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注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
ユニオリズム・カルテット A3-DAYS (CLIP☆CRAFT)
2016/10/28
©CLIP☆CRAFT
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:7970字)
<ストーリー>
大決闘祭で二人の円卓騎士、シルヴェリアとアーシェを下し、一躍時の人となったアキト。その疲労を癒す為に束の間の休息を故国で過ごしアルビオン王国に戻ったアキトは、学園長と面通しするようアーシェから言伝される。ユリナと共に参上したアキトに学園長、シルヴェリアの従姉でもあるステラ・マリスディアは二人の生徒を引き合わせた。外部の学園から出戻りした円卓騎士候補のセルフィーネ・フローライトと、古い武門の出であるティアナ・ハーフェル・ネーデルラント。アキトとユリナにはこの二人の世話をしてほしいとのことだった。
騎士印章の力を引き出せない為に円卓位を剥奪されかかっているセルフィ、実力はあれど無気力がすぎ放校されかかっているティア。どちらも中々に厄介な事情を抱えた二人をユリナの別荘に逗留させ、天音たちの協力を得ながら、問題解決に向けての生活が始まる。
実の両親との死別によって妹と生き別れ、その消息を知る術を円卓騎士の特権に求めるセルフィ。ネーデルラント家の次期当主として家伝の、周囲の理性を奪い闘争心を煽る魔剣バルムンクを抑える役割を定められたティア。それぞれの内情が明らかになるにつれ、二人とアキトたちの距離も近いものとなっていく。セルフィとティアの決闘が実技試験で発表されたのはそんな矢先だった。騎士として真っ向から当たる二人。だがティアの高揚がバルムンクを呼び起こしてしまう。持ち手を操る剣はアーシェとシルヴェリアの制止によって事なきを得るが、周囲を危険に晒したティアの自責の念は大きい。だがアキトはあえて、塞ぎ込んでしまったティアの手に再び剣を握らせる。剣を暴走させた上でアキトたちがそれを抑え込み、ティアにバルムンクを克服させるというのがアキトとセルフィの考えだった。二人の言葉によってティアはバルムンクと向き合う勇気を得る。
呼びかけに賛同し集まった学園最高位の騎士たちと共にバルムンクと対峙するアキト。だがその呪いは以前より遥かに強さを増し、天音や十兵衛、シルヴェリアやアーシェの力さえ凌ぎつつあった。それでもアキトの声、そして自らではなく誰かの為に剣を振るう心に騎士印章の力をついに発動させたセルフィの声に、自身を取り戻したティアは剣の声を耳にする。持ち手に認められ共に戦いたいという、剣として生まれた存在意義を求めていた声を抑えつけるのではなく受け入れることで、ティアはバルムンクを呪いから解放することができた。
<珠緒エンド>
高貴な立場が多い同年代の仲間たちの中にあって、素朴な人となりで気の置けない友人の珠緒。心休まるそんな珠緒にいつしか、友人関係を越えた感情を抱いていた自身にアキトは気づく。
秘めてきた恋心が報われた珠緒だったがある日、もう一つの転機が訪れる。円卓騎士であるアーシェがその才能を認め、珠緒に稽古をつけたいのだという。その膂力では到底扱うことができない大剣を渡される珠緒。途方に暮れる珠緒だったが、それが献身の心に反応する宝剣だということに至り、彼女を騎士として開花させる。
とはいえ珠緒の騎士としての人生もアーシェの弟子としての道もまだまだ始まったばかり。いつまでも続くそれを、ゆっくり歩んでいくことになるだろう。アキトと珠緒の、二人の恋路のように。
<ユノエンド>
アキトに対してアンドロイドとして説明のつかない感情を自覚するユノ。アキトもいつしかそんなユノに温かい気持ちを覚えるようになっていく。ずっと一緒にいたいというユノの願いに、恋人という言葉で応えるのが自然なことと思えた。
だがそんな日々の先に、ユノの帰還が決まる。それまで候補者にすぎなかったシルヴェリアが正式に円卓騎士となったことで、その役割を終えた撰定者であるユノは組織へと戻らなければならない。焦燥の中でアキトが思い浮かべたのは円卓騎士でありながら白いユノを従えていたアーシェだった。かつてユノシリーズを育成する楽しみを見いだしたことで決闘を行い勝利した結果、その命令に沿うよう行動プログラムが書き換わったのだというアーシェ。勝利すれば円卓騎士の候補にも認められると告げられたアキトは、意を決してユノとの決闘に臨む。
互いの全力を尽くした上で裁定者としてのユノを破り、その記録が書き換えられたことで、二人は再び同じ時間を過ごせるようになった。折しもミリィが自立の為に姉の元を離れ自身の騎士団を立ち上げるという。友人として側で支えたいというユノ。生きている限り変わらないものはなく、その成長をアキトは一番近い隣で見守っていく。
<みなもエンド>
学園の教師となったみなもとはアキトにとってより身近な存在となった。それは天音を介した姉と弟のように。そしてみなもの何気ない一言から、アキトは彼女に対する恋心を自覚してしまう。
