注意


当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。

18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。

記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。

作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。

特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
『母性カノジョ2』を応援しています!

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2015

12

12

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マゴットベイツ ストーリー

Maggot baits (CLOCKUP)
2015/11/27

maggotbaits
©CLOCKUP

(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。


キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:6962字)

<ストーリー>

7年前、架上市に怪物が現れた。災禍の魔女たちと呼ばれるようになった、男の精を糧に生きる怪物。国軍の治安出動にまで踏み切った政府はその威信をかけて鎮圧に乗り出したが、超常の力を前に無残に敗北する。だが魔女たちは不可視の結界に阻まれるように、街から出ようとはしなかった。政府の統制も届かぬ無法地帯、関東邪法街。いつしか架上市はそう呼ばれるようになった。魔女たち、そしてそれさえも食い物にする人間の欲望が蔓延る、悪徳を極めたその名を畏れるように。

角鹿彰護はその日も、魔女であり自身の道具であるキャロルを伴い、捕らえた魔女の拷問を見世物にしていた裏カジノを一つ潰していた。彰護にはこの街を支配する組織を叩き潰す目的があった。その周りには目的を異にしながら手段を同じくする仲間たちがいた。魔女が魔女を狩りそのおこぼれに預かる人間を嫌悪する、同胞を救う為に戦うウィルマ。彰護たちの顔見知りであり、気まぐれに手を貸すこともあるグロリア。そして彰護に影のように付き従うキャロル。蚊の一刺しであろうとも組織に打撃を加える為に、彰護はカジノから得た情報を元に魔女が捕らわれている廃工場へと足を踏み入れる。そこには敵側の魔女が彰護を待ち構えていた。(※1)
廃工場を爆破して撤退した彰護。その後調べから、捕らえられた魔女たちが街の中心にそびえ立つ、50階建ての高層ビルに運び込まれていることが明らかとなった。その塔に侵入を試みた彰護は、元テロリストで現在は組織の傭兵であるブライアン・マックールの迎撃を受ける。悪党とはいえ歴戦の戦士である敵に苦戦するものの、用意周到さが両者の明暗を分けた。移動用の車に仕込んでいたIEDによってその爆死を確信した彰護は塔を離脱する。

Maggot baits1

ある男の記憶。使命に燃える高潔な警察官は、一件の少女誘拐から始まった国際的事件に直面していた。世界中から拉致した少女たちを架上市に集め血祭りに上げるという喧伝が飛び交うネット。要人の娘も含まれる重大性への逡巡の果てに、ついに強行突入の命令は下される。その男も突入班の一人であり、世界中から集った数千人にも及ぶ犯罪者たちをなぎ倒しながら被害者の元へと迫る。その頃には身体中を破壊しつくされていた一人の少女。迫る暴徒から身を挺するように縋り付きながら男は、生きるよう少女に叫ぶ。だが少女から返されたのは、もう生きていたくないのになぜそれを邪魔するのかという、怨嗟の声だった。その瞬間男の何かが砕けた。
男が病院で目を覚ましたは5年後だった。あの事件の直後に起きた魔女事件を受けて政府は、架上市を国土から隔離していた。26名に及ぶ少女たちの魂の安らぎはなく、命を賭け死んでいった同僚たちの名誉は信じていたものによって否定された。そんなことは、許されない。少女の呪いによって一度は廃人となった男に残されたのは、未だ存在を続ける組織に対する、どうしようもない怒りと憎悪だった。

再び組織の拠点を一つ潰した彰護たちだったが、その日は思いがけない者の姿があった。あの裏カジノであまりの惨さに首を断ち安楽の死を与えた魔女、アリソン。記憶を失いながらもその少女がそこにいた。悪人をやっつける格好いい人たち。そう呼び懐く姿に、彰護は薄ら寒いものを感じていた。この街では死者さえも蘇る。であれば。その時彰護の前に一人の魔女が気配もなく現れた。意味深な言葉を残し消える、名も無き魔女。(※2)

