつかりその胸を揉んでしまう。聖月の印象をかなり悪いものにしてしまう一二三。
活動を終えた一二三は夜を迎え、伏と鳴と共に再び四君子邸を訪れる。一二三の九十九神である白蛇精を炎で包み襲わせる包帯まみれの少女。
一二三を護る為に、白蛇精の本体の形代を撃ち破壊すれば彼の失われた記憶は戻らない。だからといって放置すれば形代がいずれ燃え尽きてしまうことは明白であり、伏は追い詰められる。
しかし自らの死さえ省みず形代を取り戻した依代を見て、驚きさえ浮かべた剣呑な少女は自らの名を明かし再び姿を消す。
翌日以降も続く改装作業。
美術品の運び出しの為に訪れた四君子邸の蔵から、四君子伊織の資料を一二三は発見する。鳴の三申目録の件もあり、九十九神と関わりのあるであろうそれを持ち帰ることを決める。校舎へ戻り美術品を選別していた一二三は、その中から古い馬頭琴の飾りを見つけるが、かつてはその奏者でありそれに興味を示した花蓮の手に渡ってしまうのだった。
作業を進める中、聖月と一二三との溝が埋まる気配はなかった。聖月に寄り添う十月桜李砂との間にも穏やかでない空気が漂うが、冬真が割って入ることによって事なきを得る。
その平穏な日常の裏では人知れず、玉梓が謀りを巡らせているのだった。
鳴の部屋を訪れた一二三は資料の読み取りについての進捗を尋ね、そして衝撃的な事柄を知る。
百年に一度の夜、九十九神はその依代と共に月に昇り、文字通りの神となる。前回月の門が開いたのは12年前。資料を記した四君子伊織、そしてその娘の一人が事故死したのが13年前。その一年後の、妻の四君子静花と残された娘の失踪と続く。
三申目録を使わざるを得なかった鳴。12年前の門の開きが不完全であり、九日後にその夜が訪れること。九十九神にも格があり、どれがそれを満たして月に昇るかをあらかじめ知ることは、三申の能力にも余ることを知る。
不完全な門でさえ最低二人の失踪者を出したことが考えられ、三人は早急に対策を練るのだった。
学園の暗がりの中。人知れずうごめく影があった。その男は名を田無裕吾といい、町の名家・万年青家当主であり聖月の兄(実際には父)でもある万年青丈に仕事と家を奪われ恨みを抱いていた。
万年青が取り仕切る廃校改装の件を破談させることで田無は鬱憤を晴らそうとしており、それに目をつけた玉梓によって九十九神・「仁木弾正」を与えられた。
身に余る力を得た田無は、丈が唯一下手に出る相手である三角家の娘愛那を襲う。一緒にいた一二三を昏倒させ縛り上げた上で、田無は愛那を傷物にしようとする。
しかし一二三への暴力を見た愛那はその気配を変え、仁木弾正の支配を奪った上で自身を襲おうとした暴漢を半殺しにしてしまう。
翌日普段通りの、だが豹変ぶりを見られて戸惑う愛那と会った一二三は一応の安堵を得るのだった。そして愛那もまた、新たな依代の一人となった。
その頃町では、首のない馬の亡霊が出るという噂が広がっていた。
花蓮から馬頭琴の飾りを取り戻した一二三。しかし、時遅く花蓮は亡霊に連れ去られてしまう。
亡霊の目撃範囲の推移から、ペンションを危険視した一二三はかろうじてその場に間に合うが、亡霊の力によって花蓮と共にいずこかの洞窟に飛ばされてしまう。
その洞窟の内部で、頭の破損した馬頭琴を携えた白骨死体を二人は発見する。鳴から教わった、かつての昔話の悲恋を思い出した一二三は、その琴を白蛇精の力で修復する。
そしてそれがやはり九十九神の形代だった。身分の違いから引き剥がされた恋人を想う余り、死してなおそれを追い求める男の妄念が、九十九神さえも操ったのだった。
その故人の恋人との関係を認めた馬頭琴は花蓮を依代と定め、演奏を通すことで亡霊の慰撫を求める。その時間を作り出す為に一二三は亡霊の前に立ちはだかる。遅まきながら場所を探り当てた伏の助けもあり、亡霊を昇天させた花蓮は九十九神「龍馬」の依代となった。
