C¥Documents and Settings¥User¥My Document¥脳内彼女 プレイ済エロゲのストーリーを脳内に書き残しておく為のブロg彼女にドキュメントフォルダ開けられたら死ぬほど殴られた
注意
当ブログは成人男性向けPC用ゲーム(いわゆるエロゲー)のストーリーについてを取り扱っております。
18歳未満の方の閲覧はお控えくださるようお願い致します。
記事はゲームの主要なストーリーについてを記載してありますので、重大なネタバレ要素を多量に含みます。
作品の記事について、未プレイの方及びプレイ予定の方の閲覧は自己責任でお願い致します。
特典内容やゲームについての細かい質問等があればコメントにどうぞ。
ヨメ充! (脳内彼女)
2012/7/27
©脳内彼女
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:11244字)
<共通>
堀川英次は妹の四織と共に古書店「白佯堂」を、失踪した父と亡くなった母に代わり切り盛りしながら暮らしていた。
楽な生活ではないが、幼馴染の高辻郁乃にも支えられながら、父のいなくなった数年間を乗り切ってきた。
隣で喫茶店を営む郁乃の両親、徹生と芳乃はそんなお隣の兄妹を気にかけるが、英次自身は父への関心をもはやそれほど持ち合わせていなかった。
もう一人の幼馴染である塩小路かなたと共に学園に登校する4人。クラスの賑やかな友人たちと馬鹿を繰り広げるが、英次にとってはやはり二人の生活がかかる家業がリアルなのだった。
遊びの誘いを断った英次は、家に帰るなり店の仕事に取り掛かる。
先輩の神前が店を訪ねてくるが、神前の父は著名な蔵書家だった。亡くなった父の貴重な蔵書を引き取りたいと以前願い出た英次だが、神前は英次が一人前の目利きになるまで譲ることはできないと突っぱね、それ以降古書に関する知識をやり取りするという奇妙な関係になっていた。
英次の母親の形見である古書についての話題を交わしていたところへ、郁乃とかなたが訪ねてくる。
徐々に客足も増えてくる店だが、そこで英次は客の一人に在庫の照会を頼まれる。
確認の為に背を向ける英次に、その男はガラスケースに展示されていた母の形見であるヴィッターハイム公国年代記を贋作とすり替えようとする。
神前の機転により中身を確認した英次は、展示されていた年代記はページの破損した落丁本であり、文面の書き込みはなされていなかったことを指摘する。更に防犯カメラの存在を明かされた男は光物を出し店から逃亡を試みる。
しかし腕を切りつけられた英次を見て激昂した郁乃に、犯人二人は倒されてしまう。騒ぎを聞きつけて現れた徹生は、四織がまだ学園から帰ってきていないことに不安を感じ、英次と共に街に探しに出る。
案の定四織も攫われかけていたが、危ないところで異国の姫のような相貌の女性に助けられ無事だったと明かす。
その夜徹生は郊外のホテルで、金髪の女性と密会していた。真っ当な相談だったのだが、その現場を芳乃に目撃されてしまう。
浮気を疑う芳乃は翌日徹生に詰め寄り、一日大喧嘩となってしまう。離婚を叫ぶ母に、郁乃はしばらく家を優先することを英次に願い出、英次もそれを勧める。
英次は時々妙な夢を見る。見知らぬ金髪の少女と顔を合わせる夢。そしてその終わりには英次はオペラ劇場におり、神前に解説を受けるのだった。
そしてその日の夜もその妙な夢は続く。
両親が別居状態となり心労に苛まれる郁乃は授業中に眠ってしまうなど、普段ではありえない行動が見られるようになる。
英次は芳乃に、娘の為にも徹生と話し合いを持つよう説得し、それを受け入れさせ店に向かう。
その頃海岸では、件の金髪の少女が不審者として警察に声をかけられていた。そこに徹生が割って入り、警察官をやむなく昏倒させる。その混乱で海に転び濡れてしまった少女の着替えの為、徹生は彼女を店まで連れていく。
白佯堂で出くわす一行。芳乃は決定的な現場を掴み、徹生に離婚状を突きつける。
しかし少女は自らをヴィッターハイム公国大公子女であり継承順位三位にあたる、リーゼロッテ・ヴィッターハイム姫殿下本人であることを明かす。
そしてリーゼロッテによって、英次が第二位の、四織が第四位の継承権を持つヴィッターハイムの皇子であることが明かされる。
驚く英次に、かつて伯爵位にあった徹生も大公家縁の指輪を渡し、それが事実であることを示す。年代記はただの史書などではなく、書き込まれた内容を現実にする神器であり現大公が野心からそれを求めていること。王弟にあたる英次の父が年代記を徹生と神前の父と共に国外に持ち出し、現在も逃亡を続けていることも。
そこに突如、大公の継嗣であり、リーゼロッテの実兄である皇太子エーミールが白佯堂を包囲し年代記とリーゼロッテの身柄の引渡しを要求する。
母の形見は渡せないと拒否する英次に、エーミールは期限を30分と区切り、実力行使も辞さないことを通告する。
平行線の事態にリーゼロッテは一計を案じ、自身と英次の婚約をエーミールに伝える。
年代記の所有がリーゼロッテにも移ったことを確認したエーミールは兵を引き上げさせ、英次に妹の世話を託し、神前の身内でもある女従のドナースタークをリーゼロッテの元に置いて立ち去った。
しかし一部始終を店の外から見ていた郁乃に、リーゼロッテとの婚約を否定できなかった英次は手痛い一発を貰ってしまう。
英次の家の同居人となったリーゼはさっそく、家の三階を改装して住み着いてしまう。
そして翌日、やはり英次のクラスに転校生が転入してくる。英次をめぐってリーゼと郁乃の騒がしい日々が始まるのだった。
昼休み、リーゼと同じく学園に転入したエーミールに、英次は中庭に呼び出される。血縁上従兄弟であり、義理の兄弟になる以上は仲違いを避けたいという願いを伝えられ英次は当惑するが、とにもかくにも今回の事情について尋ねる。
エーミール自身としては、年代記に特別な力が宿るなどとは眉唾な話ではあるが、皇太子としての立場がある以上は父の命令を正面から無視することはできなかったのだと告げられる。
そこにリーゼが現れ、妹の姿を認めたエーミールは退散する。
その夜、英次はかなたにしばらくの間家に泊まってくれるよう頼み込む。恋人関係と偽ってこれ以上リーゼとの関係を深みに入らせない為だったが、簡単に事情を見抜かれてしまう。
翌日、リーゼは郁乃の喫茶店を訪れる。
話をつける為に二人は白佯堂の屋上へ場所を移す。英次が自分を婚約者として受け入れられないのは郁乃に義理立てしているからであり、郁乃に英次との関係を絶つようリーゼは迫る。
郁乃はこれまでの擬似家族関係が二人にとって正しいものではなく、リーゼが現れたことによって二人がようやく普通の男女の関係に立っていることに気づきながらも、それを断る。
二人は穏便な解決方法としてラーメン屋での早食いに挑むが、リーゼの圧勝に終わる。
その後失意の郁乃を追いかける英次だが、郁乃にはやはり拒否されてしまう。
