C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
はぷにんぐJOURNEY (Euphony Production/Assemblage)
1998/2/20
©Euphony Production/Assemblage
(ストーリーテキスト:4267字)
<登場人物>
<七瀬夕季>
主人公とは物心がついた頃から隣にいる幼馴染で、クラス委員も務める優等生。主人公をちゃんづけで呼ぶ唯一の人間で、朝は毎日主人公の家に迎えに来ている。優等生だが、のんびりとした性格。美紀とは親友の関係。
<清水美紀>
主人公と同じテニス部所属でダブルスを組む相方。見た目通り活発な性格で、主人公に対しても遠慮のない態度。進学をきっかけにして、テニス部部長の姉のようになりたいと文化系から運動系の部活を始めた。その日廊下でぶつかったハプニングから、主人公との関係も始まる。
<新居和乃>
クラスでは控えめな存在だが、根は素直で優しい普通の娘。身体が弱く、麻衣と一緒にいることが多い。大人しさとその身体のことから、彼女がスキー旅行に参加を申し出た時は驚きをもって周囲に受け止められた。文芸部所属で放課後は図書室にいることがほとんど。
<小林麻衣>
奔放で大雑把な性格。だが面倒見はよく、身体の弱い和乃の側に寄り添いながらそれを厭うこともない。試験前になると立場を逆転させ、和乃に勉強を見てもらう微笑ましい光景も。
<深谷理香>
主人公のクラスの担任。その真摯な態度と大人びた美貌から、生徒から非常に人気が高い。恋愛にかんしては、他の教師のように抑圧するのではなく、節度あるものであればむしろ積極的であるべきというスタンス。自身も大学時代から付き合っている恋人がいるようだ。
<システム>
会話するヒロインを選択していくスタンダードな恋愛ADV。Windows7動作可。オールクリア含め完全動作。音源インストール不可、音源読み込み時間あり。
<ストーリー>
私立港の丘学園で変哲のない学生生活を送っていた甲斐正晴はその日、悪友の高木一己から声をかけられる。親戚の関係から入った、キャンセル旅行客の穴埋めに、冬休みに向けて格安のスキー旅行はどうかという話。正晴の幼馴染の七瀬夕季に声をかける代わりに、一己が想いを寄せる清水美紀を誘って欲しいという提案だった。
当初は四人の予定が、話を聞きつけたクラスメイトの小林麻衣と新居和乃、そして担任教師の深谷理香が引率として同行を願い出た結果、二泊三日の北海道旅行は七人の大所帯となる。数週間後のクリスマスを経て控える冬休みに、正晴はいつにない昂ぶりを感じながら、二年の二学期末を過ごすのだった。
<和乃ルート>
引っ込み思案で、クラスの中でも目立たない存在の和乃。そんな彼女がなぜか気にかかった正晴は放課後、和乃がいるであろう図書室に赴く。幾度か会話を交わす内に正晴は、時折見られるその笑顔に惹かれていく。それは近しい人間だけに見せる、彼女本来の表情だった。
そして正晴はある放課後の図書室で麻衣と、机で眠りこける和乃を目にする。冬休みの旅行の為に無理をおして期末試験を全てこなした和乃を、休ませたまま傍で見ていてほしいと麻衣に託された正晴。どこか嬉しげに眠る和乃が目を覚ましたその時、正晴は彼女から唐突な口づけを受ける。それは和乃にとって夢の続き、そして夢から醒めての狼狽となった。
クラスメイトが集まったクリスマスイブのパーティーを経て、ついに迎えた冬休み。北海道に降り立った一同は早速スキーへと繰り出す。お互いに初心者の正晴と和乃は麻衣たちから指導を受け、二日目にはぎこちなくも、二人きりでの滑走に挑む。だがそこで急に山の天気が荒れ出し、二人は避難を余儀なくされる。隣から伝わる温もりと励ましの声に、和乃は秘め続けていた思いの募りを抑えることができない。