天音からも祝福を受け、憂いなく恋人になったアキトとみなも。全てが移ろいゆく時間の中にあって、いつでも側にあって同じ喜びを分かち合う、変わることのないそんな関係をいつまでも重ねていけたらと。みなもとのデートに興じる何でもない午後のひととき、重なった手の温もりにアキトはそう思うのだった。
<セレーネエンド>
ある夜、枕元で別れを囁くセレーネ。夢うつつにそれを聞き目を覚ましたアキトは、立ち去る彼女のその手を引き止める。もうセレーネと会えない。その想像はアキトにとって受け入れ難い恐怖だった。その瞬間アキトは自身の想いを悟る。
駆け落ちした両親とその間に生まれた子供。外国で身寄りのない一家を保護してくれたレティアハートの家への恩を思えば、その想いを知りながらレミリアを出し抜くような真似はできない。心を殺し身を引くことを考えたセレーネ。たが想いが通じあった今、その感情を律するのは難しい。
秘して始まった二人の恋人関係だったが、ほどなくしてそれをレミリアに目撃されてしまう。だがショックを受けながらも、レミリアがセレーネを責めるようなことはなかった。セレーネが思うようにレミリアもまた、その幸せを願っている。想いを託されたアキトはセレーネを守っていくことを誓い、そうして今日も愛しあう。
<ミリィエンド>
大決闘祭以来、決闘やユリナの公務の補助に以前にも増して励み始めたミリィ。そのひたむきな姿にアキトはいつしか、兄妹の感情というだけでは説明のつかない想いを自覚し始める。兄、妹としてではなく、一人の男と女として。
恋が叶ったミリィだったが一つ、頭が痛い問題もあった。大決闘祭での優勝騎士団、その面子の中にあって最もか弱い風貌から、金星狙いの挑戦者が後を絶たない。その為にユリナからの助言を得てミリィはリディアル・エレアノルト騎士団を離れ、自立の為にも新たに騎士団を立ち上げることになった。それでも止むことのない挑戦に、レミリアから騎士団につけられたセレーネはミリィの実力を学内に示す為、私的決闘が禁じられた円卓騎士を除いて学園最強と広く認められる、柳生との対戦を提案する。
亡き母ソフィアから看板を受け継いだ二代目ソニスティア・エレアノルト騎士団と柳生士団との決闘は、三者団体戦という条件にもかかわらず十兵衛一人を相手にすることになった。セレーネの策を正面から潰し先鋒のユノの武器を破壊する十兵衛に、数の不利など作用しない。そんな十兵衛の力にミリィは食らいついていく。常に誰かに守られてきた自分が、自らの足で姉の隣に並び立つ為に。その思いは十兵衛の剣を凌ぎきらせ、引き分けという結果を掴み取る。試合に駆けつけたユリナにも、それは確かに届いたようだった。
十兵衛と勝負を分け柳生に勝利したことで、ソニスティア騎士団は他の強豪騎士団から剣を競う相手と見なされるようになった。いつかユリナの騎士団と素晴らしい勝負を。そんな新たな夢に向かってアキトとミリィは今日を過ごしている。
<アーシェエンド>
大決闘祭を取りやめにしかけたアーシェ。それは才能ある者には奮起を、そして騎士としての先のない者には剣を折る勇気を促す、王族としての彼女なりの硬質な優しさだった。当事者として初めは反発を覚えていたものの、そんな真情に触れたアキトは彼女に惹かれていく。そしてアーシェもまた、媚びるでもかしずくでもなく自然体で接してくるアキトに、今まで他人に感じたことのない思いを抱くようになっていく。
そうして身分の違いを顧みず、アキトとアーシェは恋人となった。彼女の境遇を鑑みればこの先、様々な障害が二人を待ち構えていることは明らか。だがどんな時でも何があろうとも、二人で互いを支えあっていけることに疑いはない。初めて出会った時は敵対で相対した海岸の砂浜で、アキトは今そう確信している。
<マリエルエンド>
学園長から請われて学園教師となったマリエル。屋敷でのメイドや剣の師とは違うその姿に、これまでにない新鮮さを覚えるアキトだったが、彼女自身は慣れない仕事に気苦労もあるようだった。その内の一つが、学園で直に目にする、女子生徒たちから向けられる人気にあることを、アキト本人だけが知らない。ユリナから身の回りの世話と剣の指導を頼まれた時には弟のように思えたアキトに、今は男の逞しさを見ている。
もどかしい思いを持て余した果てにそれを吐露し、そうして二人は幾らか歳の差のある恋人となった。その関係となって初めてわかったことだが、屋敷ではメイドとして完璧なマリエルにも嫉妬深い面といった隙があるようだった。そんな何でもない発見も恋人となった今では愛おしく思える。これまでは見えなかった互いのことについて一つずつ知っていく。それが恋人として、ゆくゆくは家族として、歩みを刻むということなのだろう。
<十兵衛エンド>
大決闘祭に際して本国から断りなく大典太光世の太刀を持ち出したことで十兵衛は今現在、決闘の禁止を言い渡されている。その謹慎の日々は気だるげでありそうながらも、普段とは違う彼女の顔をアキトに見せた。裁縫をミリィとユノに手ほどきする顔、アキトの何気ない言葉に一喜一憂し狼狽する顔は、柳生十兵衛ではなく彼女本来のかなえのもので、闘いに見せる獰猛さとは程遠い。その素顔にアキトは惹かれていく。