翌日街角でエーミールに会った英次は年代記の中身について言及される。
リーゼは本の伝説を信じて疑っておらず、生き方そのものも皇族たらんとして国家に奉じようとする意思が硬直しすぎている。その危うい生き方を、落丁した年代記の事実を知ることによって改めてやってほしいと頼まれる。
エーミール自身のことは胡乱と思いながらも、その言葉には共感した英次は、リーゼに年代記について打ち明けることを決心する。
しかし年代記の中身に歴史が記されておらず、郁乃に日記帳にされていたことを知ったリーゼは卒倒してしまう。
夜店を抜け出し海で今後のことについて考えるリーゼに、英次は皇族の重責に囚われないように諭す。その生き方しか知らず、それが今でも正しいことだと確信しているというリーゼ。
英次はそんな彼女に、親から重いものを受け継いだ自分とそっくりだと言い、その生き方を捨てるのではなく優先順位をほんの少し自分の側にずらすことから始めるよう促す。
それに何かを感じ入るリーゼだが、英次はそこで風邪に倒れてしまう。
英次の容態を心配して窓から部屋に入る郁乃だが、そこをリーゼに見つかり屋上に連れ出されてしまう。リーゼは英次に対して抱く愛情が本物であることを明かし、その邪魔になる郁乃に街を出るよう告げる。
郁乃もここになりようやく、英次への恋心を認め、二人は対決する。
しかしその二人を神前が阻む。後ろからはかなたと四織、ドナースタークも現れる。
神前はそこでガラスケースに収められていたはずの年代記を取り出す。その瞬間屋上は眩い光に溢れる。
いつもの夢の世界。英次はそこにいた。そこに突如現れる6人の女性陣。
ここがヴィッターハイムの国立劇場だというリーゼの言葉に驚く一行に、ここは年代記の力によって作られた世界であると神前は明かす。
そしてかつて年代記を日記帳代わりにしていた郁乃が書いていた、英次のお嫁さんになって一緒に白佯堂を続けたい、という願いによって現在の家の事情があることが明かされる。
自分がドナースタークと共に年代記によって生み出された、本の導き手であるという神前。彼女は、現在の年代記の所有者である英次の意思に従い、未来を改変するという。ドナースタークはこの先歩む女性を選ぶことと同義だと告げ、英次はその未来を選択する。
<個別>
堀川 四織(妹)
郁乃とリーゼの、英次を巡って牽制が繰り返される毎日。一向に行動を起こそうとしない英次に神前は、郁乃かリーゼのどちらかを早く選ぶよう促す。二人を選べない英次に、四織でもいいのではないかと神前は提案する。
妹など選択に入れられるはずがないと当惑する英次。だが普通の兄妹としては愛情表現にいきすぎの感があり、案外正解ではないかと神前は冗談ともつかないことを勧める。
それに衝撃を受けた英次は、四織との距離を取り始める。
しかしあからさまに態度が変わった兄に、四織は不安を抱き始める。英次が隠し事をしていると思い、郁乃とリーゼの他に彼女ができたのではないかと早合点してしまう。本当のことなど到底言えない英次に、痺れを切らした四織は家を飛び出す。
四織を追いかけた英次は誤解であることを説明し、四織のことが大切なだけだと諭す。
翌日は反動かお互いに極端に甘くなる兄妹。周りから訝しがられるが、これまで余り構ってやれなかったので今日くらいは、と英次は周りを納得させる。
放課後、再び神前に四織との件を勧められるが、間が悪くそれを四織に聞かれてしまう。
姉のように慕う郁乃との関係に悩んだ四織はその夜、知恵熱で倒れてしまう。看病をする英次に初めて男性を意識した四織。風呂に向かった兄を追いかけ、一緒に入るばかりかその性欲の処理まで行おうとする。それをたしなめるべきの英次はあろうことか妹の行為に流されてしまう。
一線は越えなかったものの英次は、再び四織と距離を取る。以前とは違いめげない四織は週末に皆で海に行くことを提案する。
クラゲに刺されたと誤魔化した四織は、英次をシャワー室に連れ込む。英次はそれを拒めず再び流されてしまう。
家や学校でも気が休まらない英次だが、夜部屋で自慰にふける四織を見てしまう。迷うものの部屋を去らなかった時点でいつかはそうなっていただろう、英次はついに四織の初めてを奪ってしまう。
その夜、年代記の世界に飛ばされる英次。神前はもはや言い訳を取り繕っても仕方ないことを指摘し、兄と妹が結ばれても咎められないよう、年代記の力によって世界を改変する。
翌日、堀川兄妹は学園公認のカップルとなっていた。
昨日までとは変わった世界で、改めて四織への愛情を確認した英次。
英次はリーゼから渡されたヴィッターハイムの二対の指輪を、四織と交換しその薬指にはめる。
だが妹と恋人にはなれても、結婚まではそうはいかなかった。
四織は法律の本を片端から調べていくが、それが無理だと知るだけに終わる。英次はふさぎ込む四織を見て神前を頼る。
年代記に願いを託す英次。
次の日の世界は世界中の全ての女性が英次の妹となっていた。
一年後、四織は世界中の妹を全て説き伏せ、晴れて英次との結婚式に望む。
神前先輩(三年・クロニコンの綴り手)
あれから一週間余り。
英次は店の仕事もあり、誰に年代記の力を使うのか決めあぐねていた。それ幸いとその忙しさにかまけていると神前は指摘し、英次がいずれかと結ばれなければ年代記の所有権も移らないままと告げる。
そして神前は唐突に、相手が決められないのならば自分でも構わないと自薦する。
翌日の学園で、昼食に屋上まで連れ出した神前は、郁乃とリーゼに本気になってもらう為にも、しばらくの間英次の彼女役になることを申し出る。
その後、神前は英次の家まで越してくる。その奇想天外の行動に、白佯堂の雰囲気がまた一つとげとげしいものに悪化してゆく。
直接店に留まるようになった神前は、代わり映えのない古書店は致命的だとして棚の品揃えを変化させるよう英次に提言する。
にわかに人の出入りに活気が出てきた白佯堂。英次は自身も店舗の改善に精を出しながら、その切欠を作った神前に惹かれていく。
学園の屋上での席、英次は神前に惹かれていることを打ち明ける。しかし彼女は郁乃かリーゼのいずれかとの交際が元々の前提であるとしてそれを断る。
その後神前から距離を置かれるようになった英次。
そんな状況を見て取ったかなたは四織の協力の下、英次と神前を別個に説得した上で皆で海に行くことを提案する。
どこか浮かない様子の神前だが、英次に対してこれが最後と言いつつ初体験を捧げてしまう。
翌日から機嫌を損ねたような神前は、二人の関係を知ったドナースタークがその旨をリーゼに伝えようとしたところ強く制する。しかしドナースタークは、それでは元々が郁乃あるいはリーゼの為だったはずの行動に矛盾していると反論する。
その正論に神前は、まだ英次にその準備が整っていないと苦しくかわす。その様子に英次は、神前になにかしらの変心を感じ取るのだった。
喫茶店を訪れた英次は芳乃に神前とのことを相談するが、どのようにするにせよ筋を通すべき女性が二人いるはずと芳乃は釘を刺す。
