C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
少女アクティビティ (pure more)
2015/5/29
©pure more
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:4024字)
<ストーリー>
セックスがしてみたい。渋谷健流は、今まで泣いていた幼馴染の神南彩夏にそう告げられる。二人は恋人ではない。もちろん長年付き添った幼馴染への好意はある。だからこそ意味も理由もわからないまま、彼女の一度きりをまるで厄介事のような扱いに貶めることは憚られた。だが健流は、聞く耳を持たずのしかかる彩夏を突き飛ばすことができない。学年一の優等生である彩夏は、学園から日陰者と認識される健流が、手を上げることは決してないとわかっていた。そして翌日、冗談とも本気ともつかぬおどけぶりの彩夏に振り回され、気疲れを感じながら街を歩く健流は、同じ英朋学園の制服を着込んだ少女に絡みつかれる。ともすればあまりに軽く捉えがちな言葉。だが裏腹にその表情は、悲痛ささえ感じさせるものだった。
瞳と名乗った彼女をどうにかなだめすかし帰宅させた健流は翌日、転入生としてのクラスメイト、宮益瞳と再会する。何かと健流の袖を引き上目遣いに見上げてくる、外国の血が入りどこか浮世離れした瞳に困惑するしかない。そんな瞳が放課後の校舎に、自身が奴隷とスプレーで書き殴る現場に出くわした健流。健流のバイクで学園を後にした瞳は、自身が何故生まれてきたのかと言い残し、走行中の後部座席から飛び降りる。それは健流の機転によってすんでのところで事なきを得た。
アパートで一夜を明かした後は平静を取り戻した瞳。健流にとって彼女はつかみ所のない、だが目を離せない存在となっていく。一方で身体だけでも構わないという、彩夏との関係は依然として続いていた。彼女を拒めない理由がその不本意な交わりを肯定する。葛藤する健流はそして、空き教室での秘め事を瞳に目撃されてしまう。後退るその身体は彩夏によって押しとどめられた。そのまま彩夏は瞳の身体に手を這わせる。瞳を責める彩夏のその目。熱に浮かされながらどこか底冷えのする。同級生の身体の具合を認めた彩夏は健流を促し、瞳もまたそれを望んだ。そうして健流は不本意に不本意を重ねて、瞳の初めてを奪うことになった。自分たちの平穏を壊した、「あの男」の手先になど負けない。彩夏は瞳に囁く。
ほどなくして、いけ好かない音楽教師の佐竹義雄から雑務を任された健流と彩夏。かつて住んでいた、今は懐かしく苦い街へと久しぶりに降り立ち、頼まれごとを済ませた二人はその帰路、不良たちに囲まれる。啖呵中の一人を一瞬で制圧した健流だが、彩夏を人質にとられてはどうにもならない。依頼だが事故があっても構わないと口走る不良にバットで殴打され意識を失う健流。気がつけばそこは病院のベッドの上だった。近場からの通報で助かったという彩夏だが、何かを知る素振りながら、それを口にしない。健流は薄れる意識の中、彩夏の隣で自身の名を叫んでいたはずの、瞳の元を訪れる。偶然出くわすには不自然と迫られた瞳は、健流と神南姉妹についても含め、全てを知っていたと答える。そして続く言葉は、愛する健流を守りたいというものだった。
好意を飾らず口にする瞳と、それに不愉快げな、だが葛藤するしかないような彩夏。水と油の間での板挟み。そんな中突然、授業中にもかかわらず彩夏が教室を飛び出す。追いかけた健流に、彩夏は悲痛な表情でセックスを望む。何の意味もないその行為に、この関係への疑問を重ねて問う健流。健流のことが、そう叫ぶ彩夏の、結びの言葉は続かない。健流が好きだったのは姉であって自身ではない。楔が彩夏を苛み続ける。健流もまた、走り去る背にどんな声をかければよかったのか、わかっていなかった。そんな健流を抱き寄せる瞳。苛立ちも寂しさも受け止めるという瞳に、健流はその衝動をぶつける。暴力的なセックスに涙を滲ませながらも、慰めの役を果たせたと笑う瞳は、そのまま健流のアパートに留まり始めた。だが二人の前に現れた彩夏は、どちらの身体がより好ましいか健流に迫る。瞳もまたその答えを望み、健流は横たわった二つの、若さに満ちた瑞々しい肢体に向かいあう。