その思いを通じあわせ恋人となった二人だが、思わぬ形で試練が訪れる。柳生宗家からの、理由も定かにされない唐突な帰国命令。柳生十兵衛を襲名させながら手綱を御しきれないと見るや厄介払い同然に放逐した一門への反発もさることながら、十兵衛の心がかりは騎士団の面々についてだった。十兵衛の強さを慕う、闘いにしか居場所を置けないはみ出し者たちを捨て置くことは彼女には受け入れ難い。
そんな中、柳生士団の副団長格でアキトの親友でもあるロウが騎士団団長の座を賭けて十兵衛に決闘を申し入れる。踏ん切りをつけられない団長の為というその意図は明らかで、アキトは謹慎中にある十兵衛の代理としてロウと剣を交えることになった。アキトもまた彼女に寄り添う男として、手を抜いての敗北などは柳生士団への礼儀として許されない。時間制限を超えた二人の決闘は引き分けとなり、その戦いぶりは十兵衛に確信を抱かせた。そうして十兵衛は騎士団の解散を宣言する。
柳生士団の面々が、それまでに培った自らの力で新たな道を歩み始めたことを見届けた十兵衛。それに触発されたように、宗家相手に大立ち回りを演じる気でいる恋人を前にしてアキトは、苦笑しながらもその隣に並び立ち、ロウたちと同じように歩みを始めるのだった。
<レミリアエンド>
レミリアにとっては出会いの時から募らせ続けてきた想い。当人たちを除いては周知のことながら不器用に秘めてきたそれを、レミリアはようやく打ち明ける。アキトもまた、貴族の誇りを真摯に自らに課すレミリアの姿をその側で見続け、彼女に特別な感情を抱くようになっていた。
恋人たちの日常というものを手探りで過ごし始めたアキトとレミリア。それにも幾らか勝手を覚え始めた頃、レミリアの両親の来訪が明らかとなる。両親に自身の成長を見せようとセレーネに教えを請い花嫁修業を初めたレミリア。かつては自尊心が先行した娘のその姿、そしてアキトとの演舞で見せた騎士の振る舞いは、両親を深く安堵させたようだった。そんな娘の手を引いたのであろうアキトに対する両親の目は温かい。
七薔薇と称された、敬愛する曾祖母のような騎士に。両親と言葉を交わしたことで、レミリアのその夢を支えていく自らの内への誓いは一層固いものとなった。レミリアとセレーネの、いつもと変わらない賑やかな午後のひととき。それを横目に入れながらアキトは変わることのない幸福を噛みしめる。
<天音エンド>
始まりは警戒心も露わに、誤解が晴れてからはユリナと騎士団の為に剣を振るう仲間となった天音。共に精進し背中を預けてきた彼女への想い、友情から始まったそれはいつしか甘く胸を焦がすものとなっていた。そしてそれは彼女も同じようだった。色恋沙汰に疎い者同士回り道を重ねながら、二人は同じ立ち位置へと行き着く。
エレアノルトの近衛騎士という、天音が自身で狭めているその将来について、少なくとも選択肢は用意しようと考えるユリナ。その思いやりは天音の恋人となったアキトにとってもありがたいものだった。ユリナの配慮によって、店員と保母という彼女が密かに憧れていた職を体験することになった天音。その上で天音は刀條流剣術の後継も含め、自身の可能性全てを追っていく決意を持ったようだった。それは姉のみなもにとって、妹が殻を破った喜ばしい報せとなった。
相変わらず妹に甘えたがるみなもと、そんな姉をたしなめる天音。いつもと変わらない屋敷の風景が今日もそこにある。程々のところで割って入るその時まではと、姉妹の微笑ましい光景をアキトは眺め続けるのだった。
<ユリナエンド>
公人となった今や、王家に連なる者としてその責務に尽くさなければならない。その将来さえ自らの意志ではままならないユリナ。だが幼い頃から秘め続けたアキトへの想いは、貴くあろうとするユリナ自身にも抑えられない。人としての感情の発露は、アキトの告白を受け入れる。
だが恋人となった喜びも束の間、事態を知ったエレアノルト領の議会がユリナの召還を議決したという報せがもたらされる。ユリナとミリィの後見人にして亡くなった母ソフィアの妹である叔母が、議会に影響力を行使した結果だという。それに対してアキトは派遣されてきたエレアノルトの執行者に決闘を申し込む。負ければユリナとの繋がりの全てを断ち切る為に騎士としての将来を捨てるという誓約。その男の戦いに勝利したアキトにユリナは王位継承、その権利と義務の放棄で応える。アキトを含め驚愕する一同だったが、それは揺るがない決意のようだった。叔母もまるで自身の姉と対峙しているかのような心持ちを認めて嘆息するしかない。
その足で二人は、学園礼拝堂での結婚式に臨む。亡き母の形見であるウェディングドレスと、父王から送られてきた対の結婚指輪。その二つの形見を通して両親に見守られながら、ユリナは腕を差し出す。永遠の愛を形にして収めた指に自らの指を絡め、取ったその手を守っていくことをアキトは誓う。あの日、母の死にふさぎ込む彼女と交わした約束。それを果たしてこれからも、その物語は続いていく。
<セルフィエンド>
騎士としての在り方や生き方にどこまでも真っ直ぐで生真面目なセルフィ。その余裕のなさに時にもどかしいものを覚えながらも感化され共感し、いつしかアキトはそんな彼女に惹かれていく。そしてセルフィも弛まぬ努力で騎士を目指すアキトのひたむきな姿に、これまで異性に覚えたことのない感情を寄せるようになっていた。似た者同士の二人が惹かれあったのは必然だったかのよう。それが恋に変わることも。