二泊三日の日程を終え、地元へと戻った一同。空港のエントランスの中、決意を込めたような固い表情の和乃は夕季に向き合う。それはこれからを正晴と寄り添う為には、どうしても避けて通れない告白だった。自身の幼馴染としての役割が終わりを迎えたことを悟った夕季は、万感の思いを含ませ、二人を祝福する。
それから三ヶ月後。あれから和乃は、周囲に対して明るく親しみをもって接するようになった。それは正晴と触れ合うことで取り戻した、彼女本来の姿だった。その日も二人は、恋人となったその手を取り合う。絡ませた指と指は、春の日和のような温もりに包まれていた。
<理香ルート>
誰からも慕われる生徒思いの女教師。正晴は休日の昼下がり、街でそんな担任を見かける。学園での姿とは違い、どこか虚ろな表情の理香は危なげな足取りのまま、交差点に差し掛かろうとしていた。咄嗟にその手を引いた正晴は、生気を取り戻した理香に遊園地へと誘われる。楽しい時間の中にあって、表情を陰らせていた理由について問いただせないまま正晴は、夜を前にして別れるのだった。
その後も何か思い悩むかのように、塞ぎこんだ様子でいることが増えた理香。そしてクリスマスイブ、公園で独り佇む理香を、正晴は目にする。平素の彼女であれば決して口にしなかったであろう、酒場への誘い。寒さのせいだけではない赤みの差したその目元が、正晴に拒むことをためらわせた。バーのカウンターで正晴は、理香が恋人と別れていたことを知る。結婚をも考えていた彼は、恋人が家に入らず仕事を続けることを認めなかった。教職と教え子という自身が信じる正しさを選びながらも、飾り立てられたこの夜の温かさと冬の寒さは、孤独の中にある理香を酷く苛んでいた。人肌の温もりを求める理香を前に正晴は、教師と生徒の一線を越える。
そして正晴はスキー場で理香から指南を受ける中で、いよいよその思いを明確にしていく。地元へと戻り年始の予定話に花を咲かせる夕季たちに断りを入れて駆け出した正晴はバスターミナルへと急ぐ。一人きりの部屋で凍えるような寒さに震える姿。そんな想像を振り払うように駆けた正晴は、タクシーに乗っていた理香にその思いの丈を伝える。先生と呼ぶ子供と教師の恋愛が許されないのであれば、その愛しい名を正晴はこの先いつまでも呼び続ける。先生が、理香、に変わるように。呆気にとられた後は困ったように笑う彼女は差し出された手を中へと引きこみ、そしてタクシーは夜の帳の中をその自宅に向かって走りだした。
<美紀ルート>
正晴にとって美紀は夕季とはまた違う、最も近しい異性の友人だった。同じテニス部でダブルスを組む間柄ということもあり部活に期末試験と、賑やかな時を過ごしていた二人。それに変化が訪れたのはイブの夜を境としてだった。多少活発過ぎる嫌いがあるとはいえ浮いた話の一つもない美紀に発破をかけた正晴は、唐突なキスと告白を受ける。幼馴染同士での久しぶりの旅行という出来事に、焦燥を募らせていた美紀はこの一年秘め続けていた思いを吐露し、踵を返す。
そして迎えた冬休みと北海道旅行。初心者の正晴は周囲から教えを受けながら二日目には、美紀に中級者コースへと連れだされる。だが折り悪く、冬山の気まぐれさは吹雪となって二人を襲った。視界を奪われ、浅い谷へと落ちてしまった二人は、寒さの中で互いを温めあう。その動悸は友人には感じようのないほどの激しさと熱をもって、正晴の胸に迫った。
その夜、部屋を訪れ学園の思い出を語る美紀は不意に、来学期での転校という、正晴にとって思いもよらない話を打ち明ける。涙する美紀を前にして、その涙を拭ってやりたいという願いは、正晴の偽らざる思いだった。この二年を、初恋を、なかったものにしたくないと願う美紀は、自身への消えない傷を望む。