家での食事の席で英次は、身内で行く週末の花火大会に神前を誘う。だが神前は自分一人でなく、皆の中になぜ自分を含めようとするのか。それは独りよがりであって優しさではないことを指摘し、自分に愛情はないと言った上で断る。
その会話を聞いていた郁乃に、英次は店の屋上に呼び出される。英次の心情を慮って背を押す郁乃。英次は彼女に詫びた上で、神前と向き合うことを決心する。
それを下の階で聞いていたリーゼもまた、英次との婚約を解消した上で励ます。
翌日英次は校内放送を乗っ取った上で、神前に告白し花火大会での返事を待つ。
会場に現れた神前に英次は改めて、ずっと一緒にいたいと告げる。その言葉に神前はついに折れる。
帰り道、ドナースタークに同じ導き手としてその選択を反対されるが、神前は二人が決めたことは曲げないと告げる。
恋人としての生活を始めた二人。神前の名前を含めて全てを知りたいと頼む英次に、神前は年代記を起動させ、英次の父と共にヴィッターハイムを離れ日本にたどり着いた経緯を見せる。
願いを叶える神器に頼らずとも、本来人間には未来を切り開き自ら望みを掴み取る力があるという英次の父の言葉に、かつては疑問を抱いた神前。だが今は英次を見て自分もそう思えると彼女は語る。
時を経て神前は身体の調子を少しずつ持ち崩していく。
年代記の導き手は自らにその力を使えば本にその存在を消されてしまうことを、英次はドナースタークから伝え聞く。エーミールにも年代記に関する文献を借り受け奔走する英次だが、解決の手は見つからずついにその最期を看取る瞬間が訪れる。
英次は自らの手で年代記を起動させ、その世界で神前と別れを告げる機会を得る。
神前は英次とドナースタークの二人だけは、彼女に関しての記憶が抜け落ちず、それが意味することを詫びる。
これで二人が終わることに納得できない英次に、神前は自分のことを忘れないでほしいと告げる。そして、再会を約束した神前は静かに消えてゆく。
あれから数年。学園を卒業した英次は白佯堂の経営に追われていた。ドナースタークはリーゼと共にヴィッターハイムへ、四織は大学に行ってしまい人手が足りず、アルバイトを雇おうか店のカウンターで悩む英次。
その英次の前に本が差し出される。それを置いた少女にいつかの面影を見る英次。
英次は彼女から、ついにその愛しい名前を伝えられるのだった。
高辻郁乃(幼馴染・クラスメイト)
それから数日。
奇妙な五人の同居生活は変わりなく続いていた。
しかしある日、英次が古本の仕入れから夜遅くに帰宅すると、なぜ連絡の一つもよこさないのかと郁乃に激高されてしまう。
その豹変に英次も最初こそは戸惑い郁乃をたしなめようとするも、郁乃が自らの作った料理を捨てるに至って激怒し、へそを曲げてしまう。一方のリーゼはといえば、男が家族を養う為に仕事で遅くなるのは当たり前のことだと、英次を擁護する。
お互いの避けあいが続くある日、郁乃はエーミールに結婚を申し込まれる。かつての徹生はヴィッターハイムの伯爵であり、郁乃は花嫁候補でもあった。
エーミールは郁乃を週末デートに誘う。英次はかなたと共に二人の後をつけるが、意外にも楽しげな二人を見て苛立ちを募らせる。
外出を楽しんだ後、二人はエーミールの滞在するホテルに向かう。それを見た英次は狼狽するが、かなたに諭されようやく自分の本音と向き合うことを決める。
二人の後を追う英次だったが、エレベータの先で護衛の黒服たちに追い返されてしまう。
帰宅した郁乃の部屋に向かい、そこで彼女の着替えに遭遇してしまう英次。その後デートのことを尋ねる英次だが、考えているようなことはなくエーミールと英次とはやはり違ったことを告げられる。
安堵する英次に郁乃は自分の裸を見てどう感じたかを尋ね、それを褒められた郁乃は場の空気もあり初めて性的な触れ合いに及ぶ。
翌日仲直りした二人を見たかなたと神前の計らいにより、英次と郁乃は家で二人きりの時間を過ごす。その機会を得て、二人はようやく初体験を果たすことができた。
リーゼとエーミールには話さないまま、二人の付き合いを郁乃の両親に報告しようとした英次だが、意に反して徹生には反対される。
誰かに隠した付き合いなど立派な恋人関係などではなく、筋を通して覚悟を示すよう徹生は命じる。英次が出た後の店で、徹生の背後からはリーゼが現れる。
リーゼと話し合いの場を求める英次だが、それをことごとく避けられてしまう。追いかける英次のその姿を、理由をわかりながらも郁乃は相手が相手ゆえなお不安に思う。
腹を割って話し合う機会を得た英次。かつての父と同じように人の手に余る年代記を封じ、その贋作を公国へ持ち帰ってほしいと、英次はリーゼに頼む。だがそれはヴィッターハイムの王女としては受け入れがたいことだった。
頑として拒絶するリーゼに、英次はその為ならどんなことでもすると告げる。するとリーゼは英次に寄りかかりながら、結婚してほしいとそれのみをこいねがう。
それだけは受け入れられないと断る英次だが、その場を郁乃に見られてしまう。
それを追い公園にいた郁乃に、英次は以前から用意していた銀の婚約指輪を差し出す。驚く郁乃に英次はプロポーズをし、そして郁乃は涙ぐみながらもそれを受け入れる。
時は流れ、リーゼとエーミールが帰国する日がやってきた。
年代記はヴァチカンの書庫へ厳重に封印されることとなり、英次の父と徹生がかつての後始末をつけるべく。まずはリーゼとエーミールが、その手はずを整える為の一時帰国だった。
二人を見送った英次はその足で病院へ向かう。
出産まで二ヶ月を切った郁乃を隣に抱き、英次はようやく掴んだ幸せを噛み締めるのだった。
リーゼロッテ・ヴィッターハイム(幼馴染・従姉妹・ヴィッターハイム大公第二子)
年代記の世界から戻って数日後。
リーゼはドナースタークから助言を得ながら、英次への接触を図っていた。しかしいざことに及ぼうとすると肝心なところで尻込みしてしまい、また英次も積極的には手を出してこない。
ドナースタークは現時点での性的な接触はお互いに時期尚早として、郁乃の手前、ある程度時間をかけていくことを決める。
リーゼは店の仕事を手伝おうとするが、そのたび英次に避けられてしまう。その行動に不安を持ったリーゼは、出かける英次を尾行するよう四織に頼む。
ファミレスでかなたと会った英次は、リーゼが神前やかなたの取り巻きからやっかみを受けていることを知らされる。彼女がいい意味でも悪い意味でも目立ちすぎる為だが、英次はかなたにそれを押さえ込むよう頼んで別れる。
それをドナースタークに報告する四織。しかしドナースタークは英次とかなたの会話の内容を、郁乃についての恋話にすり替える。
しかしドナースタークの思惑通りにはならず、リーゼは落ち込んだまま行動を起こそうとはしなかった。ドナースタークは直接行動を起こし、薬で眠らせたリーゼに催眠暗示をかける。意識のないまま、リーゼは英次に胸で奉仕してしまう。
翌日かなたに、リーゼの机に中傷の落書きがされていたことを知らされる英次。