そんな中で、円卓騎士となり一日千秋の思いでいたセルフィの元にその報せがもたらされる。だがそれは彼女にとって戸惑いを伴うものだった。生き別れた妹がすぐ隣にいたティアだったという調査結果。それを知ったセルフィは、バルムンクの件を乗り越え穏やかな時間にある彼女に心労を多分に含むのであろうその事実を伝えず、側で見守っていくことを決めた。その選択に後味の悪さを覚えるアキトだったがそれを口にできるでもない。だがセルフィが姉心を引きずり距離感を掴み損ねる危機に、その間を取り持つ役目は自らの務めと思えた。
屋敷での家事参加などを通して自然な関係を取り戻したセルフィとティア。今は自身の手と繋がれたセルフィの、その対を結ぶ手はない。だがいつかそこにティアの手が妹として加わり、二人三脚で歩んでいける日が来ることを、アキトは確信している。それまではこうして、セルフィとの恋人二人で浸る甘いひとときを慈しんでいけたらと、アキトは思うのだった。
<ティアエンド>
どんなに思案顔でいても、バルムンクに触れその声を聞いた者はみな途端に恐怖にかられ、自身の側を離れていった。見ず知らずの他人で、そうでなかったのはアキトが初めてだった。それでいて側にあって力を貸してくれたのも。そんなアキトへの謝意がティアの中で好意に変わるまで、そう時間はかからなかった。
何かにつけて気だるげだったティアがアキトの為にステラの元で家事修行に励み始めたのも、恋人となったことで現れた大きな変化だった。そんな中、騎士印章の力を引き出し円卓騎士と認められたセルフィが、召還先から屋敷に戻ってくる。これから円卓騎士として他の学園に赴任しなければならないのだというセルフィ。以前ではありえなかっただろう、セルフィと離れたくないという思いを包み隠さずに訴え、その上で彼女の旅立ちを見送る姿は、臆病さからの無気力を克服したティアの成長を表している。そんなティアのことを、何か思い詰めたものを吹っ切ったようなセルフィから、アキトは託された。その約束を果たし続ける為にも、アキトはその側で彼女の成長を見守っていく。
<シルヴェリアエンド>
入学したての騎士見習いが、周囲の仲間全てを打ち倒されても諦めず、相手に立ち向かっていく姿。それが、シルヴェリアにとってのきっかけだったのかもしれない。その男が敵手として自らの前に並び立ち、越えていったあの時の戦いで、その想いは確かなものとして彼女自身にも自覚できた。アキトと共に生きていきたい。騎士としても、そして女としても。それをシルヴェリアは初恋という言葉でアキトに伝える。
恋人を得て、円卓騎士としての赴任地への同行という願いも叶ったシルヴェリアの、この学園への心残り。それは一度たりとも勝ったことのない叔母のステラだった。かつてはアーシェの前任にあたる、モルドレッドの称号を持つ円卓騎士だったステラ。円卓の騎士となった今、前に進む為に越えなければならない壁としてシルヴェリアはステラに決闘を挑む。
生涯不敗のまま現役を退いたステラの実力は、そのブランクを引いてなお余りある。シルヴェリアの剣は、元はといえばステラの槍の模倣といって差し支えなかった。幾ら修練を重ねようとオリジナルに勝る模倣はない。だがシルヴェリアはステラの技に、アキトからから学んだ一太刀を加え、自らが培った力でオリジナルを超えていく。それは幼いシルヴェリアの標となる為に剣を置いたステラの、長年の悲願が叶った瞬間だった。
心残りを果たし、二人が学園を去る日がやってきた。母代わりとしてその成長を見守ってきた、ユリナとの別れ。シルヴェリアとユリナにとって一つの区切りのそれも、だが新たな始まりにすぎない。騎士として生きていく限り、剣を交える再会もまたあるだろう。その道を、アキトはこれからもシルヴェリアと共に歩んでいく。
<プレイ時間>
珠緒エンド(初回ルート、告白2種込み)10時間52分、サブキャラ回想2時間1分、ユノエンド(以下全て告白2種込み、既読通常スキップ使用)3時間30分、みなもエンド3時間56分、セレーネエンド3時間15分、ミリィエンド5時間20分、アーシェエンド3時間35分、マリエルエンド3時間46分、十兵衛エンド4時間7分、レミリアエンド5時間1分、天音エンド4時間57分、ユリナエンド5時間34分、セルフィエンド5時間39分、ティアエンド6時間5分、シルヴェリアエンド5時間18分。本編計72時間56分。
お返しコンテンツ1時間31分。
総計74時間27分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
七藤真(グラフィック統括)、燗、ひのき、みやびひろ、hira、オオバナオコ、つゑふ、ハコ、ろーどっく2号、狐ねこ、友音、乱姫龍
<あとがき・2016/12/3>
基本CG数111(内胸露出以上のエロCG数94)+SDCG数94、回想数68。お返しコンテンツ基本CG数6(内胸露出以上のエロCG数6)、回想数5。総基本CG数117(内胸露出以上のエロCG数100)、総回想数73。
エロ1CGあたりの尺は10分30秒(ティアベッド上・半裸仰向け手コキ)から18分30秒(セルフィ初体験)。平均15分。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEあり、連戦時付着精液残留あり、尻モザなし、淫語修正-(要伏せ字単語自体なし)、立ち絵鑑賞モードなし。