彰護が最後の戦いを決意していた頃、塔の最上階では冴えない風体の中年男と屈強な体躯の黒人男が相対していた。一人は邪法街の王、至門。もう一方は天命を受け西方より訪れた異端審問官、ヴァレンティノス。二人が殺し合いを始めるに至る理由は、この街を創りだした、至門の持つレガリアにあった。
仏皇帝の侵略に抗えず散逸した聖遺物の一つ、背教者の福音書。それも写本や偽書ではなく本人の綴った正真正銘の。それは旧教徒にとってあってはならぬものだった。あるべき場所へと戻され永遠に封印されなければならない。それが異教徒の手にあって邪法に供されるなど言語道断。狂信者の言い分はそのようなものだった。まるで熱心党のような熱烈さで。
今そこには熱心党のシモンと、そしてサマリアのシモンがいる。新約聖書に記された神の足跡を顕現させるヴァレンティノスと、奇跡を否定する涜神の書を持つ至門。千日手となった戦いを打破するべくヴァレンティノスは切り札として同じ聖遺物、聖釘をもって聖痕を穿ち人ではないもの、父に祝福されし子の化身となった。

塔への侵入を果たした彰護。アリソンを正面突撃させ囮とするどこまでも非情なやり口に、彼女を可愛がっていたグロリアの憎悪を買ったことなど知る由もなく。地下から侵入した彰護はそこで、死を確信していたブライアンの襲撃を受ける。思想も私欲もない、ただ一点の目的のみを貫く彰護を、同じ合わせ鏡の毒蟲として唾棄し愛するブライアン。その戦いに水を指し、深手を負った彰護を至門の元へと向かわせたキャロルを、ブライアンは底抜けの悪意を抱いて捕らえる。
彰護が、半身をえぐり取られた黒人男に出会ったのはそんな時だった。傷に塗れながら上階を目指す暗い眼を認め、純鉄の銃弾を託す男。そして事切れた骸に背を向けた彰護の前にウィルマが現れる。魔女が生まれた理由、誕生の記憶がない原因、魔女が生きる意味。それを知っているという敵の魔女サンディに従うことを、ウィルマは選んだのだった。
男の精を初めて受け女の本質に目覚めたウィルマは、堕落の理由を自己ではない他の何かに求めた。彰護はそれを嘲笑する。挑発と知りながら、ウィルマは激昂を乗せながら武器を振るうことをやめられない。同じ毒蟲となったのになぜ自身を否定するのか。そんな雑念の混じった攻撃では彰護を捉えることはできない。力の差は獅子と蟻ほどにも等しい。だがウィルマも所詮は人型であり武器の形もその規格に収まるもの。獅子の犬歯の一対が噛み合わされるその一点、そこに蟻の身体がなければ潰せはしない。彰護は銃弾を放つ。聖釘を鋳潰して作られた弾丸はいかなる武器も通さない魔女の障壁を容易く切り裂き、穿ったその身体を非力な少女へと貶める。彼女はあまりにも人間らしすぎた哀れな少女だった。
ウィルマの首を切り落とした彰護。その前に無名の魔女が現れる。彼女は次の彼女を産んでいないと苦笑する無名の魔女に、首を傾げる彰護。魔女は全く同じ自身を産む、それがその不死の理屈だった。そうして古い肉体は魔女狩りによって殺されていく。人としての死を迎えた時から、26人の魔女はそうして死に続けているのだという言葉に、彰護は悪寒を抑えられない。それには覚えがあった。先ほど、ウィルマに捕らえられ想像を絶する責め苦を受けるアリソンとグロリアを見捨てた。ウィルマはこの手で。それがあの、自身が救うことを願った26人の少女たちであったならば。全ての元凶である至門を殺すことが、積み重ねたあらゆる犠牲への報いになると信じていた。ではその為に少女たちを殺した自分は。全てが霧散した虚空の中の表情で彰護は再び歩き出す。