その朝清掃委員の仕事でいつもより早く家を出た郁乃のことが頭に浮かびながらもそれを否定したい英次は、病的なまでに存在感のない友人の建城に机の監視を頼む。
翌日まで犯人は現れなかったが、移動教室中にクラスが無人になることに気づいた英次は、酷く落書きされた机を目にする。そこに郁乃が現れ、陰湿な嫌がらせに憤慨した彼女は落書きを消して立ち去る。
ここ数日沈んだ様子のリーゼに英次は、郁乃は犯人ではないことを告げるが、リーゼは嫌がらせの件に関しては何も知らず、逆に説明を求める。事情を知ったリーゼは、故国では味わえない体験だと気にするそぶりを見せなかった。
そして元気がなかった理由を尋ねられたリーゼは、前々からのエーミールの頼みで政治パーティーへ参加しなければならないことを漏らす。その様子を心配した英次はリーゼに同行することを申し出る。
その席で英次は自分の立場を改めて婚約者として周りに表明し、その帰りにリーゼのことが好きだと告げる。そしてついに二人は結ばれる。
翌日朝の教室で英次はかなたに呼び出され、屋上へ向かう。そこで件の犯人がエーミールつきの黒服であったことを知る。
公国の皇統たるリーゼが日本人と結婚することをよしとせず、嫌がらせをでっち上げれば日本に失望して帰国するだろうという算段だった。しかしパーティーでのリーゼの表情を見て、それが間違いであったことを彼は悟る。
リーゼは自らのその行動が国益に100%適うものではないことを自覚し、そんな彼にあえて罰は与えず帰国させるに留める。
気分転換に海へと出かける二人。休日を満喫した二人が家に帰ると、数日前よりドナースタークに家事を教えていた郁乃が彼女に料理を作らせていた。その味を認めた郁乃は、堀川の家をドナースタークに任せる。
事情を飲み込めない英次の前で、郁乃はラーメン大食いの再戦をリーゼに申し込む。そのどちらも、彼女なりのけじめだった。
甘党なリーゼに対して激辛ラーメンを注文することで勝利した郁乃は、英次と共に海に向かう。
リーゼと付き合っていることに気づいていたという郁乃の言葉に、英次はようやく全てを悟る。
一言二言の短い会話の中に万感を託して二人は別れる。すでに全ては決していたのだった。
恋人としてお互いを支えあう生活が始まる中唐突に、ヴィッターハイムに大規模な地震が起きたというニュースが飛び込んでくる。
エーミールは状況が変わったことを理由に年代記の即時返還を英次に求める。しかしそこに徹生が現れ、現地に確認を取った上でそのニュースが捏造であることを知らせる。
真意を測りかね問いただす二人に、エーミールはニュースを聞いた時の動揺ぶりを挙げ、リーゼが姫としての立場を捨てられてはいないことを指摘する。その有様では将来相反する二つの意識に押し潰されるのは明白だとして、ならば姫としての責務こそを全うすべきだと主張する。
反論も肯定もできないリーゼに半ば失望したようなエーミールは、ドナースタークに命じ年代記を起動させる。
年代記によって記憶を操作された一同は、リーゼのいない生活を普段としていた。しかしところどころに覚える違和感。
そんな中英次は、本の中に挟まっていた自分とリーゼが同じくする写真を見つける。全てを思い出した英次は、リーゼを奪い返しにいくことを神前に告げる。クロニコンの綴り手たる彼女は、英次の側につくことを選択し一同の記憶を引き戻す。
ホテル一階で徹生が囮となり、郁乃とかなたが足止めをすることで、英次はリーゼの元にたどり着く。
しかしエーミールがそこに駆けつけ、二人を年代記の世界へと飛ばしてしまう。
そこで妹への秘められた想いを吐露する兄。エーミールがリーゼに肉親の愛情を超えたものを抱いていることを察し、英次は彼が決して引き下がらないことを知る。
そして、世界の中心で英次とエーミールの一対一の決闘が幕を開ける。
エーミールの剣に圧倒される英次。出血が危険なまでに達し手当てを求めるリーゼに、殺す気まではないエーミールはそれを許す。
二人の子供の頃の思い出にある、スイートピーの花言葉を告げられたリーゼはついに記憶を取り戻し、英次と共にゆくことを兄に告げる。
その言葉を糧に、英次は捨て身の一撃をエーミールの喉元に突き入れた。
リーゼのことを英次に託し年代記を封印したエーミールは本国に帰還する。
その義兄の尽力によって正式にヴィッターハイム公家に迎えられた英次は、晴れてリーゼとの結婚が認められる。
白佯堂の主人として変哲のない日々を送る英次。その隣には二人の結晶を宿した妻が寄り添っていた。
塩小路かなた(幼馴染・三年・男の娘)
日に日に酷くなる郁乃とリーゼの争いに、英次は二人と自分の間に第三者を一人挟むことを考え、その役目をかなたに頼む。
英次の家に泊まりこむことになったかなた。女ばかりの生活で溜まっているであろう英次の性欲処理をかってでる。かなた相手にさすがの英次も尻込みするが、不思議と拒絶することはできなかった。
ある日友人に絡んできた不良を独りで撃退するかなた。だが、その不良が徒党を組んで学園に乗り込んでくる。
英次は友人の靖峰と建城と共に、かなたに加勢して不良たちをのしてしまう。その際かなたをかばった英次は軽い怪我を負ってしまい、かなたに負い目を抱かせる。
かなたは礼の意味も多分に含め、英次の愛人でもいいので自分を傍に置いてほしいと懇願する。それを受け入れてしまった英次は、かなたの初めてを奪ってしまう。
なかなか相手を決めない英次に、神前は最近のかなたとの関係を指して言及する。相手が男ということで表面的には渋る英次。
神前はかなたの側にも反応をうかがう。郁乃との関係に悩むかなたは、周囲へ英次に対しての明確な立ち位置を明かせないでいた。
そんな中、取り巻きの一人の女子からかなたは告白を受ける。内心の葛藤から答えられないかなたに代わり、英次はかなたのことが好きだと告げその手を引き屋上を後にする。
お互いを気持ちを確かめ合った二人を前に、神前は年代記のスクリプトを実行する。
正式な恋人関係となった二人だが数日後、学園の生徒たち、特にかなたの元取り巻きたちから冷ややかな視線を英次は向けられていた。
当初はなりゆきを静観していた郁乃とリーゼもここに至って共闘し、郁乃はかなたに果し合いを申し込む。
お互いの納得のいくまで戦った二人。郁乃はかなたのことを認め、二人の付き合いを皆が公認することを求める。
家に戻った一同だが、そこでかなたが唐突に体調を崩す。ドナースタークが診断するが、なんとかなたに妊娠の兆候が見られるという。
一同が驚きに包まれる中で神前は、年代記の力を使った際、英次がかなたとの結婚生活を思い描いたことが原因ではないかと推測する。
かなたを病院に連れて行こうとする英次だが、そこへエーミールが突如現れる。
エーミールは英次をヴィッターハイム公族に再び迎え、そしてかなたに対して最高の医療を提供することを約束する。
出産を間近に控えたかなたは、自身の家が男の娘を輩出してきた家系であることを英次に明かす。