(関連記事:ユニオリズム・カルテット)
2016/10/28
©CLIP☆CRAFT
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:7970字)
<ストーリー>
大決闘祭で二人の円卓騎士、シルヴェリアとアーシェを下し、一躍時の人となったアキト。その疲労を癒す為に束の間の休息を故国で過ごしアルビオン王国に戻ったアキトは、学園長と面通しするようアーシェから言伝される。ユリナと共に参上したアキトに学園長、シルヴェリアの従姉でもあるステラ・マリスディアは二人の生徒を引き合わせた。外部の学園から出戻りした円卓騎士候補のセルフィーネ・フローライトと、古い武門の出であるティアナ・ハーフェル・ネーデルラント。アキトとユリナにはこの二人の世話をしてほしいとのことだった。
騎士印章の力を引き出せない為に円卓位を剥奪されかかっているセルフィ、実力はあれど無気力がすぎ放校されかかっているティア。どちらも中々に厄介な事情を抱えた二人をユリナの別荘に逗留させ、天音たちの協力を得ながら、問題解決に向けての生活が始まる。
実の両親との死別によって妹と生き別れ、その消息を知る術を円卓騎士の特権に求めるセルフィ。ネーデルラント家の次期当主として家伝の、周囲の理性を奪い闘争心を煽る魔剣バルムンクを抑える役割を定められたティア。それぞれの内情が明らかになるにつれ、二人とアキトたちの距離も近いものとなっていく。セルフィとティアの決闘が実技試験で発表されたのはそんな矢先だった。騎士として真っ向から当たる二人。だがティアの高揚がバルムンクを呼び起こしてしまう。持ち手を操る剣はアーシェとシルヴェリアの制止によって事なきを得るが、周囲を危険に晒したティアの自責の念は大きい。だがアキトはあえて、塞ぎ込んでしまったティアの手に再び剣を握らせる。剣を暴走させた上でアキトたちがそれを抑え込み、ティアにバルムンクを克服させるというのがアキトとセルフィの考えだった。二人の言葉によってティアはバルムンクと向き合う勇気を得る。
呼びかけに賛同し集まった学園最高位の騎士たちと共にバルムンクと対峙するアキト。だがその呪いは以前より遥かに強さを増し、天音や十兵衛、シルヴェリアやアーシェの力さえ凌ぎつつあった。それでもアキトの声、そして自らではなく誰かの為に剣を振るう心に騎士印章の力をついに発動させたセルフィの声に、自身を取り戻したティアは剣の声を耳にする。持ち手に認められ共に戦いたいという、剣として生まれた存在意義を求めていた声を抑えつけるのではなく受け入れることで、ティアはバルムンクを呪いから解放することができた。
<珠緒エンド>
高貴な立場が多い同年代の仲間たちの中にあって、素朴な人となりで気の置けない友人の珠緒。心休まるそんな珠緒にいつしか、友人関係を越えた感情を抱いていた自身にアキトは気づく。
秘めてきた恋心が報われた珠緒だったがある日、もう一つの転機が訪れる。円卓騎士であるアーシェがその才能を認め、珠緒に稽古をつけたいのだという。その膂力では到底扱うことができない大剣を渡される珠緒。途方に暮れる珠緒だったが、それが献身の心に反応する宝剣だということに至り、彼女を騎士として開花させる。
とはいえ珠緒の騎士としての人生もアーシェの弟子としての道もまだまだ始まったばかり。いつまでも続くそれを、ゆっくり歩んでいくことになるだろう。アキトと珠緒の、二人の恋路のように。
<ユノエンド>
アキトに対してアンドロイドとして説明のつかない感情を自覚するユノ。アキトもいつしかそんなユノに温かい気持ちを覚えるようになっていく。ずっと一緒にいたいというユノの願いに、恋人という言葉で応えるのが自然なことと思えた。
だがそんな日々の先に、ユノの帰還が決まる。それまで候補者にすぎなかったシルヴェリアが正式に円卓騎士となったことで、その役割を終えた撰定者であるユノは組織へと戻らなければならない。焦燥の中でアキトが思い浮かべたのは円卓騎士でありながら白いユノを従えていたアーシェだった。かつてユノシリーズを育成する楽しみを見いだしたことで決闘を行い勝利した結果、その命令に沿うよう行動プログラムが書き換わったのだというアーシェ。勝利すれば円卓騎士の候補にも認められると告げられたアキトは、意を決してユノとの決闘に臨む。
互いの全力を尽くした上で裁定者としてのユノを破り、その記録が書き換えられたことで、二人は再び同じ時間を過ごせるようになった。折しもミリィが自立の為に姉の元を離れ自身の騎士団を立ち上げるという。友人として側で支えたいというユノ。生きている限り変わらないものはなく、その成長をアキトは一番近い隣で見守っていく。
<みなもエンド>
学園の教師となったみなもとはアキトにとってより身近な存在となった。それは天音を介した姉と弟のように。そしてみなもの何気ない一言から、アキトは彼女に対する恋心を自覚してしまう。
天音からも祝福を受け、憂いなく恋人になったアキトとみなも。全てが移ろいゆく時間の中にあって、いつでも側にあって同じ喜びを分かち合う、変わることのないそんな関係をいつまでも重ねていけたらと。みなもとのデートに興じる何でもない午後のひととき、重なった手の温もりにアキトはそう思うのだった。