<彩夏ルート>
最後まで身体の繋がりを得て、初めて健流から求められた彩夏は、恋人にしてほしいと願う。健流は彩夏を決して拒まない。だが恋をただ恋とするには、二人の間に横たわるものは重く、新たな関係はいかにもぎこちない。そしてそれはそんな中起きた。朝の教室に貼りだされていた男と女が交わる写真と、彩夏の姉・美夏は淫売という殴り書き。それは冒涜だった。色を失い走り去る彩夏を追い、健流は屋上に踏み入る。それはいつかの光景と重なった。
幼馴染の重荷になることも、消えない過去も、やり場のない怒りにも、全てに疲れた彩夏。そんな彼女に健流は一緒に死んでやると言い放つ。彩夏は近しい人の死など決して望まない。自らの命で彩夏を縛った健流だが、あの日心に決めた彼女を守るという誓いと、言うがままに全てを受け入れた行為、それが一人の人間としてではなく何かの象徴のような扱いであったことを、この屋上の光景から悟っていた。それを詫びた健流は、泣き崩れる彩夏の、その手を掴んだ。だがその瞬間、フェンス越しの人垣から伸びる手が、健流の背を押す。
夢を見ていた。二年前。いつもつるんでいた、健流と神南姉妹、そして仲間たち。そんな中で美夏の付き合いが悪くなった理由が、一回りも上の恋人にあることを、健流は知る。初恋の人の常識から外れた恋路に、健流はそれとなく翻意を促す。だが美夏の意志は固く、健流はその日失恋を経験した。自身も振られたのだという彩夏に恋人にならないかと問われ、それを優しい慰めととった健流。笑いあう二人だがその温もりは、美夏が輪姦されているという報せに塗り潰される。その三日後、美夏は屋上から飛び降り命を絶った。
植木の上に落ちたことで、抱きかかえた彩夏と共にどうにか生還した健流。そして彩夏は後日、語り始める。彼女が泣いていた、処女を捨てることになったあの日、男たちに美夏を襲わせ自殺に追い込んだ男に、姉の代わりになれと告げられていた彩夏。仇を求めて這いずり回り、犯人たちを半殺しにしたことで街から追われた健流は知る由もなかったが、彩夏はあの日現場から逃げていく恋人を見ていたのだという。かつて彩夏も恋した男の、姉と自身への裏切りに対する怒りと、セックスに対する疑問が、あの日彼女をあのような行動に走らせた。そして彩夏は真犯人である、その名を告げる。
教師の佐竹の前に立った健流。その手には、美夏がその日記に挟んでいた、佐竹にとってはこの世にあってはならない、破り捨てたはずの家族写真があった。佐竹は大物政治家の私生児であり、醜聞を恐れる父親はその存在を疎みながらも、隠し子の犯罪を保身の為に隠蔽していた。身の破滅をちらつかされ、美夏を凌辱させたことが愛情表現と開き直る佐竹。倒錯した性癖、そしてそうしてなお自身は愛されるべきという身勝手さに、健流の忍耐は失われる。復讐者を前に親の力を頼り、それが通じないとみるや相手が誰かも忘れ命乞いに走る、その矮小な姿。再び手を汚すことを彩夏に制止された健流は、日記の最後を言葉にして立ち去る。辛い生い立ちにあるのだろう佐竹を今でも思っていること。それでも佐竹からの、そして自身の愛という感情が信じられなくなった。愛を求めて愛を失った、佐竹から返される言葉はない。