至門は焦りを覚えていた。魔女が根源的に恐怖する妖蛆という化物の細胞を用いて捕らえたキャロル。だが幾ら拷問を加えようと感情の発露がない。まるで肉体に精神が宿っていないように。福音書によって生み出された、人間など歯牙にもかけない魔女が、人間に嬲り殺されることで生む絶望という膨大な負の力。それこそが、自身が信奉する主が必要とするものだった。二千年前、人々の無理解の果てに孤独の丘で、その無限の愛を世界への憎悪に変えた救世主たりえた男。その憎悪が支配するこの世界に、古代からたった一人残された最後の魔女である無名の魔女が愛を取り戻す為に。だがブライアンはすでに彰護に殺され魔女を狩り立てる者はおらず、サンディもまたキャロルの代替となることを拒み自決した。残された魔女は欠陥品のキャロルのみ。
そこに現れた彰護は幽鬼のようだった。まるでそこに実在しない別次元の空間のよう。福音書の力も身体に植え付けた妖蛆の肉手も空を切るばかり。それでいてそこから放たれる聖弾は干渉を拒絶する攻撃となって至門の身体を穿つ。至門がその陰に這ったのは偶然だった。だがその瞬間、引き金にかかった指を引くあらゆる力が止まった。そうして現れた人間の輪郭に向かって放たれた至門の肉槍は彰護の心臓を貫く。その光景に絶叫を上げながら、背後の至門を絞め殺し主の元へと這い縋るキャロル。彰護は最後にあらゆる呪いを超えて守るべきものを守った。それは心の奥底にこびりついていた警察官の矜持だったのかもしれない。だがキャロルにとってそれは呪いとなった。道具と使用者であれば知らずにいられた、愛する男の愛。それはもう二度と手にすることができない。

Maggot baits2

その底のない絶望は最後のパーツとなった。この7年間、魔女たちから吸い上げた数多の絶望を無間地獄の責め苦として受け続けていた、塔の上空に磔られる無名の魔女の魂。あの丘で放たれた憎悪の総和を凌駕した無名の魔女は、この二千年を支配した神の子に代わる、新たな神として降臨する。

それから数百年後。世界からは戦争や犯罪、貧困や飢餓といったものは消滅していた。それまでの何かが書き換えられたようにあらゆる闘争を放棄した人類は神の恩寵の下、繁栄を謳歌している。だがそんな世界に飛来する一つの異物があった。大地を割り津波を起こし嵐を巻き起こす黒い影。人々はそれを災禍の魔女と呼んだ。人々の祈りに応え神はその度に魔女を追放するが、旧世界の因果を消し去ることは全能の主にさえも叶わない。かつてキャロル、祝福と呼ばれたこともある魔女は世界を壊す。怒り狂いながら、哀しみに叫びながら、愛を求めながら。その姿に人々は恐れと共に、記憶に訴えかける何かを感じてもいた。
愛が、路傍の石のように、満ちた世界。愛とは天から絶え間なく与えられるものであり、それは何かに求めたり向けるものではない。二人きりの閉じた楽園で、神と自身を繋ぐ鎖でしかない。ゆえにその嘆きの意味もわからず、愛とは何なのか、答えのない問いを人々は続ける。

<モンキーハウスへようこそエンド>

(※1)
単独で魔女と交戦した彰護だが、いかに鍛え上げた人間といえど力及ぶはずもない。彰護を縊り殺した魔女に捕らえられるキャロルたち。三人に向けられる暴虐は凄惨を極めた。街に出没する、妖蛆と呼ばれる腐肉を継ぎ合わせたような化物、その細胞を植え付けられたキャロルたちは催淫効果に抗いきれず互いを犯しあう。魔女に植え付けた男性器を用いて魔女との間で成される子。邪法街の王はそれを目的としているようだった。
それを奪われた先の運命を悟ったキャロル。この出産が終わるまでの時間に何の意味があるだろう。彰護の願いはもはや果たすことができない。街の外から訪れた富豪たちの前で嬌態を晒すウィルマとグロリアを横目に、妖蛆の苛烈な責めによって衰弱するキャロルは残された最後の正気の中で、暗い水底に意識を沈める。