<セレーネエンド>
ある夜、枕元で別れを囁くセレーネ。夢うつつにそれを聞き目を覚ましたアキトは、立ち去る彼女のその手を引き止める。もうセレーネと会えない。その想像はアキトにとって受け入れ難い恐怖だった。その瞬間アキトは自身の想いを悟る。
駆け落ちした両親とその間に生まれた子供。外国で身寄りのない一家を保護してくれたレティアハートの家への恩を思えば、その想いを知りながらレミリアを出し抜くような真似はできない。心を殺し身を引くことを考えたセレーネ。たが想いが通じあった今、その感情を律するのは難しい。
秘して始まった二人の恋人関係だったが、ほどなくしてそれをレミリアに目撃されてしまう。だがショックを受けながらも、レミリアがセレーネを責めるようなことはなかった。セレーネが思うようにレミリアもまた、その幸せを願っている。想いを託されたアキトはセレーネを守っていくことを誓い、そうして今日も愛しあう。
<ミリィエンド>
大決闘祭以来、決闘やユリナの公務の補助に以前にも増して励み始めたミリィ。そのひたむきな姿にアキトはいつしか、兄妹の感情というだけでは説明のつかない想いを自覚し始める。兄、妹としてではなく、一人の男と女として。
恋が叶ったミリィだったが一つ、頭が痛い問題もあった。大決闘祭での優勝騎士団、その面子の中にあって最もか弱い風貌から、金星狙いの挑戦者が後を絶たない。その為にユリナからの助言を得てミリィはリディアル・エレアノルト騎士団を離れ、自立の為にも新たに騎士団を立ち上げることになった。それでも止むことのない挑戦に、レミリアから騎士団につけられたセレーネはミリィの実力を学内に示す為、私的決闘が禁じられた円卓騎士を除いて学園最強と広く認められる、柳生との対戦を提案する。
亡き母ソフィアから看板を受け継いだ二代目ソニスティア・エレアノルト騎士団と柳生士団との決闘は、三者団体戦という条件にもかかわらず十兵衛一人を相手にすることになった。セレーネの策を正面から潰し先鋒のユノの武器を破壊する十兵衛に、数の不利など作用しない。そんな十兵衛の力にミリィは食らいついていく。常に誰かに守られてきた自分が、自らの足で姉の隣に並び立つ為に。その思いは十兵衛の剣を凌ぎきらせ、引き分けという結果を掴み取る。試合に駆けつけたユリナにも、それは確かに届いたようだった。
十兵衛と勝負を分け柳生に勝利したことで、ソニスティア騎士団は他の強豪騎士団から剣を競う相手と見なされるようになった。いつかユリナの騎士団と素晴らしい勝負を。そんな新たな夢に向かってアキトとミリィは今日を過ごしている。
<アーシェエンド>
大決闘祭を取りやめにしかけたアーシェ。それは才能ある者には奮起を、そして騎士としての先のない者には剣を折る勇気を促す、王族としての彼女なりの硬質な優しさだった。当事者として初めは反発を覚えていたものの、そんな真情に触れたアキトは彼女に惹かれていく。そしてアーシェもまた、媚びるでもかしずくでもなく自然体で接してくるアキトに、今まで他人に感じたことのない思いを抱くようになっていく。
そうして身分の違いを顧みず、アキトとアーシェは恋人となった。彼女の境遇を鑑みればこの先、様々な障害が二人を待ち構えていることは明らか。だがどんな時でも何があろうとも、二人で互いを支えあっていけることに疑いはない。初めて出会った時は敵対で相対した海岸の砂浜で、アキトは今そう確信している。
<マリエルエンド>
学園長から請われて学園教師となったマリエル。屋敷でのメイドや剣の師とは違うその姿に、これまでにない新鮮さを覚えるアキトだったが、彼女自身は慣れない仕事に気苦労もあるようだった。その内の一つが、学園で直に目にする、女子生徒たちから向けられる人気にあることを、アキト本人だけが知らない。ユリナから身の回りの世話と剣の指導を頼まれた時には弟のように思えたアキトに、今は男の逞しさを見ている。
もどかしい思いを持て余した果てにそれを吐露し、そうして二人は幾らか歳の差のある恋人となった。その関係となって初めてわかったことだが、屋敷ではメイドとして完璧なマリエルにも嫉妬深い面といった隙があるようだった。そんな何でもない発見も恋人となった今では愛おしく思える。これまでは見えなかった互いのことについて一つずつ知っていく。それが恋人として、ゆくゆくは家族として、歩みを刻むということなのだろう。
<十兵衛エンド>
大決闘祭に際して本国から断りなく大典太光世の太刀を持ち出したことで十兵衛は今現在、決闘の禁止を言い渡されている。その謹慎の日々は気だるげでありそうながらも、普段とは違う彼女の顔をアキトに見せた。裁縫をミリィとユノに手ほどきする顔、アキトの何気ない言葉に一喜一憂し狼狽する顔は、柳生十兵衛ではなく彼女本来のかなえのもので、闘いに見せる獰猛さとは程遠い。その素顔にアキトは惹かれていく。
その思いを通じあわせ恋人となった二人だが、思わぬ形で試練が訪れる。柳生宗家からの、理由も定かにされない唐突な帰国命令。柳生十兵衛を襲名させながら手綱を御しきれないと見るや厄介払い同然に放逐した一門への反発もさることながら、十兵衛の心がかりは騎士団の面々についてだった。十兵衛の強さを慕う、闘いにしか居場所を置けないはみ出し者たちを捨て置くことは彼女には受け入れ難い。