それから一年後。瞳がマスコミに送った写真は世間を賑わせ、佐竹は学園を去った。同姓同名の人物の自殺という小さな記事が新聞にひっそりと載せられることもあったが、それが本人かは定かではない。そして健流と彩夏は、校内暴行の事実を恐れる学園の「配慮」によって、東北の姉妹校へと再度の転学を余儀なくされていた。だが何を脅かすこともない平穏なその土地は、二人を優しく包んでいる。その田園風景の中で二人は、再びここから続けていく。本当の恋人たちとして。
<瞳ルート>
甲斐甲斐しく尽くす瞳との生活は健流に変化をもたらしていた。どうしてか自宅に戻りたがらない瞳がアパートに留まることを認めるほどには。そんなある日、再びあの不良たちに襲われ瞳を逃した健流だが、その日以来彼女との連絡が途絶えてしまう。いいようのない焦燥感。見かねた彩夏から伝えられたその住所に足を運んだ健流はそこで、あの不良たちが瞳を連れ去ろうとしている現場に出くわす。バイクで追跡し高速道を走行する車に飛び乗るというまるでアクション映画のような、だが紛うことなき現実にあって、救われた喜びよりも命を顧みない健流の行動に初めての怒りを見せる瞳。その行動の理由は明らかだった。健流は先延ばしにし続けた彼女への答えを出す。あの焦れたような気持ちが恋であることを。
彩夏の時とは違い身も心も繋がる感覚に満たされる日々。だがそれは一枚の書き置きによって唐突に終わりを迎える。夢の様な日々を重ねられた相手だからこそ、これ以上は巻き込むことができないと残し、姿を消した瞳。厚顔無恥な強要を口にした佐竹とその翌日健流の前に現れた瞳、二人の繋がりを確信する彩夏は、美夏の日記と共に一枚の家族写真を託す。
利権を狙いとある社長夫妻を破産させ、借金の抵当としてその娘の瞳を詐取した悪徳市議。写真を突き付けられ、自らも彩夏と健流の間を裂く意図で瞳を利用していた佐竹は、そう父をなじる。日記の存在を知り自棄となった佐竹から聞き出した住所へと向かった健流は、その写真を瞳に託す。自らの意志を示す初めての機会を与えられた瞳は、定めに縛られた人形であることを放棄し、汚い大人の体現であるようなその男を拒絶してみせた。
あるべきところへと帰った二人はその抱擁から、今確かに腕の中にある温もりを確かめあう。そこに互いの意志はなかった、あの日の出会い。あの時の言葉を瞳は今再び繰り返す。それは彼女自身から発芽した確かな感情として。あの日始まった二人の恋はここに結ばれ、そして二人の未来はここから始まる。
<プレイ時間>
彩夏ルート(初回プレイ)10時間29分、瞳ルート(瞳裸エプロンイベントから)3時間59分、彩夏・瞳ハーレムイベント24分。計14時間52分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
南浜よりこ(兼原画)、おりーぶ
<あとがき・2015/6/28>
・CG
素晴らしいです。なんというんでしょうか、優越感をくすぐる構図が多いです。跪かせたフェラとか、顔を伏せさせて上から見下ろすような後背位とか。それを夕陽の光やラブホテルの照明など、柔らかくにじんだ暖色の橙の塗りが飾っています。昼間でも陽射しと影、それにかかる肌のコントラスト差がとても淫靡。素晴らしい塗りです。これ前作の契約彼女と同じ塗りなんですが、グラフィッカースタッフで共通してるのが南浜氏しかいないということで、多分南浜氏本人の塗り方なんですね。puremoreよりMore本家の方のメイン原画だと思ってました。puremoreのゲーム全て、これからもグラフィック監修してほしいです。
・エロ
恋や愛が語られれば全てが美しく画一的に丸く収まる、そういうゲームではありません。それは寂しさだったり依存だったり、惰性だったり刹那的なものだったり。全体的に退廃的で耽美で倦んだ雰囲気が漂う、全く健全ではない、けれども何かに真摯であろうともがくような、若い男女らしいセックス模様でした。