男と男の娘が結ばれるのは皆無というわけではなく、どこかの小村では綿々と受け継がれてきたことであり、自身の両親もその村の出身だという。
そんな両親にも結婚の許しを得た英次は、かなたと二人の子供とで幸せになることを誓うのだった。
<グラフィッカー情報・敬称略>
ryouzou、ねむ、白金リオ、ska3、青色
2012/7/27
©脳内彼女
キャラ設定等はHPに詳しいのでそちらで確認を。(テキスト:11244字)
<共通>
堀川英次は妹の四織と共に古書店「白佯堂」を、失踪した父と亡くなった母に代わり切り盛りしながら暮らしていた。
楽な生活ではないが、幼馴染の高辻郁乃にも支えられながら、父のいなくなった数年間を乗り切ってきた。
隣で喫茶店を営む郁乃の両親、徹生と芳乃はそんなお隣の兄妹を気にかけるが、英次自身は父への関心をもはやそれほど持ち合わせていなかった。
もう一人の幼馴染である塩小路かなたと共に学園に登校する4人。クラスの賑やかな友人たちと馬鹿を繰り広げるが、英次にとってはやはり二人の生活がかかる家業がリアルなのだった。
遊びの誘いを断った英次は、家に帰るなり店の仕事に取り掛かる。
先輩の神前が店を訪ねてくるが、神前の父は著名な蔵書家だった。亡くなった父の貴重な蔵書を引き取りたいと以前願い出た英次だが、神前は英次が一人前の目利きになるまで譲ることはできないと突っぱね、それ以降古書に関する知識をやり取りするという奇妙な関係になっていた。
英次の母親の形見である古書についての話題を交わしていたところへ、郁乃とかなたが訪ねてくる。
徐々に客足も増えてくる店だが、そこで英次は客の一人に在庫の照会を頼まれる。
確認の為に背を向ける英次に、その男はガラスケースに展示されていた母の形見であるヴィッターハイム公国年代記を贋作とすり替えようとする。
神前の機転により中身を確認した英次は、展示されていた年代記はページの破損した落丁本であり、文面の書き込みはなされていなかったことを指摘する。更に防犯カメラの存在を明かされた男は光物を出し店から逃亡を試みる。
しかし腕を切りつけられた英次を見て激昂した郁乃に、犯人二人は倒されてしまう。騒ぎを聞きつけて現れた徹生は、四織がまだ学園から帰ってきていないことに不安を感じ、英次と共に街に探しに出る。
案の定四織も攫われかけていたが、危ないところで異国の姫のような相貌の女性に助けられ無事だったと明かす。
その夜徹生は郊外のホテルで、金髪の女性と密会していた。真っ当な相談だったのだが、その現場を芳乃に目撃されてしまう。
浮気を疑う芳乃は翌日徹生に詰め寄り、一日大喧嘩となってしまう。離婚を叫ぶ母に、郁乃はしばらく家を優先することを英次に願い出、英次もそれを勧める。
英次は時々妙な夢を見る。見知らぬ金髪の少女と顔を合わせる夢。そしてその終わりには英次はオペラ劇場におり、神前に解説を受けるのだった。
そしてその日の夜もその妙な夢は続く。
両親が別居状態となり心労に苛まれる郁乃は授業中に眠ってしまうなど、普段ではありえない行動が見られるようになる。
英次は芳乃に、娘の為にも徹生と話し合いを持つよう説得し、それを受け入れさせ店に向かう。
その頃海岸では、件の金髪の少女が不審者として警察に声をかけられていた。そこに徹生が割って入り、警察官をやむなく昏倒させる。その混乱で海に転び濡れてしまった少女の着替えの為、徹生は彼女を店まで連れていく。
白佯堂で出くわす一行。芳乃は決定的な現場を掴み、徹生に離婚状を突きつける。
しかし少女は自らをヴィッターハイム公国大公子女であり継承順位三位にあたる、リーゼロッテ・ヴィッターハイム姫殿下本人であることを明かす。
そしてリーゼロッテによって、英次が第二位の、四織が第四位の継承権を持つヴィッターハイムの皇子であることが明かされる。
驚く英次に、かつて伯爵位にあった徹生も大公家縁の指輪を渡し、それが事実であることを示す。年代記はただの史書などではなく、書き込まれた内容を現実にする神器であり現大公が野心からそれを求めていること。王弟にあたる英次の父が年代記を徹生と神前の父と共に国外に持ち出し、現在も逃亡を続けていることも。
そこに突如、大公の継嗣であり、リーゼロッテの実兄である皇太子エーミールが白佯堂を包囲し年代記とリーゼロッテの身柄の引渡しを要求する。
母の形見は渡せないと拒否する英次に、エーミールは期限を30分と区切り、実力行使も辞さないことを通告する。
平行線の事態にリーゼロッテは一計を案じ、自身と英次の婚約をエーミールに伝える。
年代記の所有がリーゼロッテにも移ったことを確認したエーミールは兵を引き上げさせ、英次に妹の世話を託し、神前の身内でもある女従のドナースタークをリーゼロッテの元に置いて立ち去った。
しかし一部始終を店の外から見ていた郁乃に、リーゼロッテとの婚約を否定できなかった英次は手痛い一発を貰ってしまう。
英次の家の同居人となったリーゼはさっそく、家の三階を改装して住み着いてしまう。
そして翌日、やはり英次のクラスに転校生が転入してくる。英次をめぐってリーゼと郁乃の騒がしい日々が始まるのだった。
昼休み、リーゼと同じく学園に転入したエーミールに、英次は中庭に呼び出される。血縁上従兄弟であり、義理の兄弟になる以上は仲違いを避けたいという願いを伝えられ英次は当惑するが、とにもかくにも今回の事情について尋ねる。
エーミール自身としては、年代記に特別な力が宿るなどとは眉唾な話ではあるが、皇太子としての立場がある以上は父の命令を正面から無視することはできなかったのだと告げられる。
そこにリーゼが現れ、妹の姿を認めたエーミールは退散する。
その夜、英次はかなたにしばらくの間家に泊まってくれるよう頼み込む。恋人関係と偽ってこれ以上リーゼとの関係を深みに入らせない為だったが、簡単に事情を見抜かれてしまう。
翌日、リーゼは郁乃の喫茶店を訪れる。
話をつける為に二人は白佯堂の屋上へ場所を移す。英次が自分を婚約者として受け入れられないのは郁乃に義理立てしているからであり、郁乃に英次との関係を絶つようリーゼは迫る。
郁乃はこれまでの擬似家族関係が二人にとって正しいものではなく、リーゼが現れたことによって二人がようやく普通の男女の関係に立っていることに気づきながらも、それを断る。
二人は穏便な解決方法としてラーメン屋での早食いに挑むが、リーゼの圧勝に終わる。
その後失意の郁乃を追いかける英次だが、郁乃にはやはり拒否されてしまう。
翌日街角でエーミールに会った英次は年代記の中身について言及される。
リーゼは本の伝説を信じて疑っておらず、生き方そのものも皇族たらんとして国家に奉じようとする意思が硬直しすぎている。その危うい生き方を、落丁した年代記の事実を知ることによって改めてやってほしいと頼まれる。
エーミール自身のことは胡乱と思いながらも、その言葉には共感した英次は、リーゼに年代記について打ち明けることを決心する。