九十九神に関しての手がかりといえば、四君子邸ともう一つは五倍子山にあるという九十九折神社跡だった。
山に入った一二三と伏、鳴はそこで玉梓と出くわす。探し物をしているという玉梓は、山に結界がかかっていることを三人に教え、自らの持つ九十九神・ドロウの夢を操る能力で神社へと導くことを提案する。彼女に到底信用の置けない三人だが、その申し出を拒否しては神社跡へたどり着けないことは明白だった。
神社跡を訪れた一同はそこで、聖域の守護者を名乗る猪の九十九神「山立姫」と対峙する。炎を操り巨大な体躯を持つ山立姫を前にして、一二三と伏は重傷を負い爆風を利用して逃げるのが精一杯だった。取り残された鳴もまた絶体絶命の危機に陥るが、依代を守るべく三申は自ら能力を発動させ、自身の中に構築した過去世界(鳴いわくバーチャル世界)へ鳴を退避させるのだった。
その世界で山立姫の形代を確認した鳴は現実へと帰還する。偶然にも戻ってきたところは、一二三と伏が飛ばされ治療し合っていた縦穴その場所だった。
再び神社へと向かう三人。詐術によって山立姫を油断させた鳴は過去世界へ彼女を飛ばす。欺かれたことに気づいた山立姫はその世界の主である鳴への攻撃が通じないと見るや、強引に過去世界そのものを破壊してしまう。
しかしすでに時遅かった。鳴から伝えられた一二三が左目でその位置を捉え、その感覚を通した伏の八房によって、山腹の小さな祠に収められた山立姫の形代は破壊された。
消え行く山立姫は白蛇精と八房を、聖域を穢す裏切り者と呼び続け最期まで怨嗟を残していった。
鳴が過去世界で見た、形代となる器物の収められた神社蔵を探す三人。しかし神社を破壊した山津波によって埋もれてしまったのだと結論付け山を降りる。そこへ、消えていたはずの玉梓が蔵の跡地へ哄笑と共に現れるのだった。
神社跡が空振りに終わり四君子邸に忍び込んだ三人は、そこで三申目録の力によって過去を見る。伏は四君子静花やその祖父から八房と呼ばれ、拳銃の九十九神として子犬の姿をしていた過去を。
そして一二三は、円という名の妹と共に四君子家の跡取りだった過去を知る。
父の伊織と円が事故で死亡した後、母静花は九十九神・玉兎とドロウを用いて円の魂を現世の夢の中に留めた。しかし月の門が開けばその玉兎も現世を去ってしまう。
龍笛「呑龍」を操り九十九神を導く巫女であった静花は月の門を歪めたことにより、九十九神たちの怒りを買ってしまう。歪んだ月の門は全ての人間からその日の記憶を奪った。そして一人残された一二三は、両親の友人であった百日紅賢に拾われたのだった。
過去世界を旅した一二三は、夢の狭間で妹の円と邂逅する。しかし一二三は夢の世界ではなく、今生きる現実を直視することを選び取る。
過去世界で静花と繋がりのあった丈。翌日一二三は彼の元へ向かい、災厄を防ぐ為には月の門へ送る九十九神を御する力を持つ呑龍が必要だと教わる。失われた呑龍は円と共に、静花の作り出した異空間にあるとされ、一二三は九十九折神社へと向かう。
そこでは玉梓が蔵の案内人として一二三たちを待っていた。玉梓と共にドロウの力によって開いた蔵へ入る一二三だが、そこへ再び山立姫が現れる。
彼女を救った玉梓だがこれには予想外だったらしく、呑龍がすでに失われていることを言い残して消え去る。
山立姫の弱点を突き圧倒する伏。しかし、そこへ突如冬真が現れる。一二三を昏倒させた冬真。山立姫の依代であり、万年青に買われた妹を探すことを条件に、彼は力を貸していたのだった。
山立姫の炎に巻かれる一二三だが、とっさにかばった鳴によって過去世界へと飛ばされる。再び過去世界を巡る彼は、そこで自身の失われた記憶と相対するのだった。