そして何より素晴らしいのがミドルプライスで72/53と、根幹要素であるエロイベントに数的な妥協がないこと。これは前作から変わりありません。
・ストーリー
両ヒロインルートが今作のトゥルーエンドにあたるもの、選べないということが選択と思っていたので、そういう意味では残念でした。彩夏は当然として、瞳も時に彩夏以上に主人公を理解しその拠り所となっていた以上、二人のいずれかが選ばれないということの方が不自然なように思えました。その点、前作の契約彼女はソロヒロインという面で無難でした。
・シナリオ
puremoreが作るエロゲは、肉体関係がまず最初にありきで、そこから始まる主人公とヒロインの、男と女の感情のやりとりそれ自体がストーリーを構築する、そんなもののように思います。日常生活の描写そのものや、初めに提示される特別な客観的イベントを目指して人物を含めた全体が推移していく、そういったキャラクターの外側を取り巻く世界にスポットライトを当てたものではありません。世界が広がっていく話ではなく、二人もしくは三人の世界があってそれが狭く深く集束していく。主人公とヒロインを囲んだ線の内側だけで終始完結しているので、物凄くスケールが狭いんですね。
そんなpuremoreはここ数年で現れた新規メーカーの中ではオメガスター、rootnukoと並んで一番好きです。CGとエロ、シナリオとストーリー、音楽、演出やシステム、ボリュームと価格、ゲームとしてのエロゲであることのおよそ全てにおいて。
基本CG数72(内エロCG数53)、回想数23。
永続ループBGVあり、永続ループBGエロSEなし、尻モザなし、淫語修正なし。
エロ1CGあたりの尺は4分(瞳公園内手マン)から17分(彩夏・瞳3P自宅交互挿入)。平均8分。
特殊システム(既読全テキストログ読み込み可能バックログ・シナリオ過去ジャンプ機能)
2015/5/29
©pure more
(注意)
ゲームのコンセプト上予備知識を得た上でプレイされた場合、娯楽性を大きく損ないます。
プレイ予定の方は閲覧を避けて頂くよう、強く推奨いたします。
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(ストーリーテキスト:4024字)
<ストーリー>
セックスがしてみたい。渋谷健流は、今まで泣いていた幼馴染の神南彩夏にそう告げられる。二人は恋人ではない。もちろん長年付き添った幼馴染への好意はある。だからこそ意味も理由もわからないまま、彼女の一度きりをまるで厄介事のような扱いに貶めることは憚られた。だが健流は、聞く耳を持たずのしかかる彩夏を突き飛ばすことができない。学年一の優等生である彩夏は、学園から日陰者と認識される健流が、手を上げることは決してないとわかっていた。そして翌日、冗談とも本気ともつかぬおどけぶりの彩夏に振り回され、気疲れを感じながら街を歩く健流は、同じ英朋学園の制服を着込んだ少女に絡みつかれる。ともすればあまりに軽く捉えがちな言葉。だが裏腹にその表情は、悲痛ささえ感じさせるものだった。
瞳と名乗った彼女をどうにかなだめすかし帰宅させた健流は翌日、転入生としてのクラスメイト、宮益瞳と再会する。何かと健流の袖を引き上目遣いに見上げてくる、外国の血が入りどこか浮世離れした瞳に困惑するしかない。そんな瞳が放課後の校舎に、自身が奴隷とスプレーで書き殴る現場に出くわした健流。健流のバイクで学園を後にした瞳は、自身が何故生まれてきたのかと言い残し、走行中の後部座席から飛び降りる。それは健流の機転によってすんでのところで事なきを得た。