旅の終わり。正晴は美紀、そして夕季との家路についていた。隣を歩く夕季が語りかける。美紀を大切にしてほしいと。驚愕する二人は、部屋を通して漏れ響いたあの夜の声から、彼女が全てを悟っていることを知る。親友になら幼馴染を託せると笑い、何かを見せまいとするように駆け出す夕季。美紀は嗚咽の中に謝罪を繰り返し、正晴は長年付き添った彼女への思いに胸を痛めながら恋人の肩を支える。
それから半年。進級後の夏休みに正晴は、恋人の唐突な来訪に接していた。横着な母が郵便物を整理していなかったことに焦る正晴に、美紀は手紙ではなくその言葉で、抑えがたい希望を表す。卒業後の一人暮らしを両親に許されたのだという美紀。彼女が戻ってくる場所はたった一つ、その腕の中にしかない。
<麻衣ルート>
気安い男友達のような感覚で付き合っていたクラスメイトの麻衣。ある日正晴は街で、不良たちに絡まれる麻衣と和乃を目撃する。傍目からも分かる剣呑な雰囲気に、正晴の身体は無意識の内に動いていた。助けられたお礼という麻衣に休日の買い物へと誘われた正晴は、普段とは違う髪型で着飾った彼女の姿に、これまでになかった異性を感じ始める。
クリスマスに続けて、麻衣たちと過ごす冬休み。スキーを楽しみながら、雑貨屋を始めとしたリゾート施設を巡る二人の時間は、気のいい友人関係に過ぎなかった正晴と麻衣の距離を変えていく。そんな中で二日目の昼、二人は誤って上級コースでリフトを降りてしまう。初心者の正晴の為に迂回道に入った麻衣は、時間をかけて山を下ることで、安全を優先したはずだった。だが唐突な吹雪に巻き込まれ、雪中に立ち往生してしまった二人。普段は何事にも動じない麻衣が、その時だけはまるで別人のような弱々しさで正晴に縋る。子供の頃、吹雪の中で父親を見失い恐怖に震えた彼女が再び味わう、拭いがたいスキー場でのトラウマだった。だがその時とは違い、今その側には正晴がついていた。白い視界の中にあってその温もりが麻衣を繋ぎ止める。
その夜、正晴の部屋を訪れる麻衣。二度のハプニングに手を差し伸べた正晴の行動は麻衣の心境に、これまでの友人関係に収めておくには大きすぎる変化をもたらしていた。恋心の告白は彼女自身に、肉体での繋がりをも求めさせる。そして正晴もまた、知り得た麻衣の素顔にいつしか、特別の思いを抱いていた自身に気づく。
短いようで長い旅の終わり、帰ってきた空港で麻衣は自身と同じ恋をしているであろう三人に、この三日間の出来事を包み隠さず明かし向き合う。それは彼女にとっての流儀だった。絶対に負けられない、女の戦いへの。
後日、先んじて踏み出すことになった麻衣はその幸運を噛み締めながら、愛しい腕の中でまどろみに浸る。
<夕季ルート>
物心がついた頃にはすでに隣にいた幼馴染の夕季。姉に手を引かれるような幼い頃の関係が時と共に移ろっても、二人の家族愛にも似た仲は変わらない。それは他人同士であれば容易に踏み出せるはずの、男と女の関係からはもっとも遠いということだった。それが変わったのはクリスマスイブの一日。その日正晴を呼び、家族ぐるみでのホームパーティを予定していた夕季が、急な風邪で調子を崩してしまう。
翌日快復し、見舞いのお礼を伝える為に正晴の家を訪れた夕季は、二人だけでの小さなクリスマスパーティーを始める。独りきりの夜に臥せる中で、夕季が考えたのはたった一人のことだけだった。イブの夜に他の少女と同席しているかもしれない幼馴染の姿を思うだけで、わけもなく溢れる涙。夕季はその気持ちの正体を、唇と唇の触れ合いで表す。
そして二人にとって久方ぶりの旅行となる、冬休みが始まった。思いを通じ合わせ恋人となっていた二人。夕季は正晴と二人きりでゲレンデを踏破したいと願っていた。それは焦りとなって、慣れない中級者コースに急な悪天候も重なり、足の捻挫という結果を招いてしまう。幼い頃の、自身が彼女を守るという誓いを守れなかったことを悔やむ正晴。だが夕季は無念さよりも、側に正晴がいてくれることに、何にも勝る幸福を見い出す。仲間たちをスキーに送り出した正晴は夕季に付き添い、そして幼馴染として長年寄り添った二人はその夜、心だけでなく身体でも繋がる男と女の関係へと変わった。