<灰とダイアモンドエンド>

(※2)
彰護とキャロルが出会ったのは、彼女が死にかけていた時だった。気がつけば街中に立っていた彼女の誕生から、時を置かず襲撃してきたサンディ。破壊欲を満たし姿を消したそれと入れ替わるように、組織員を皆殺しとした彰護はキャロルを奪いアジトへと戻る。サンディと敵対していたその女は、魔女に対抗する為に必要な駒と彰護の目に映った。自身が襲われた理由もわからぬまま、憎悪も悲観もなく、キャロルは彰護の為に戦うことを肯定していた。そこに理屈はない。自身でも説明がつかない、ただそうあるべきという透明な確信からだった。
魔力補給の為に、その日キャロルを抱いた彰護。武器を手入れするが如く無機質な彰護だが、キャロルは胸を熱くする何かを密かに感じていた。これが話に聞くような恋かはわからない。ただ、彰護に抱かれるだけで身体が溶けるような昂ぶりと、声や表情のふとした乱れを認める度に震えるような充足があった。
彰護はその表情の裏で、変わっていく自身を認めざるをえない。何も報いられない相手になぜここまで尽くすのかという問いに救われた命だからと返し、感謝の言葉にその必要はないというキャロル。そう、言葉では届かない。だからこそ彰護は思いを行動で示す。道具と使用者、機械の両輪。それは音を立てて崩れ、むき出しの人間となった彰護とキャロルは互いを初めて求めあう。
(回想エピソード)


敵の強襲を受けるアジト。だがやはりキャロルたちはサンディに敵わない。三人が連れ去られる中、彰護はブライアンと相対していた。自身の鏡像を破壊するように刃を激しく交わらせ倒れこむ二人だが、致命傷を負った彰護に対して妖蛆の再生力を持つブライアンが肉体の損壊で絶命することはない。だがブライアンは彰護に妖蛆の細胞を与え命を長らえさせる。かつて守ると誓った妻を自ら手にかけ外道に落ちた、許し難い自身。その写し身を自らの手で殺したブライアンは、生の理由を終え眠りにつく。
キャロルを取り戻す為に塔へと踏み込む彰護。その前に立ちはだかるサンディだが、もはや彰護に対抗できないことを彼女は知らない。世界変革への生け贄とされ魔女に作り変えられた26人の少女は、妖蛆の元となった五千人の犯罪者への恐怖を魂に刻まれている。この7年間同胞を殺し続けた最強の魔女であろうと、それは例外ではない。かつて死の瞬間まで少女たちへの祈りをやめなかった聖女、サンディはそうして二度目の、安息となる死を迎える。
呪法の加護なき身体を妖蛆に蝕まれ、それでも彰護は脳裏に映る彼女を求めて這い進む。その行く手を遮るのは黒人の大男だった。僭神の司祭、至門がまるで無抵抗に自身の鉄槌に下ったのは不可解だったが、どうあれ福音書を回収したヴァレンティノスの次なる目的は彰護にあった。神に背く異形を粉砕すべく奇跡を鉄拳に宿らせる神罰の執行者だが、次の瞬間目に映った修道女の姿はその狂信をも動揺させる。それは彰護が首を断ってきた魔女、少女たちの魂だった。信仰に曇りないサンディの目に慄きながら拳を振るうヴァレンティノス。だが信仰に生きる男に、十字架を打ち抜くことはついにできなかった。
その頃、処分されようとしていたグロリアの首をその苦痛ごと断ち、それまでとは違う決意を表情に、何も知らぬ街の魔女たちの元へと向かおうとしていたアリソン。それを見送る一つの人影があった。彰護のかつての上司であり、あの事件を境に警察を退いていた飯河信勇は、その戦いに身を投じる決意でこの塔にいた。その最上階で見たものは、この世のものと思えぬおぞましい怪物が美しい魔女を食らう凄惨な光景だった。拳銃弾を使い果たし、階下で黒人の男から託されていた銃弾をとっさに放つ飯河。崩れる外皮の下から現れたものに飯河は驚愕しながら駆け寄る。