アパートで一夜を明かした後は平静を取り戻した瞳。健流にとって彼女はつかみ所のない、だが目を離せない存在となっていく。一方で身体だけでも構わないという、彩夏との関係は依然として続いていた。彼女を拒めない理由がその不本意な交わりを肯定する。葛藤する健流はそして、空き教室での秘め事を瞳に目撃されてしまう。後退るその身体は彩夏によって押しとどめられた。そのまま彩夏は瞳の身体に手を這わせる。瞳を責める彩夏のその目。熱に浮かされながらどこか底冷えのする。同級生の身体の具合を認めた彩夏は健流を促し、瞳もまたそれを望んだ。そうして健流は不本意に不本意を重ねて、瞳の初めてを奪うことになった。自分たちの平穏を壊した、「あの男」の手先になど負けない。彩夏は瞳に囁く。
ほどなくして、いけ好かない音楽教師の佐竹義雄から雑務を任された健流と彩夏。かつて住んでいた、今は懐かしく苦い街へと久しぶりに降り立ち、頼まれごとを済ませた二人はその帰路、不良たちに囲まれる。啖呵中の一人を一瞬で制圧した健流だが、彩夏を人質にとられてはどうにもならない。依頼だが事故があっても構わないと口走る不良にバットで殴打され意識を失う健流。気がつけばそこは病院のベッドの上だった。近場からの通報で助かったという彩夏だが、何かを知る素振りながら、それを口にしない。健流は薄れる意識の中、彩夏の隣で自身の名を叫んでいたはずの、瞳の元を訪れる。偶然出くわすには不自然と迫られた瞳は、健流と神南姉妹についても含め、全てを知っていたと答える。そして続く言葉は、愛する健流を守りたいというものだった。
好意を飾らず口にする瞳と、それに不愉快げな、だが葛藤するしかないような彩夏。水と油の間での板挟み。そんな中突然、授業中にもかかわらず彩夏が教室を飛び出す。追いかけた健流に、彩夏は悲痛な表情でセックスを望む。何の意味もないその行為に、この関係への疑問を重ねて問う健流。健流のことが、そう叫ぶ彩夏の、結びの言葉は続かない。健流が好きだったのは姉であって自身ではない。楔が彩夏を苛み続ける。健流もまた、走り去る背にどんな声をかければよかったのか、わかっていなかった。そんな健流を抱き寄せる瞳。苛立ちも寂しさも受け止めるという瞳に、健流はその衝動をぶつける。暴力的なセックスに涙を滲ませながらも、慰めの役を果たせたと笑う瞳は、そのまま健流のアパートに留まり始めた。だが二人の前に現れた彩夏は、どちらの身体がより好ましいか健流に迫る。瞳もまたその答えを望み、健流は横たわった二つの、若さに満ちた瑞々しい肢体に向かいあう。
<彩夏ルート>
最後まで身体の繋がりを得て、初めて健流から求められた彩夏は、恋人にしてほしいと願う。健流は彩夏を決して拒まない。だが恋をただ恋とするには、二人の間に横たわるものは重く、新たな関係はいかにもぎこちない。そしてそれはそんな中起きた。朝の教室に貼りだされていた男と女が交わる写真と、彩夏の姉・美夏は淫売という殴り書き。それは冒涜だった。色を失い走り去る彩夏を追い、健流は屋上に踏み入る。それはいつかの光景と重なった。
幼馴染の重荷になることも、消えない過去も、やり場のない怒りにも、全てに疲れた彩夏。そんな彼女に健流は一緒に死んでやると言い放つ。彩夏は近しい人の死など決して望まない。自らの命で彩夏を縛った健流だが、あの日心に決めた彼女を守るという誓いと、言うがままに全てを受け入れた行為、それが一人の人間としてではなく何かの象徴のような扱いであったことを、この屋上の光景から悟っていた。それを詫びた健流は、泣き崩れる彩夏の、その手を掴んだ。だがその瞬間、フェンス越しの人垣から伸びる手が、健流の背を押す。
夢を見ていた。二年前。いつもつるんでいた、健流と神南姉妹、そして仲間たち。そんな中で美夏の付き合いが悪くなった理由が、一回りも上の恋人にあることを、健流は知る。初恋の人の常識から外れた恋路に、健流はそれとなく翻意を促す。だが美夏の意志は固く、健流はその日失恋を経験した。自身も振られたのだという彩夏に恋人にならないかと問われ、それを優しい慰めととった健流。笑いあう二人だがその温もりは、美夏が輪姦されているという報せに塗り潰される。その三日後、美夏は屋上から飛び降り命を絶った。