そんな中、柳生士団の副団長格でアキトの親友でもあるロウが騎士団団長の座を賭けて十兵衛に決闘を申し入れる。踏ん切りをつけられない団長の為というその意図は明らかで、アキトは謹慎中にある十兵衛の代理としてロウと剣を交えることになった。アキトもまた彼女に寄り添う男として、手を抜いての敗北などは柳生士団への礼儀として許されない。時間制限を超えた二人の決闘は引き分けとなり、その戦いぶりは十兵衛に確信を抱かせた。そうして十兵衛は騎士団の解散を宣言する。
柳生士団の面々が、それまでに培った自らの力で新たな道を歩み始めたことを見届けた十兵衛。それに触発されたように、宗家相手に大立ち回りを演じる気でいる恋人を前にしてアキトは、苦笑しながらもその隣に並び立ち、ロウたちと同じように歩みを始めるのだった。
<レミリアエンド>
レミリアにとっては出会いの時から募らせ続けてきた想い。当人たちを除いては周知のことながら不器用に秘めてきたそれを、レミリアはようやく打ち明ける。アキトもまた、貴族の誇りを真摯に自らに課すレミリアの姿をその側で見続け、彼女に特別な感情を抱くようになっていた。
恋人たちの日常というものを手探りで過ごし始めたアキトとレミリア。それにも幾らか勝手を覚え始めた頃、レミリアの両親の来訪が明らかとなる。両親に自身の成長を見せようとセレーネに教えを請い花嫁修業を初めたレミリア。かつては自尊心が先行した娘のその姿、そしてアキトとの演舞で見せた騎士の振る舞いは、両親を深く安堵させたようだった。そんな娘の手を引いたのであろうアキトに対する両親の目は温かい。
七薔薇と称された、敬愛する曾祖母のような騎士に。両親と言葉を交わしたことで、レミリアのその夢を支えていく自らの内への誓いは一層固いものとなった。レミリアとセレーネの、いつもと変わらない賑やかな午後のひととき。それを横目に入れながらアキトは変わることのない幸福を噛みしめる。
<天音エンド>
始まりは警戒心も露わに、誤解が晴れてからはユリナと騎士団の為に剣を振るう仲間となった天音。共に精進し背中を預けてきた彼女への想い、友情から始まったそれはいつしか甘く胸を焦がすものとなっていた。そしてそれは彼女も同じようだった。色恋沙汰に疎い者同士回り道を重ねながら、二人は同じ立ち位置へと行き着く。
エレアノルトの近衛騎士という、天音が自身で狭めているその将来について、少なくとも選択肢は用意しようと考えるユリナ。その思いやりは天音の恋人となったアキトにとってもありがたいものだった。ユリナの配慮によって、店員と保母という彼女が密かに憧れていた職を体験することになった天音。その上で天音は刀條流剣術の後継も含め、自身の可能性全てを追っていく決意を持ったようだった。それは姉のみなもにとって、妹が殻を破った喜ばしい報せとなった。
相変わらず妹に甘えたがるみなもと、そんな姉をたしなめる天音。いつもと変わらない屋敷の風景が今日もそこにある。程々のところで割って入るその時まではと、姉妹の微笑ましい光景をアキトは眺め続けるのだった。
<ユリナエンド>
公人となった今や、王家に連なる者としてその責務に尽くさなければならない。その将来さえ自らの意志ではままならないユリナ。だが幼い頃から秘め続けたアキトへの想いは、貴くあろうとするユリナ自身にも抑えられない。人としての感情の発露は、アキトの告白を受け入れる。
だが恋人となった喜びも束の間、事態を知ったエレアノルト領の議会がユリナの召還を議決したという報せがもたらされる。ユリナとミリィの後見人にして亡くなった母ソフィアの妹である叔母が、議会に影響力を行使した結果だという。それに対してアキトは派遣されてきたエレアノルトの執行者に決闘を申し込む。負ければユリナとの繋がりの全てを断ち切る為に騎士としての将来を捨てるという誓約。その男の戦いに勝利したアキトにユリナは王位継承、その権利と義務の放棄で応える。アキトを含め驚愕する一同だったが、それは揺るがない決意のようだった。叔母もまるで自身の姉と対峙しているかのような心持ちを認めて嘆息するしかない。
その足で二人は、学園礼拝堂での結婚式に臨む。亡き母の形見であるウェディングドレスと、父王から送られてきた対の結婚指輪。その二つの形見を通して両親に見守られながら、ユリナは腕を差し出す。永遠の愛を形にして収めた指に自らの指を絡め、取ったその手を守っていくことをアキトは誓う。あの日、母の死にふさぎ込む彼女と交わした約束。それを果たしてこれからも、その物語は続いていく。
<セルフィエンド>
騎士としての在り方や生き方にどこまでも真っ直ぐで生真面目なセルフィ。その余裕のなさに時にもどかしいものを覚えながらも感化され共感し、いつしかアキトはそんな彼女に惹かれていく。そしてセルフィも弛まぬ努力で騎士を目指すアキトのひたむきな姿に、これまで異性に覚えたことのない感情を寄せるようになっていた。似た者同士の二人が惹かれあったのは必然だったかのよう。それが恋に変わることも。
そんな中で、円卓騎士となり一日千秋の思いでいたセルフィの元にその報せがもたらされる。だがそれは彼女にとって戸惑いを伴うものだった。生き別れた妹がすぐ隣にいたティアだったという調査結果。それを知ったセルフィは、バルムンクの件を乗り越え穏やかな時間にある彼女に心労を多分に含むのであろうその事実を伝えず、側で見守っていくことを決めた。その選択に後味の悪さを覚えるアキトだったがそれを口にできるでもない。だがセルフィが姉心を引きずり距離感を掴み損ねる危機に、その間を取り持つ役目は自らの務めと思えた。