しかし年代記の中身に歴史が記されておらず、郁乃に日記帳にされていたことを知ったリーゼは卒倒してしまう。
夜店を抜け出し海で今後のことについて考えるリーゼに、英次は皇族の重責に囚われないように諭す。その生き方しか知らず、それが今でも正しいことだと確信しているというリーゼ。
英次はそんな彼女に、親から重いものを受け継いだ自分とそっくりだと言い、その生き方を捨てるのではなく優先順位をほんの少し自分の側にずらすことから始めるよう促す。
それに何かを感じ入るリーゼだが、英次はそこで風邪に倒れてしまう。
英次の容態を心配して窓から部屋に入る郁乃だが、そこをリーゼに見つかり屋上に連れ出されてしまう。リーゼは英次に対して抱く愛情が本物であることを明かし、その邪魔になる郁乃に街を出るよう告げる。
郁乃もここになりようやく、英次への恋心を認め、二人は対決する。
しかしその二人を神前が阻む。後ろからはかなたと四織、ドナースタークも現れる。
神前はそこでガラスケースに収められていたはずの年代記を取り出す。その瞬間屋上は眩い光に溢れる。
いつもの夢の世界。英次はそこにいた。そこに突如現れる6人の女性陣。
ここがヴィッターハイムの国立劇場だというリーゼの言葉に驚く一行に、ここは年代記の力によって作られた世界であると神前は明かす。
そしてかつて年代記を日記帳代わりにしていた郁乃が書いていた、英次のお嫁さんになって一緒に白佯堂を続けたい、という願いによって現在の家の事情があることが明かされる。
自分がドナースタークと共に年代記によって生み出された、本の導き手であるという神前。彼女は、現在の年代記の所有者である英次の意思に従い、未来を改変するという。ドナースタークはこの先歩む女性を選ぶことと同義だと告げ、英次はその未来を選択する。
<個別>
堀川 四織(妹)
郁乃とリーゼの、英次を巡って牽制が繰り返される毎日。一向に行動を起こそうとしない英次に神前は、郁乃かリーゼのどちらかを早く選ぶよう促す。二人を選べない英次に、四織でもいいのではないかと神前は提案する。
妹など選択に入れられるはずがないと当惑する英次。だが普通の兄妹としては愛情表現にいきすぎの感があり、案外正解ではないかと神前は冗談ともつかないことを勧める。
それに衝撃を受けた英次は、四織との距離を取り始める。
しかしあからさまに態度が変わった兄に、四織は不安を抱き始める。英次が隠し事をしていると思い、郁乃とリーゼの他に彼女ができたのではないかと早合点してしまう。本当のことなど到底言えない英次に、痺れを切らした四織は家を飛び出す。
四織を追いかけた英次は誤解であることを説明し、四織のことが大切なだけだと諭す。
翌日は反動かお互いに極端に甘くなる兄妹。周りから訝しがられるが、これまで余り構ってやれなかったので今日くらいは、と英次は周りを納得させる。
放課後、再び神前に四織との件を勧められるが、間が悪くそれを四織に聞かれてしまう。
姉のように慕う郁乃との関係に悩んだ四織はその夜、知恵熱で倒れてしまう。看病をする英次に初めて男性を意識した四織。風呂に向かった兄を追いかけ、一緒に入るばかりかその性欲の処理まで行おうとする。それをたしなめるべきの英次はあろうことか妹の行為に流されてしまう。
一線は越えなかったものの英次は、再び四織と距離を取る。以前とは違いめげない四織は週末に皆で海に行くことを提案する。
クラゲに刺されたと誤魔化した四織は、英次をシャワー室に連れ込む。英次はそれを拒めず再び流されてしまう。
家や学校でも気が休まらない英次だが、夜部屋で自慰にふける四織を見てしまう。迷うものの部屋を去らなかった時点でいつかはそうなっていただろう、英次はついに四織の初めてを奪ってしまう。
その夜、年代記の世界に飛ばされる英次。神前はもはや言い訳を取り繕っても仕方ないことを指摘し、兄と妹が結ばれても咎められないよう、年代記の力によって世界を改変する。
翌日、堀川兄妹は学園公認のカップルとなっていた。
昨日までとは変わった世界で、改めて四織への愛情を確認した英次。
英次はリーゼから渡されたヴィッターハイムの二対の指輪を、四織と交換しその薬指にはめる。
だが妹と恋人にはなれても、結婚まではそうはいかなかった。
四織は法律の本を片端から調べていくが、それが無理だと知るだけに終わる。英次はふさぎ込む四織を見て神前を頼る。
年代記に願いを託す英次。
次の日の世界は世界中の全ての女性が英次の妹となっていた。
一年後、四織は世界中の妹を全て説き伏せ、晴れて英次との結婚式に望む。
神前先輩(三年・クロニコンの綴り手)
あれから一週間余り。
英次は店の仕事もあり、誰に年代記の力を使うのか決めあぐねていた。それ幸いとその忙しさにかまけていると神前は指摘し、英次がいずれかと結ばれなければ年代記の所有権も移らないままと告げる。
そして神前は唐突に、相手が決められないのならば自分でも構わないと自薦する。
翌日の学園で、昼食に屋上まで連れ出した神前は、郁乃とリーゼに本気になってもらう為にも、しばらくの間英次の彼女役になることを申し出る。
その後、神前は英次の家まで越してくる。その奇想天外の行動に、白佯堂の雰囲気がまた一つとげとげしいものに悪化してゆく。
直接店に留まるようになった神前は、代わり映えのない古書店は致命的だとして棚の品揃えを変化させるよう英次に提言する。
にわかに人の出入りに活気が出てきた白佯堂。英次は自身も店舗の改善に精を出しながら、その切欠を作った神前に惹かれていく。
学園の屋上での席、英次は神前に惹かれていることを打ち明ける。しかし彼女は郁乃かリーゼのいずれかとの交際が元々の前提であるとしてそれを断る。
その後神前から距離を置かれるようになった英次。
そんな状況を見て取ったかなたは四織の協力の下、英次と神前を別個に説得した上で皆で海に行くことを提案する。
どこか浮かない様子の神前だが、英次に対してこれが最後と言いつつ初体験を捧げてしまう。
翌日から機嫌を損ねたような神前は、二人の関係を知ったドナースタークがその旨をリーゼに伝えようとしたところ強く制する。しかしドナースタークは、それでは元々が郁乃あるいはリーゼの為だったはずの行動に矛盾していると反論する。
その正論に神前は、まだ英次にその準備が整っていないと苦しくかわす。その様子に英次は、神前になにかしらの変心を感じ取るのだった。
喫茶店を訪れた英次は芳乃に神前とのことを相談するが、どのようにするにせよ筋を通すべき女性が二人いるはずと芳乃は釘を刺す。
家での食事の席で英次は、身内で行く週末の花火大会に神前を誘う。だが神前は自分一人でなく、皆の中になぜ自分を含めようとするのか。それは独りよがりであって優しさではないことを指摘し、自分に愛情はないと言った上で断る。
その会話を聞いていた郁乃に、英次は店の屋上に呼び出される。英次の心情を慮って背を押す郁乃。英次は彼女に詫びた上で、神前と向き合うことを決心する。
それを下の階で聞いていたリーゼもまた、英次との婚約を解消した上で励ます。