植木の上に落ちたことで、抱きかかえた彩夏と共にどうにか生還した健流。そして彩夏は後日、語り始める。彼女が泣いていた、処女を捨てることになったあの日、男たちに美夏を襲わせ自殺に追い込んだ男に、姉の代わりになれと告げられていた彩夏。仇を求めて這いずり回り、犯人たちを半殺しにしたことで街から追われた健流は知る由もなかったが、彩夏はあの日現場から逃げていく恋人を見ていたのだという。かつて彩夏も恋した男の、姉と自身への裏切りに対する怒りと、セックスに対する疑問が、あの日彼女をあのような行動に走らせた。そして彩夏は真犯人である、その名を告げる。
教師の佐竹の前に立った健流。その手には、美夏がその日記に挟んでいた、佐竹にとってはこの世にあってはならない、破り捨てたはずの家族写真があった。佐竹は大物政治家の私生児であり、醜聞を恐れる父親はその存在を疎みながらも、隠し子の犯罪を保身の為に隠蔽していた。身の破滅をちらつかされ、美夏を凌辱させたことが愛情表現と開き直る佐竹。倒錯した性癖、そしてそうしてなお自身は愛されるべきという身勝手さに、健流の忍耐は失われる。復讐者を前に親の力を頼り、それが通じないとみるや相手が誰かも忘れ命乞いに走る、その矮小な姿。再び手を汚すことを彩夏に制止された健流は、日記の最後を言葉にして立ち去る。辛い生い立ちにあるのだろう佐竹を今でも思っていること。それでも佐竹からの、そして自身の愛という感情が信じられなくなった。愛を求めて愛を失った、佐竹から返される言葉はない。
それから一年後。瞳がマスコミに送った写真は世間を賑わせ、佐竹は学園を去った。同姓同名の人物の自殺という小さな記事が新聞にひっそりと載せられることもあったが、それが本人かは定かではない。そして健流と彩夏は、校内暴行の事実を恐れる学園の「配慮」によって、東北の姉妹校へと再度の転学を余儀なくされていた。だが何を脅かすこともない平穏なその土地は、二人を優しく包んでいる。その田園風景の中で二人は、再びここから続けていく。本当の恋人たちとして。
<瞳ルート>
甲斐甲斐しく尽くす瞳との生活は健流に変化をもたらしていた。どうしてか自宅に戻りたがらない瞳がアパートに留まることを認めるほどには。そんなある日、再びあの不良たちに襲われ瞳を逃した健流だが、その日以来彼女との連絡が途絶えてしまう。いいようのない焦燥感。見かねた彩夏から伝えられたその住所に足を運んだ健流はそこで、あの不良たちが瞳を連れ去ろうとしている現場に出くわす。バイクで追跡し高速道を走行する車に飛び乗るというまるでアクション映画のような、だが紛うことなき現実にあって、救われた喜びよりも命を顧みない健流の行動に初めての怒りを見せる瞳。その行動の理由は明らかだった。健流は先延ばしにし続けた彼女への答えを出す。あの焦れたような気持ちが恋であることを。
彩夏の時とは違い身も心も繋がる感覚に満たされる日々。だがそれは一枚の書き置きによって唐突に終わりを迎える。夢の様な日々を重ねられた相手だからこそ、これ以上は巻き込むことができないと残し、姿を消した瞳。厚顔無恥な強要を口にした佐竹とその翌日健流の前に現れた瞳、二人の繋がりを確信する彩夏は、美夏の日記と共に一枚の家族写真を託す。
利権を狙いとある社長夫妻を破産させ、借金の抵当としてその娘の瞳を詐取した悪徳市議。写真を突き付けられ、自らも彩夏と健流の間を裂く意図で瞳を利用していた佐竹は、そう父をなじる。日記の存在を知り自棄となった佐竹から聞き出した住所へと向かった健流は、その写真を瞳に託す。自らの意志を示す初めての機会を与えられた瞳は、定めに縛られた人形であることを放棄し、汚い大人の体現であるようなその男を拒絶してみせた。