一生の記憶に残るであろう旅を終え、地元へと降り立った二人。冬休みの予定に花を咲かせ、別れの挨拶に分かたれていく中で、理香は二人に声をかける。担任として彼女だけは、この三日間に起きた二人の変化に気づいていた。学生の本分を諭しながら、最後には二人を見守ってきた存在として、得難い恋を成就させたことを祝福する理香。離れていく恩師の背に正晴と夕季は、この恋を永遠の愛としていくことを誓いあう。
<プレイ時間>
和乃ルート(初回プレイ)3時間34分、理香ルート(以下初回選択肢から、クリスマスイベント消化ルート)2時間24分、理香ルート(クリスマス選択肢から、抱かないルート)1時間14分、美紀ルート2時間29分、美紀ルート(クリスマス参加選択肢から、イベント不参加ルート)1時間30分、麻衣ルート2時間49分、夕季ルート2時間40分。CG達成率のみ100%、シナリオ達成率非コンプ。計16時間40分。
<印象に残ったシーン>
(離れ離れになる時間を挟んでの2年後を、こうして約束しあえる友人とは素晴らしいものです。若い人よ、そういう友人を作って下さい。おっさんからの願いです)
<グラフィッカー情報・敬称略>
いそがー、秋野こおろぎ、ひろたか、HAKAMAR
<あとがき・3/19>
・CG
スタッフロールではkyoとありましたが、情報系サイトでは犬神尚雪氏と表記されています。ぷちのSWEEPERSとかもそうでしたが、この方の絵は好きでしたね…。足回りが特に好きで今でも使ってます。肉のついた肉感的な太ももやふくらはぎは、知ってる限りではこの時代には結構少ない絵柄な気がします。スレンダーなモデル体型で一本杉のような足が当時多かったというか、そういうイメージ。
後塗りもいいですね。フルカラー対応とはいえ98年でこれは今思うと素晴らしいと思います。
・ストーリー
特別なことなんてない、学生のなんてことのない日常なんですけど、クリスマスとか冬休みがそれだけで輝いて映るというか。なぜかこう…目から熱いものが流れてきますよね。
アセンブラージュはなんていうんでしょう、取り立てて日常の描写が巧みというわけではないんですが、雰囲気を作るのがうまかったですね。牧歌的というか郷愁的というか。ああ、なんだか懐かしいエロゲをしてるなという気分に浸らせてくれました。
・シナリオ
長期休暇に友人たちとスキーへという、一昔前の典型的リア充イベントのエロゲ。昔はスキー場を舞台にした冬ゲというと、アーヴォリオのSTARSや同窓会といったように、ぱっと思い浮かぶくらいにはあったように思いますが、最近ではめっきり見なくなりました。時代なんですかね…。
自分が最後にそういったものをプレイしたのはS.M.LのRe:でしょうか。あれはスキーダイスキーとかいった、ほのぼのした雰囲気のゲームではありませんでしたが。
後デートとか特別な日に、ヒロインがおめかしするのってやっぱりいいですね。服装だけなら珍しくないですが、髪型まで変わるのはそんなに多くない気がします。
・システム
インストール不可ということで、音源読み込み時間は結構長いです。ただセーブロードを繰り返すようなゲームではないので、個人的な感覚ですがそこまでは気にはなりません。
・BGM
一番最初に記憶に焼きついたエロゲソングといえば、東鳩世代としてはやはり、To Heartの「Brand New Heart」と「あたらしい予感」なんですが、98年初頭に出たこのゲームのED曲である「ミスホワイトに口付けを」も結構強く印象に残っています。なんかyoutubeにフルあって戸惑った。いや名曲だけど。
アセンブラージュ作品には好きな曲が何気に多いです。キャンパスの「Believes You」とか神語の「人の子ら物語」とか。