最後の欠片が成ったことを確信する無名の魔女は、彰護に取り込まれたキャロルの魂を吸い上げる。だがそこに絶望はなく、そして自身が創り上げたものではない存在を感知した魔女は声を荒げた。それはキャロルとなった少女、あの時彰護の腕の中で息絶えた歌音邑瞳子という名を持った魂だった。あの時確かに聞こえた怨嗟の声、それは彼女を助けられなかった彰護の心の声であり、助けを求め続けた瞳子はあの地獄の中でたった一つ限り見た人間の温もりに救われていた。魂が一つとなり、瞳子は時を越えそれをようやく伝えることが出来た。

Maggot baits3

激高しキャロルの魂を圧壊すべく溜め込んだ絶望を放出する無名の魔女。だがそれを阻むように現れたのはヴァレンティノスに殺されたはずの至門、その魂だった。50年前に拾われ、悪徳の司祭という役目をあてがわれた、だが彼女からはそれ以外の一切を求められなかった孤児。肉体を捨て魂を同化させ、永遠に想い人の側にいたいというその一心は妄念という他ない。至門の魂という不純物が直接植え付けられたことで、無名の魔女が練り上げた魔法術式は齟齬をきたし、神体ともいえる精神体はその空間ごと深淵へと沈んでいく。そして二人にも別れの時がきた。無名の魔女が吸い上げる際に再構成した器には彰護とキャロルの魂が二つ。彰護はキャロルを現実へと戻す為に自らの意識を閉ざしていく。

幼い容貌の魔女に率いられ、世界平和などと叫びながら紛争地域のあらゆる軍事的勢力を撲滅する、国家なき軍事力にして抑止力ともいえる存在に各国政府が苦慮していた頃。邪法の帳が消えたその街は再び架上市と呼ばれるようになっていた。世界が変わろうと人々の営みは変わらずそこにある。
彼女は義父となった飯河と共にその街を訪れていた。そこには二人にとって掛け替えのない男の記憶を刻む碑がある。戦いは終わった。故人へ挨拶を終えた彼女は澄んだ青の果てを見上げる。
不条理で残酷な、完全とは程遠い愛のない世界の中で、だが彼女は確かにその存在を確信している。この腕にある鼓動によって。男から女へ、母から子へ。誰かから誰かへと受け継がれる思いは、バースデイキャロルの歌に乗って風に運ばれていく。

Maggot baits4



<プレイ時間>
モンキーハウスへようこそエンド5時間5分、血の収穫エンド10時間16分、灰とダイアモンドエンド6時間20分。計21時間41分。
スタッフコメント34分。総計22時間15分。

<グラフィッカー情報・敬称略>
PONSUKE(グラフィックチーフ)、たくろう(グラフィックチーフ)、はましま薫夫(グラフィックチーフ・原画)、紅月鋼鉄、あつお、今村晋一、うきひと、大原、株式会社天沼矛、株式会社XERO、神代ゆうき、香野退、Shokora、鈴城文也、スダヲカユ、スタジオペールアクア、せんや、のりざね、花笠ミヅキ、パピヨン@榎、びよ。、Future-hands、Masa