翌日英次は校内放送を乗っ取った上で、神前に告白し花火大会での返事を待つ。
会場に現れた神前に英次は改めて、ずっと一緒にいたいと告げる。その言葉に神前はついに折れる。
帰り道、ドナースタークに同じ導き手としてその選択を反対されるが、神前は二人が決めたことは曲げないと告げる。
恋人としての生活を始めた二人。神前の名前を含めて全てを知りたいと頼む英次に、神前は年代記を起動させ、英次の父と共にヴィッターハイムを離れ日本にたどり着いた経緯を見せる。
願いを叶える神器に頼らずとも、本来人間には未来を切り開き自ら望みを掴み取る力があるという英次の父の言葉に、かつては疑問を抱いた神前。だが今は英次を見て自分もそう思えると彼女は語る。
時を経て神前は身体の調子を少しずつ持ち崩していく。
年代記の導き手は自らにその力を使えば本にその存在を消されてしまうことを、英次はドナースタークから伝え聞く。エーミールにも年代記に関する文献を借り受け奔走する英次だが、解決の手は見つからずついにその最期を看取る瞬間が訪れる。
英次は自らの手で年代記を起動させ、その世界で神前と別れを告げる機会を得る。
神前は英次とドナースタークの二人だけは、彼女に関しての記憶が抜け落ちず、それが意味することを詫びる。
これで二人が終わることに納得できない英次に、神前は自分のことを忘れないでほしいと告げる。そして、再会を約束した神前は静かに消えてゆく。
あれから数年。学園を卒業した英次は白佯堂の経営に追われていた。ドナースタークはリーゼと共にヴィッターハイムへ、四織は大学に行ってしまい人手が足りず、アルバイトを雇おうか店のカウンターで悩む英次。
その英次の前に本が差し出される。それを置いた少女にいつかの面影を見る英次。
英次は彼女から、ついにその愛しい名前を伝えられるのだった。
高辻郁乃(幼馴染・クラスメイト)
それから数日。
奇妙な五人の同居生活は変わりなく続いていた。
しかしある日、英次が古本の仕入れから夜遅くに帰宅すると、なぜ連絡の一つもよこさないのかと郁乃に激高されてしまう。
その豹変に英次も最初こそは戸惑い郁乃をたしなめようとするも、郁乃が自らの作った料理を捨てるに至って激怒し、へそを曲げてしまう。一方のリーゼはといえば、男が家族を養う為に仕事で遅くなるのは当たり前のことだと、英次を擁護する。
お互いの避けあいが続くある日、郁乃はエーミールに結婚を申し込まれる。かつての徹生はヴィッターハイムの伯爵であり、郁乃は花嫁候補でもあった。
エーミールは郁乃を週末デートに誘う。英次はかなたと共に二人の後をつけるが、意外にも楽しげな二人を見て苛立ちを募らせる。
外出を楽しんだ後、二人はエーミールの滞在するホテルに向かう。それを見た英次は狼狽するが、かなたに諭されようやく自分の本音と向き合うことを決める。
二人の後を追う英次だったが、エレベータの先で護衛の黒服たちに追い返されてしまう。
帰宅した郁乃の部屋に向かい、そこで彼女の着替えに遭遇してしまう英次。その後デートのことを尋ねる英次だが、考えているようなことはなくエーミールと英次とはやはり違ったことを告げられる。
安堵する英次に郁乃は自分の裸を見てどう感じたかを尋ね、それを褒められた郁乃は場の空気もあり初めて性的な触れ合いに及ぶ。
翌日仲直りした二人を見たかなたと神前の計らいにより、英次と郁乃は家で二人きりの時間を過ごす。その機会を得て、二人はようやく初体験を果たすことができた。
リーゼとエーミールには話さないまま、二人の付き合いを郁乃の両親に報告しようとした英次だが、意に反して徹生には反対される。
誰かに隠した付き合いなど立派な恋人関係などではなく、筋を通して覚悟を示すよう徹生は命じる。英次が出た後の店で、徹生の背後からはリーゼが現れる。
リーゼと話し合いの場を求める英次だが、それをことごとく避けられてしまう。追いかける英次のその姿を、理由をわかりながらも郁乃は相手が相手ゆえなお不安に思う。
腹を割って話し合う機会を得た英次。かつての父と同じように人の手に余る年代記を封じ、その贋作を公国へ持ち帰ってほしいと、英次はリーゼに頼む。だがそれはヴィッターハイムの王女としては受け入れがたいことだった。
頑として拒絶するリーゼに、英次はその為ならどんなことでもすると告げる。するとリーゼは英次に寄りかかりながら、結婚してほしいとそれのみをこいねがう。
それだけは受け入れられないと断る英次だが、その場を郁乃に見られてしまう。
それを追い公園にいた郁乃に、英次は以前から用意していた銀の婚約指輪を差し出す。驚く郁乃に英次はプロポーズをし、そして郁乃は涙ぐみながらもそれを受け入れる。
時は流れ、リーゼとエーミールが帰国する日がやってきた。
年代記はヴァチカンの書庫へ厳重に封印されることとなり、英次の父と徹生がかつての後始末をつけるべく。まずはリーゼとエーミールが、その手はずを整える為の一時帰国だった。
二人を見送った英次はその足で病院へ向かう。
出産まで二ヶ月を切った郁乃を隣に抱き、英次はようやく掴んだ幸せを噛み締めるのだった。
リーゼロッテ・ヴィッターハイム(幼馴染・従姉妹・ヴィッターハイム大公第二子)
年代記の世界から戻って数日後。
リーゼはドナースタークから助言を得ながら、英次への接触を図っていた。しかしいざことに及ぼうとすると肝心なところで尻込みしてしまい、また英次も積極的には手を出してこない。
ドナースタークは現時点での性的な接触はお互いに時期尚早として、郁乃の手前、ある程度時間をかけていくことを決める。
リーゼは店の仕事を手伝おうとするが、そのたび英次に避けられてしまう。その行動に不安を持ったリーゼは、出かける英次を尾行するよう四織に頼む。
ファミレスでかなたと会った英次は、リーゼが神前やかなたの取り巻きからやっかみを受けていることを知らされる。彼女がいい意味でも悪い意味でも目立ちすぎる為だが、英次はかなたにそれを押さえ込むよう頼んで別れる。
それをドナースタークに報告する四織。しかしドナースタークは英次とかなたの会話の内容を、郁乃についての恋話にすり替える。
しかしドナースタークの思惑通りにはならず、リーゼは落ち込んだまま行動を起こそうとはしなかった。ドナースタークは直接行動を起こし、薬で眠らせたリーゼに催眠暗示をかける。意識のないまま、リーゼは英次に胸で奉仕してしまう。
翌日かなたに、リーゼの机に中傷の落書きがされていたことを知らされる英次。
その朝清掃委員の仕事でいつもより早く家を出た郁乃のことが頭に浮かびながらもそれを否定したい英次は、病的なまでに存在感のない友人の建城に机の監視を頼む。
翌日まで犯人は現れなかったが、移動教室中にクラスが無人になることに気づいた英次は、酷く落書きされた机を目にする。そこに郁乃が現れ、陰湿な嫌がらせに憤慨した彼女は落書きを消して立ち去る。