1998/2/20
©Euphony Production/Assemblage
(ストーリーテキスト:4267字)
<登場人物>
<七瀬夕季>
主人公とは物心がついた頃から隣にいる幼馴染で、クラス委員も務める優等生。主人公をちゃんづけで呼ぶ唯一の人間で、朝は毎日主人公の家に迎えに来ている。優等生だが、のんびりとした性格。美紀とは親友の関係。
<清水美紀>
主人公と同じテニス部所属でダブルスを組む相方。見た目通り活発な性格で、主人公に対しても遠慮のない態度。進学をきっかけにして、テニス部部長の姉のようになりたいと文化系から運動系の部活を始めた。その日廊下でぶつかったハプニングから、主人公との関係も始まる。
<新居和乃>
クラスでは控えめな存在だが、根は素直で優しい普通の娘。身体が弱く、麻衣と一緒にいることが多い。大人しさとその身体のことから、彼女がスキー旅行に参加を申し出た時は驚きをもって周囲に受け止められた。文芸部所属で放課後は図書室にいることがほとんど。
<小林麻衣>
奔放で大雑把な性格。だが面倒見はよく、身体の弱い和乃の側に寄り添いながらそれを厭うこともない。試験前になると立場を逆転させ、和乃に勉強を見てもらう微笑ましい光景も。
<深谷理香>
主人公のクラスの担任。その真摯な態度と大人びた美貌から、生徒から非常に人気が高い。恋愛にかんしては、他の教師のように抑圧するのではなく、節度あるものであればむしろ積極的であるべきというスタンス。自身も大学時代から付き合っている恋人がいるようだ。
<システム>
会話するヒロインを選択していくスタンダードな恋愛ADV。Windows7動作可。オールクリア含め完全動作。音源インストール不可、音源読み込み時間あり。
<ストーリー>
私立港の丘学園で変哲のない学生生活を送っていた甲斐正晴はその日、悪友の高木一己から声をかけられる。親戚の関係から入った、キャンセル旅行客の穴埋めに、冬休みに向けて格安のスキー旅行はどうかという話。正晴の幼馴染の七瀬夕季に声をかける代わりに、一己が想いを寄せる清水美紀を誘って欲しいという提案だった。
当初は四人の予定が、話を聞きつけたクラスメイトの小林麻衣と新居和乃、そして担任教師の深谷理香が引率として同行を願い出た結果、二泊三日の北海道旅行は七人の大所帯となる。数週間後のクリスマスを経て控える冬休みに、正晴はいつにない昂ぶりを感じながら、二年の二学期末を過ごすのだった。
<和乃ルート>
引っ込み思案で、クラスの中でも目立たない存在の和乃。そんな彼女がなぜか気にかかった正晴は放課後、和乃がいるであろう図書室に赴く。幾度か会話を交わす内に正晴は、時折見られるその笑顔に惹かれていく。それは近しい人間だけに見せる、彼女本来の表情だった。
そして正晴はある放課後の図書室で麻衣と、机で眠りこける和乃を目にする。冬休みの旅行の為に無理をおして期末試験を全てこなした和乃を、休ませたまま傍で見ていてほしいと麻衣に託された正晴。どこか嬉しげに眠る和乃が目を覚ましたその時、正晴は彼女から唐突な口づけを受ける。それは和乃にとって夢の続き、そして夢から醒めての狼狽となった。
クラスメイトが集まったクリスマスイブのパーティーを経て、ついに迎えた冬休み。北海道に降り立った一同は早速スキーへと繰り出す。お互いに初心者の正晴と和乃は麻衣たちから指導を受け、二日目にはぎこちなくも、二人きりでの滑走に挑む。だがそこで急に山の天気が荒れ出し、二人は避難を余儀なくされる。隣から伝わる温もりと励ましの声に、和乃は秘め続けていた思いの募りを抑えることができない。
二泊三日の日程を終え、地元へと戻った一同。空港のエントランスの中、決意を込めたような固い表情の和乃は夕季に向き合う。それはこれからを正晴と寄り添う為には、どうしても避けて通れない告白だった。自身の幼馴染としての役割が終わりを迎えたことを悟った夕季は、万感の思いを含ませ、二人を祝福する。