かつて絵を描くことに煮詰まっていた一二三は、よく訪れていた滝壷で一人の少女と出会う。名を五十子美琴といい、快活な彼女と一二三は心通わせていく。しかし彼女は万年青の巫女であり、丈にその先見の力を使われ、残された寿命はほんの僅かだった。
ある日一二三は美琴を連れて街を逃げ出す。子供の手慰みではあったが二人は甘く短い夢を過ごし、そして美琴は彼の記憶を消す。
同じく丈に囚われているも同然の聖月はそんな二人を不憫に思い、彼女の持つ玉兎の力によって一二三の記憶を戻し、美琴を助ける為に九十九折神社で白蛇精を手にする。一二三は自身の命と美琴の記憶を引き換えに、美琴の完全な回復を白蛇精に願う。それを聞き届けた白蛇精だが、その命ではなく記憶のみの代償に留め、自身は再び眠りにつく。
健康を取り戻したものの力を失った美琴は遠い親戚である三角家に引き取られることになった。そしてその家は、聖月の本来の生家であった。
美琴を駅まで送る聖月。東京に一二三が移り住んだことを思い起こし、万年青の籠から放たれた美琴に嫉妬を抱いた聖月は、美琴を駅のホームから突き落としてしまう。自身の中に住むもう一人の、暗い声の指すがままに。
過去を知った一二三は夢の果てで再び美琴と出会う。今を生き、大切な人を護って欲しいと美琴は彼に言い残す。
現実に戻った一二三はそこで、伏との戦いで瀕死となった冬真を回復させる。本来はどちらも同じ目的を持っていた、月の門を正す為に協力を約束させるのだった。
万年青邸を訪れた三人は、すでに丈が聖月と李砂によって殺されていたことを知る。
更に四君子邸でも過去を見る鳴。聖月がその身に四君子円を、そして玉梓を宿しており、月の門に封印され狂った九十九神ドロウが世界の全てを夢に沈めるべく現世に湧き出そうとしていることを知る。
静花の遺志を継ぐ者、そして聖月の実の姉である愛那が「金鶏」をもってドロウの夢の一部を砕くものの、本体の聖月を切り離すのが精一杯だった(実際には円が切り離された。しかし玉梓は円に強く繋がっていた為)。そして愛那は夢の中に沈む。
五倍子山学園に着いた冬真。歪んだ月の門が近い影響で、辺りには雑多な九十九神が湧き出し人々を襲って依代としていた。
それらを焼き払った冬真の前に李砂が現れ、そして兄と妹の戦いが始まる。
器物の心を読むサトリの能力を持つ冬真。「李微」と肉体ごと同化して戦う李砂を前に、依代からの援護を受けられず苦戦する山立姫だが、李砂の心を乱した上で李微の心を読んだ冬真が勝利する。
かつて自身を捨てた全てを憎んだ妹は、兄だけは最後まで自身を見捨てなかったことを悟り、その腕の中で息を引き取る。
生存者を連れた冬真は教室で花蓮と鳴、そして鼎と合流する。それまでドロウにより夢を見せられ丈を仮初めの主としていた件(と、丈は思い込んでいたが実際にはドロウが見せた夢の虚構)は、鼎を自らの依代と認める。そして鼎は件によって一つの未来を指し示されるのだった。
一二三と伏は九十九折神社跡へ向かっていた。玉梓にドロウの夢の中に引きずり込まれる二人だが、一二三は幸せな夢の中で眠ることを拒否する。
そこへ現れる伏。聖月と切り離された玉梓に、伏を止める術はなかった。円から生まれたドロウの澱である玉梓は消え、そして残された円は兄の一二三と再び一つになる。
そして夢の中の眠りから愛那を引き上げた一二三は、九十九神ドロウとの戦いに臨む。
ドロウと一体化した聖月を分離することに成功した一二三。玉兎を失い不死の存在とはいかなくなったものの、一二三たちを飲み込んだ夢の世界そのものであるドロウはなお強大だった。
しかし一二三は自らと一つになった円の力を使う。円から生まれたドロウの依代、玉梓の力を。
玉梓となった一二三はドロウの夢の力を逆手に取り、静花の死と共に失われた龍笛を復元する。呑龍の九十九神を導く力によってドロウは常世へと消え去った。数多の九十九神たちもまた、龍笛の奏の下に月の門を越えて常世へと旅立つのだった。