ここ数日沈んだ様子のリーゼに英次は、郁乃は犯人ではないことを告げるが、リーゼは嫌がらせの件に関しては何も知らず、逆に説明を求める。事情を知ったリーゼは、故国では味わえない体験だと気にするそぶりを見せなかった。
そして元気がなかった理由を尋ねられたリーゼは、前々からのエーミールの頼みで政治パーティーへ参加しなければならないことを漏らす。その様子を心配した英次はリーゼに同行することを申し出る。
その席で英次は自分の立場を改めて婚約者として周りに表明し、その帰りにリーゼのことが好きだと告げる。そしてついに二人は結ばれる。
翌日朝の教室で英次はかなたに呼び出され、屋上へ向かう。そこで件の犯人がエーミールつきの黒服であったことを知る。
公国の皇統たるリーゼが日本人と結婚することをよしとせず、嫌がらせをでっち上げれば日本に失望して帰国するだろうという算段だった。しかしパーティーでのリーゼの表情を見て、それが間違いであったことを彼は悟る。
リーゼは自らのその行動が国益に100%適うものではないことを自覚し、そんな彼にあえて罰は与えず帰国させるに留める。
気分転換に海へと出かける二人。休日を満喫した二人が家に帰ると、数日前よりドナースタークに家事を教えていた郁乃が彼女に料理を作らせていた。その味を認めた郁乃は、堀川の家をドナースタークに任せる。
事情を飲み込めない英次の前で、郁乃はラーメン大食いの再戦をリーゼに申し込む。そのどちらも、彼女なりのけじめだった。
甘党なリーゼに対して激辛ラーメンを注文することで勝利した郁乃は、英次と共に海に向かう。
リーゼと付き合っていることに気づいていたという郁乃の言葉に、英次はようやく全てを悟る。
一言二言の短い会話の中に万感を託して二人は別れる。すでに全ては決していたのだった。
恋人としてお互いを支えあう生活が始まる中唐突に、ヴィッターハイムに大規模な地震が起きたというニュースが飛び込んでくる。
エーミールは状況が変わったことを理由に年代記の即時返還を英次に求める。しかしそこに徹生が現れ、現地に確認を取った上でそのニュースが捏造であることを知らせる。
真意を測りかね問いただす二人に、エーミールはニュースを聞いた時の動揺ぶりを挙げ、リーゼが姫としての立場を捨てられてはいないことを指摘する。その有様では将来相反する二つの意識に押し潰されるのは明白だとして、ならば姫としての責務こそを全うすべきだと主張する。
反論も肯定もできないリーゼに半ば失望したようなエーミールは、ドナースタークに命じ年代記を起動させる。
年代記によって記憶を操作された一同は、リーゼのいない生活を普段としていた。しかしところどころに覚える違和感。
そんな中英次は、本の中に挟まっていた自分とリーゼが同じくする写真を見つける。全てを思い出した英次は、リーゼを奪い返しにいくことを神前に告げる。クロニコンの綴り手たる彼女は、英次の側につくことを選択し一同の記憶を引き戻す。
ホテル一階で徹生が囮となり、郁乃とかなたが足止めをすることで、英次はリーゼの元にたどり着く。
しかしエーミールがそこに駆けつけ、二人を年代記の世界へと飛ばしてしまう。
そこで妹への秘められた想いを吐露する兄。エーミールがリーゼに肉親の愛情を超えたものを抱いていることを察し、英次は彼が決して引き下がらないことを知る。
そして、世界の中心で英次とエーミールの一対一の決闘が幕を開ける。
エーミールの剣に圧倒される英次。出血が危険なまでに達し手当てを求めるリーゼに、殺す気まではないエーミールはそれを許す。
二人の子供の頃の思い出にある、スイートピーの花言葉を告げられたリーゼはついに記憶を取り戻し、英次と共にゆくことを兄に告げる。
その言葉を糧に、英次は捨て身の一撃をエーミールの喉元に突き入れた。
リーゼのことを英次に託し年代記を封印したエーミールは本国に帰還する。
その義兄の尽力によって正式にヴィッターハイム公家に迎えられた英次は、晴れてリーゼとの結婚が認められる。
白佯堂の主人として変哲のない日々を送る英次。その隣には二人の結晶を宿した妻が寄り添っていた。
塩小路かなた(幼馴染・三年・男の娘)
日に日に酷くなる郁乃とリーゼの争いに、英次は二人と自分の間に第三者を一人挟むことを考え、その役目をかなたに頼む。
英次の家に泊まりこむことになったかなた。女ばかりの生活で溜まっているであろう英次の性欲処理をかってでる。かなた相手にさすがの英次も尻込みするが、不思議と拒絶することはできなかった。
ある日友人に絡んできた不良を独りで撃退するかなた。だが、その不良が徒党を組んで学園に乗り込んでくる。
英次は友人の靖峰と建城と共に、かなたに加勢して不良たちをのしてしまう。その際かなたをかばった英次は軽い怪我を負ってしまい、かなたに負い目を抱かせる。
かなたは礼の意味も多分に含め、英次の愛人でもいいので自分を傍に置いてほしいと懇願する。それを受け入れてしまった英次は、かなたの初めてを奪ってしまう。
なかなか相手を決めない英次に、神前は最近のかなたとの関係を指して言及する。相手が男ということで表面的には渋る英次。
神前はかなたの側にも反応をうかがう。郁乃との関係に悩むかなたは、周囲へ英次に対しての明確な立ち位置を明かせないでいた。
そんな中、取り巻きの一人の女子からかなたは告白を受ける。内心の葛藤から答えられないかなたに代わり、英次はかなたのことが好きだと告げその手を引き屋上を後にする。
お互いを気持ちを確かめ合った二人を前に、神前は年代記のスクリプトを実行する。
正式な恋人関係となった二人だが数日後、学園の生徒たち、特にかなたの元取り巻きたちから冷ややかな視線を英次は向けられていた。
当初はなりゆきを静観していた郁乃とリーゼもここに至って共闘し、郁乃はかなたに果し合いを申し込む。
お互いの納得のいくまで戦った二人。郁乃はかなたのことを認め、二人の付き合いを皆が公認することを求める。
家に戻った一同だが、そこでかなたが唐突に体調を崩す。ドナースタークが診断するが、なんとかなたに妊娠の兆候が見られるという。
一同が驚きに包まれる中で神前は、年代記の力を使った際、英次がかなたとの結婚生活を思い描いたことが原因ではないかと推測する。
かなたを病院に連れて行こうとする英次だが、そこへエーミールが突如現れる。
エーミールは英次をヴィッターハイム公族に再び迎え、そしてかなたに対して最高の医療を提供することを約束する。
出産を間近に控えたかなたは、自身の家が男の娘を輩出してきた家系であることを英次に明かす。
男と男の娘が結ばれるのは皆無というわけではなく、どこかの小村では綿々と受け継がれてきたことであり、自身の両親もその村の出身だという。
そんな両親にも結婚の許しを得た英次は、かなたと二人の子供とで幸せになることを誓うのだった。
<グラフィッカー情報・敬称略>
ryouzou、ねむ、白金リオ、ska3、青色
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