それから三ヶ月後。あれから和乃は、周囲に対して明るく親しみをもって接するようになった。それは正晴と触れ合うことで取り戻した、彼女本来の姿だった。その日も二人は、恋人となったその手を取り合う。絡ませた指と指は、春の日和のような温もりに包まれていた。
<理香ルート>
誰からも慕われる生徒思いの女教師。正晴は休日の昼下がり、街でそんな担任を見かける。学園での姿とは違い、どこか虚ろな表情の理香は危なげな足取りのまま、交差点に差し掛かろうとしていた。咄嗟にその手を引いた正晴は、生気を取り戻した理香に遊園地へと誘われる。楽しい時間の中にあって、表情を陰らせていた理由について問いただせないまま正晴は、夜を前にして別れるのだった。
その後も何か思い悩むかのように、塞ぎこんだ様子でいることが増えた理香。そしてクリスマスイブ、公園で独り佇む理香を、正晴は目にする。平素の彼女であれば決して口にしなかったであろう、酒場への誘い。寒さのせいだけではない赤みの差したその目元が、正晴に拒むことをためらわせた。バーのカウンターで正晴は、理香が恋人と別れていたことを知る。結婚をも考えていた彼は、恋人が家に入らず仕事を続けることを認めなかった。教職と教え子という自身が信じる正しさを選びながらも、飾り立てられたこの夜の温かさと冬の寒さは、孤独の中にある理香を酷く苛んでいた。人肌の温もりを求める理香を前に正晴は、教師と生徒の一線を越える。
そして正晴はスキー場で理香から指南を受ける中で、いよいよその思いを明確にしていく。地元へと戻り年始の予定話に花を咲かせる夕季たちに断りを入れて駆け出した正晴はバスターミナルへと急ぐ。一人きりの部屋で凍えるような寒さに震える姿。そんな想像を振り払うように駆けた正晴は、タクシーに乗っていた理香にその思いの丈を伝える。先生と呼ぶ子供と教師の恋愛が許されないのであれば、その愛しい名を正晴はこの先いつまでも呼び続ける。先生が、理香、に変わるように。呆気にとられた後は困ったように笑う彼女は差し出された手を中へと引きこみ、そしてタクシーは夜の帳の中をその自宅に向かって走りだした。
<美紀ルート>
正晴にとって美紀は夕季とはまた違う、最も近しい異性の友人だった。同じテニス部でダブルスを組む間柄ということもあり部活に期末試験と、賑やかな時を過ごしていた二人。それに変化が訪れたのはイブの夜を境としてだった。多少活発過ぎる嫌いがあるとはいえ浮いた話の一つもない美紀に発破をかけた正晴は、唐突なキスと告白を受ける。幼馴染同士での久しぶりの旅行という出来事に、焦燥を募らせていた美紀はこの一年秘め続けていた思いを吐露し、踵を返す。
そして迎えた冬休みと北海道旅行。初心者の正晴は周囲から教えを受けながら二日目には、美紀に中級者コースへと連れだされる。だが折り悪く、冬山の気まぐれさは吹雪となって二人を襲った。視界を奪われ、浅い谷へと落ちてしまった二人は、寒さの中で互いを温めあう。その動悸は友人には感じようのないほどの激しさと熱をもって、正晴の胸に迫った。
その夜、部屋を訪れ学園の思い出を語る美紀は不意に、来学期での転校という、正晴にとって思いもよらない話を打ち明ける。涙する美紀を前にして、その涙を拭ってやりたいという願いは、正晴の偽らざる思いだった。この二年を、初恋を、なかったものにしたくないと願う美紀は、自身への消えない傷を望む。
旅の終わり。正晴は美紀、そして夕季との家路についていた。隣を歩く夕季が語りかける。美紀を大切にしてほしいと。驚愕する二人は、部屋を通して漏れ響いたあの夜の声から、彼女が全てを悟っていることを知る。親友になら幼馴染を託せると笑い、何かを見せまいとするように駆け出す夕季。美紀は嗚咽の中に謝罪を繰り返し、正晴は長年付き添った彼女への思いに胸を痛めながら恋人の肩を支える。