屋敷での家事参加などを通して自然な関係を取り戻したセルフィとティア。今は自身の手と繋がれたセルフィの、その対を結ぶ手はない。だがいつかそこにティアの手が妹として加わり、二人三脚で歩んでいける日が来ることを、アキトは確信している。それまではこうして、セルフィとの恋人二人で浸る甘いひとときを慈しんでいけたらと、アキトは思うのだった。
<ティアエンド>
どんなに思案顔でいても、バルムンクに触れその声を聞いた者はみな途端に恐怖にかられ、自身の側を離れていった。見ず知らずの他人で、そうでなかったのはアキトが初めてだった。それでいて側にあって力を貸してくれたのも。そんなアキトへの謝意がティアの中で好意に変わるまで、そう時間はかからなかった。
何かにつけて気だるげだったティアがアキトの為にステラの元で家事修行に励み始めたのも、恋人となったことで現れた大きな変化だった。そんな中、騎士印章の力を引き出し円卓騎士と認められたセルフィが、召還先から屋敷に戻ってくる。これから円卓騎士として他の学園に赴任しなければならないのだというセルフィ。以前ではありえなかっただろう、セルフィと離れたくないという思いを包み隠さずに訴え、その上で彼女の旅立ちを見送る姿は、臆病さからの無気力を克服したティアの成長を表している。そんなティアのことを、何か思い詰めたものを吹っ切ったようなセルフィから、アキトは託された。その約束を果たし続ける為にも、アキトはその側で彼女の成長を見守っていく。
<シルヴェリアエンド>
入学したての騎士見習いが、周囲の仲間全てを打ち倒されても諦めず、相手に立ち向かっていく姿。それが、シルヴェリアにとってのきっかけだったのかもしれない。その男が敵手として自らの前に並び立ち、越えていったあの時の戦いで、その想いは確かなものとして彼女自身にも自覚できた。アキトと共に生きていきたい。騎士としても、そして女としても。それをシルヴェリアは初恋という言葉でアキトに伝える。
恋人を得て、円卓騎士としての赴任地への同行という願いも叶ったシルヴェリアの、この学園への心残り。それは一度たりとも勝ったことのない叔母のステラだった。かつてはアーシェの前任にあたる、モルドレッドの称号を持つ円卓騎士だったステラ。円卓の騎士となった今、前に進む為に越えなければならない壁としてシルヴェリアはステラに決闘を挑む。
生涯不敗のまま現役を退いたステラの実力は、そのブランクを引いてなお余りある。シルヴェリアの剣は、元はといえばステラの槍の模倣といって差し支えなかった。幾ら修練を重ねようとオリジナルに勝る模倣はない。だがシルヴェリアはステラの技に、アキトからから学んだ一太刀を加え、自らが培った力でオリジナルを超えていく。それは幼いシルヴェリアの標となる為に剣を置いたステラの、長年の悲願が叶った瞬間だった。
心残りを果たし、二人が学園を去る日がやってきた。母代わりとしてその成長を見守ってきた、ユリナとの別れ。シルヴェリアとユリナにとって一つの区切りのそれも、だが新たな始まりにすぎない。騎士として生きていく限り、剣を交える再会もまたあるだろう。その道を、アキトはこれからもシルヴェリアと共に歩んでいく。
<プレイ時間>
珠緒エンド(初回ルート、告白2種込み)10時間52分、サブキャラ回想2時間1分、ユノエンド(以下全て告白2種込み、既読通常スキップ使用)3時間30分、みなもエンド3時間56分、セレーネエンド3時間15分、ミリィエンド5時間20分、アーシェエンド3時間35分、マリエルエンド3時間46分、十兵衛エンド4時間7分、レミリアエンド5時間1分、天音エンド4時間57分、ユリナエンド5時間34分、セルフィエンド5時間39分、ティアエンド6時間5分、シルヴェリアエンド5時間18分。本編計72時間56分。
お返しコンテンツ1時間31分。
総計74時間27分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
七藤真(グラフィック統括)、燗、ひのき、みやびひろ、hira、オオバナオコ、つゑふ、ハコ、ろーどっく2号、狐ねこ、友音、乱姫龍
<あとがき・2016/12/3>
基本CG数111(内胸露出以上のエロCG数94)+SDCG数94、回想数68。お返しコンテンツ基本CG数6(内胸露出以上のエロCG数6)、回想数5。総基本CG数117(内胸露出以上のエロCG数100)、総回想数73。
エロ1CGあたりの尺は10分30秒(ティアベッド上・半裸仰向け手コキ)から18分30秒(セルフィ初体験)。平均15分。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永続ループ機能なし)、永続ループBGエロSEあり、連戦時付着精液残留あり、尻モザなし、淫語修正-(要伏せ字単語自体なし)、立ち絵鑑賞モードなし。
(関連記事:ユニオリズム・カルテット)
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