冬真の手にかかった李砂も、聖月の玉兎によってその命を繋ぎ現世へと戻っていく。
人でありたいと願い続けた九十九神・八房。かつて美琴とそして一二三との触れ合いを見守りその果てに人となった八房だが、常に願いを自身に使い続けた結果ドロウとの戦いまでが伏の限界だった。
そして傷跡を様々に残しながらも、葛折の人々はなんでもない、されど掛け替えのない日常を取り戻していく。
<エンディング14・伏姫エンド1・幸せな終焉>
世界の狭間で朽ちていく伏。一二三はその定めに抗い、巨大な九十九神でもある月の門に願いをかける。
いかなる奇跡か、あるいは美琴あるいは静花。その思いが世界の狭間に残っていたのだろうか。伏はひとたびの命を得る。
そして伏は最愛の人とその、人の生を謳歌するのだった。
<エンディング12・花蓮エンド・年上の人>
伏を失い、帰還した一二三はあの日に関しての記憶を失っていた。
姉弟のような関係からお互いの気持ちを通じ合わせて変わっていた花蓮は、そんな一二三を見守り続けるのだった。
<エンディング16・愛那エンド・いつか欠けることなく>
あの戦いから幾つかの時が流れた。
一二三と愛那は東京へ、それぞれの日常へと戻っていく。以前と変わったことといえば、明確な形となった二人の関係だろう。伏を失った一二三だが、彼女とのいつかの再会を信じ、その居場所を愛那と共に護っていく。
その頃あの山では再び、一条の光が舞い降りるのだった。
<エンディング11・聖月エンド・悪夢再来>
一度は聖月と確かに心を通わせた一二三。
あの戦いの後、戻ってきたのは傷ついた一二三と聖月の二人だけだった。病室へ見舞に訪れた一二三は、聖月からいつか嗅いだ甘い匂いを感じ取る。
纏わりつくような暗い夢の匂い。それはあの玉梓と共にあったものだった。
<エンディング17・伏姫エンド2・続く物語>
世界の狭間で朽ちていく伏。一二三はその定めに抗い、巨大な九十九神でもある月の門に願いをかける。
いかなる奇跡か、あるいは美琴あるいは静花。その思いが世界の狭間に残っていたのだろうか。伏はひとたびの命を得る。
東京に移った二人は愛那から、古い着物を子供たちに、という新たなボランティアに誘われる。しかし現代都市にも古き神々はひそかに息づいていた。
白い蛇、そして鋼の銃狗は今日も魔都東京を駆け抜ける。二人の物語は終わらない。
<設定資料>
(干支)名・読み…正式な依代名・固有能力
(子)仁木弾正ニッキダンジョウ…三角愛那。分身と変身の能力を持つ。
(丑)件クダン…九条鼎。あらゆる未来を予知する。
(寅)李微リチョウ…十月桜李砂。氷を操る。
(卯)玉兎ギョクト…万年青(三角)聖月。命や記憶のカタチを繋ぐ。
(辰)呑龍ドンリュウ…四君子静花。九十九神を導く。すでに本体形代依代、全てが現世から失われている。
(巳)白蛇精ハクジャセイ…四君子(百日紅)一二三。傷や病を癒す。
(午)龍馬リュウマ…九条花蓮。瞬間的な跳躍移動。
(未)ドロウ…玉梓。夢を操る。すでに本体は現世から失われている。未の九十九神と明言されてはいないがCGモードより。
(申)三申サンザル…百日紅鳴。あらゆる過去を見通す。
(酉)金鶏アサヒドリ…三角愛那。夢を断ち切り朝を呼ぶ。
(戌)八房ヤツフサ…五十子美琴・伏姫。間接攻撃に特化し雷を操る。限定的な回復能力をも持つ。
(亥)山立姫ヤマダチヒメ…七飯冬真。炎を操る。
<プレイ時間>
END14伏姫11時間半(初回プレイ)、END12花蓮40分、END16愛那2時間、END17伏姫10分、END11聖月1時間、その他回収2時間。計17時間半。
<グラフィッカー情報・敬称略>
コバぴょん(監修)、ゆき丸、すし丸、るび様、永月到、ヲリ、千年
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