それから半年。進級後の夏休みに正晴は、恋人の唐突な来訪に接していた。横着な母が郵便物を整理していなかったことに焦る正晴に、美紀は手紙ではなくその言葉で、抑えがたい希望を表す。卒業後の一人暮らしを両親に許されたのだという美紀。彼女が戻ってくる場所はたった一つ、その腕の中にしかない。
<麻衣ルート>
気安い男友達のような感覚で付き合っていたクラスメイトの麻衣。ある日正晴は街で、不良たちに絡まれる麻衣と和乃を目撃する。傍目からも分かる剣呑な雰囲気に、正晴の身体は無意識の内に動いていた。助けられたお礼という麻衣に休日の買い物へと誘われた正晴は、普段とは違う髪型で着飾った彼女の姿に、これまでになかった異性を感じ始める。
クリスマスに続けて、麻衣たちと過ごす冬休み。スキーを楽しみながら、雑貨屋を始めとしたリゾート施設を巡る二人の時間は、気のいい友人関係に過ぎなかった正晴と麻衣の距離を変えていく。そんな中で二日目の昼、二人は誤って上級コースでリフトを降りてしまう。初心者の正晴の為に迂回道に入った麻衣は、時間をかけて山を下ることで、安全を優先したはずだった。だが唐突な吹雪に巻き込まれ、雪中に立ち往生してしまった二人。普段は何事にも動じない麻衣が、その時だけはまるで別人のような弱々しさで正晴に縋る。子供の頃、吹雪の中で父親を見失い恐怖に震えた彼女が再び味わう、拭いがたいスキー場でのトラウマだった。だがその時とは違い、今その側には正晴がついていた。白い視界の中にあってその温もりが麻衣を繋ぎ止める。
その夜、正晴の部屋を訪れる麻衣。二度のハプニングに手を差し伸べた正晴の行動は麻衣の心境に、これまでの友人関係に収めておくには大きすぎる変化をもたらしていた。恋心の告白は彼女自身に、肉体での繋がりをも求めさせる。そして正晴もまた、知り得た麻衣の素顔にいつしか、特別の思いを抱いていた自身に気づく。
短いようで長い旅の終わり、帰ってきた空港で麻衣は自身と同じ恋をしているであろう三人に、この三日間の出来事を包み隠さず明かし向き合う。それは彼女にとっての流儀だった。絶対に負けられない、女の戦いへの。
後日、先んじて踏み出すことになった麻衣はその幸運を噛み締めながら、愛しい腕の中でまどろみに浸る。
<夕季ルート>
物心がついた頃にはすでに隣にいた幼馴染の夕季。姉に手を引かれるような幼い頃の関係が時と共に移ろっても、二人の家族愛にも似た仲は変わらない。それは他人同士であれば容易に踏み出せるはずの、男と女の関係からはもっとも遠いということだった。それが変わったのはクリスマスイブの一日。その日正晴を呼び、家族ぐるみでのホームパーティを予定していた夕季が、急な風邪で調子を崩してしまう。
翌日快復し、見舞いのお礼を伝える為に正晴の家を訪れた夕季は、二人だけでの小さなクリスマスパーティーを始める。独りきりの夜に臥せる中で、夕季が考えたのはたった一人のことだけだった。イブの夜に他の少女と同席しているかもしれない幼馴染の姿を思うだけで、わけもなく溢れる涙。夕季はその気持ちの正体を、唇と唇の触れ合いで表す。
そして二人にとって久方ぶりの旅行となる、冬休みが始まった。思いを通じ合わせ恋人となっていた二人。夕季は正晴と二人きりでゲレンデを踏破したいと願っていた。それは焦りとなって、慣れない中級者コースに急な悪天候も重なり、足の捻挫という結果を招いてしまう。幼い頃の、自身が彼女を守るという誓いを守れなかったことを悔やむ正晴。だが夕季は無念さよりも、側に正晴がいてくれることに、何にも勝る幸福を見い出す。仲間たちをスキーに送り出した正晴は夕季に付き添い、そして幼馴染として長年寄り添った二人はその夜、心だけでなく身体でも繋がる男と女の関係へと変わった。