あるべきところへと帰った二人はその抱擁から、今確かに腕の中にある温もりを確かめあう。そこに互いの意志はなかった、あの日の出会い。あの時の言葉を瞳は今再び繰り返す。それは彼女自身から発芽した確かな感情として。あの日始まった二人の恋はここに結ばれ、そして二人の未来はここから始まる。
<プレイ時間>
彩夏ルート(初回プレイ)10時間29分、瞳ルート(瞳裸エプロンイベントから)3時間59分、彩夏・瞳ハーレムイベント24分。計14時間52分。
<グラフィッカー情報・敬称略>
南浜よりこ(兼原画)、おりーぶ
<あとがき・2015/6/28>
・CG
素晴らしいです。なんというんでしょうか、優越感をくすぐる構図が多いです。跪かせたフェラとか、顔を伏せさせて上から見下ろすような後背位とか。それを夕陽の光やラブホテルの照明など、柔らかくにじんだ暖色の橙の塗りが飾っています。昼間でも陽射しと影、それにかかる肌のコントラスト差がとても淫靡。素晴らしい塗りです。これ前作の契約彼女と同じ塗りなんですが、グラフィッカースタッフで共通してるのが南浜氏しかいないということで、多分南浜氏本人の塗り方なんですね。puremoreよりMore本家の方のメイン原画だと思ってました。puremoreのゲーム全て、これからもグラフィック監修してほしいです。
・エロ
恋や愛が語られれば全てが美しく画一的に丸く収まる、そういうゲームではありません。それは寂しさだったり依存だったり、惰性だったり刹那的なものだったり。全体的に退廃的で耽美で倦んだ雰囲気が漂う、全く健全ではない、けれども何かに真摯であろうともがくような、若い男女らしいセックス模様でした。
そして何より素晴らしいのがミドルプライスで72/53と、根幹要素であるエロイベントに数的な妥協がないこと。これは前作から変わりありません。
・ストーリー
両ヒロインルートが今作のトゥルーエンドにあたるもの、選べないということが選択と思っていたので、そういう意味では残念でした。彩夏は当然として、瞳も時に彩夏以上に主人公を理解しその拠り所となっていた以上、二人のいずれかが選ばれないということの方が不自然なように思えました。その点、前作の契約彼女はソロヒロインという面で無難でした。
・シナリオ
puremoreが作るエロゲは、肉体関係がまず最初にありきで、そこから始まる主人公とヒロインの、男と女の感情のやりとりそれ自体がストーリーを構築する、そんなもののように思います。日常生活の描写そのものや、初めに提示される特別な客観的イベントを目指して人物を含めた全体が推移していく、そういったキャラクターの外側を取り巻く世界にスポットライトを当てたものではありません。世界が広がっていく話ではなく、二人もしくは三人の世界があってそれが狭く深く集束していく。主人公とヒロインを囲んだ線の内側だけで終始完結しているので、物凄くスケールが狭いんですね。
そんなpuremoreはここ数年で現れた新規メーカーの中ではオメガスター、rootnukoと並んで一番好きです。CGとエロ、シナリオとストーリー、音楽、演出やシステム、ボリュームと価格、ゲームとしてのエロゲであることのおよそ全てにおいて。
基本CG数72(内エロCG数53)、回想数23。
永続ループBGVあり、永続ループBGエロSEなし、尻モザなし、淫語修正なし。
エロ1CGあたりの尺は4分(瞳公園内手マン)から17分(彩夏・瞳3P自宅交互挿入)。平均8分。
特殊システム(既読全テキストログ読み込み可能バックログ・シナリオ過去ジャンプ機能)
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