<あとがき・2015/12/21>
絵も文章も音楽もボイスもシステムも演出も、というエロゲがゲームとして求めるもの全てに応えようとする時のクロックアップは、やはりプレイしてて楽しいものです。

・CG+エロ
同じダークはましま作だったフラテルニテとは違い、イベントCGの担当は全てはましま氏で統一されています。持ち上げたケツがでかく映えるはましま原画。フラテルニテでは少しリアル寄り…とでもいいますか、顔の描き方がなんか濃かったですが、今回は昔の絵、ユーフォリアやえろげー!の時期の丸い描き方に戻ってきているような気がしました。病的なほどに白い肌に夜の暗さの中で行われる行為がよく映える。自分にとってはアヘ顔が抜ける貴重な原画家さん。
ゴア要素はかなり激しく、CG数的にはユーフォリアの6-7倍、フラテルニテの2-3倍はあると思います。内訳は純愛5%、レ○プ30%、性行為のついでに殴ったり刺したり30-35%、肉体損壊のみを目的としたもの30-35%といった感じでしょうか。
内容もエグく手管では、切断・刺突・ねじ切り・身体内部からの破裂断裂・拷問具を使った責め等多岐に及びます。部位は身体の全身に及び、頭部・眼球・耳・鼻・乳房・腹部・性器・両手足と、血を見ないところはほとんどありません。モザイクは半々で、かかっているものもあれば切断面や皮下組織や臓器が丸見えのCGもあり、あまり統一された基準はありませんでした。
なので創作・作り物のグロなら、洋画のスプラッターもの程度なら大丈夫というくらいの人でも、ものによってはきつい場面もあるかもしれません。瞳子視点でのあのシーンだけはさすがに気分が悪くなった。

・シナリオ
このマゴットベイツはユーフォリアと同じ手法を用いて、似た別のものを目指したゲームのように思いました。
まずは性描写と暴力描写をシナリオの土台におき、ストーリーを進める上で不可分のものとした点。ユーフォリアは、主人公に真意を悟らせないよう悪態をつき憎悪を煽り続ける必要があった為に、暴力描写が自然にエスカレートしていくという流れがありました。対してマゴットベイツは苦痛から生まれるエネルギーが必要ということで、過激さを増していく拘束力は弱いですがそれ自体に暴力描写への強い必要性と連続性が含ませられています。
その上でどちらも同じく、痛みの果てにどこか希望をもたせつつ終わる二本の作品。ただマゴットベイツにかんしては、感謝や幼心から始まり引き離された時間がそれを育てた合歓の恋慕や親愛といったそれよりは博愛、人間愛に近いものを感じました。友情の延長線上というか。瞳子がいたからではなく共に戦う中で培ってきた、生きて死ぬという思い自体が恋というよりは信頼に近いものに思えました。命を助けられたキャロルと救われた瞳子。どちらも基点は同じということがどうしても、キャロル自身の重みを損なっているように感じてなりません。この思いは例えようがないと常々言っていたキャロルですので、回想エピソードからサンディに捕らえられるまでに、彼女自身の意識に何かを芽吹かせるような、明確な変化をもたらすような出来事がほしかったところです。
どちらのゲームにも共通するものは、暴力描写がその惨さを増せば増すほど、それに折れず屈さなかったものが、最終的に尊く映る。白いものを引き立てる為の黒さ。そんなところでしょうか。


立ち絵を除く基本CG数101(内純粋拷問を含めたエロCG数61)、回想数56。
エロ1CGあたりの尺は1分(ウィルマ・グロリア出産)から26分半(グロリア・ウィルマ・キャロル前後責め)。平均14分半。
永続ループBGVあり(台詞ボイス永久ループ機能あり)、永続ループBGエロSEあり、尻モザなし、淫語P音修正なし。
特殊システム(アヘ顔オンオフ、グロ緩和モード、台詞登録常時再生モード、オート時メッセージウィンドウ自動消去、鑑賞モードBGV再生可)

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