一生の記憶に残るであろう旅を終え、地元へと降り立った二人。冬休みの予定に花を咲かせ、別れの挨拶に分かたれていく中で、理香は二人に声をかける。担任として彼女だけは、この三日間に起きた二人の変化に気づいていた。学生の本分を諭しながら、最後には二人を見守ってきた存在として、得難い恋を成就させたことを祝福する理香。離れていく恩師の背に正晴と夕季は、この恋を永遠の愛としていくことを誓いあう。
<プレイ時間>
和乃ルート(初回プレイ)3時間34分、理香ルート(以下初回選択肢から、クリスマスイベント消化ルート)2時間24分、理香ルート(クリスマス選択肢から、抱かないルート)1時間14分、美紀ルート2時間29分、美紀ルート(クリスマス参加選択肢から、イベント不参加ルート)1時間30分、麻衣ルート2時間49分、夕季ルート2時間40分。CG達成率のみ100%、シナリオ達成率非コンプ。計16時間40分。
<印象に残ったシーン>
(離れ離れになる時間を挟んでの2年後を、こうして約束しあえる友人とは素晴らしいものです。若い人よ、そういう友人を作って下さい。おっさんからの願いです)
<グラフィッカー情報・敬称略>
いそがー、秋野こおろぎ、ひろたか、HAKAMAR
<あとがき・3/19>
・CG
スタッフロールではkyoとありましたが、情報系サイトでは犬神尚雪氏と表記されています。ぷちのSWEEPERSとかもそうでしたが、この方の絵は好きでしたね…。足回りが特に好きで今でも使ってます。肉のついた肉感的な太ももやふくらはぎは、知ってる限りではこの時代には結構少ない絵柄な気がします。スレンダーなモデル体型で一本杉のような足が当時多かったというか、そういうイメージ。
後塗りもいいですね。フルカラー対応とはいえ98年でこれは今思うと素晴らしいと思います。
・ストーリー
特別なことなんてない、学生のなんてことのない日常なんですけど、クリスマスとか冬休みがそれだけで輝いて映るというか。なぜかこう…目から熱いものが流れてきますよね。
アセンブラージュはなんていうんでしょう、取り立てて日常の描写が巧みというわけではないんですが、雰囲気を作るのがうまかったですね。牧歌的というか郷愁的というか。ああ、なんだか懐かしいエロゲをしてるなという気分に浸らせてくれました。
・シナリオ
長期休暇に友人たちとスキーへという、一昔前の典型的リア充イベントのエロゲ。昔はスキー場を舞台にした冬ゲというと、アーヴォリオのSTARSや同窓会といったように、ぱっと思い浮かぶくらいにはあったように思いますが、最近ではめっきり見なくなりました。時代なんですかね…。
自分が最後にそういったものをプレイしたのはS.M.LのRe:でしょうか。あれはスキーダイスキーとかいった、ほのぼのした雰囲気のゲームではありませんでしたが。
後デートとか特別な日に、ヒロインがおめかしするのってやっぱりいいですね。服装だけなら珍しくないですが、髪型まで変わるのはそんなに多くない気がします。
・システム
インストール不可ということで、音源読み込み時間は結構長いです。ただセーブロードを繰り返すようなゲームではないので、個人的な感覚ですがそこまでは気にはなりません。
・BGM
一番最初に記憶に焼きついたエロゲソングといえば、東鳩世代としてはやはり、To Heartの「Brand New Heart」と「あたらしい予感」なんですが、98年初頭に出たこのゲームのED曲である「ミスホワイトに口付けを」も結構強く印象に残っています。なんかyoutubeにフルあって戸惑った。いや名曲だけど。
アセンブラージュ作品には好きな曲が何気に多いです。キャンパスの「Believes You」とか神語の「人の子ら物語」とか。
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